「小林さんちのメイドラゴン(TVアニメ動画)」

総合得点
93.5
感想・評価
1688
棚に入れた
8081
ランキング
11
★★★★☆ 3.9 (1688)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

小林とトール、お互い悩みは違うけれど、たどり着く結論は一緒

メイド+ドラゴン、この設定時点で自分の琴線フィルターがはじいていました。
しかし、2期の評判がすごくよかったので、観てみることにしました。

まず驚くのはよくこんな無理な設定を無理なく日常ものにしたなと言うことです。
原作漫画未読でしたが、アニメ視聴後に数話読んでみました。
日常とファンタジーのバランスは、既に原作漫画で確立されていました。
日常系でもこの無理やり設定は、難易度が高いと思います。
絵で見せる漫画だからこそ表現できた感じです。
ドラゴンがマンションに押しかけてきて、中に入れないからメイドに変身。
百聞は一見にしかずとはよく言ったもので、ラノベでは表現は難しそうです。
動きがあるコメディは、やはり漫画の方が強いと思いました。

そんな原作が作り上げた日常とファンタジーとコメディの絶妙なバランス。
それを、このアニメでは見事に再現しています。
それどころか、アニメでなければ表現できないことも実現しています。
原作を否定せず、原作を昇華させる作りには共感が持てます。

アニメらしさと言えば、派手なシーンはもちろんのことです。
しかし、それ以上に注目したいところは、日常の中の細かい仕草です。

小林の家に居候しているトールのその太いしっぽ。
そのメイド服の中は、どうやって生えているのかとても気にはなります。
そんなしっぽは、原作よりも太くデフォルメされているようです。
そして、感情にあわせて”ふりふり”するのがとてもかわいいのです。
トール本人の気持ちにあわせて微妙な動き方をします。
この辺りは、原作漫画では表現が難しいところ。アニメならではです。

そして、もう一人の小さな居候カンナ。
頭がいいんだけど、目がウルウルしていて、子供らしい行動が可愛らしい。
動きがあるからこそ表現できる仕草をとても丁寧に描いていると感じられます。


話の内容は、1話完結型の日常系です。
全体を通じて何か大きな目的に向かっていくと言う話ではありません。
「物語」好きな人には、正直、退屈かもしれません。
この作品は、日常を通じて登場人物たちの心境の変化を見守る感じです。

この話で面白いのは、二人がそれぞれ出した結論です。
小林とトールは、お互い違う悩みを持っています。
しかし、そんな二人のたどり着いた結論は、実は一緒だったと言うことなのです。

小林は、トールとは生きてきた世界が違いすぎることを思い知らされます。
言葉が通じることと、分かりあうことの差を見せつけられたと感じています。
でも、だからこそ、今一緒にいることを大事にしたいと思っています。

一方、トールは、とても長生きで小林と一緒に老いることはできません。
とてもつらいことですが、いつかお別れする時が来ることを覚悟しています。
でも、だからこそ、今この時間を大切にしたいと思っています。

今一緒にいることを大事にしたい。
今この時間を大切にしたい。

二人は、この気持ちをお互いに確かめ合ったわけではありません。
それぞれ心の中に持っているだけです。
しかし、お互いこの気持ちさえ持っていればいいのだと思います。
そうすれば、この先も二人は、尊い時間を一緒に過ごすことができるのですから。

投稿 : 2021/10/16
閲覧 : 245
サンキュー:

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