ratingirl さんの感想・評価
1.2
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 2.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
日本の誇り沈没
この作品は期待が高かった分本当に残念で、日本の誇りをズタズタにされた気分です。
自然災害を何度も経験した日本で国民が支援を通して得ることができた日本の優しさと強さをこのアニメは無視し、日本は自然災害という絶望を真正面から見ようともしない、麻薬や宗教に頼る国と捉えているのです。
残念な理由の一つに、良かった点もあったからです。例えば「水」の例え方。「人間は水から生まれているのに水の中では生きられない」という発言や、プールの中で祈るシーン=水の中で亡くなった人と繋がる場所、など素敵な比喩は確かにあるんです。しかしこの表現は日本でない国でも同じこと。
そして同じ湯浅政明さん監督のデビルマンcrybabyのように現代化するのはリメイクの個性を出せていいと思います。しかし今回の重要点とは日本が舞台ということなのに、日本の良さを伝えるシーンをなぜラップという他の国の文化を持ってこなければならないのか。国によって感情を出すことができる表現は違うので場違いと感じました。
そういった描写や、キャラクターが他人の死や家族までの死を経験しても悲しみに明け暮れるどころか開き直る考え方がどうしても全く共感できないのです。
日本国民が共感できる自然災害というテーマで感情導入すらできないということは、日本という国を正しく表せなかった証拠でしょう。
このアニメは重要な「なぜ舞台が日本なのか」の答えをくれませんでした。
日本は弱い国だ、と日本やアニメまで下に見ている外国は多いでしょう。でも今この作品こそが、Netflixを通し世界中の人に日本の誇れる礼儀や文化を「アニメ」という幅広い年代へ馴染みやすい形で知ってもらえるチャンスだったんです。
日本は戦後や自然災害を含めたくさんの絶望に直面してきました。そこから復興していくとき国民は「助け合い」という大切な概念を身に染みるほど学んできたのです。しかし残念なことにその大切な日本の在り方を伝えるチャンスをこのアニメは逃し、監督湯浅政明さんが日本人だというのに間違った日本の概念を与える方向へ持って行ってしまったのです。