「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(TVアニメ動画)」

総合得点
91.2
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ネタバレ

myutan さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ちょっぴりファンタジー要素も入った思春期の高校生の日常を描いた人間ドラマ(長文のネタばれ御免)

このサイトでも、google検索しても
感動したっていうコメが多いあの花。
チョ~楽しみにしながら全11話視聴感想文です。
小説は見てません。

(総評)
1回目よりストーリーの流れや登場人物の心情を少し理解
しながら見ることができた2回目以降の方が
感動が増した作品だったかなと思います。

物語は、
昔亡くなった幼なじみであったメンマが現世にあらわれて、
彼女の願いを叶えるためにに振り回される高校生の幼なじみたちの人間関係や心理描写を中心に描かれいてたと思います。
登場人物の行動やセリフの意味を想像しながら楽しめる方は
ある程度感動できるのかなと思いました。
その理由としては、
登場人物はセリフではあまり本音を出さず、
しぐさや口調から想像しないと理解できない心理描写もあったからです。
その上、最終話まで見ないと謎な部分があり、
最初の話を見たら全部見ないと話がつながりません。

ストーリー自体は複雑ではないんですが、
それを支えるリアルを意識した作画、演出等はすごかった気がします。
埼玉県秩父市をもとにした背景描写や
実際に存在するゲームや御菓子等の小物を使ったり。
爽やかなopで始まり、ちょっと切ないEDの音楽で終わるんですが、
特にEDの音楽であるZoneのsecret baseのカバーバージョンは個人的にお気にな曲であるため、感動しなさそうなシーンでも少し感動した雰囲気にさせてくれます。
あの花パッチンや賞状等けっこう何でもないシーンに色々と物語に関連し描写がされているので、それを探してその意味を考えるとまたあの花のおもしろさが増量するのかも。

もし、このアニメを楽しめたのであれば、
聖地巡礼したり、
せもぽぬめさんのクイズを楽しむの良いのかなと思います。

以下、物語やネタばれ個人妄想等々個人メモです。
他の方のレビューも参考にしてるので結構かぶってると思いますが、ご容赦を。
まだ一度も見てない方はアニメを見てからの方が良いと思います。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
(作品について)
個人的に好きな作品であるとらドラを担当した長井龍雪監督、脚本の安田麻里氏、作画は田中将賀氏が担当。

(あらすじ)
小学校の頃一緒に遊んだ友達6人で結成した超平和バスターズ。
友人の一人メンマが事故でなくなったことでいつのまにか解散。
その5年後の夏に亡くなったはずのメンマが主人公
じんたんの目の前に出現した時点から始まります。

(物語のテーマと個人的妄想)
わっちは幼馴染を亡くした経験はないので、
登場人物の感情は第三者的に想像しながら見てました。
ある程度心情描写セリフや絵で表現していますが、
最終シーンのようになんでそうなるんだぁと
考えなくてはポカーンと置いてけぼりになったこともしばしばでした。

ストーリーは全体を通してメンマのお願いに翻弄される登場人物が描かれています。
前半は、疎遠だった幼なじみの人間関係を描き、、
5話以降では、メンバーのメンマに対する罪悪感が少しずつ明らかにされていき、メンマを成仏させるためにに協力していく幼なじみが描かれていたと思います。
簡単に言うと、幼なじみの友情復活とめんまのお願いを叶えてお別れするストーリーでしょうか。

物語のテーマは2つ。
☆メンマぁ、なぜこの世に戻ってきたんだぁ(・ε・?
メンマが「あの日(亡くなった日)」に叶えられなかったお願いを叶えるためなんですよね。
とはいえ、最初はメンマも理由をよくわかっておらず(もしかすると知ってたかも)、じんたんや他のメンバーはメンマのお願いに振り回されることに。。。


☆過去に縛られるメンバーの感情の決別に向けて
メンマのお願いは、じんたんの涙。
ただ、メンマの本当のお願いがじんたんの涙であるならば、
みんな集まらなくても良かったのでは。。。
って最初思ってたんですが。。。

でも、あの花で描きたかったのは、
メンバー全員が「あの日」亡くなったメンマに抱いている罪悪感との決別。
そんなストーリーを幼なじみがメンマのお願いを叶えようとする過程で実現するんですよね。

そのために、超平和バスターズを再結成するという方向にストーリーは展開していきます。
メンマの直接のお願いではないのですが、
メンマの求めていたものの一つだと思われます。
それが後で述べるメンマの存在証明の話でのメンマの決意や、最終話で、メンマがみんなともっと遊びたかった
という言葉で出ているのかもしれません。
最終話の「超平和バスターズ『はずっとなかよし』」って掘ったのメンマかも。

でも、最初はそう簡単にメンバーが協力するわけがありません。
前提として知っておく必要があるのは、
5年前に超平和バスターズが解散してから、
超平和バスターズメンバー一人一人がメンマが亡くなったのは自分の責任だと思っていること。
そして、メンバー全員が仲良しこよしではないということ。

