てとてと さんの感想・評価

3.4
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

「まどマギ」とか「ウィクロス」とか「仮面ライダー龍騎」っぽい?路線のロボットアニメ。アンナの妄執は良かったが総じて空虚

※作品データベース様より転載

【良い点】
世界観設定は良くできており、興味を引く。
勝ち残れば願い叶う?というのは割と王道で、この本筋だけ見れば分かり難いわけではない。
楽曲面ではEDは良かった。

魔法少女系ながら固有の魔法も駆使してロボットバトルする絵面。
過去の類似作品だと「レガリア」っぽい、こういう作風は好み。

アンナの新月に対するコンプレックスと妄執が良くも悪くもインパクト大。
日笠陽子氏の熱演もあり鬼気迫る。
ひたすらに惨めで悲痛だが、彼女が本作で一番掘り下げられていて(唯一)良かった。

空虚な主人公・満月の、アイディンティティーを模索する物語(のように見える)。
新月とのドラマはそこそこ尊い。
土御門姉妹の絆も良かった。

【悪い点】
キャラクターの掘り下げが満月と新月とアンナ以外は致命的に足りてない。
満月でさえも文字通りの空虚な子で、勝って願望叶えたいのか、そうでもないのか、新月を手伝いたいだけなのか、何をしたいのかが終始分かりづらい。
新月も、何故魔力消したいのかが終盤ようやく分かるのは遅い。
満月が終始空虚で、終盤真実が判明してから急に悟ったように成長するが、説得力が乏しい。

新月とアンナ以外のキャラの願望や目的意識が不明瞭。
(こいつら一体何の為に戦ってるんだ?)と終始戸惑う。
この手の作風の王道お約束としては、各々の願望を中心にキャラを掘り下げつつバトルロイヤルでドラマを盛り上げるのが常道(「舞-HiME-」とか「まどマギ」とか「ファンタジスタドール」とか「ウィクロス」とか「ハンドシェイカー」等々)、本作は真面目に何やりたいか伝わったキャラが実質アンナしかいない。
満月と新月は願望が今一つ抽象的でピンと来ない。
このためか、全編通してアンナが猛威を振るったエピソード以外が空虚である。
(キャラ評価はアンナが記憶に残るので高評価、その分物語を低評価)

結末の後味の悪さ。
ほぼ誰も救われない、死んだ方が幸せなのでは。
悲劇性が強ければ相応の感動にもなるが、中途半端にやり遂げた感じでモヤモヤする。

予告編の仰々しいナレーションも本編の内容が伴わず空しい。

【総合評価】2～3点
基本路線は使い古された王道なのだが、過去作の良き王道を踏襲(理解)出来ていない失敗作。
まどマギみたいな雰囲気だけを何となく出したかったのだろうか?
評価は贔屓目で「悪い」
作風自体は好みだったし、特に不快なところも少ないので。(アンナ関連はむしろおもしれー女で楽しめた)