「いつだって僕らの恋は10センチだった。(TVアニメ動画)」

総合得点
67.0
感想・評価
175
棚に入れた
854
ランキング
2571
★★★★☆ 3.5 (175)
物語
3.4
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.4
キャラ
3.4

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

Fanatic さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2
物語 : 1.0 作画 : 1.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

登場人物の言動に整合性がなさすぎる

酷評になります、すみません(o_ _)oペコ

内容はありふれたラブストーリーですが、ありふれていること自体はマイナス点ではありません。
演出がよくて作りが丁寧ならば登場人物にも感情移入できますから、ストーリーが凡庸でも楽しめるものです。

でも本作に関しては……。
作画は、パリッとした色彩で一見悪くはないですが、キャラクターの顔が判子絵で描き分けできていないのが気になりました。
そして何より、キャラクターの言動にリアリティというか、説得性がほとんど感じられないのが致命的でした。

{netabare}
まず、千秋(かつて、溺れた美桜を助けてくれた人)の墓参りに行くまで、彼が春輝の兄だという事実を美桜は知らなかったようですが、かなり不自然です。

「美桜が溺れた際に命を救われた恩人がいること」そして「千秋が溺れている女の子を救ったことがある」という話は、春輝も夏樹(春輝の幼馴染で美桜の親友)も知っていました。
それなのに二人とも、美桜と千秋の体験談を関連付けて考えてはいなかったというのは、さすがにあり得ません。

さらに、春輝の兄である千秋の死因が、自分を事故から救ったことと関係があるかもしれないと思った美桜は、春輝への恋心を封印して彼を避け始めます。
春輝に事実を知られて嫌われるのが怖かった、という説明ですが、突然無視なんてしたらさらに傷つけるとは思わなかったんでしょうか?
そもそも、そんな事実を知られたくらいで、春輝が美桜を嫌いになると考えること自体、無理があります。

しかも、表面上は普段通りに過ごしているならまだいいですが、友達である夏樹やあかりの前でもウジウジモードに入ります。
これじゃあ、ただのめんどくさい構ってちゃんじゃないですか。

千秋が亡くなっていることを知ったあと、一番気になるはずの死因についても確認する場面はありません。
しばらく後に、夏樹から千秋は病気で死んだことを聞いたあとも、

美桜「そうかも知れないけど……でも、あの時私を助けなかったら……私が溺れたせいで……私なんか……」

――え? 私なんか……何ですか?

美桜が、自分の事故と千秋の死が無関係だと知った後でもウジウジし続けている理由を視聴者に説明できる場面だと言うのに、肝心要の部分で言葉を濁してしまいます。

これはおそらく、制作サイドが「美桜が春輝を避ける」というシチュエーションだけを先に考えて、キャラクターの行動を後付けで考えたため、行動理由に対する解を用意できなかったのではないでしょうか。

しかもそのあと、明智先生から「川で女の子を助けたあと、病室で千秋が言ったこと……」という情報が出てきて、またまた「???」となります。
夏樹は、千秋の死因は美桜を救ったこととは無関係と言っていたけど、直後に病院にいるということは、やっぱりあったのでしょうか?
いったいどっち?

美桜にとっても視聴者にとっても、千秋の死因はかなり重要な情報のはずなのに、一向に詳細が明かされずモヤモヤが募ります。
これに関しても、きちんと設定が固まっていなかった印象を受けます。

こんな中途半端にするなら、千秋の死と美桜を救ったことには因果関係があったということにした方が、まだ説得力を持たせられたのではないでしょうか。

春輝との未来は描けない、なんて言ってふっ切ると決めたはずなのに、春輝のアメリカ留学の話を聞いて思いっきり動揺する美桜。

かと思ったら、今度は春輝が、「自分は千秋の夢を追ってただけで、映画監督は自分の夢じゃなかったことが分かった」という、よく分からない理由でウジウジモードに。
そんな春輝に、今度は美桜が平手打ちで渇!
そもそもの原因は美桜じゃん!……と、思わず笑っちゃいました。

アメリカに行ったきり、ほとんど連絡もよこさず七年間ほったらかし、という春輝の身勝手さにも驚きですが、何事もなかったかのようにサングラス姿で美桜の前に現れた時には、正直、なんだこいつ?という感想しか湧いてきませんでした。
しかも、そんな春輝を待ちながら25歳(推定)までバージンの美桜も、正直気持ち悪いです……。

お互いに新しいパートナーでもできて別々の人生を歩んでいる、という結末の方がまだ納得できたかも?
{/netabare}

恋愛ジャンルにおいて、キャラクター間の心情描写や説得性のある言動は最も重要な部分ですが、本作においては、踏ませたいイベントが先にありきで、キャラクターは制作者側の都合に合わせて動く感情のない駒になってしまっています。

一つ一つは些細な違和感でも、それがあまりにも多すぎて、まったくキャラクターに感情移入できなくなってしまいました。

投稿 : 2020/11/09
閲覧 : 310
サンキュー:

1

いつだって僕らの恋は10センチだった。のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
いつだって僕らの恋は10センチだった。のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

Fanaticが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