「ひげを剃る。そして女子高生を拾う。(TVアニメ動画)」

総合得点
72.8
感想・評価
489
棚に入れた
1480
ランキング
1070
★★★★☆ 3.4 (489)
物語
3.2
作画
3.5
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.3

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ゲリオ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 1.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

色々ヒドすぎも何だかんだ楽しめた

最後まで視聴完了したけど、これやっぱり吉田逮捕エンドにすべきだわ〜。
全てを失い、刑務所で罪を償った吉田の前に成人した沙優が現れ「おかえり。吉田さん!」で終了だったら良アニメだったわ〜。
吉田が最後まで男女の関係を意識しなかったとしたらまだしもだが、途中から完全に沙優が居ないと生きていけない体になってた。
ったく、こんな終わり方じゃJK拾ったモン勝ちぢゃん!
…といきなり取り乱したところで、レビューに移りたい。

まず、物語展開に関しては、極めて稚拙と言わざるを得ない。
この原作者でなければ書けない内容ということは絶対にない。
小説本の人気については題材の明快さと有能な絵師さんの功績によるものだろう。
なので真面目にストーリーを評価するとしたら確実に「ヒドイ」の3文字で終わる。
ただし、時にはそういう稚拙な内容のが楽しいこともあることをアニメを見て実感する。
独り身サラリーマンが家出した女子高生を拾って「オレはガキなんかにキョーミねー」とか言いつつも、部屋で毎日イチャコラしながら日常生活を送る…そんな馬鹿みたいな内容なんて、、、面白いに決まってるじゃあないですかぁぁぁぁ♪♪

「おじさんと女子高生の恋愛物」というのは、(世の中の大半の男性読者が夢見る妄想という性質上)他にも漫画等で幾つかの人気作品があるが、どれもおじさん側に葛藤があるなどして、恋愛が成就しない場合が多い。
ところが、この"ひげひろ"という作品では、家出した女子高生を養うという主人公吉田の【未成年者略取】という通常許されざる犯罪行為が一貫して正しいこととして描かれる。
吉田周りのキャラは「よくよく考えるとやばくね〜?」とか「紙一重だけど吉田君なら大丈夫!」とか呑気なもの。
児童相談所に行かずに自分のアパートに住まわせる時点で本当は極限にアウトなことしてるのに、手を出さなければセーフというのが本作の基本方針。
中盤、過去にJK沙優と援助交際していた男が「やってること犯罪と同じ」と発言して、吉田の行動の是非に踏み込む場面があったものの、悪役がようやくそれ指摘するのってどうなのって話だ。
いずれにしろ、様々なネタを毎週提供してくれる本作は、ある意味で今期の注目作のひとつであった。

キャラクターに関しては、女性キャラのビジュアルは良い。
しかしながら、このような可愛らしいキャラデザの女子高生が、援助交際で毎日のように性行為を繰り返していた事実は何というか胸が痛い。
こういう子がヤリマンなら、似たようなルックスの他作品の萌えキャラも汚されたような気がして…うまく表現できないが、そのような気持ちにさせられ非常に不愉快だった。
まぁつまり、二次元くらい現実を見せないでくれと…そういうことだ。

後藤と三島という成人女性キャラについては、特に三島は存在意義すら分からず。最初から負けヒロイン確定の可哀想な子だったとしか…
後藤については、吉田を振った理由が「直感で今はタイミングじゃないと思った」というのは意味不明にも程がある。理由付けならもっと色々あるだろうが。あと、会社で谷間ガバガバに晒してんじゃねーぞ。
沙優の兄は、家を追い出された妹に30万ぽっち渡して放置とか人でなしにも程があるが、なぜか理解のある善人として描かれて非常に違和感を感じた。
過去回の沙優の親友については、わざわざ自殺する瞬間を本人に見せるとか嫌がらせにも程があるのでは…?
と、上記の幾つもの「程がある」ツッコミどころからも、本作がいかに稚拙なものであるかは明白だ。
しかし稚拙さも見せ方によっては楽しい作品に変貌する。そういった意味で制作側はアニメを上手に作っていたと言えるのかもしれない。

最終回エンドカード。
沙優の笑顔とともに「今度はあなたの家に泊めてよ♥」のピンク文字。
最終回に至るまでのチープなストーリーを全てぶち壊す一文。
アニメスタッフ分かってるなー!!と笑ってしまった。
結局、本作は「おじさん×女子高生」という夢の妄想をフィクションで実現させることが全てだったのだ。
だからこそ結末はビターエンディングを迎えなければならなかった。
如何なる理由があろうとも法を犯した人間は必ず裁かるべき。
つい先日も現実社会で弁護士が女子高生を自宅に住まわせて逮捕される事件があり、本件がアニメに影響されたとは思いたくはないが、同様の犯罪抑止を啓発するためにも、最後は主人公の行動はやはり間違っていましたという展開にする必要性があったと思う。
家出女子高生を自宅に住まわせる内容をフィクションとして描くのは有りだけど、結末まで中学生が考えたみたいな美談として片付けてしまうのは締まりがなかったというのが結論である。

投稿 : 2021/06/30
閲覧 : 353
サンキュー:

15

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