「劇場版 Wake Up,Girls! 七人のアイドル(アニメ映画)」

総合得点
62.0
感想・評価
254
棚に入れた
1188
ランキング
4982
★★★★☆ 3.5 (254)
物語
3.6
作画
3.4
声優
3.3
音楽
3.8
キャラ
3.5

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 2.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

仙台ではなくて監督を元気にするアニメ。

【概要】

アニメーション制作:Ordet、タツノコプロ
2014年1月10日に公開された劇場アニメ。
監督は山本寛。

【あらすじ】

2013年7月。杜の都・宮城県仙台市に弱小芸能プロダクション「グリーンリーヴス・エンタテインメント」があった。
社員は、いい加減な性格な女社長の丹下順子とマネージャーと言う名の雑用係の松田耕平の二名。
最後に残ってた所属タレントが去って内輪もめをしていたときに偶然にTVに映っていた、
芸能界でもトップセールスを誇る超人気アイドルユニット「I-1club」を見て女社長の丹下は思いついた。

「うちらもアイドルグループを立ち上げれば、ボロ儲けじゃない?」

手をこまねいていれば廃業間違いなしの状況での、
社運を賭けたアイドルプロジェクトの始まり。

まずはイチからのメンバー集め。丹下は松田にアイドル候補生を発掘してスカウトすることを命じるのだった。

【感想】

監督は、涼宮ハルヒの憂鬱で一躍有名人になったアニメ演出家でありますが、
あちこちの現場で問題行動を撒き散らしては、債権者破産された人物として有名ですね。

・ハルヒ、らきすたの当時は正確には子会社在籍の演出家だったのに何故か元京アニの大物を騙る。
・ハルヒの監督を名刺代わりにしていたが、実際は石原立也氏が監督であり経歴詐称癖がある。
・ハルヒのアニメ共同監督で大ヒットの仕掛け人みたいな発言をしていた。(勿論そのような事実はない)
・オレがいなかったらハルヒは存在していなかったとか、原作者の存在を無視した失礼過ぎる妄言は平常運転。
・域に達していないとの文面で、社の信用低下回避と製作進捗の障害で、らきすたの監督を降ろされた後も、
 武本監督を遠隔操作していて指示を出し続けていたので実質、最終回までオレの作品と騙る。
・武本康弘監督をやたら目の敵にして、「人柄一流。作画は二流。演出は論外。」と評する。
・吉岡忍と高雄統子と山田尚子に演出を教えたのはオレ!と騙り、コマネチしながら「リズと青い鳥」を酷評する。
・新海誠に嫉妬している。
・WUG新章とコップクラフトの監督である、板垣伸も目の敵にしている。

などなど本人の発言のみを見ても、他人の功績を盗む&オレはあいつより偉い!
という意図にしか見えない数々の武勇伝は全部自称であり、
また、最新作の『薄暮』の本人自筆のコンテ画像をネットで見たのですが、
ラフであることを考慮しても作画能力の皆無さと演出意図の伝達能力の著しい低さを見るに、
自分はすごい演出家なんだぞ!という与太話を素直に信じるのは流石にお人好しすぎるかと。
ぶっちゃけ…京アニファンからは、いなかったことにされている人ですね。

それはさておき、アニメ製作者のタイプとしては、まずは自分が好きなもの、
見たい(見せたい)クライマックスシーンありきで、
そこに到る過程のストーリーは付随物かな?
設定とか整合性とか細かいものはあんまり気にしてないように見える。
とにかく自分が見たいシーンは何度でも執拗に納得行くまでリテイクする。
その際に全体の工程とか予算がすっぽり抜け落ちる。好意的に見れば職人気質。
しかしながら問題点があって、この監督さんは口だけで手を動かさない典型で自分で絵が描けないし、
コンテやラフ絵で頭の中にあるものを形にして人に伝える技能を持たない。

演出プランを事前に打ち合わせ(作打ち)してから作画作業にが入るの常識なのだが、
打ち合わせが不十分、打ち合わせで言ってないことを原画がアップされてから、あれも違う!これも違う!と全部没にする。
それはろくな図面も渡さずに家を作っては壊すを繰り返す大工の棟梁に等しく、
現場の徒労感はアニメーターが気の毒である。
指示が大雑把であるなら責任は全部自分で背負う覚悟で任せるのが道理である。

