「回復術士のやり直し(TVアニメ動画)」

総合得点
66.3
感想・評価
456
棚に入れた
1089
ランキング
2858
★★★☆☆ 2.5 (456)
物語
2.4
作画
2.5
声優
2.7
音楽
2.6
キャラ
2.5

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7
物語 : 2.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

イヤなら見るな!で良いのかも知れないです。

【概要】

アニメーション制作:ティー・エヌ・ケー
2021年1月13日 - 3月31日された全12話のTVアニメ。
原作は、『小説家になろう』に掲載されていて現在は削除済み。
現在は角川スニーカー文庫から刊行されている月夜涙によるライトノベル作品。
監督は、田村正文。

【あらすじ】

勇者が10人存在する世界。常に10人いるわけでなく、
勇者の能力に目覚めてない者もいれば、
勇者が死ねば別の者が新たな勇者になるという。

ただの村人だった少年・ケヤルは、
ジオラル王国の第一王女で【術】の勇者のフレアに導かれるように、
手の甲に勇者の紋章が現れて新たな勇者として歓迎されて共に王都に向かった。
だが、ケヤルが戦闘能力を持たない【癒】の勇者だとわかると、
王女フレアをはじめ歓迎してた人々の態度が豹変。

ある程度の損傷はポーションやエリクサーなどで治せるうえに、
欠損部位を再生という勇者の規格外の能力を持っていても、
治癒対象者がこれまで受けた痛みや経験をケヤルが受け入れないとならないために、
あんな痛い目はゴメンだ!と回復の術を使うことを必死に拒絶したケヤルは、
薬漬けで自我を奪われて虐待で服従を刷り込まれて、人間ではなく道具として扱われた。

王女フレアを含めた勇者3人と共に魔王を倒す度に連れ出されたケアルは、
そこでもフレアからは動物扱いで全裸にされて弄ばれて人間の尊厳を奪われ、
フレアを慕う同性愛者の【剣】の勇者ブレイドからは嫉妬で暴力を振るわれ続け、
少年に性欲を抱く屈強な男性の【砲】の勇者ブレッドからは日常的に犯され続けて、
ケヤルは精神的に完全に壊れていた。

だが実は、薬漬けにされ続けた結果で【薬物耐性】のスキルを密かに手に入れていて、
狂ったフリで正気に戻ってたケヤル。彼は魔王との決戦で最後の賭けに出る。
ケヤルのヒールは癒やした対象者の知識や経験を取り込んで治すために、
その治した膨大な人数の戦闘能力や魔法などを完全コピーしていたのだった。

ブレイドとブレッドを見殺しにして息絶えたのちに魔王イヴ・リースを倒したケヤル。
彼の目的は、【魔王の心臓】=別名・賢者の石。それを引き渡すフレアの命令を無視し、
ケヤルは賢者の石を触媒にして世界の時間を巻き戻したのだった。

ケヤルのヒールは回復・解毒・病気治療だけでなく、先述の能力コピーの他にも、
姿や性別を作り変えたり洗脳や記憶消去、人体改造で能力の改良・改悪、
触れるだけで生命体を破壊しての殺害など何でもできる。

過去に戻って二周目の世界でのケヤルの目的。
それは、未来に起こることを予め知っていることを利用しての、
一周目の世界で自分を虐げた人たち、ひいては腐りきったジオラル王国への復讐だった。

【感想】

アニメって何で作られるのでしょうか?クリエイターの自己満足のため?売れるため?

形は何であれ、作品が作られることで幸せになれる人がいれば多分それで良いのかも知れない。

・ジョークが楽しくて笑える話を作って笑顔を呼ぶアニメ。
・駆け引きや戦闘が楽しいアニメ。
・登場人物の感情を読むことで感動をするアニメ。

などなど、それぞれにテーマに沿った作りの違いがあって、
例えば感動を呼ぶアニメに対して『泣かせようとしている!』との批判は、
ギャグアニメが笑わせようとしていることに文句つけてるのと同じような。

このアニメの場合は、一周目で心が壊れたゲス顔大好きな主人公が能力を使ってやりたい放題。

・悪党をぶっ潰すには自分も悪党になるしかない。
・悪い奴らを圧倒的な能力で蹂躙する楽しさ。

主人公に殺意を持って触れられた者は北斗の拳に敵キャラみたいに爆散して死亡するは、
女性を洗脳したりしてハーレムをどんどん増やして18禁アニメなエロ行為に励んだりで、
圧倒的な暴力や男性的な快楽と女性への征服欲と欲望に根ざした刺激的(?)な内容に、
楽しめる人が興奮したり娯楽として笑って楽しむ嗜好品。
作者としてはピカレスクロマンをやりたかったのかも知れないですね。

それが、評価がどこでも芳しくないということは、

例えば、主人公が美少女らを快楽漬けにして利用したり、
記憶を消して偽の人格と記憶を植え付けたりした嘘まみれの人間関係を見るに、
主人公の感情が、それが全てではないとしても、
単純に脇役を主人公の快楽を満たすだけの道具として扱うような話が求められていない。

感情のぶつかりあいや盛り上げるべき演出を用いたシーンを目指したとしても、
愛欲で利用されたり騙されたり人格改造された中身のないハーレム要員では、
ただ利用する利用されるの関係での登場人物の心の底からくるドラマでウケさせるのは難しく、

こんな“酷い”ものはアニメファンが求めていなかったうえに、
悪役などが惨めなグロい末路を迎えるなどの嫌悪感を抱かせるストーリーや演出が、
一部のマニアにしか喜ばれる内容でしなかったということ。

エログロや暴力のOVAが喜ばれていてアニメがマニアのものだった遠い過去の時代と比べて、
話に理屈や道徳を求めるアニメファンが増えてきた影響。
先祖返りしたような内容が現代に適合できないマーケティングの問題なのでしょうかね。

作品の根幹である“回復魔法”があまりにも多機能でなんにでも使えて、
どんな強敵でも触った時点で即死でケヤルの勝利確定など強力過ぎる上に、
既に精神的に壊れているためか、回復魔法の発動の代償としての、
術者に激しい苦しみをもたらすはずの描写がケヤルから完全に消えていて、
デメリットを一切感じさせなく平然と連発しているように見えるご都合主義や、
そして作者が様々な作品で指摘されているパクリ常習犯疑惑らを差し置いても、
一般人寄りの感覚を持つアニメファンの潔癖さからくる嫌悪感に触れたのが、
このアニメの最大の敗因であったと自分は思います。

西島克彦・うるし原智志・よしもときんじ等、
その手のアニメのマニアにはレジェンド級のアニメーターが参加して、
アダルトな部分では気合が入っていたものの、それが話題にもなっていなく、

ニッチなマニアな層だけを相手にした陵辱系のアダルトゲームやアダルトアニメとして、
やってればよかったものが垣根を超えて人目に触れてしまったゆえの悲劇かな?と思いました。

猟奇趣味に理解があって性欲が強い人がポルノとして楽しめばいい。それだけの内容でした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2021/11/06
閲覧 : 364
サンキュー:

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