「MARS RED(TVアニメ動画)」

総合得点
68.7
感想・評価
115
棚に入れた
372
ランキング
1951
★★★★☆ 3.5 (115)
物語
3.4
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ヴァンパイヤものとしては平凡だったか

ネットでの評判もまったく聞いていなかった本作、なんとなく見始めてしまいました。各話書けるかどうかわからないんですけど、今期見ようかなと思います。年配向けで作画もそんなにはよくないのですが(影がまったくついていない絵)、苦手な吸血鬼ものだし。続くかどうかわからないんですけど・・・。

第一話{netabare}
前述したように影がついていない絵で、人物の描き方もちょっと劇画風で萌え要素は排除といった感じではじまりました。絵柄からは丸尾才一さんとか、昔の少女漫画のマーガレットで描いておられた・・・・うーん・・・思い出せない・・・・。その、哲学的な作風で一時有名だった方です。そのあたりを思い起こさせる。でも影がついていないと言っても、デッサン力は非常にある絵で、難しい俯瞰やあおりの構図での作画もこなしています。だから作画力は今のところ高いと思います。

時代設定の大正時代のものもよく調べていると思います。ただこういう時代もので、以前切った作品でそういうのがあったので、過剰に期待はしないでおこうと思います。吸血鬼要素もわりとおとなしめで、ホラー要素は少ないですね。主人公の前田大佐は、るろ剣の斎藤風だけど、もっと大人で落ち着いたキャラで好感が持てます。というか、るろ剣でもこういう斎藤が望ましいのですがね。吸血鬼になった女優とのいきさつは、最後までうまく演出されていたと思います。カットの切り方とか巧みで、あまり派手でなくとも最後まで楽しめました。ただストーリー的にちょっと弱かったかなあ。演劇的演出を楽しむ回みたいでした。 {/netabare}

第二話{netabare}
前田大佐の所属する吸血鬼部隊の紹介みたいな回。吸血鬼になってしまった兵士が討伐隊に組織されているという矛盾。しかし、ヴァンピールになりそこなった者は、その場で殺されなければならない。吸血鬼ものによくある話が、悲哀をもって描かれます。 今のところわりと面白いし、吸血鬼部隊内の人間模様も人間味があって面白い。二枚目キャラも登場して、今後の布石みたいでした。次回に期待。 {/netabare}

第三話 {netabare}
旧日本陸軍で吸血鬼による「金剛鉄兵」という不死身部隊を作ろうとしているという話、京極先生の「魍魎の匣」みたいな話になってきました。今回はその話が主で、零機関内の吸血鬼のおじさん・・・・名前ちょっとわからない、その人が生前の妻と会う話。前田大佐が車の中で胸を押さえた場面が気になりました。何かあるのかな? 送り灯篭の場面が綺麗でした。和歌とか大正ロマンが好きなファン層には受けると思います。これってもともと声優さんたちの朗読劇から来ている作品みたいで、大人の女子向けですねぇ。 {/netabare}

第四話 {netabare}
スワと吉原の明里という若い女郎の話。声優さん人気があるキャラだから、なんとなくそれで作られたエピソードっぽかった。明里の最期は陰惨な悲劇で、大量に発生した吸血鬼とか、こういうのちゃんと処理されないまま「Blood」シリーズのように終わるんだろうなという予感がある。今回は暗かったです。今後このトーンで行くとしたら、つらいな。 {/netabare}

第五話 {netabare}
金剛鉄兵がすでに別部隊で組織されていたという話がまず出て驚きました。話の最後で登場して、まるで映画「人狼」に出て来た機動部隊のようです。やっぱり押井監督がバックかなあ?「Blood」と似たヴァンパイヤものですし。いわゆる「貴族」と呼ばれている吸血鬼たちは、吸血鬼伝説のとおりで退廃的に描かれていましたね。しかし零部隊はそしたら何のために組織されていたのでしょうか?まだまだ知らない設定があるみたいです。そして入院中の前田大佐の病はなんなのでしょうね?吸血鬼よりもさらに上の人狼になったりして?吸血鬼たちの関係も複雑そうで、皆殺しになった貴族たちはどういった理由なのか気になりました。今回は話が複雑になってきていて、面白かったです。ではまた。 {/netabare}

第六話{netabare}
関東大震災で、山上さんが前田大佐を助けるのに太陽に当たって死亡。金剛鉄兵の話も、いよいよ全貌が見えて来たみたいでした。一話で死んだ岬は中島中将の娘だったんですね。前田大佐とは思い合っていた仲だったのでしょうか。これは何クールあるのかわかりませんが、この進み具合だと1クールではないような気がしてきました。長い話になるのかなあ。作画はだいぶ落ち着いてきたみたいで、影のついていない絵も大正時代の風俗画のように見えて、いい感じです。このまま落ちずに最後まで行ってもらいたいです。 {/netabare}