そもそもがニコ生に出演した際に、新商品の宣伝として持ち出された、
当人にとって憎き京アニの大ヒットアニメである、『けいおん!』の平沢憂の、
ねんどろいどのデコマス(彩色見本)を素手で触って雑に首をもぎとって笑う人物なので、
他人の気持ちを感じ取り、思考を推理する論理性が最初から無いのかもしれない。

(工場で製品の原型になるデコマスは、細心の注意を払って扱われるものであり、
 素手で触る行為は論外で、企業の信用に関わる大問題であり、
 この事件で京都アニメーションとグッドスマイルカンパニーの提携が解除された)

話を戻すが、結果としてしっかりした指針を与えられないままにアニメーターが仕上げた原画の没の山が出来、
予算と時間が食いつぶされていく。原画マンあがりで演出家に転身して監督になった人物なら、
具体的な形を持って絵コンテなり見本の絵を描いたりできる。
また、作画スキルがなくても水島努監督みたいにしっかりしたコンテを作れる演出家もいるのですが、

この方はインスパイアされたもの、自分の趣味を映像にしたいだけで、
イメージを立体的に想像して、目に見える形で人に伝えることが出来ない。
その結果が、水島精二監督から『全部正面!』と呼ばれるレイアウトの貧困さなのかな?
本人が金看板にしている涼宮ハルヒの憂鬱での『ライブアライブ』とのあまりの違いに、
あれは京アニの精鋭スタッフの介護ありきで本人の力に見えないような。

人の仕事に満足できずにキレ気味でスタッフを無能呼ばわりしては、
人からどうすればいい?かと質問されても具体的な言語化能力に欠けている。
結果として現場の不協和音の原因になっていく。
作業遅延と士気低下の影響は作画に顕著に現れ、丁寧に描く時間の余裕を失い、
終盤のライブシーン以外は劇場版と思えない作画クオリティ。人物と背景のサイズ合わせが調整不足な場面が散見される。
雨の仙台の住宅地を泣きながら疾走する島田真夢が巨人化しているなど、細かくチェックしていけば、
え?と思うシーンがあちこちある。

これが低予算深夜アニメならば頑張ったと評しても良いのだが、
潤沢な予算と時間と人員を貰いながら、そのクオリティに達していない!というのが正直な作画面の評価である。

TV版の導入部分で話が短いので物語が破綻はしてないのですが、全体的にジメジメギスギスとしてるし、
ギャグも全然笑えない。感銘を受けるシーンも無く1時間が過ぎていったアニメという印象。

ヤマ場=感動シーンを想定して作られたのかもしれないが、物語の過程や登場人物の精神的な変化の流れが大雑把過ぎる。
言葉なり演出なりに説明不足に、ただ目の前にある事象をただ眺めているだけに過ぎず、
視聴者にキャラの気持ちになりきって察しろと言わんばかり。

具体的に言えば、元センターの島田真夢が昔の自分のアイドルDVDを見て何故涙を流し、
何故もう一度アイドルを志すようになったのか、映画の中ではヒントすら描かれていないのだ。

それは、TV版全12話を見て察しなさい!ということなのか?
映画1本の枠組みの中ですら1つのエピソードが終わらないままで、不親切なのである。

7人の少女アイドルがいながら、彼女たちに輝きがなくて全体的に辛気くさい。
少女の成長モノ?というジャンルでまだスタート地点であると納得するのが良いのでしょうかな?

まあ、監督ご自慢の、終盤に地元制服を着てパ○ツ見せながら7人が踊るシーンは、かなり気合入ってましたけどね!
男性と比べて寒さに弱い体質である女性が雪の降る仙台で生足でパ○ツ見せながら元気に踊る事自体、
女性視点のリアリズムが欠けてると言わざるを得ないですよね。

監督が脳内で声優とキャラをリンクさせて思い通りに動かして満足するためのアニメが、
これではないでしょうかね?そういや林田藍里の顔のホクロの位置が声優と同じですね。

監督視点でのスキと7人のアイドルに共感を持って一緒に盛り上がれれば楽しめるアニメかもしれませんが、
そこまでの丁寧なドラマ描写と演出力が足りてなかったということで、
ちょっとイマイチだなと思ったのが正直なところでした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2019/09/27
閲覧 : 335
サンキュー:

30

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