ネムりん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
内容を深く観ていたかで評価が大きく分かれる作品
キャラクター原案が製作年が同じ2014年の"冴えない彼女の育てかた"の深崎暮人氏で、制作会社は"まよチキ!""この美術部には問題がある""月がきれい"" やはり俺の青春ラブコメはまちがっている続・完"などのfeel.制作で、俺ガイルとは制作年が1年しか変わらず作画監督や原画担当も同じ人が入っていたので、作画に関して言えばゲーム原作を意識して太めの線を使っていたせいか部分的に弱い部分はあったが、全体を通してみるとアップされた時のヒロインは可愛く描かれていて、決して技術がない会社ではないので悪くなかったです。
キャラクターは冴えカノのラノベ書き下ろしイラスト担当している人なので、加藤恵ちゃんとか好きな人は好きだと思います。
内容はとても良かったです。特にエンディング。
評価が別れるのは11話と12話でいかに登場人物の言葉尻を捉えて映像を注意深く観ていたかで、直接的な表現ではなく、登場人物の会話と一部の映像を見せることで視聴者に考えさせる作り方をしているため、自分の目で観て考えることがとても重要だと気づかされる作品。
最終話の12話で秋山奏と支倉愛理の会話の中で、未来の奏達が送り込んだゆいは佐々木佳織を救うことができなかったが、別の世界線のゆいは佳織を救って奏達に会っている、つまり11話で佳織を救ったゆいが未来の奏達に会っていて、その時点で過去のゆいの行動が未来の世界に影響を及ぼしていないことが分かります。関連して、未来の奏は自分達が送り込んだゆいが今いる世界線に影響を及ぼすかを懸念していました。 その後未来の佳織は長い眠りから目覚め意識を回復するのですが、ここで考えられる理由は 一つだけ。話の筋から未来の奏達が送り込んだゆいが佳織を救って分岐していた世界線が一つに合流したから。ゆいの複数のゴーストが消え、ゴーストに触れて内浜症候群にかかっていた人達の意識が回復したことからもこのことが分かります。
不確実な状況の中で、奏が懸念していたことが払拭され、ここでタイトル回収が行われるのですが、ここで終わらないのがこのアニメの良かったところで、最終話で佳織を救ったことによりクラスメイトの記憶から存在が消えてしまったゆい。しかし、唯一奏だけが記憶の片隅に最後までゆいの存在が残っていて、天文学会のメンバーと一緒に写っていたゆいの面影が残る写真を見ながら涙を流し刹那的に思い出すのです。未来の奏は車中、愛理との会話の中でゆいを作った目的は佳織を救う為だけではなく、例え佳織を救ったとしてもゆいを作り出す、だってゆいに会いたいからと話していました。
ゆいを思い出した奏はここで決意し、最後に進路希望調査票を提出するシーンで未来の奏が量子学の道を志してゆいを作り出したように、自分も量子学の道に進んでゆいを作り出しゆいに会いに行く。失われた未来を求めて.....
ここで本当の意味でのタイトル回収が行われ、佳織を救っただけではなく、ゆいの存在も奏は決して忘れていなかった。
最初観た時は気づけなかったけど、このシーンを改めて視聴してみてとても感動できました。
終わり方が素晴らしく、観る人を選ぶとても良い作品だったと思います。