「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld(TVアニメ動画)」

総合得点
77.2
感想・評価
568
棚に入れた
2942
ランキング
629
★★★★☆ 3.7 (568)
物語
3.5
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.7

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

クオリティ優先と思われる分割は吉と出るか凶と出るか

原作既読。
アリシゼーションの最終章へ、当然視聴開始。

【作品概要】
 アンダーワールドの人界の最高権力者である
 アドミニストレータに勝利したキリト達でしたが、
 その代償にユージオは死に、
 キリトも自我喪失状態となってしまいました。

 そんな中ダークテリトリーと人界を隔てていた門の
 天命が0となり崩壊します。
 人界の主戦力が相打で消耗している最悪のタイミングで
 ダークテリトリーの総攻撃が始まります。

 一方現実世界の方でもオーシャンタートルに
 謎の武装部隊が侵攻。
 両世界を交えた戦いの行方は?

【作品に対する感想】
 美麗な作画です。
 健気にキリトを支えるアリス。
 ダークテリトリー軍との戦争もかなりの気合でした。

 敵味方個人的ないろんな事情が絡んで戦場に立っているわけで、 
 「心の痛みがある戦い」が描けていたのが良かったと思います。

 ただ中途半端な終わり方だったので、物語は低めの評価です。 

1)物語
 オールキャラ入り乱れての最終戦争。
 これまでSAOを視聴してきた私にとって、
 こんなの熱くならないわけがないです。 
{netabare}
 特に最後の方で、何も知らない一般人が一般アカウントで
 アンダーワールドになだれ込んでくるところは、
 原作読んでた時も予想外の展開で驚きました。
{/netabare}


 ただ長大なアリシゼーションを4クールという長丁場で
 描いていく中で、結局2クール+1クール+1クールと
 かなり細切れになってしまいました。
 クオリティとマンパワーを天秤に掛けた結果なのでしょうが、
 3クール目のブツ切りは勿体なかったと思います。
 盛り上がってきたところでそりゃないよー!

 尺の関係上、敵味方含めて深掘りがカットされている
 ところが多々あり、
 説得力の面で勿体なかったかなと思います。
 「こういう背景があるから、こんな行動するんだ」
 だからこそ心を打つものがある…。

 情報量が多い原作を先に読んでしまうと、こういうところが
 アニメを楽しむうえで勿体ないですよね。
 (原作を知らなければあまり気にならず、素直に楽しめたかと)
 

2)作画
 基本美麗な作画でよかったと思うのですが、
 いくつか自分のイメージと違ったところがありました。
{netabare}
 ①ルーリッド村で金木犀の剣を解放した時
  意外と威力が低い描写で残念な気持ちでした。
  族長クラスならまだしも一般兵程度なら紙のように貫いて
  欲しかったかなと思います。
  「殺す」をしっかり描いて欲しかったと思います。

 ②ペインアブソーバレベルゼロをちゃんと描いて欲しい
  アスナが血で足を捕られてバトルアックスで
  腕を切り落とされるところ。
  ちょっと痛そうでしたが、ホントに腕を斬られた痛みは
  そんなどころじゃないですよね。
  (と言いつつ、私も斬られたことないのでわかりませんが)
  ゲームじゃない、本当の戦争を謳うならここは
  避けて欲しくないです。
  神様アカウントで天命は無尽蔵ですが、
  痛みは延々と味わうことになるまさに地獄。
  一撃で死んでいける一般アカウントの方がまだまし
  という表現をして欲しかったと思います。

{/netabare}

3)声優
 やっぱりアリスの演じ方に変化をつけてきました。
 淡々と冷たい印象だった前の期に比べ、丸くなった印象です。
 ここは狙い通りだったのではないでしょうか。

 逆にちょっと気になったのは
 「もう少しゆっくり、間をとって欲しい」。
 尺の関係か話し急いでる印象を受けるところがありました。
 特にしっとりとしたシーンでは葛藤など去来する思いが
 あるはずで、それを間で表現して欲しかったなと。

4)音楽
 ED「unlasting」アリスの悶々とした気持ちが伝わってくる
 いい曲です。それにマッチした映像も素晴らしいです。
 またシリーズの集大成ということもあってか、
 1期の時の曲が使われてたり、
 胸アツな仕込みも多かったと思います。


5)キャラ
 ①ガブリエル・ミラー
  WoUのラスボス。
  ゲスを通り越して人として壊れている人。
  魂…あるのかないのか分かりませんが、彼を見ていると
  頭がよすぎるのも考えものかなと思ってしまいます。

