「魔法科高校の劣等生(TVアニメ動画)」

総合得点
85.1
感想・評価
4567
棚に入れた
23450
ランキング
248
★★★★☆ 3.8 (4567)
物語
3.7
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

むしろ地味な部分にお兄様の最強ぶりを思い知らされる。

原作ライトノベルは未読。

最弱っぽいタイトルだけど実は主人公最強w
というトレンドの主流を形成した作品。
流石はお兄様ですw

視聴後、私には“劣等生”と言うワードは、
タイトル詐欺の手段ではなく、お兄様の実力を封印する装甲として、
内部に渦巻く最強主人公の強大なオーラを想起させる装置として、
効果的に機能している。という好感が残りました。

最強の言動とは何か?との表現が多種多様な形で楽しめる点が見所の一つですが、
本作は戦闘以外のシーンでも、最強主人公の片鱗を垣間見せてくれ、
それらがマテリアル・バーストなどと同様に、私を戦慄させてくれました。
私としては主人公の超絶能力だけでなく、クレバーさの方に彼の強さをより感じました。


例えばエリート校に集う生徒を見遣るだけで、
彼らが抱えた名家の宿命、それらの背景に蠢く世界情勢分析まで披露する見識の広さからして、
序盤から主人公の背後には相当凄いシンパがいる予感が伝わって来ますし、
このお兄様、只者ではない。こりゃキレたらマジでヤバイぞwと確信させるのに十二分。


「入学編」にて、{netabare}事件の駒にされ、学内差別撤廃を求めて決起を訴える女生徒を
主人公がなだめるやり取りが印象的です。

ただ争いは無意味と諭すのではなく、視野の広い認識を引き出しにして、
被差別感情を煽られて安直に暴力による平等実現に走る
愚かさを理詰めで突き付けていく点にお兄様の思慮深さを感じました。{/netabare}

あの言動の裏には、主人公自身にも理想はあるのだろうが、
その実現計画は相当に慎重かつ執念深く遂行せねばならないと悟っているのでは?
との予感も醸され、何か野心も感じさせる。
あの会話の雰囲気に地味に鳥肌が立った辺りで、
私は司波達也という最強のお兄様に惹かれ始めていました。


主人公がほぼ一貫して敬語を怠らない点からも、
終始、秘めたる能力や真意のスケール感が伝わって来ました。

多くのラノベ、漫画等において、類い希なるパワーを秘めた少年主人公は、
言葉遣いを粗暴にすることで、既成概念からはみ出した傑出ぶりを表現するのが通例ですが、
本作はその逆。

例えば、{netabare}主人公の理想実現にとって邪魔になる連中に
皮肉を込めた言葉を浴びせるときも言葉遣い自体は丁寧。

例えば、お兄様が大切な妹をハメようとした大会委員の胸ぐらを掴む狼藉に及んだ際も、
事情を聞きに来たお偉いさんが来たら、冷静に上役を敬う組織人の言動を置いていく。{/netabare}

丁寧な人当たりの裏に、かえって内に燃え上がる怒りの大きさを想像させられ怖かったです。


ラストも余韻が残る締めくくり。

{netabare}戦いに勝ちはしたけれど、
妹との平穏な日々のため、お兄様が長年かけて積み上げて来た、
兵器とは違う魔法の平和利用実現に向けた活動。
その道筋を付けるための重要な布石である研究発表の場。

それが暴力により妨害され、それに魔法による武力行使で対抗したことにより、
戦場における魔法の有用性がクローズアップされてしまい、
かえって魔法の軍事利用を加速させる契機となってしまうのである……。

“テロ”や国家間パワーゲームについてもよく練り上げた設定による土台の安定感もあって、
今後、魔法師たちが直面するであろう苦難を予感させる、
私にとっては、いつまでも苦味が残る、いい“バッドエンド”でした。{/netabare}


その他、お気に入り……と言うより、ずっと気になって仕方がなかったキャラは妹・司波深雪。

私は原作未見ですが、『魔法科高校~』におけるヒロイン・深雪の美貌を祭り上げる、
ラノベ表現は常軌を逸して凄まじいらしいwという噂はかねがね耳にしていて、
例えば……

{netabare} 「抜群の美少女が見せる、管弦の音を待つ舞手のようなたたずまいは、
客席の青少年に動悸と息切れを引き起こし、
このままでは試合が始まる前から担架が呼び出されそうだ」{/netabare}

といった壮絶な描写をコレクションした有志による深雪・美少女表現集などをネットで拝見しながら、
これ、アニメではどう表現されるのだろう?と興味津々でした。

こうした視点で女性キャラの作画表現等を観察して、改めて、
アニメ制作者というのは、美少女の魅力を伝えるため、日夜努力してるんだなぁ~と感心しました。

決して、ずば抜けて作画ソースが潤沢でもない中、
深雪の手の添え方とか、角度とか、ロングスカートから透けて覗くボディーラインとか、
叡智を結集して、萌えや美貌を追及するスタッフの奮闘は伝わってきました。

美少女がお辞儀をしただけで華やぐ場の空気……どうも、ご馳走様でしたm(_ _ )m

投稿 : 2017/11/15
閲覧 : 584
サンキュー:

40

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