「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)」

総合得点
84.1
感想・評価
429
棚に入れた
1963
ランキング
293
★★★★★ 4.2 (429)
物語
4.0
作画
4.4
声優
4.3
音楽
4.2
キャラ
4.1

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

庵野秀明『現実世界に帰れ』これがメッセージ

旧エヴァの25話~旧劇場版のにかけて私の中の評価は地に落ちていたが
新エヴァはまるで別物だった

作品として一部のマニアにしか受けないようなニッチな物語構成から一変
中二要素をふんだんに使いながらも、物語の根幹の部分ではしっかりと王道を踏襲している
どのように変わったを個人的な見解を含め分析して行こう

【序】は前作TV版と展開的には一緒だったが、魅せ(見せ)方を変えたり、段違いな圧倒的な美麗な作画により印象が激変

【破】からは前作に登場しなかった人物マリが増えたり、アスカの苗字が変更されて、新規シーンや展開も多々あった
(視聴段階の見解)惣流→式波に変わったことから考察するに、これはパラレルワールドの話、もしくはタイムリープモノと推測
またカヲルが「シンジ君、今度は君を救ってみせるよ」的な発言あったことも上記のニ説を濃厚にした

【Q】は完全に展開が旧エヴァから180度変わり、登場人物が増え、破から14年後の世界(ニアサードインパクト後)だった
その中で記憶や年齢が14年前ニアサ―の時と同じシンジを出すことで、視聴者にシンジとシンクロさせ共感性を高める演出は見事
またNERV(ネルフ)とWILLE(ヴィㇾ)という対立組織を作ることで、王道のロボットアニメとして味わいも増した

【シン】は語るれることや考察すべき点が大量にあった
①死海文書から○○を消すという発言がいくつか出ていた(エヴァを消すなど)
そしてラストのシーンから死海文書から○○を消すということは存在その物を消すことに繋がる
それを成すのに必要なのが『槍』ということ

②カヲルの入っていたであろう大量の棺桶
これが何を指すのかは明白、何度も同じようなことを繰り返して来たという事実

『①・②』から纏めるにこの世界は死海文書の記述を槍により書き変えれば、現実を変えることができる
そしてカヲルはリーディング・シュタイナー(移動前の世界線の記憶を保持する能力)を持っているということ

③そしてラストシーンで現実世界に移行した場面
これは様々な推測ができる

仮説❶エヴァという存在がなくなったことで私達が住む現実世界と変わった

仮説❷シンジを迎えに来たマリ→マリは現実逃避(妄想)していたシンジを現実世界に引き戻した

あまり深く考察しなければ『仮説1』が濃厚だが、最後の演出で実写の場面に切り替わるシーンがある
これは旧エヴァの劇場版でも使われた演出
更にエヴァンゲリオンの生みの親の庵野秀明は旧エヴァの最終回について議論している人達へ「パソコン通信にハマる人たちは『現実世界に帰れ』」と苦言を呈していることから察するに
『仮説2』が圧倒的に濃厚になる、というよりここまで来れば確定だろう
※ほぼ同じ演出を使っている作品にSSSS.GRIDMANがある


【導き出される結論は…】
ここまで深い作り込みの作品は中々お目にかかれないと思う
良い時間を過ごせた感覚があり、旧エヴァがアレだった為に圧倒的なカタルシス得ることができた
正直、旧エヴァを観ておくとより考察しがいがあるが、単純にエンタメとして楽しみたい人は新エヴァだけで十分だろう


※今回は超真面目に書いた為にELFピエール・元春としてのレビューではなく、中の人のレビューでした。


2021.08.23以下追記
【庵野秀明が伝えたかったこと】
庵野秀明、彼自身の人生観ではないだろうか?

ATフィールド=心の壁
エヴァンゲリオンの世界=空想=妄想
エヴァ=夢や目標
碇シンジ=自分(監督)でもあり、視聴者
渚カヲル=上記で説明したようにカヲルは旧版と新版の記憶を持っている(リーディング・シュタイナー)=客観的に見ているもう一人の自分自身
槍=エヴァを消すことができるor死海文書の記述を書き変えることができる=転換点=新たな夢や目標
マリ=シンジを現実世界に戻した人であり、伴侶であり愛する人=旧エヴァにおらず新エヴァから登場(これ重要)

これらを基に伝えたいことを紐解いてみると
旧エヴァシリーズは夢や目標を失敗し、現実世界に溶け込むことができなかったことの表現(これは世界が崩壊し、最後に放った気持ち悪いという台詞から読み取れる)

そして新エヴァは失敗した夢や目標の再挑戦を表す、エヴァパイロットが呪縛で成長が止まるのは、エヴァ(夢や目標)に囚われそこから抜け出すことのできない比喩表現
だが旧版と違いエヴァで伝えたいことの最重要ポイントがマリ
旧エヴァにおらず新エヴァから登場した

『これらを繋ぎ合わせて生まれるメッセージ』
他人と距離を置いてまで、若い頃の夢や目標に囚われて成長することができなくなってしまっても
突如現れる愛しい人によって、妄想(夢や目標)の世界から解き放たれる、そう夢や目標が叶わなくたっていいんじゃないか?
それ以外の平穏な生き方もあるよ!そんな日常を生きて行かないか?


以上、私の中で考察した結論です。

投稿 : 2021/08/23
閲覧 : 219
サンキュー:

5

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

アニメ記録用垢が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