「戦国英雄伝説 新釈:眞田十勇士(TVアニメ動画)」

総合得点
58.5
感想・評価
10
棚に入れた
40
ランキング
6453
★★★★☆ 3.4 (10)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:----

「真田丸」を銀英伝スタッフがアニメ化してみた感じ、未完の佳作。

銀河英雄伝説のスタッフによる、真田十勇士を主人公にした関ヶ原(前後)の戦記アニメ、全12話。
猿飛佐助のトンデモ忍法とかもありつつ、かなり本格派の時代考証で、NHK大河ドラマめいた作品です。
…残念ながら大坂の陣の陣までいかずに未完。
(全24話予定らしく、後半の製作にかかれない理由は不明との事)
地味ながら、歴史好きならば捨て難い魅力あり。

WOWOW(ワウワウ)アニメに多い、隠れた佳作のひとつ…

{netabare}『物語』
時は天下分け目の関ヶ原の少し前。
眞田左衛門佐幸村(真田幸村)と、彼に忠誠を誓う猿飛佐助ら真田十勇士が、徳川家康の野望に立ち向かう。
主人公の佐助は忍者であると同時に幸村の忠臣であり、彼ら中心に大河ドラマが描かれる。
幸村と佐助や勇士たちのアットホームな雰囲気が良い感じ、後年の大河ドラマ「真田丸」を十勇士に置き換えた感じでしょうか。

序盤の3話までは、本格的な関ヶ原の合戦が展開。
前夜の政治的駆け引きから始まり、戦況の目まぐるしい推移は目が離せず。
家康も心中ハラハラしっぱなしだったり、メジャーマイナー問わず大勢の武将の人物像や背景や思惑が交差していく。
まるで司馬遼太郎の歴史小説めいた密度で描かれる関ヶ原、銀河英雄伝説スタッフの力作です。
合戦自体は地味だけど、歴史小説を忠実にアニメ化してみた、という感じ。
…エンタメ的なアニメの手法からは異端な作風なんですが、これが面白い。
この3話までならば、NHK大河ドラマに負けてない!

…本作のピークは3話までで、以降は関ヶ原の敗戦で雌伏の時を過ごす真田家と十勇士の話に移行。
幸村が来たるべき徳川との対決に備えて準備したり、家康に対する思想の違いを佐助に語ったり。
幸村の娘の楓姫(オリキャラ?)と佐助がラブコメしたり。
スローテンポながら、雰囲気的にNHK大河ドラマっぽい。
ただ、本作は1クールなので、のんびりやってる場合じゃない…

話は徳川対策の為に佐助が情報収集したり、その過程で霧隠才蔵など仲間を増やすニンジャバトル中心。
佐助の忍法がほぼ異能バトル、でも単調な佐助無双なので地味。
十勇士の大半が見せ場が無いのも残念。
その過程で悪役と思われた家康の器の大きさが垣間見える等の良エピソードも一部ありますが、終始地味でした。
家康暗殺すれば良くね?と試みてダメだった過程もある程度説得力あるのは良い。
…対徳川に備えての軍資金調達の為のお宝探し?するぞー!という所で、俺たちの戦いはこれからだエンド。
続編あるっぽい余韻ありつつ、2018年現在も未完のままです…。

総じて、司馬遼太郎の関ヶ原を異能主人公も絡めてアニメ化してみました、な3話までは特筆に値します。
以降は特に見せ場も無く中途半端な未完で残念。
それでも真田主従の関係や、忍者として活動する佐助視点での関ヶ原後の武将たちの心情など、面白みもあり。
大坂の陣を、3話までのノリで是非観たかったです。


『作画』
キャラデザは垢抜けないものの、作画クオリティーは良好。
合戦シーンが地味だったり、忍法バトルが単調なのが難。
ただ、殺陣は結構ハイクオリティー。

『声優』
十勇士や大勢の武将たちを彩る声優陣は非常に豪華絢爛。
主役級の佐助の保志総一朗さんや才蔵の子安武人さんも負けていない。
幸村の郷田ほづみさんが深みあって良かったです。
石田三成のキートン山田さんが若い感じだったり、小早川秀秋の阪口大助さんがはまり役。
速水奨さんも筧十蔵で出演。

『音楽』
演歌調な主題歌は中々いい雰囲気。
けど、ちょっと長いです…。


『キャラ』
主人公の猿飛佐助はニンジャにして幸村の重臣っぽい、結構ラノベ主人公めいたポジション。
他の重臣あんまり出てこないので、実質彼が真田の中心人物。
チート級の忍法だけでなく、政治的な智謀もあって冷静に情勢読む、本作の解説役でもあり。

主君の幸村は、銀英伝のヤンを少し思わせる思想の持ち主、良き君主です。

お転婆な楓が中々可愛い。

他勇士は霧隠才蔵がライバル兼親友ホジで多少活躍する以外はイマイチ。
脳筋な三好晴海入道が目立つ位。アホの子な彼に、頭も良い佐助が(視聴者向けにも)情勢解説する流れ。

他戦国武将たちは、司馬遼太郎の関ヶ原のイメージ通りな感じでした。
家康も光成もその他メジャーマイナー問わず、錚々たる人物揃いなので、キャラクターは豊富。
公卿の菊亭右大臣晴季の人物像が印象的でした。{/netabare}

投稿 : 2018/02/25
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サンキュー:

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