「ぼっち・ざ・ろっく!(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
感想・評価
849
棚に入れた
3470
ランキング
44
★★★★★ 4.2 (849)
物語
4.1
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ネタバレ

ちょま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

青春なんて思ったよりキラキラしてないよ

友達作りのキッカケにギターを始めるも、コミュ障ゆえに結局ギターが上手くなっただけのぼっち少女・後藤ひとり(通称ぼっちちゃん)が、半ば強引にロックバンドのヘルプを頼まれたことからバンド活動の日々を送り始めるコメディ作品。

よくある「女の子集めてキャイキャイさせたれ」作品かと思いきや、なんとまぁ肝心の主人公ぼっちちゃんがコミュ障であまりキャイキャイにならない!というかそのコミュ障に周りが振り回されたり、逆にぼっちちゃんが周りとの温度差で振り回されたりでコメディ重視!そこが面白い!他のメインキャラやサブキャラはよくある可愛い女の子たち、でも主人公が尖っていることで起きる化学反応!肌感覚、けいおん!あたりから「女の子はとりあえず可愛く」が主流だった中で実に新鮮だ。。

また何が良いってこのコミュ障キャラが取ってつけた色ものじゃあない、解像度の高いコミュ障なとこ!何かとつけてはなんとか「やらなくて良い理由」を探したり、良いことがあっても「いや自惚れるな」とマイナスなことも考えたり。も〜ぼっちちゃんの織りなすコミュ障アクションに思わず膝を叩いちまうよ!わかる!めっちゃわかるぅ〜!コミュ障ってね、表に出すのが苦手なだけで内側ではめっちゃ色々考えてるんですよ!共感しまくってぼっちちゃんに寄り添いたくなってしまうよ!

コミュ障キャラメインて、ともすれば鬱々とした作品になりそうなものだけど、それをさせないのが今作の最大の魅力である「最高のアニメ演出」の数々!リアルに近い動きをトレースすることが「作画の凄さ」とする風潮の昨今、今作で繰り広げられるのは「アニメだからこそ映える表現」!感情がしっちゃかめっちゃかになって百面相したり、緊張のあまり脱兎の如くピュ〜っと駆け抜けたり、キャラの感情に合わせて俯瞰からググーっと回り込みながら迫るカメラアングルだったり!ぐちゃぐちゃ考えてしまう「コミュ障キャラ」がアニメという表現媒体に見事にマッチしているのである!動きの乏しい日常系作品だからこそこういうアニメ的アクションが何倍も印象に残るし、そんなポップに演出しているからこそいざライブシーンでリアルに寄せた動きが更にカッコ良くなる!正直このグリグリ度、フリクリを越えてきたよ!そうだよ!こういうアニメを見たかったんだよおれは!

こんな魅力的キャラ×魅力的演出の掛け合わせ、毎回毎回提供してくれるんだもの。そりゃ面白いよ!そしてなにより最終話ラストシーン…一人きりだったあの頃からまさかバンドを始め、バンド仲間ができ、ライブも経験し、今までと違う生活を送ることになろうとは…そんなボッチちゃんが呟く一言。「今日、バイトかぁ」
うわぁ〜わかってる!製作陣わかってる!そうなんだよ、周りから見たら、振り返ってみたら青春送ってるかもしれない、でも当事者たちはそうでもないんだよ!学校が嫌な場所だったり、バイトや部活が面倒だったり、先生や親が鬱陶しかったり!当のボッチちゃんも、せっかくできたバンド仲間にもなかなか心が開けていない!どこか他人行儀!そう、仲間づくりと友達づくりはまた別物だから!振り返ればこれも良き思い出かもしれないけれど、今を生きている本人としてはそうでもない。それがリアルの青春!思ったよりキラキラしてない!意外とくすんでいるんだよ!キャッキャうふふだけを描くのではなく、リアルな部分もきっちり、しかし重くならないように描き切った…共感しかねぇ…共感しかねぇよこのアニメ…!

リアル青春エンタメ劇という意味ではもはやこの12話でほぼ完璧な出来。下手にだらだら続けて欲しくないと思う一方、やはりこのくすんだ青春を送るボッチちゃんもまだまだ見たい!果たして二期は来るのか?いや多分あると思うけど、どうなるか楽しみである。

投稿 : 2023/02/02
閲覧 : 108
サンキュー:

7

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