前半のシーンでは、
幼なじみ同士の人間関係描かれてましたが、
じんたんとゆきあつ、じんたんと安城、つること安城は仲良くなかったですよ。
人間誰にでもある(と思ってますが)嫉妬、憎しみ、プライド、愛情の裏返しである反発等が絡み合ってました。
そんな微妙な関係で昔の幼なじみが集まって協力するなんて普通ならありえません。

そこで、ポッポが他のメンバーの人間関係をつなげていくんですよね。
ポッポは、
見えないメンマがいると信じらてしまうような、
ちょっと抜けた感じですが、いつも明るく前向きな
メンバーに好かれる青少年設定。
メンマには罪悪感を感じているために、
メンバーをバーベキュー誘ったり、
メンマの両親に会おうって誘ったりすることで、
メンマのお願いを叶えようと一生懸命。
メンバー全員の協力を得られる唯一のキャラでした。
そりゃぁ、ポッポ良いやつだってなりますよね。

そして、メンマの存在を信じられない
メンバーが半信半疑でメンマのお願いをかなえることに協力しながら、メンバーが持ってるメンマへの罪悪感が次第に明らかにされていきます。
ゆきあつが女装しながら森の中を疾走する姿は痛いんですが、メンマへの愛情と罪悪感を抱き続けることは十分伝わってたと思います。

☆☆めんまの存在証明
8話で平和バスターズメンバー解散の危機に。
メンバーはメンマの存在を信じきれないために、
お願い叶えるのをやめようってことになるんですよね。
それを知ったメンマが、
初めてメンバーの前で日記帳に字を書いたりして存在を明らかにします。
じゃぁ最初からそうしろぉ、って意見があるのもわかります。
そしたら、メンバーが無駄に疑うシーンを描かなくて済むと思いますし。
ここは想像するしかないのかもしれませんが、
他の方のレビューを参考にすると、
①制作者側の意図と②メンマの成仏決意があるのかなぁと思われます。
①序盤はあの花登場人物の日常の人間関係やメンマへの罪悪感をを描写したいがために、メンマという非日常設定な存在を敢えてみんなの前に登場させなかったのかもという意見。
もし、最初の方にメンマが登場してしまうと、
メンバー全員がメンマのことを意識して、メンマへの罪悪感を表現するのは難しかったのかも。
メンマがいるとわかってたら、ゆきあつはさすがに女装できなかったですしw
でも、それって制作者側の意図であって、ストーリーとは関係ないですね。。。
②もう一つは、メンマの優しさと現世にいたいことを表現したかった説
めんまは自分の姿がじんたん以外に見えないので、
あえて他のメンバーを動揺させないためにも存在証明はしなかった。それに、メンマが姿をあらわさなくても、超平和バスターズはけんかしながらも仲良くしてるように見えたんですよね。本人はそれを見てるだけでよかった。このまま姿を現してみんなの協力を得て、もし願いが叶ったら成仏してしまうのは嫌だったのかも。でも、自分のお願いのおかげで、超平和バスターズメンバーが仲違いし始めたので、自分が消えてでも仲直りしてほしいという風に決意したのかもしれません。
②の方がすっきりするのかなと。

そして最終話で突然の本音暴露大会。
10話で、メンマの本当のお願いを叶えたつもりだったのに。。。
メンマはまだこの世にいるんですよね。
メンバー一人一人メンマへの嫉妬等本当の気持ちを打ち明け、
メンバーのエゴでメンマが成仏することなんかできないと気づき、
もう一度協力してメンバーが心一つになって、
本当の意味での超平和バスターズ結成となります。

☆☆かくれんぼうへ。
超平和バスターズが結成かと思われた瞬間、
もうメンマのお願いが叶っていたために
じんたんにも見えなくなってしまったメンマ。
そこで、メンマはじんたんを心配させないためにかくれんぼうという手段に。
メンマらしいとっさに考えた発想なんだろうと。

最後に、メンマの気持ちを手紙で伝え、
(字体がかなり雑だったのはメンマが最後の残りの力を込めてという意味だったのかも)
メンマがメンバーの事なんから恨んでないとメンバーは知るんですよね。
そして、メンバーが「もういいかい」とメンマに問いかけることにより
「もう過去とは決別して新たな人生送っていいかい」という意味にも取れるようなやりとり。
そして、最後は、メンマが。。。

メンマは「あの日」にできなかったお別れを伝えることができ、
他のメンバーは、メンマが恨んでないことを知り、
メンバーがメンマへの罪悪感で縛られていた過去から決別でき、大団円。
まぁそんな簡単に過去を忘れるのは無理なのかもしれませんが。

