「ヴァイオレット・エヴァーガーデン(TVアニメ動画)」

総合得点
94.1
感想・評価
2535
棚に入れた
10316
ランキング
6
★★★★★ 4.2 (2535)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

単話レベルでは素晴らしかったが

 原作は未読。
 主役であるヴァイオレット・エヴァーガーデンが様々な人との出会いを通じて、人間らしい感情を
得ていく。この展開に既視感があり、それは何なのかよくよく考えるとロボットものなどの人工物
キャラにある展開だった。
 このロボット展開を本作では人間であるヴァイオレットが辿っているわけで、よく感情の起伏が
乏しい人間を「ロボットのような」、「機械のような」などと表現することがあるが、序盤の
ヴァイオレットはまさにそんな感じ。
 作中ではヴァイオレットは人形に例えられることが多かったが、これはドールという職種、美しい
容姿も相俟って、まさに言い得て妙という表現。そこまで意図した設定かどうかは判らないが、
両腕の義手も人工物を想起される一因なのかも。
 この序盤から中盤の感情の起伏に乏しい設定はプロット的なものだけでなく、ずれた返答をする
ヴァイオレットというコメディ要素としても機能したいたみたい。

 ギルベルト・ブーゲンビリアの最後の言葉にある「愛」を知るためにドールになった
ヴァイオレット。
 当初、ギルベルトとヴァイオレットが男女ということもあって、単に恋愛的な愛だと
思っていたが、作中で描かれる様々な愛はむしろ親子、兄妹などの家族愛が多く、
作り手(原作者、制作スタッフ)の意図するギルベルトの愛は家族的な愛も
含まれていたのかもしれないと思うようになった。

 とにかく作画が素晴らしく、始まりなどは劇場公開映画を思わせる出だし。
 キャストの演技、音楽も良く、ストーリーも単話レベルでは非常に素晴らしい回が幾つも
あったが、1クール全体を貫くストーリーに関してはある種の流れの悪さを感じてしまう。
 あくまで私感だが、素直に時系列に描いて、序盤にヴァイオレットのバックボーンを明確に
したうえで、彼女が感情を得ていく過程により重点を置くか、逆にギルベルトとの関係性や戦時の
ことなどを最低限にしか明かさず、ヴァイオレットの過去を一種のミステリー要素として話を進め、
終盤で謎解きのような感じで全てを明らかにした方が良かったんじゃないかと。

 あとC.H郵便社のヴァイオレットの同僚などは絵的には魅力的だったが、ストーリー上では
絵に見合うほどの魅力は出てこなかったように思える。
 これは脇キャラの掘り下げ不足によって生じたもののように思えるが、1クールという尺を
ヴァイオレット中心に使ったための仕方ないことかな。

2020/04/21

投稿 : 2020/04/21
閲覧 : 288
サンキュー:

12

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