buon さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

やさしき　かなしき

いぬやしきさん

ただのふつうのひとのええおっちゃんだな

おれはすきです





ガンツの作者が描いた作品。
デザインのセンスは抜群、
物語は雑、
そんなイメージでした。
そして割と好きだった。

この作品でも同じような印象を覚えましたが、
より印象深く感じたのは割と好きな部分、
登場人物が割と普通。

善悪の問題ではなく、
変化する状況に順応したりできなかったり、
ただ巻き込まれた事故に対応したり、
手元にある武器をふるったり、
そんな話の描き方が好き。


今回は、何故か二人が機械人間のようなものになってしまった。
重要なのは『何故』ではなく『なってしまった』ことである。
原因がなんであろうと過去も結果も変えられない。

機械になった二人はその力を
いぬやしきさんは人助けに使った。
ししがみは人殺しに使った。

ここで善悪を問いたくなるのだろうが、
多分これは善悪の問題ではない。

二人とも普通の人間だったのに、過ぎた力を手に入れさせられてしまっただけだ。

ししがみは過ぎた力とそれがもたらした結果に思考も倫理観も追いついていなかった
だけだったのだ。


何と言うか、
ただただ生きてたらこうなってしまったって感じが、
この作品においては突き抜けて心を揺さぶってきた。





さて、声優さんについてですが、
いぬやしきさんの声優さん、リアルおじいちゃんやんけ。
すげーいい声、合い過ぎだろと思ったら本職が俳優さんかなぁ。

ししがみは、マジへたくそと思ったけど、
あの
「バン」
の普通っぷりを聞いてアリだと思いました。
あの
「バン」が素晴らしき声優さんによる「バン」だったらかっこ良過ぎる。
あのなんの変哲もない「バン」の普通っぷりが作品にものすごく合っていると感じた。
ぐぐったら、
うわー、めっちゃししがみに合ってる俳優さんやん、と思ったｗ


映像は３Ｄを駆使して滑らかでかっこよかった。

状況とか人間の汚さの際立たせ方とか異常だけど、
何か人間らしいなって思ってしまう節がちょこちょこドカンとある。


いぬやしきさんと、
ししがみのおばかっぷりには涙させられた。

ただただ二人を描き切ろうとしただけだった。
最後までは、細部までは映し出されていない。
分かろうとしても分かることはできないのだろうし、

あとは個人個人で補完するのがいいのではないでしょうか。

物語の評価を４にしましたが、
残酷な描写もあるし、意味不明なところ多いので、あんまりオススメはしません。