「憂国のモリアーティ(TVアニメ動画)」

総合得点
74.1
感想・評価
271
棚に入れた
1045
ランキング
928
★★★★☆ 3.7 (271)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

saitama さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

モリアーティを主人公に。空想なれど設定の細かさが凄い。

原作未読

シャーロック・ホームズの最大のライバル、モリアーティ教授。そのプロットから、モリアーティを主人公にした物語かぁ。悪くない。

完全犯罪ならば犯罪ではない…的な発想は、モリアーティっぽいのか? は分からないが、いい着眼点。

■1話視聴

主人公とその周囲がカッコいい。女子受けしそうな。物語としては、推理の進め方がまんまシャーロック・ホームズ。まあ、ライバルなのだから、同じ推理工程なのはあり得るなと思う。

1話の最後、とくにモリアーティの犯罪グループに参加するわけでもなく、自分で敵を討つ、DIY必殺仕事人的な。本家の必殺仕事人は依頼者全員死ぬので、それはよりはずっとマシ。

とくべつ衝撃はないけれど、「おー」と今後も観ていきたい。


■2話視聴

貴族の中から犯罪者が生まれたのではなく、知識があり、頭脳明晰で、確固とした哲学を持つ主人公に貴族のパトロンが協力することで、犯罪卿モリアーティが誕生する。

その協力過程でパトロンは貴族の家族を排除することで、新たな家族としてモリアーティを引き入れる…。

1900年代のロンドンであれば、DNAもなく、貴族への捜査も限定的となる。それであれば、人が入れ替わってもそれが露呈することはない。

設定としてよく練られている。ただ、例え頭脳明晰の天才だったとしても、知識をあそこまで詰め込めた秘密が不明なのは、今後明かされるのだろうか? そこは唯一気になる。


■11話まで視聴

いやー、面白い。

途中からホームズが出てきたが、ホームズは労働者階級で、ちゃんとワトソンはアフガン帰り。
しっかりとコナン・ドイル原作のプロットを活かしつつ、原作にはなかったキャラクターになっている。

そして、同じように天才で、捜査手法も同じ。
ただ、モリアーティはあえて犯罪者心理からルートをたどるあたり、面白さ倍増。

ホームズとモリアーティ、ふたりの船での出会い方もいい。ちゃんと、ホームズの人物推理で出会うあたり、原作でホームズが自分に会いに来た人間観察&推理の部分を上手く使っているのがわかる。それは一例で、本当に原作にあるものを丁寧に利用している。

この作品の漫画原作者は、コナン・ドイル原作をすごく大事にしているのだろう。
原作をよく理解しているからこそ、設定の取捨選択が上手い。
「このエピソードと設定はあそこから利用かな?」と、小学生の頃、放課後の図書館でコナン・ドイルをめっちゃ読んでいた頃を思い出した。

そのうえ、シャーロック・ホームズの兄がいて、MI6所属、さらにモリアーティの長男も絡みだす。
あまりにも面白いオリジナル追加設定で、ついつい、漫画原作を調べてしまった…。

そうしたら、ジャンプスクエア連載作。やはりジャンプ原作は競争率高いなかで連載を勝ち抜いているだけあって、本当によく出来ている。

推理モノは設定と手法が本当に重要だから、この作品は秀作だと思う。

淡々とストーリーが進むので、声優にキャラがつきにくいのは仕方ないが、評価は難しいところ。もうちょっと各キャラの声に艶があると良いかも。これは求めすぎか…。


■17話まで視聴

2期へそのまま移行。

途中から新たなキャラとしてジェームス・ボンドが登場して、さらに面白くなった。

コナン・ドイル原作と大きく違い、モリアーティは英国政府と組んだ側、ホームズは既得権益(ヤード)のなかにある正義と組んだ側となった。

この作品が凄いなと思うのは、時代考証と設定をすごく作り込んでいること。

17話で出てくるガトリングガンはアメリカで発明家ガトリングが1861年に発明、機関銃にそれが移行するまでの1911年までアメリカで配備された。

で、コナン・ドイル原作でモリアーティ教授と対決するのは1891年。つまり、秘密兵器のようにヤードが使うガトリングガンの登場はおかしい訳じゃない。

ジャック・ザ・リッパーの事件は1888年で未解決。これも時代的にピッタリなので設定に取り込んで不思議はない。

時代が違うのはジェームス・ボンドだけだが、あえての19世紀後半にジェームス・ボンドが登場したら、こういう設定だろうと、武器などが登場する。

とことん設定にこだわったことがわかる。

こういう細かい部分への配慮が、リアリティを良い感じに生み出す要因となっている。設定の大事さがよく分かる。


■最終話まで鑑賞

観終わった。まあ、脅迫王ミルヴァートンがしょぼかったり、最後は誰でもわかるような生き延びる決着だったのはイマイチだったけど、全体は良かった。

最後は原作は続いているようだし、まあ、ああするしかなかったかな。

投稿 : 2021/06/30
閲覧 : 576
サンキュー:

9

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