TaXSe33187 さんの感想・評価

2.1
物語 : 1.5 作画 : 1.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態：途中で断念した

アニメである意味とは

たまたま見つけてぼーっと視聴
ちょっとキツい部分が目立ちすぎたため断念

扉の先が異世界に通じる居酒屋が、現地の人々に料理を提供しつつ交流を深める的なアレ
グルメ漫画的なノリに異国情緒を混ぜたような雰囲気で、大枠だけなら悪くない
出てくる料理も馴染み深いものが多く、料理の作画も問題ないため味の想像がしやすい

でもこれアニメとしての面白さで言えば0点だよね…
料理が美味しそうだと感じるけど、それは「そのへんで見かける料理」だから味の想像がしやすいだけ
そりゃ居酒屋なんだから奇をてらったメニューがある方がおかしいんだけど、「居酒屋の唐揚げが美味しい！」なんて当然だろうと
わざわざ舞台を異世界にしてるのに、それが効果として活かされているようには思えない

あと、ガラスのジョッキやら冷えたエールやら油を使った揚げ物やらで驚く異世界人を見せられるのは純粋に不快
「異世界」とは言いつつも、実際のところ中世欧州（ナーロッパですら無い）をそのままサンドバッグにしてるだけ
当時の習慣や世俗を勉強していると思えばプラスのポイントなんだけど、「異国感」はあっても「異世界感」は皆無
ご都合主義的な魔法技術で発展した要素もなく、マジでただ文明が未発達な「劣った世界」としての描かれ方
そんな世界に現代日本の技術と食文化を持ち込んでマウントするだけだから、見ていて本当に気分が悪い

ガス・水道・電気はそのまま使えるし、買い出しは裏手から出れば現代日本の街に行ける
現地の食材を調理するわけでもなく、品書きを「向こう」の言葉に直しもしない
相手の世界に対して居酒屋側が踏み込む部分がなく、精々が泥棒未遂をかくまっただけ
交流は上（居酒屋）から下（現地人）にモノを教えてやる程度であり、異世界設定はマウント以外に役立っていない

というか知らない料理や知らない食材に対して「え？当然知ってるでしょ？」なノリで話す女店員が本当に嫌い
初対面の人間や自国の文化に疎い相手と会話していると思えないほど常時マウントを取りに来るので鳥肌が立つ
これで可愛い看板娘みたいなポジションに収まっているのが視聴をやめた最大の要因

フィクションだからこその面白さは全く無く、見どころは「普通の料理が普通に美味しそう」というだけ
普通の料理をみたいだけなら登場人物がマトモな料理番組でも見たほうが素直に楽しめる
そして演出が完全にバラエティ番組のノリに逃げていて、常時テロップや擬音、字幕に塗れていて画面がうるさい
バラエティ的な空間で普通の料理を見るなら実写のグルメ番組みるよ？そっちのが凝った品物が出てきて美味しそうだもの

実写に関しては、内容以前に合いの手との掛け合いが出来る人間をちゃんと用意しろよと
各々が好き勝手大声で喋ってるだけになっていて会話としてのテンポが成立してない
何より台本の密度が高すぎて合いの手の入れ方が強引になっている
アニメ本編がバラエティのノリなのに、いざ実際に実写でバラエティ演出したらそっちのが酷いってもう…

アニメとしての特徴付けが出来ない作品を頑張ってアニメ化したんだろうなーというのは分かる
でもそれなら最初っから「アニメらしいグルメ作品」を原作に用意しとけ、というのが総評