「甲鉄城のカバネリ(TVアニメ動画)」

総合得点
87.4
感想・評価
2064
棚に入れた
9998
ランキング
149
★★★★☆ 3.8 (2064)
物語
3.5
作画
4.1
声優
3.6
音楽
3.9
キャラ
3.6

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

和風スチームパンクで進撃のゾンビ!圧巻の力作でしたが、内ゲバ多く竜頭蛇尾が惜しい

ノイタミナ枠のオリジナルアニメ全12話。
日本っぽい時代劇+スチームパンク(蒸気機関主役のSF)でゾンビと死闘繰り広げる!
圧倒的な世界観とアクションと無名ちゃん可愛く序盤は名作級なのですが、1クールでは後半イマイチでした。
それでも魅力的な見所は多いです。(主に無名ちゃんだけど)

{netabare}『物語』
序盤(特に第1話)は名作アニメ映画に匹敵するインパクトあり、「カバネ」というゾンビの脅威(不死身!強い!噛まれるとカバネ化する!多い…絶望的!)の中で、時代劇っぽい風俗でスチームパンクなテクノロジー使用する、世界観の魅力に一気に引き込まれます。

ドラマの軸は、主人公の生駒とヒロインの無名が、人でありながらカバネの力を持つ「カバネリ」として生き抜く苦悩や意志。
カバネ化の恐怖は1話で存分に見せつけられているので、強大な力を引き換えに人間から排斥されたり、不安に押しつぶされそうになるのは必然…
スチームパンク&ゾンビバトルの迫力も圧巻ながら、人間同士のドラマに重きを置いている感じ。
…カバネリの境遇は「武装錬金」の武藤カズキを彷彿としましたが、葛藤劇はやや物足りなかったです。

3話辺りから、早くも人類同士の内ゲバ展開になっていくのは、序盤の熱意がやや冷める。
まあ、気持ち的には当然の流れで避けては通れないのは分かる。
ここから紆余曲折で次第に生駒と無名が信頼得ていくのは良かったです。
モブも含めて「強弱関係なく、共に生きよう」というメッセージが一貫して描かれるのは好印象。
一方で、バトル面の緊迫感はやや薄れていく。
巨大カバネリなど脅威度は跳ね上がっているハズなんですが…
生駒疑われて一枚岩ではない→侵入許してピンチ
どうも展開がワンパターンなんですよねぇ。
多少ご都合主義でも、さっさと団結して、知恵を絞ってギリギリの攻防見たかった。

7話、生駒と無名ちゃんの交流エピソードが良かった。
同じ境遇同士共に戦い生き抜き、生駒は無名に強さを学び、無名は生駒からそれだけではない生きる大切さを知る。
「皆がご飯いっぱい食べられたらいい」
無名ちゃんの可愛さ満点な上に、本当に大切な生き抜く事の尊さが垣間見れる良シーンでした。

…7話までは中々良かった本作ですが、8話以降、無名が「兄(あに)さま」と慕う美馬の台頭で、微妙に…。
「強くなければ無価値」まあ分かります。
野望も大いに結構。
でも。カバネそっちのけで駆け足で内ゲバされてもなぁ…
美馬に生き方を揺さぶられる生駒の逆境→逆転劇の渦中での、無名ちゃんの成長は萌えました。

残り6話でこの世界の統治システム(将軍がいるらしい)とか、美馬の野望とか、明らかに尺が足りない。
序盤の「カバネによる絶望的脅威にスチームパンクで立ち向かえ!」なハラハラ感から、美馬という底の浅いサイコパスに内ゲバで逆境強いられる展開にイライラかつ、スケールダウンしてしまった感。
折角の和風スチームパンクの魅力も、ビーム兵器っぽいモノとか、超人異能バトル過ぎて何でもアリ感で台無し。

あと、せっかくのスチームパンク&ロードムービー、都市ごと旅をしながらバトルする醍醐味が、序盤以外は(あにさま以外でも)内ゲバに費やされていたのも勿体ない。
「オーバーマンキングゲイナー」並みのポテンシャルもあり得たろうに。
…ここら辺は菖蒲(あやめ)様にもっと指導力があればなぁ。アナ・メダイユ姫みたいな。

総じて…兄さまが要らなかったです。
(前半も含めて)内ゲバ多過ぎる。
スチームパンクでゾンビバトルは素晴らしかったものの、1クールなら徹頭徹尾、顕金駅単位で一丸となって脅威に立ち向かって欲しかった。
…描きたかったのはあくまで「生駒と無名の生き様」なのは分かるけれども、折角の大スケール世界観なのですし。
物語評価は迷うところ。
1話に限れば5点満点、7話も良かったのですが、7話までで見ても佳作の域。
最終的な落としどころ、生駒と無名その他キャラの成長と絆は良かった点を好意的評価。


『作画』
「超時空要塞マクロス」の美樹本晴彦さんのキャラデザ良い、無名ちゃんは非常に可愛いです。
和風スチームパンクな世界観描写もアクションも素晴らしく、作画のみで魅せられる。
後半の演出がスチームパンク感崩れているのは残念。

『声優』
生駒の畠中祐さんは遊☆戯☆王ZEXALの九十九遊馬以来の主人公、白結晶と黒結晶…来るぞ生駒!
来栖の増田俊樹さんもZEXALの神代凌牙じゃないですか。
無名の好演を内田真礼さんに絶賛された、千本木彩花さん非常に良かったです。
「帰宅部活動記録」の九重クレアお嬢様の棒演技から2番目のヒロイン…なんという成長!
美馬の宮野真守さん上手すぎてイラッときます…

『音楽』
主題歌は良曲かも知れないけれど、やや好みに合わない。
BGMはかなり良かったような。


『キャラ』
無名ちゃんが可愛いに尽きる。12歳の美少女、戦闘マシーンだが食いしん坊や眠っちゃう等の無邪気さ。
人間性乏しい→主人公との交流でデレていく…かわいいです。

生駒は強い意志と脆い心の狭間で頑張っていた良主人公。
生きる意志に関わるかっこいいセリフ多し。
他男性陣の仲間に良キャラ多かった。

菖蒲様は指導者として分かり易く成長。健気なお姫様で可愛いんですが、あと一歩勢力を纏めてほしかった。

美馬あにさまは…
悪役としては王道だし、主張も野望も別に悪くは無いんですけど。
後半グダグダにした戦犯にして、無名ちゃんイジめたので嫌いです。{/netabare}

投稿 : 2017/01/28
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サンキュー:

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