「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス](TVアニメ動画)」

総合得点
92.1
感想・評価
5048
棚に入れた
21453
ランキング
25
★★★★★ 4.3 (5048)
物語
4.4
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.3
キャラ
4.3

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おっさんがかっこいいアニメ

友人に勧められてこれを見たとき、度胆を抜かれました。
なんなんだこの世界観は!!
端的に言うと近未来SF刑事ものと言ったところでしょうか。

 笑い男事件という企業テロを基軸として、公安9課の課員の
活躍が描かれています。この世界では身体の一部を機械化することが
一般的になっており、それゆえに今では考えられないようなことが
平然と出来てしまいます。

 私は基本的に頭が悪いので、テストのシーズンを迎えるたびに
「ああ、脳みそとハードディスクを繋げたらいいのになぁ」
ってぼやいてましたが、この作品ではそれ以上のことが
日常茶飯事になっています。

 私が何より驚いたのは、この作品が2002年に作られたということ。
(劇場版は1995っていうからなお凄い)
ものすごい先見性の高さだなと思いました。
2002年と言うと
・WindowsはXPが出た頃でまだまだMEが主力だった時期。
・携帯電話はようやく写真が送付できるレベル。まだケータイではない。
・ガンダムはSEEDが放送されてました
・ネットもISDNからADSLに切り替わり始めた頃で、光って何ですか?
・FinalFantasy10で世界一ピュアなキス
といった時期ですよ。

 1話で世界観と公安9課の卓越性が描かれており、そこで作品の基礎
説明はほぼ完了。言葉で説明するのではなく、ストーリーの中で自然と
それがわかるようになっています。たとえば
・ゲイシャロボ…シンプルなサービス業はすでに人間が淘汰されている
・脳を簡単に交換できる世界であり、人間という生き物は
 脳(厳密には人格・魂?)の入れ物になっている
・光学明細が一般化され、透明人間になれる
・脳をオンライン化して、情報の即時共有が出来る
といった具合です。
今でこそペッパーが銀行で案内してたりしますが、2002年の時点で
これが明確にイメージ出来ていたのはすごいと思います。

 OPも2002のCGとしては凄まじいレベルで、「これ、アニメよね?」
って唖然としました。まだまだ水などの液体や髪の表現が難しかった
時代ですよね。

 音楽は菅野よう子さんです。本来私はノイジーな音楽をあまり
好まないのですが、この作品ではむしろ好感が持てました。

 正直絵柄はあまり好きではないのですが、それを補って余りある魅力が
今作にはあると思います。視聴者に媚びていない、ついて来れる奴だけ
ついてこい的な我の強さが良かったかと。決して万人受けはしないと
思いますが、はまる人はドハマりする作品だと思います。

 私の好きな登場人物は、主人公の素子も魅力的ですが、
サイトー、イシカワ、荒巻が好きだったりします。
おっさんがかっこいいです。

 戦闘シーンが多いのですが、アクロバティックな体術が迫力満点です。

好きなシーン
{netabare}
①荒巻「備えあれば何とやらさ」
 この年になって根回しがどれだけ大変かを理解して、この言葉が
 どれだけかっこいいかが身に染みます。この一言で荒巻に惚れました。

②荒巻「このままでは剣菱のマークの入った宣伝カーが最悪の
 デモンストレーションをすることになりますが、よろしいか!?」
 単なる正義感だけで怒鳴るだけではなく、相手の分かる言葉で
 説いているところが素晴らしいです。企業のトップは利害で判断します。
  この話、全体的に好きで、剣菱の社長も最後は目先の損失より社会の
 益を優先しましたし、戦車化した技術者も復讐が目的じゃなかった
 (と思われる)。人間臭いやり取りがなんとも言えませんでした。
 最後のバトーの「それは錯覚だ」と少佐を気遣うセリフもカッコいいですね。
 
③記者会見での笑い男介入
 やろうと思えば人の脳までハッキングすることが出来る。
 視覚も上書きできる。
 恐ろしい世界だと、怖気が走りました。

④電脳閉隔症の施設
 ネットに繋げないだけで異常に暴れたり、ネットを使っていないときは
 ただ延々と立っているだけ、鼻血を垂らしながらプログラムを延々と
 組み続けるなど、敢えて生理的に嫌悪感を感じる描写に徹底してました。
 すごいです。世界はあんな風になっていくんでしょうか?
 
⑤イギリスでの大人なやりとり
 いつもの冷静沈着な荒巻が、珍しく素子に主導権を取られているのが
 ほほえましかったです。一言一言が粋です。
 でも決めるところは決めますね。
 「おまえたちは武器を提供しろ、わしは知恵を提供する」
 カッコよすぎです。

⑥タチコマの自己犠牲
 絶体絶命の戦闘シーンでの介入で、相変わらずのコミカルな口調が
 余計に痛ましさを倍増させてました。
 まさか清涼剤のタチコマがこんな泣かせてくれるとは。
 「みんな死を体験できたんだ…」が深すぎます。

{/netabare}

 ところで嫁が指摘してたのですが、素子はなんであんな際どい
恰好してるんでしょうか?ジャンパーにハイレグって…普通にいたら
捕まりますよね?
 ぎ、義体だから恥ずかしくないもん!ってやつですか?

投稿 : 2016/03/13
閲覧 : 317
サンキュー:

28

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