「クズの本懐(TVアニメ動画)」

総合得点
83.1
感想・評価
1023
棚に入れた
5251
ランキング
332
★★★★☆ 3.6 (1023)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:----

昼ドラもビックリのドロドロ!「クズ」ば拗らせた純粋さ故か、意外にピュア

月刊ビッグガンガンの漫画原作の恋愛アニメ全12話です。
ノイタミナの本気(乱心)!?
ドロドロすぎる恋愛模様や、へたな深夜エロラノベより踏み込んだエロ描写など、色々とヤバい怪作。
「クズ」と自嘲する登場人物たちの思考や行動原理が「拗らせ過ぎた頭でっかちな純粋さ」な為か、生々しいハズなのに、妙にファンタスティックな空想の話という印象。

好きではありませんが…1クールの恋愛アニメとして、かなり面白いです。
百合好きとしては、「百合アニメ」の側面も捨て難い!

{netabare}『物語』
美少女美少年の二人が、互いに本命の好きな人は手か届かないので、「お互いに好きにはならずに、付き合うフリをする」
何故「クズ」かといえば、互いに失恋の傷をうめる為に(確信犯的に)相手を利用する欺瞞や後ろ暗さを自嘲しているから…
…クズ、というよりは面倒くさいキャラたちが織りなす、ドロドロした恋愛劇。

1話初っ端からいきなりエッチシーン(規制ギリギリの際どいエロ)!
お色気アニメの無邪気なサービスとは異質な、官能小説めいたネットリとした描写がすごい…。
そして以降もお約束のようにエッチシーンがあるのだった。
…でも「クズ」たちの欝々しい内面描写により、ビックリするほど萌えないのもすごい。

よくあるラブコメのように恋の駆け引き…には意外にならず、クズたちの拗らせた関係が、どんどんややこしくなっていく。
…まさかのガチ百合も!?
「桜Trick」を軽々と超えて、ジャレ合いなライト百合とは一線を越えた百合とは恐れ入った…。
この百合にも、意味がある。
性別すら重要視しない、花火の(拗らせすぎた)純粋さを際立たせる為の当て馬として…。

本作のラスボス・茜先生の病んだビッチさに対する、男子ふたり(麦とお兄ちゃん先生)のアプローチの違いと、ニセコイだった花火と麦の関係・心情の変化も前者はハラハラ、後者はドキドキで、ラブコメとして非常に引き込まれました。
(もういいから、花火と麦でちゃんと付き合えばいいじゃん!?)と思わされる辺り、上手いラブコメなのかも。
ふたりとも賢いので、賢い上に本音で語り合う感じが面白い&微笑ましい。

…最終的に、手強い茜先生の闇を攻略出来たのは、理性的過ぎるクズたちと違い、唯一純情(バカ正直)だった方だというドンデン返しも、印象的だった。
花火はともかく、麦と茜先生は「頭良過ぎて拗らせて、病んでしまった」印象。
それが一周回って純粋な愛に昇華されている為か、作風の割には「綺麗な物語」だと思ったです。

総じて、ドロドロ昼ドラの皮を被ったプラトニックラブ?でした。
エロシーンの合間でも繊細な心情描写も含め、理詰めの恋愛物。
終始面白く、意外に不快感もないのですが、理攻め過ぎて萌えや共感はし難いです。
…面白かった!面白かったのですが、1回視聴すればお腹いっぱいでもあります。


『作画』
花火ちゃんのキャラデザが非常に可愛くって好み。
エロシーンの際どさも特筆に値する。
一般アニメでここまでやっていいものか!?


『声優』
安済知佳さん、前年の「響けユーフォニアム」でも、年上の教師に失恋してて因果を感じる…。
安楽岡花火の独特な演技は高坂麗奈にヒケを取らない。はまり役。
豊崎愛生さんの闇が滲み出る美人教師も絶品でした。
戸松遥さんは桜Trick彷彿とする百合キャラでした。
島﨑信長さん、 野島健児さんも文句なし。

『音楽』
OP「嘘の火花」よりもED平行線」の方が印象的。
きちんとテーマと雰囲気に沿っている。やや好みではないけれど。


『キャラ』
安楽岡花火ちゃん、アニメヒロインらしくないヒロインでした。独特な可愛さ。
優等生だけど感情豊かで、ふくれるシーンが可愛い。
賢過ぎて自分の気持ちに冷静になり過ぎて拗らせた感じ、全くクズとは思えんです。
後半以降、若干影が薄かったような。
…それは花火が「クズたちの中では比較的だが普通」な子だからかも。
早苗の百合に対する誠実さ、クズとは程遠いです。

麦は「ピーチガール」の岡安浬を超優等生にしつつ理性偏重にした感じ。
花火以上に理性的過ぎて、逆に病的に思える。
とりあえず…こんな男がいるか!?と思った。
いや、フィクションと分かってても思わず。
茜先生とは「病んでる者同士」マイナスとマイナスではダメだった、たぶん。

茜先生は恐るべき人であった。
彼女も拗らせ過ぎて病んでいる人であり、邪悪だが可哀想な印象。

お兄ちゃん先生は蚊帳の外…と思わせての、まさかの最強キャラであったか。
なるほど、これは花火ちゃんが惚れるに値する男だった。

まさかのガチ百合な早苗ちゃん、彼女もクズなのは弱った花火の心に確信犯で付け込んだからか。
恋愛的にはこれでも比較的まともに思える(錯乱)

のり子もとい最可(モカ)ちゃんは、恋に恋する普通の子、クズな程には拗らせてないようなので、これからステキな出逢いがありそう(無責任){/netabare}

投稿 : 2017/05/10
閲覧 : 323
サンキュー:

40

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