「大正野球娘。(TVアニメ動画)」

総合得点
66.5
感想・評価
456
棚に入れた
1986
ランキング
2770
★★★★☆ 3.7 (456)
物語
3.7
作画
3.6
声優
3.8
音楽
3.5
キャラ
3.8

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

思いの外、王道なスポ根もの

 原作は未読。
 アニメでは数少ない女子野球もので、更に時代が大正というかなり珍しい作品だが、大正は
スポーツが盛んになり、女子の地位向上が叫ばれた時代ゆえに、大正の女子野球という設定は
うまくはまっているように思える。
 政治の大正デモクラシーや文化の大正ロマンなどからくる明るい空気感は、作品の持つコメディ
テイストにマッチしており、この辺の雰囲気は同じく大正を舞台にした「はいからさんが通る」に
通じる感も。

 小笠原 晶子の許婚である岩崎 荘介の晶子に対する「女性は家庭に入るべき」といった発言に
反発して野球を始めたため、当初は「女性の社会進出を扱ったシリアスな要素を多分に含んだ作品に
なるのかな?」と思ったりもしたが、その辺の要素は端々に顔を出すもののそれほどシリアスに
取り上げられることはなく、肩肘張らずに楽しめる作品。
 逆にテレビ放映時は「けいおん!」のすぐ後に放映されただけに、最初の頃は「野球は適当で、
女子キャラがワイワイやるのがメインでは?」と思うような声もあったが、実際はかなりちゃんと
したスポ根もので、終盤の朝香中学との試合などはクライマックスに相応しい内容。
 部活ものという点では、時代設定こそ大正だが、同好会と部の違いが扱われたり、合宿が
あったりと現代のそれとはあまり変わらない感じ。

 時代考証は結構やっているようで大正時代独特の文化・風俗の描写も見どころの一つ。
 「時代的に膝を出すユニフォームがおかしい」といった声もあったが、これは大正に限らず現代が
舞台の「八月のシンデレラナイン」や「球詠」に対してもあったもので、これは野球に近い
ソフトボールのユニフォームの影響と女子キャラの足を見せるためのファンサービス的なもの
なんじゃないかと。
 むしろ本作では硬式を強調していながら、打者がヘルメットを被っていないのが結構怖かった。

 主人公の鈴川 小梅だが、この手の作品の主人公は自分が発起人であることが多いのに対して、
本作の発起人は晶子で、逆に引っ張られる側が主人公の場合はそこで秘めていた才能が
開花することがあったりするが小梅はそれもなく、主人公としては珍しいタイプだなという印象。
ただ、才の無さを補おうとするひたむきさや努力家な面は目を引くもので、やはり主人公に
相応しいキャラだなと。
 他も魅力的なキャラが多かったが、個人的に好きだったのはどこかずれた感じのあった月映 巴。
「球詠」の大村 白菊なんかもそうだが、武道経験者が強打者になるというパターンはある種の
ロマンを感じる。
 女子ものゆえに百合要素もある。メインの小梅と晶子に関しては、バッテリーを夫婦に
準えることから、それっぽく描くような部分もあったが、二人ともそういった感情はなさそうで、
実際に百合的要素は小梅に対する巴、巴に対する桜見 鏡子などの方にありそう。

 キャストに関してはこの当時、色々な作品で主要キャラを勤めるエース級の女性声優を集めた
豪華な印象。
 今でも活躍されている方も結構いるが、さすがに少女役はあまりないため今観ると貴重な感も。
と書いたけど小梅役の伊藤 かな恵氏や本作では大人のアンナ・カートランド役の新井 里美氏は今も
「とある科学の超電磁砲T」で中学生やってたw。

 全体にしっかり作ってある印象だが、逆にやや地味な感も。

2020/06/01
2020/06/02 脱字修正

投稿 : 2020/06/02
閲覧 : 234
サンキュー:

7

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