「ココロコネクト(TVアニメ動画)」

総合得点
88.3
感想・評価
4672
棚に入れた
22221
ランキング
117
★★★★☆ 3.9 (4672)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

takoaki さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

人と人が、心と心がぶつかり合う青春成長物語

 久々に感想を書きます。見てから少し時間がたっているため記憶がおぼろげですが、印象的だったので忘れないうちに書いておこうかと。
 人には誰しも知られたくない秘密や姿というものがあります。皆さんも家族の中での自分、友達の中での自分、公での自分といった形で自分を変えて生きているのではないでしょうか。この作品はそのひたむきに隠したい自分を強制的に暴かれる数奇な状況に陥ったとある5人組の物語です。お人好し、もとい『自己犠牲野郎』太一。天真爛漫おとぼけキャラを『演じる』伊織。『人間不信』稲葉。『男性恐怖症』唯。お調子者青木。今回の現象で壊れていくのは誰か、それをどう彼等を成長させるのか。もし、人が悩み苦しみそれを経て成長する姿が見たければ、この作品を選ぶことは決して悪いことではないでしょう。
 この作品の素晴らしいところを一つ述べると、作品の展開もさながらそれを完璧に演じる声優が素晴らしいです。5人の人格を演じたり、明るいとき・鬱な時・怒っているときをそれぞれ演じたり、感情の起伏をこうもうまく表わせられるものなのかと感心しっぱなしです。
 余談ですが、自分は人間として一番不安定で危うい伊織が好きです。
 ここからはネタバレ全開ですのでご注意を。前段は覚えてる限りのあらすじ、後段はそれの感想です。

〈ヒトランダム〉
{netabare} 人の中身が入れ替わる現象。人間不信の稲葉がこの環境に耐えられず倒れたり、唯が男性恐怖症と関係して悩んだりするところを太一が解決。そして、自分が自分でなくなることを恐れた伊織を太一は「自分ならいつでも分かってやれる」と説得し解決…のように見えたが、後日稲葉のふりをした伊織を見破れなかった太一に伊織は深く傷つくことになる。そして、フウセンカズラにより川に飛び込み死地をさまよう伊織。
 主人公がヒロインの悩みを解決していく展開はよくあります。だからこそ、それだけで終わらず太一を試した伊織の行動は衝撃的であり印象的でした。自分という存在に疑問を投げかける自分を自分と認めてくれる人がいるのか、信じてみたかったのでしょう。『自分』ってなんなのでしょうね。過去の自分と今の自分、今の自分と未来の自分。それは同じ自分なのでしょうか...伊織は、自分を見つけられたのでしょうか。{/netabare}

〈キズランダム〉
{netabare} 自信が普段思っても行動に移さないようなことを行動に起こしてしまう現象。道で絡まれている女生徒を助けるため乱闘を起こし外に出られなくなった唯。暴言を吐いてしまうこと、そして秘めた想いを知られることにより自分の大切な場所が崩れるのを危ぶみ周りとの接触を断つ稲葉。思いやりが他人をかえって傷つけることを恐れ部を去る太一。そんな皆を待ち続ける伊織。
 人は時に思ったことを飲み込み、周りのために自分を犠牲にします。しかし、一度その偽りが漏れたのならば、その思いやりは少しずつ少しずつ周りとの亀裂を生み始めます。そういったときこそお互い包み隠さず思っていることを全てぶちまけるのが正解なのかなと思います。欲望開放という現象はそれを強制的に引き起こします。結果的に一時関係は壊れますが最終的にはハッピーエンド。この作品はそこまでの過程が素晴らしい。{/netabare}

〈カコランダム〉
{netabare} あらすじはなく、感想だけ。あまり好きではありませんでした。他と違い3話にまとまたせいかもですが、薄っぺらく感じました。そもそも伊織を除いてこの現象で生じる葛藤がたいしたものでない気がします。伊織の話は家族関連で大変重いはずなのですが、あっさり解決してしまいます。その解決は父親がクズであったから可能であっただけであり、もし父親にもそれなりの事情があったならどうだったのでしょう。家庭事情に安易に入ってこようとする4人も、それを悪役の存在により解決してしまうストーリー構成も微妙でした。{/netabare}

〈ミチランダム〉
{netabare} 自分の思っていることが不特定多数に伝達される現象。一番の被害者は自分を偽ってきた伊織。周りの理想とする自分の像と本当の自分との間のギャップに苦悩し心を閉ざし、壊れていく。
 さすがに伊織変わりすぎじゃない?とも思いましたが外の自分と内の自分の差に悩まされる展開は大好物でした。伊織に対して皆「いつもの伊織でいいんだよ」というのは少々わざとらしくも感じましたが、よく知っているはずの人のことを実は全く理解していないことがよく表れていた気もします。自分は周りにどう映っているんでしょうね。本当の自分はどこにいるんでしょう。そして、元に戻った伊織はどこまでがホンモノなのでしょうか。{/netabare}

投稿 : 2017/06/26
閲覧 : 155
サンキュー:

7

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