あすは さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
サンライズ作品。どことなくガンダムSEEDっぽい雰囲気も漂うのは、絵柄のせいだけじゃない(^^;
登場人物が、すべてとても人間くさいです。息遣いを感じるくらい、必死で生きてる人々の思いを身近に感じます。キツい世界を生きていく人々の、汚いところ、恥ずかしいところも、きちんと描写しています。だからこそ、共感できます。
えっちな場面が多いのは当然、だって、人間にとってえっちって、それだけ重いものなんだから。「サービスシーン」などと斜にかまえて考えず、楽しむのが、作品への礼儀でしょう(まあそれにしちゃ毎度毎度ハダカになってましたがw)。
お話しは、若干がちゃがちゃしてるんですが、これはもちろん作り手は折込ずみでしょう。とにかくなんでもかんでもぶちこんでやろうという感じ。まあ、昔のスポーツ熱血ものパロには苦笑でしたが(^^;
とにかくアンジュが魅力的。アンジュを「自立した女性」なんてありふれた言い方で表現したくはないかな。自分を通すためなら、逸脱なんてまったく恐れない。というか、彼女は、こうしていくしかないんでしょう。
そんなアンジュの生き方を、これでもかと描写していきます。まさにアンジュのための作品。彼女の激しい行動と言葉に、心が震えます。見ている自分たちには、絶対こんな生き方はできないから。
この作品は、男女のジェンダーをそっくり反転したみたいな印象があります(女が男っぽくなるってことじゃないよ)。前半は、男ばかりの戦争映画の、男を女に変換したみたいな感じ。女だから陰湿ないじめがあるなんてことは言いませんよ、男だって陰湿ないじめをする人はいますからね(^^; こういうのって、性別の問題でなく、個人の性格の問題。
だから、このアニメのヒロインは、タスクですねw タスクは待つ側だから。
ヒルダの告白にキスで返すアンジュは、ほんとにすてきです。三角関係の修羅場になる気配など一切ないのは、アンジュの人間の大きさゆえでしょうかね(^^; アンジュなら、相手が異性でも同性でも、「何がいけないの?」って受け入れちゃうんじゃないでしょうか。
最近きちんと完結するアニメってほんと少ないですよね。こういうちゃんと「最終回」を迎えるアニメを見ると、ほんとそう思う。
ラノベ系、マンガ系は原作が終わってないことが多いからそもそも完結できないし、きちんと最後まで作られることもほとんどない。投げっぱなし。これは、見ている人に対しての不誠実だと思う(もちろん作りたくてもできないのだろうってことは分かるので、こういう風潮に対する言葉です)。アニメのシャナがきちんと完結したときは、感動したもんなぁ。
オリジナルでも、あとに続かせる余地を残そうとするためか、何だか変な終わり方をしたり、フェードアウトさせることがすごく多い気がする。。。
余韻を残すのもひとつの方法だとは思うけど、そればっかしだと、またかよって思っちゃう。
その作品世界をきちんと終わらせる、落とし前をつけるというのは、とても大事なことだと思います。。。