「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ映画)」

総合得点
69.0
感想・評価
461
棚に入れた
1770
ランキング
1874
★★★★☆ 3.3 (461)
物語
2.9
作画
3.9
声優
2.9
音楽
3.7
キャラ
3.2

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 2.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

脚本と演出が噛み合っていないと思いました

'93年にテレビ放送され、その後映画化もしたドラマ作品を原作としたアニメ映画。
「君の名は」が空前のヒットとなり、その後釜を狙ったのかかどうかは知りませんが、「君の名は」後にいろいろ作られて、ガンガン宣伝していたアニメ映画作品の一つです。
主題歌に米津玄師、主演声優に広瀬すずと菅田将暉を据えて、制作はシャフト、花火がキーとなる作品なだけあり宣伝等で使用されるビジュアルは非常に美しく、平成初期に話題になった作品ということで原作としても申し分ない、ヒットが約束されたような作品でした。

夏休みのある日、クラスメイトの島田典道と安曇祐介、及川なずなは、学校のプールで競争をします。
結果は及川なずなが一着、その後、祐介がゴールするのですが、その際に祐介は、なずなから一緒に花火に行こうと誘われます。
典道のなずなに対する想いを知っていた祐介はその誘いを断るのですが、なずなは実は母の再婚により2学期から引っ越すことが決まっていて、それに反発してプールに勝った方と駆け落ちすることを画策していた。
結果、なずなは泣きわめきながら両親に連れて行かれ、典道は「もし」自分があのときプールで勝っていればと後悔をします。
そのIfへの強い想いが、なずなが海から拾い上げた不思議な玉に反応して、という話。
ループした世界はどこか元の世界と違っていて、その世界の中、典道となずなは何を叶えたかったのかを思う話になっています。

私的には脚本は悪くなかったと思います。
改めて文字に起こして、情景を思い返してみると、ノスタルジックな世界観にSFテイストが加わった、結構良い雰囲気の話だと思います。
また、映像が非常にきれいで、私はDVDで見ましたが、これを大スクリーンで見ると多分もっときれいで、映像だけで涙腺が緩みそうになるかもと思いました。
ただ、惜しむらくはシャフトの過剰演出で、とにかくオタクに媚びるような表現の押し付けがノイズでした。
シャフトの演出が嫌いというわけではないですが、本作には合わなかったと思います。
この内容であれば、もっと淡々とした、日本映画らしい暗い雰囲気で進めれば良作だったと思います。
また、他の方も書いていますが、原作では小学生の主人公達を、本作では中学生に年齢設定を変更しており、内容的に小学生のままのほうがよかったんじゃないかと感じました。
中学生だと内容に対してリアリティーが薄れ、キャラクターの行動に違和感を感じました。中学生って、もっと大人だと思うんですよ。
中学生設定にしたためだと思いますが、作中、ヒロインのなずなが自分勝手で腹立たしさを感じました。

声優も話題度を上げるため起用しました感があります。
芸能人を声優で使うことに今まで散々批判がありながら、このクオリティの芸能人を平気で主役に抜擢するのには、ある意味で時代錯誤な気がしました。
声優に安易に芸能人を登用して失敗した、ステレオタイプのような作品になっています。

米津さんの主題歌は素敵でした。
テーマ曲と映像が抜きん出て素晴らしく、脚本と演出が噛み合っていない、非常に残念な作品だと思います。

投稿 : 2019/01/17
閲覧 : 302
サンキュー:

9

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