第七話{netabare}
一年前の頃の過去話でした。中島中将の娘の岬が、オスカー・ワイルドの戯曲サロメの女優としてデヴューした矢先事故に逢う、それを助けるデフロット少年というあらすじ。そして関東大震災で下敷きになって動けない前田大佐もデフロットは助けたみたいです。どちらも吸血鬼にされたのでしょうか。しかしデフロットの握った手から出たものはどうもふつうの吸血鬼の血ではないみたいで、中島中将たちが用いているガラス瓶の血液製剤とも違うみたいでした。前田大佐は確かに岬とは文通していただけの婚約者だったみたいです。それが「シラノ・ド・ベルジュラック」みたいというセリフがありました。それは知らないのでまた調べてみたいと思いました。昔に練習で弾いたピアノ練習曲にそのようなタイトルの曲があった記憶がかすかにあります。メトードローズ教本の中の一曲でした。

昔の岬とよく似たキャラデザインの新聞記者の葵ですが、こちらも平行して過去話が出ていて、どうも昔に婚約者を亡くしたようです。どうも出征兵士だったみたいです。栗栖はその弟でしょうか。今は栗栖と婚約中みたいですね。しかし彼も吸血鬼になってしまうのですね。

今回の話で、今までの話に出て来た断片が徐々につながっていったのは、シナリオが上手だと思いました。こういう風に徐々にパーツを組み上げていって、大きな伽藍を作る頭脳作業は大変なので、よく考えられていると思います。それではまた次回。

{/netabare}

第八話{netabare}
今回は震災後の栗栖にスポットが当たっていて、彼が各地の吸血鬼の被害者を口入屋に送り届けるという話でした。今まで栗栖が主人公らしい事が少なかったので、やっと話の中心になった感じでした。途中亡くなった山上の家に立ち寄ったエピソードは、山上の奥さんが不憫で哀感がありよかったです。やはり本作は1クール作品のようですね。話がだんだん終息に向かっている感じがあり、この先前田大佐の話があって、最終エピソードに続くのではと思います。前回ほど引き出しは多くはなかったですが、今回も面白い話でした。それではまた次回に。大正時代の東京の地下鉄建設地とか、はじめて見たので興味深かったです。 {/netabare}

第九話 {netabare}
前回の後日談的な回で、つなぎの回かなと。栗栖とスワにスポットが当たっていて、ワクチンで吸血鬼になったけど正気を保っている人々がいて、保護されているという話。スワが殺していた子供の吸血鬼がどのようなものだったのか気になりました。どうも敵のキャラからの使い魔ではなかったと思います。レコードによる罠もこの者が声色で張ったのですね。何かまだ金剛鉄兵以外にもそういった者たちが出てきそうな気配でした。ダニーボーイがなんなのか気になります。デフロットはその仲間なのでしょうか。「僕は降りた」という発言が気になりました。ではまた次回。 {/netabare}

第十話{netabare}
ワクチンで吸血鬼の難民が大量に出ている話は背景に下がって、葵がデフロットにオルフェウスの劇をするように提案し、それが成功するという話。しかし葵はルーファスにつかまってしまいます。助けに行ったデフロットが会ったのは、葵の戦争で行方不明になった兄で、今は金剛鉄兵になった者でした。 その頃栗栖たちはたこで空を飛んで逃げることを思いつきます。

話が斜め上に行っている感がありましたが、話としてはまあまあ面白かったです。史劇の場面は本当にこのスタッフたちの趣味だと思いました。こういうのが好きなんでしょうね。あと二回ぐらいで終わるのでしょうか。最終話がどうなるのか、今のところは予測もつきません。 {/netabare}

第十一話 {netabare}
あと2話ぐらいで最終回なのでしょうか。前回のラストに登場したのは前田大佐でした。髪型違っていたからわからなかった。デフロットくん以外のキャラがなんだか総沈没で、EDでデフロットのみが映されているのはこのラストあたりのせいだったかと思いました。デフロットくん、声優さんがあのお方のせいか、男と寝ない「風木」のジルベール風でわりと好きでしたね。葵が栗栖の助けにより助かったのはよかったです。しかし吸血鬼とそうでない人との違いが、もううやむやな感じで、細かい事言うなって感じのドラマになってます。それではまた次回。 {/netabare}

第十二話 {netabare}
来週で最終回ですね。ルシファーがデフロットの計により沈没したのは何よりでした。三姉妹の姉の子はルシファーといい仲になっていたのでしょうか、いつの間に?さらわれたのは前回でしたから、話がいきなり進んでいてとまどいました。でもあの扱いって愛人関係って意味ですよね?そんな姉の子と言い交わしたりしたスワにはファンの方からの黄色い悲鳴が出るかもしれません。中島中将は牢獄で自殺かな。そして前田大佐と栗栖の対決で次回になりましたが、このまま帝都は吸血鬼の巣窟で終わりそうなのは、Bloodシリーズと同じですね。ではまた次回。 {/netabare}

第十三話(最終話) {netabare}
前田と栗栖の一騎打ちで、前田が死んで栗栖が人狼(陽光にも平気な体になる)になって終わりでした。金剛鉄兵のその後は描かれなかったし、中島中将が牢でどうなったかも不明でした。タケモトたちが新天地で平和に暮らしていいるというのがEDの後に出ていましたが。まあ思ったとおりの最終回でしたね。特に言うべきこともなく、普通のテレビシリーズとして最終回を迎えたという事です。日テレの何周年か記念作品としては、歌い文句のわりに平凡な作品でした。それなりに設定とか凝っていたのは認めますが。声優陣が記念作品で豪華だったんですかね。 {/netabare}

投稿 : 2021/06/29
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サンキュー:

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