「クズの本懐(TVアニメ動画)」

総合得点
83.1
感想・評価
1024
棚に入れた
5252
ランキング
332
★★★★☆ 3.6 (1024)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

1話切り回避は懸命な判断、中盤はエンターテイメント的に観てて単純に面白かったが...

久々に1話視聴時に思ったことを、後に振り返って考えが変わるかも、
という理由からざっくりと書きとどめておこうかと。

もしかすると、というか途中で視聴放棄する可能性が高そう。。
ネタバレってほどのことは書いてないけど、
視聴前提でのコメントなので、一部隠しときます。

{netabare}
まず、主人公花火のキャラに不快感と嫌悪感しか感じない。
自分の恋のために、何一つも努力してないのに、何やってんの?
そりゃ叶わぬ恋でしょうなぁ笑
で、告られて「興味のない人から向けられる好意ほど、気持ちの悪いものってない」って発言はどうよ。
1週間勿体ぶらせてこの発言は最悪だな。
ここまでの悪態を付ける性格なら、その場で断るべきでしょう。

しかしながら、麦をお兄ちゃんと見立てるような、ある意味「妄想」なんかは、
女性から見れば多少花火の心境にリアリティとか共感を感じるような描写なんだろうな。
というか、女性作者しかこんな設定では書けないでしょうからね。

麦の方に関して、口では最後までやらんとか言ってるけど、
頭の中では性欲を満たすことしか考えてないだろうな。
花火を都合の良い存在として見てるのは容易に想像できる。
なんせ男子校生なんて(男子高生じゃなくても)、たとえ他に好きな子が居ようとも、
性欲は全く別物で有り余ってるからなぁ笑
今後を予想すると、そういう思考じゃなけりゃ話が面白くならないだろうし。
そもそも、花火みたいな仮想、妄想って男はしないからねぇ。
{/netabare}
如何にも女性漫画家が描きそうな話で、ちょっとこりゃキツいなぁと感じ、
1話切りしようかと思ったのだが、よくよく考えるとこの嫌悪感すらも作者の計算済みなんだよな。。
だからこそのタイトルやろうし...と考えると、逆に変な興味が湧いてきた。
今後どこまでクズになっていくのか、後々痛い目に遭うのか?
(痛い目に遭って、後悔している様をざまぁみろ、と突っ込みながら観たいけど、只の胸糞作品かもしれない汗)
当人達の恋愛感情が変化するのか?など。

1話観て正直全く惹かれるものがなかったけど、
エロ描写もいきなりぶっ込んで来たし、まぁ様子をみよう笑
ドライな目で観てると、意外とそのうち入り込んでしまうような展開が待っているかも知れない、とプラス思考で。
それでも暫くは胸糞悪い展開が続きそうな予感。。

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◯視聴後の感想◯

1話視聴後の印象としてはかなり悪かった本作ですが、
結果的にまんまと制作側の思惑に嵌ってしまったという感じで、最後まで観てしまいました。
というか、中盤はかなり楽しめたし1話切りしなくてほんと良かったなと思って観てたんですけどね~。

この作品を観て改めて実感したのが、
如何に昨今の深夜アニメの女性キャラが、偶像化、理想化された虚構であるかということですね。
当初感じた花火への不快感も、自分が昨今の深夜アニメの女性キャラを見慣れてて、
勝手に「こういうもの」と主観的に枠に当てはめてたからなんだろうなと今になって思います。

1話のあと、花火の前に現れた茜が、どう頑張っても勝てない強力な敵として立ちはだかったり、
花火に想いを寄せる同姓の早苗や麦に想いを寄せるのり子の登場で、
俄然盛り上がってきてカオスな展開に突入していき、
突っ込みどころはあるものの、結末に向けて恋の行方は一体どうなるのか?と、期待して観ていたんですが。。

1クールで綺麗に収めようと作ったからなのか、
中盤の盛り上がりと、その後の自分の期待感からすると、
正直落差が大きく終盤~結末は刺激に欠ける安定調和な展開で少々物足りなさを感じてしまいました。

☆声優☆

花火を演じた安西さんの、眠たい感じのトーンの声が印象的でした。
ユーフォニアムでの演技が思い出せない...こんな声だったっけ!?と言う感じ。
茜のねちっこい嫌らしい演技もなかなか良かった。
のり子が花火と対照的に如何にもなアニメ声で、良いアクセントになってたと思います。

☆キャラ☆

キャラが好きか嫌いかで点数を付けるとしたら、たぶんかなり低く付けるでしょう笑
ただ、自分としてはそのキャラが何を考えてるか、どういう気持ちで居るかがよく伝わるものには点数を付けているので、
本作でのキャラ心理はなかなか良く描写されていたと思います。
恋愛モノには珍しいと思いますが、各キャラ視点での語りが随所に挿入されてたのが大きいですね。

まぁキャラに感情移入とか共感はなかなか出来ない部分が多いですが、
この作品に関しては、単純にエンターテイメント的に捉えて観れるのかどうか、に掛かってるかなと。
なんでもかんでもキャラに感情移入できればそれで良いのか?
この作品を観て少し観方を改めるきっかけになったかもしれません。

評価したい所は、やはり女性キャラの描き方。
巷にあふれている、女性を偶像化、理想化した虚構として扱ったものではなく、
逆に、女の裏の顔がここまで生々しく描かれている恋愛モノってなかなか無いんじゃないかと思います。
この辺りは女性作者ならではといったところでしょうし、
女性視聴者からの方が男性視聴者よりも支持を集めそうですね。

しかしながら、逆に麦や鐘井先生と言った男性キャラに関しては、
ちょっと都合が良すぎる、リアリティに欠けると感じる点は否めない。。
突っ込みたい所は色々あるものの、特に鐘井先生に関しては、茜の何が良いのか?
クソビッチとしての茜に惹かれる理由が、鐘井先生の視点での描写が足りず不十分だし、
殆どただのご都合キャラとしてしか存在してないように思えます。
個人的には鐘井先生が一番のゲス野郎だったら面白かったんですけど、全くひねりが無くて残念。

☆作画☆

全体的に派手さが求められるような作品ではありませんが、
濡れ場シーン等はなかなか気合い入れてるなと見て取れました笑
また、物語通してキャラの輪郭線に濃淡を付けているのが特徴的で、
これによってかなり淡く柔らかい質感が出ていたのが良かったと思います。

☆音楽☆

OPはなかなかインパクトがあって良い選曲でした。
EDに関しては曲というより、EDアニメーションが意味深で興味深かったですね。
全体的に落ち着いた印象のBGMで特にキャラ視点での語りの場面はいい演出効果が出てました。

投稿 : 2017/03/31
閲覧 : 280
サンキュー:

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