「猫物語(黒)(TVアニメ動画)」

総合得点
89.8
感想・評価
3375
棚に入れた
19182
ランキング
71
★★★★★ 4.1 (3375)
物語
4.0
作画
4.2
声優
4.2
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

物語シリーズの中でもイマイチだと思ったのは間違ってるだろうか。

うーん・・・。最初は否定的に書いたんですけど、オーディオコメンタリー聞いたりして2周目見ているうちに、やっぱりちゃんと面白い部分はあるんだな・・と思ってきちゃったので無しで。かといって、もう一回レビュー書くの面倒なので、1周目の素直な感想は残しておきます。長いし文句たらたら言ってるので、この作品が好きで否定意見を許せない人は見ないでね。

作中でテーマとしてあげられる、不幸でも幸せに生きるという事や、ヒロインの魅力に気付ききれなかったのが1周目の私を否定意見にさせたのでしょう。大きくは変わってないですけどね。ストレートだけど難しいよ、西尾維新+新房昭之アニメ。

↓折りたたみました。中に更に折りたたんだネタバレ部分もあります。
{netabare}
羽川翼。物語シリーズの中でも特に魅力的だという位置づけのヒロインがメインのストーリー。

この後の物語シリーズセカンドシーズンの『猫物語(白)』へと続く前日譚なのですが、これがあにこれの評価ほど面白いアニメではなかった。私の感覚が間違ってるのか?と否定レビューを探してみたもののあまり無く、やはり総合的に見て面白い!と思った方が多いようだ。

ではなぜ面白くなかったのか?それを探さないとレビューする意味は無いなと思い、自身が感じている“乗り切れなさ”をピックアップしてみた。まずはそれを箇条書きにしてみる。

1.「原作を読んでないと理解できない部分」
2.「画面で受ける印象ほど問題視している要因に共感できない」
3.「作画方法の飽きと物足りなさについて」


『文章なげえよ!面倒臭え!』という方はこれだけ↓

羽川翼というキャラクターに対して同情や憐憫の目で見る事を止めるように努めると、
新房監督の勿体つけた演出が煩わしいアニメに変貌する。

長いので折りたたみました↓
{netabare}
「原作を読んでいないと理解できない」という点。

これは映像作品へと起こすことが困難だと言われている原作を、独特な演出法で表現することによりアニメ化した本作において一番の課題とも言えるポイントであり、ここに至っては理解を示した上で観るべきだと感じる。けれど理解しようとする事と、面白さというのは共存しにくい。画面の中にある情報・・特にフラッシュ暗算のように原作での心の声を抜粋したであろう文字が、瞬間的に映されるシーン。コレに至っては、気になる人は後から止めて観てね。原作を知っていたらわかる。観なくても問題は無いよ。と言わんばかりのシーンで、おしゃれな演出だなと思う以外は、ただ置いてけぼりを食らっているように感じる。これが一度や二度出てくるだけのものなら斬新だなと思ったかもしれないが、シリーズお約束の演出法なのだ。後のシリーズでは抑えめになっているところを見ると、やはり不評だったのだろうか。説明しきれない部分があるのか、読解力不足なのか・・。言いたいことはわかるが、ラスト周辺等の一部を除いて説明で精一杯な気がする。

「画面での印象ほど、物語の中で重要視されている要因に共感できないこと」

ここからはネタバレ↓{netabare}
この猫物語で語られる「羽川翼の家庭事情と人格形成」というお題。
親のどちらとも血が繋がっていない少女が、真っ白な人間で居るために自我を殺し全てを受け入れてきた。作中で登場人物が言う羽川の本質について、人の感情のコントロールを逸脱した人格を「気持ち悪い」と表するが、あまり共感できなかった。境遇からすれば割りと正当な理由だと感じたし、言葉の強さで無理やり納得させられている気もする。それっぽいカッコイイ台詞で〆ないでいただきたい。

一番の問題が、羽川を止めるために怪異殺しの刀を手に入れ対峙する場面で思わず笑ってしまった。我を忘れ怪異に乗っ取られているように見えた羽川翼は、実は自我を保っていた。自分の意志で行動していたらしい。そしてそれを受ける暦も薄々理解していた・・それも“最初から”と言ってのたまう。

・・神々の遊び、「私だ」「お前だったのか」を思い出してしまった。・・ひどい。

これは確実に演出や作画の失敗によるものだと思う。原作では視聴者に対しミスリードを誘い、どんでん返しをするはずのシーンなのだろうが、アニメの演出ではギャグのようになってしまっている。その後の戦闘シーンは見てられない。感情移入できていないシリアスほどつまらないものは無いのだ。
{/netabare}

「作画方法の飽きと物足りなさについて」

例えば最近のアニメで言うと、「ユーリ!!! on ICE」
このアニメでよく言われているのが、女性向けの都合のいいアニメである、なんて声をよく聞くが、一番問題なのが“スケジュールによる演出の妥協”を多々見受けられること。競技のプログラムをバンク(同じシーンを何度も使う)に頼っていて、臨場感のある役者の演技だけが鳴り響く。気にならない程度のバンクならいいが、ラストまでずっと使い続けるのだ。妥協のみで工夫も何も感じられないシーンの数々に辟易する。ストーリーは面白いのに勿体無い。前述した“理解を示した上で観る”ことを、アニメに慣れた人ならしてしまう。・・私もその一人なのだけれど、結果面白さにはつながらない。

総評して、この物語シリーズでは、新房演出が食傷気味になってないかと思う。大枠は世界観が出来上がっているのでそのままでもいいけれど、ここはもっと動かせよ!と思ったり、背景美術の特殊さに興を削がれることが度々ある。

あと(黒)は、阿良々木くんがちょっとカッコつけ過ぎてて苦手だったのは私だけ?
{/netabare}
最後に。。。セカンドシーズン、猫物語(白)を観終わってやはり同じような感覚だった。

ただストーリーは一段落し(黒)の伏線も回収しつつで楽しめた。

食わず嫌い(というか先延ばし)していた物語シリーズ。近年を代表するアニメだというのに異論ない。
間違いなく、お友達をアニメオタクに引きずり込むために最適な作品。


けれど中だるみといえる瞬間が少なからずあり、私の場合はこの猫物語だったように思う。
{/netabare}

投稿 : 2017/12/16
閲覧 : 373
サンキュー:

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