かずなみ さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
神を否定しながら、神の名を叫ばずにいられない
まだ小さな、か弱い少女が戦争に巻き込まれて、必死に生き残ろうと・・・
決してそんなお話ではありません(笑)
主人公ターニャ・デグレチャフ少佐は、前世を現代の日本のフツーのサラリーマンとして生きたが、運悪くホームから突き落とされ死んでしまう。
その瞬間、神に出会い、神を称え、命乞いをするよう求められたが、拒否。
結果、現世と似ているがちょっと違う別世界へ、記憶を持ったままで転生させられ、る。
そして別世界に存在した真導術を武器に、陸軍将校になっていく・・・
このアニメ、主人公は幼女ですが、幼女らしい事はほとんどなく、それどころか女性キャラクターもあまり出てこず、萌え要素はほぼ皆無です。ハードなミリタリー物で、第一次大戦にビミョ〜に似てる世界で事が進み、現実でビミョ〜に聞いたことありそうな作戦がバンバン出てきます。
戦史に詳しい人ならば夢中になる事間違いないでしょう。
当初は平和な後方勤務で安息に過ごすことを希望し、上手く立ち回って参謀本部勤務を勝ち取ろうとしますが、上手く立ち回り過ぎてエースとなり、上手く立ち回り過ぎて新設大隊の大隊長に抜擢れるのは、神のイタズラなのか、偶然なのか(笑)
究極的にリアリストたるべき陸軍将校でありながら、神に祈らなければ自分の能力すら使えない制約を受けながら、神を否定し戦っていくのですが、主人公ターニャの前に立ちはだかるのは、神の名を唱えながら迫る敵ばかり。
さらに数多の敵を排除しても、新たに敵となったのは神の名に誓ってターニャとターニャの国、「帝国」に復讐を誓う少女。
正直言って観ててここまで強烈に皮肉を吹っかけてくるのかと思いました。
真導術を駆使した空中戦が展開されるので、映像的にも映えていいし、戦争の流れの中で参謀本部の戦略的な流れも出でくるし、神を否定するが故に神に翻弄されるという宗教的?な部分もあるしで、かなり多くの要素がバランスよく配置されています。
なお、opとedがハイテンポで作品と合ってていい感じなのも個人的に高評価です。
観終わって爽やかな感じはないですが、重厚で考えさせてくれる作品で、
自信を持ってオススメできる一作です。