最後はメンバーの涙の演技と音楽でゴリ押し気味でしたが、
感動してしまいました。
メンマが生まれ変わる決心をしたけど、
やっぱり現世に残ってみんなと遊びたいという言葉は切なくなりましたぁ。
メンマの感情表現や行動(笑い、泣き、怒ったり)はわかりやすいのですが、
現世への執着心はあまり見せていなかったような気がします。
じんたんが勝手にメンマのお母さんに会ったことに怒ったメンマがボッシュートしたり、
好きなじんたんの前でも、けっこうあっさり生まれ変わると言ったシーンにそれが出てたと思います。
ある意味それが、メンマが現世にこだわることでメンバーに心配をかけたくないというメンマらしい優しさだったのかなぁと。
それでも、やっぱり現世にいたかったという本当の気持ちをメンマが言ってくれたことで、友達との別れを悲しむメンマの気持ちが十分伝わってきて、わっちは感動してしまいました。

ストーリーを他のレビューを参照しながら、
個人的妄想しながら書いてみましたw

あとは、気になった描写や演出等をちらほらと。
☆じんたんの父の役割
じんたんに自主性を任せてたお父さん。
まぁ、そのためにじんたんの不登校やバイト等を正当化することにはなってるんですが。
でも、苦労してるんですね、じんたんのお父さん。
じんたんのお母さんが入院している時と
母が亡くなってじんたんとお墓参りに行くシーンの
髪の長さがぜんぜんちがぁ~う。
ひぇ~っていうぐらいはげてます。。。

☆リアル再現
埼玉県秩父市に実際存在する新秩父橋や定林寺。
実在するノケモン、ふかしパン、ガリガリくんとか。
他にもいっぱいありました。
ストーリーは実際誰も結ばれてない終わり方もある意味リアルっぽいのかなぁと。

☆話が重くならないようなコミカルなコネタ
8話のじんたんが泣いた後の突然の鼻血シーンや、
最終話での安生さんのまつげシーン。
爆笑ネタではないですが、泣きのシーンで少し重くなった雰囲気を
少しだけ明るくする岡田さんらしいちょっとした演出だったようです。

☆あの花
花火、勿忘草、牛乳瓶のシャクナゲ花等、花はいくつか出てます。
このサイトのレビューでも何人か述べてますが、
勿忘草がしっくりくるのかなと。
花言葉の「私を忘れないで」はメンマのことを忘れないでってことなんでしょうね。

☆音楽
爽やかなOPとで物語が始まり、
ちょっと切なくなってしまうED音楽は両方良かったです。
個人的にZoneの音楽は大好きだったんで、
それだけで感動倍増。
超平和バスターズの基地とsecret baseカケテるんですかね。
そしてZoneの曲が発売されてちょうど10年後にカバーされたとういうことで
歌詞の10年後の夏に出会えることを信じて~とほぼぴったりなんですね。
良曲は、どんどんこんな感じでリメークされてほしいなぁと思います。

☆う~ん
上記にあげたことと少しかぶりますが、
めんまが現世来たシーンがないぞぉ~、
なんでメンマがじんたんだけに見えるんだぁとか
なぜじんたんの存在証明が8話なんだぁ、
最後のかくれんぼうの意味はなんだぁとか
そんな簡単に過去のことを忘れられるのだろうか、
と色々突っ込みたくなるのかもしれませんが。
想像にお任せしますと言ったところなのでしょう。
自分で納得のいく理由を想像して見つけない限り
少し感動半減なんだろうなぁと個人的に思いました。
だからこそ一回視聴しただけだとわからない部分もけっこうあり、感動できなかったんだと思います。

(アニメを楽しんだ後は)
☆聖地巡礼と龍勢祭り
舞台は、埼玉県秩父市。
安城のアダナが埼玉新聞に載ったと聞いてビックリしましたが、
地元民に受け入れられるのかちょっち心配ですが、
ラキスタばりに地元の自治体もサポートしてるようです。
あのロケット花火も10月の龍勢祭りで見られるんですねぇ。
アニメの評判はどうあれ、地元経済に少しでも貢献してくれるならそれで良いのかなと思います。

☆せもぽぬめさんクイズに挑戦でぇす。
こんなに長文書いたのに、
ボッ、ボッシュートo(TωT )( TωT)o

(最後に)
ストーリー解釈に関しては中途半端でつながってない部分や、
個人的な妄想の部分もあります。
あの花のことをもっと知りたい方は自分の納得行く解釈を探してみてください。
登場人物のしぐさや口調から感情を想像してくださいってのが、制作者の意図だったとは思うんで、
解釈は人それぞれで良いのかと。
いやぁ最初はけっこう置いてけぼりでしたよ。

あとは、かなり細かい演出がたくさんあり拍手したいぐらいですが、
それが自分の感動につながったかと言うとそんなこともなかったと思います。
それは、私がストーリー重視なんだろうからと思います。

とはいえ、
高校生の心理描写はしっかりかかれており、
ストーリーも複雑ではないのに、
個人的には最終回に感動できたのは、
あの花制作者の演出のおかげだと思います。

他の方のレビューを参考にしながら書いたので
何も新しいことは書いてないのですが、
この場を借りて参考にさせていただいたレビューに御礼です。


Jan9.2012 1回目

投稿 : 2012/01/10
閲覧 : 390
サンキュー:

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