 ②ヴァサゴ・カザルス(PoH)
  アインクラッド編の頃からちょこちょこシルエットなどが
  登場してましたが、今作ではがっつり登場。
  アインクラッドの時はもっとクールな印象でしたが、
  今作では割とバカっぽい感じに描かれてます。

6)印象深いシーン
{netabare}
 ①四旋剣ダキラの想い
  全身の骨が砕かれ、血涙を流してまでファナティオを
  守りきった覚悟の程に心打たれます。
  
  惜しかったのはファナティオが暴走したジャイアントの
  族長にビビって動けなくなったように見えてしまった
  ことですね。
  族長が恐怖でフラクトライトを自壊させる過程で
  偶発した心意でがんじがらめにされて動けなくなった…
  ということなんですけど。
  先にフラクトライトに干渉するようなカットを入れた方が
  より分かりやすかった気がします。
  
  また、ダキラが整合騎士になった経緯は同性を好きに
  なるという禁忌目録違反をしたからなんですよね。
  この辺の背景があればもっと彼女の死を悼めたのかなと
  思えます。

 ②レンジュとリルピリン
  いやもう、胸糞悪いシーンでした。
  もうちょい彼らの深掘りをしてくれたら
  よりくるものがあったのですが、そこは残念ですね。

  リルピリンが憎悪する人は人界軍というより
  ダークテリトリーでのヒト属
  (オークやゴブリンらを見下す連中)だと思います。


 ③エルドリエの最期
  エルドリエは頭が固く、私的にはいけ好かないタイプです。
  しかし整合騎士100人を殺害する術を独りで引きつけ
  心意の限界突破でHPマイナス500,000になっても
  相殺しきった覚悟はやはりくるものがあります。

  アインクラッドのキリトのように、HP0でいったん爆散して、
  ユージオの手押しで再構築⇒HPマイナス500,000という
  流れの方がより解りやすかったかもです。

 ④シェータVSイスカーン
  血なまぐさい戦闘が続く中、少年漫画のような拳で語り合う
  熱い戦いを見せてくれた二人。
  (リアリティという意味では戦争中おかしいんですが、
   まあ好しです)

 ⑤正妻戦争
  正妻(アスナ)VS現地妻(アリス)の戦いは
  原作未読の方も予想していたと思いますが、
  リーナ先輩、ロニエが参戦するのは
  予想外だったのではないでしょうか?
  アスナはもうチョイ引きつった笑みでいて
  欲しかったかなと。
  この4人の女子会の話、オリジナルで映像化
  されないかなと思ってしまいます。

  そう言えばアスナがブレードを持って戦うのって
  初めてじゃないですか?  
  ごんっっていう重たい剣戟の音が印象的でした。

 ⑥リズの大演説
  正直リズの話の内容自体はそこまで響いてないんですよ。
  理由はおそらく私がネトゲをやったことがないから、
  そこでのつながりっていうのが肌で解ってないから
  だと思うんですよ。

  で、私が何に対して心動かされたのかというと、
  「相手に何のメリットもないことをお願い」するのって
  本当に大変なんですよね。
  それが些細なことならまだしも、
  ①自発ログアウト不可
  ②ログアウトには死ぬしかないが、ペインアブソーバゼロ
  ③キャラデータロストの可能性あり
  って、あの時間にオンしてるゲーマーの価値観を察するに
  ③って致命的と思うんですよ。
  ②もペインアブソーバってレベル3以下にすると現実の
  体にも影響が出るって話だったと思うんですよね。
  フェアリーダンスの最後で須郷は目の焦点が
  合わなくなってましたよね。
  
  無関係な人にとってはAIがどうなろうが、
  キリトがどうとか正直どうでもいい話だと思うんですよ。
  仮に米軍の戦闘機が無人化して日本を攻撃してくるって
  話になったとしても、たかだか1ゲーマーにとっては
  規模が大きすぎてどうにもできないという
  感覚だと思うんですよね。

  リズはそれを解った上で、頭を下げてお願いする。
  見上げた覚悟と思います。

  ただ映像になって気になったのは、
  年長者であるエギルやクラインが後ろにいて
  リズに演説させたところは「なんで?」と思いました。
  とくにSAO1期第一回攻略会議でキバオウを瞬殺した
  エギルは前に出るべきだったのかなと思います。

{/netabare}

投稿 : 2022/03/13
閲覧 : 275
サンキュー:

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