「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)」

総合得点
94.7
感想・評価
1805
棚に入れた
7657
ランキング
3
★★★★☆ 4.0 (1805)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ただのブタ野郎の俺はバニーガール先輩の足ばかり見てる

 さすが雀犬、萌えブタ野郎。


 ライトノベルは書店で手に取ってもらえるようにインパクトのあるタイトルをつけることが多いのだけど、それしても人を食ったタイトルですなぁ。"青春ブタ野郎"って何だよ、と誰もが思いますよね。ここで分かりやすく比較説明するとだね、

 美少女にモテるのが青春ブタ野郎
 美少女に萌えるのが萌えブタ野郎

 妹の面倒見が良いのが青春ブタ野郎
 妹ものに目がないのが萌えブタ野郎

 先輩の期待に応えるのが青春ブタ野郎
 先輩の肢体に悶えるのが萌えブタ野郎

 校庭で「好きだ」と叫ぶのが青春ブタ野郎
 童貞で「鬱だ」と嘆くのが萌えブタ野郎

お分かりいただけただろうか?

↓「全然わからねーぞこのブタ野郎」と思った人へ

{netabare}
 といっても分かりやすい面白さの良くできた青春エンタメなのであまり小難しいことは書く気はないんですけどね。

 鴨志田一著のライトノベル『青春ブタ野郎』シリーズのテレビアニメ化作品。全13話で劇場版もすでに制作決定しています。男の子の主人公がヒロインを順番に「攻略」していく、今となっては懐かしさすら感じてしまうギャルゲースタイルの構成です。

 ヒロインはそれぞれ「思春期症候群」という都市伝説として知られる病(そんな名前の病気は知らないっ)を発症させ、透明化する、分裂する、入れ替わるなどなど超現実的な出来事を引き起こします。主人公の咲太は親身になってヒロインのために奔走し、彼女たちの信頼を勝ち取る。そして心の中にある迷いや苦しみを解き放つことで「思春期症候群」とそれに関する不可思議な現象も解消され、彼自身も成長していくというのが大まかな流れ。ストーリーはテンポよく進み、お話も素直に共感できるものが多く感動できる回もある。

 またどのヒロインも可愛く、A-1 Pictures(名義はCloverWorks)の女の子を可愛く見せる技術はもはや円熟の域に達しているなぁ・・・と感心してしまいましたよ。ただ僕はこのアニメのヒロインだけでなく、主人公も気に入っています。

 ヒロインが複数いるギャルゲー的作品は色んな女の子に手を出して彼女たちの内面に踏み込んでいく都合上、主人公のキャラ設定は優柔不断だったり朴念仁だったりするのであまり好感度が高くないことが多い。本作も斜に構えた性格のやれやれ系主人公で最初の印象は余り良くなかった。でも視聴を進めていくうちに友人や恋人、そして家族を大切にする彼のことがどんどん好きになり、最終的にこのアニメで一番好きなキャラになってしまった。これはやられたなーという感じです。

 最初に正妻ポジションのキャラを攻略しておいて後は人助けの形にする、というのが構成上のポイントなんだろうね。このアニメは海外でも人気で特に桜島先輩には世界中の男がメロメロのようです。付き合うまでのあれやこれやに時間をかけるより、仲の良いカップルを描いた方が海外受けするんでしょうね。

 本作のキーワードは「孤独」でしょうか。ひとりには孤立・孤独・孤高の3つがあると言います。思春期症候群を発症するヒロインたちは、学校の中で孤立していたり、集団の中に身を置いていたとしても孤独を抱えていたりする。そして孤高を気取っている主人公の咲太もまた、思春期症候群を患っている。放送されたエピソードでは彼の胸の三本傷は残ったままだけど、不器用な彼が精一杯の優しさで作り上げてきた繋がりの力で、きっと自身の病も解決に至るのではないかと思う。

 人の悩みのほぼ全ては対人関係の悩みだといいます。だとすれば、その答えもまた人との関わりの中で見つけるものなのでしょう。最終話の妹かえでの「だって 私はひとりじゃないもん」という台詞がすごく心に響きました。

ベストガール:桜島センパイ
ベストエピソード:おるすばん妹(俺は「かえで」よりも「花楓」派!)
{/netabare}

投稿 : 2019/06/25
閲覧 : 490
サンキュー:

56

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