「幼女戦記(TVアニメ動画)」

総合得点
93.7
感想・評価
2172
棚に入れた
10448
ランキング
9
★★★★☆ 3.9 (2172)
物語
3.9
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「諸君、我々の任務は何だ 殲滅だ! 一機残らずの殲滅だ! 為すべきことは唯一つ 地獄を創れ!」

この作品の原作は未読ですが、悠木さんとはやみんが出演すると知り視聴を決めた作品です。
タイトルとジャケットも気になっていました。
なぜなら、タイトルの幼女と戦記ってどう考えても噛み合わないからです。
それにジャケットに写っている軍服を纏った女の子?の鋭い眼差し…
このアンバランスさと主演が悠木さん…この組み合わせは視聴したい気持ちをより一層高めてくれたと思います。

この物語の主人公は、ターニャ・フォン・デグレチャフ…見た目通り9歳の少女です。
そして彼女の存在する世界は、大戦真っただ中のヨーロッパ…
この時代のヨーロッパは中央にデグレチャフの住む大国「帝国」があり、周辺諸国と国境際で激しくせめぎ合っていました。
その帝国でデグレチャフは軍隊に所属していました。
それも少年少女従者としてではなく、一兵卒として…

何故、帝国はこんな年端のいかない子供を軍に所属させるのか…
兵力に「十分」は無いので四六時中軍人は募集していると思います。
けれど、齢一桁の女の子を戦場に引っ張り出す程枯渇している訳ではありません。

それでは何故…そう、彼女の極めて高い戦闘力と魔導適正…これに加え、戦況を冷静に判断できる頭脳と、どんなトラブルも対処できる適応力が評価されたからです。
しかも幼女ながら大人顔負けの合理的思考を持っている…
こうなると見た目は幼女ですが、その本質を知った者は彼女を決して見た目通りの判断は下さないでしょう…
それは敵味方の区別すら超越しており、敵は彼女を「ラインの悪魔」として恐れをなしていました。

でも敵が恐怖を抱くのも理解できます。
引き金を引くのを思わず躊躇うような女の子が戦場にやってきて牙をむく…
これだけでもビックリなのに、敵が2度ビックリするのはその牙の鋭さ…
そして敵は3度ビックリする事はありません。
何故ならその時既に彼女による殲滅が完了しているから…

でも彼女は好き好んで最前線でドンパチやっている訳ではありません。
彼女の本音は楽のできる後方で安全な勤務に就きたいと常日頃思っています。
だからたくさん功績を上げて出世すればおのずとその道は開ける筈…
私もその考え方は間違っていないと思います。
現代社会なら…ですけれど。

彼女は功績を上げ続けます…そしてしっかり昇進もしていきます…
ですが戦場における彼女の立ち位置が変わる事はありません…むしろ酷くなった様な…
でも彼女が立ち止まったりやさぐれたりする事はありませんでした。

やがて彼女は帝国軍参謀本部直属 第二〇三航空魔導大隊の大隊長に任命される事になりました。
そしてこの物語の面白さが加速していくのもここからです…
だって彼女の考え方に幅が生まれたから…
仲間を守るため…戦争を終わらせる事を最優先とし、そのためならどんな危険も厭わない…
そんなとびっきり最高な上司になっていましたから…

デグレチャフ役が悠木さんになった理由が良く分かります…序盤からはまり役としか思えませんでした。
天才、秀才、奇跡の人、私たちの希望…彼女を褒め称える言葉は色々あると思います。
でも齢一桁で人々からここまで評価される人って…頭のネジが2,3本ぶっ飛んでるんですよね。
そう…デグレチャフは狂気を抱えている…そして時として年相応の言動と、次の瞬間に全身から溢れ出す狂気を悠木さんは見事に演じきったと思います…むしろ、この手の役で悠木さんの右に出る者はいないんじゃないか…本気でそう思いました。

そんなデグレチャフをサポートするのが、はやみん演じるヴィーシャ…
はやみんの持ち味である「ほんわか感」はこの作品でも全開です。
悠木さんの切っ先の鋭さとはやみんのほんわかは物凄く凸凹なのですが、そのギャップが堪りませんでした。

オープニングテーマは、MYTH & ROIDさんの「JINGO JUNGLE」
エンディングテーマは、ターニャ・デグレチャフの「Los! Los! Los!」
オープニングはとにかく重厚…この一言に尽きます。
たくさんの旋律でメロディーが奏でられているので、カラオケでは歌える自信がなく断念しました。
でも恰好良い曲…さすがMYTH & ROIDさんの曲だ…という印象です。
そしてエンディング…もうデグレチャフが凄いのか、悠木さんが凄いのかが分からなくなるくらい大好きな曲でした。
途中で入る台詞…これが堪らなく格好良いんですよね。

1クール12話の物語でした。
幼女の皮を被った化け物の物語…続きがメチャクチャ気になるんですけど…
きっとデグレチャフを待ち受けているのは、これまで以上の過酷な状況…
ですが彼女の台詞がその過酷な状況をひっくり返せると信じています。

そこでだ…私はいまここに改めて宣言する…
おぉ神よ…
貴様を切り刻んでブダの餌にでもしてやると…
くそったれな神に我らが戦場は不似合いだ…
今こそ神の仕事を肩代わりしてやろうではないか…
我ら将兵のあるうちは、我々が神にとって代わるのだ…
傲慢な神とやらを失業させてやるっ…

では戦友諸君…戦争の時間だっ…

なぜ彼女はこうまでも神を冒涜するのか…
その理由が気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

投稿 : 2017/04/16
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サンキュー:

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