「トモちゃんは女の子!(TVアニメ動画)」

総合得点
70.3
感想・評価
226
棚に入れた
732
ランキング
1550
★★★★☆ 3.5 (226)
物語
3.4
作画
3.4
声優
3.6
音楽
3.3
キャラ
3.6

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

トモ&ジュン。

【概要】

アニメーション制作:Lay-duce

2023年1月4日-2023年3月29日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、Twitter(現X)アカウントの「ツイ4」(@twi_yon)で連載されていた漫画作品。
著者は、柳田史太。

監督は、難波日登志。

【あらすじ】

高身長でボーイッシュで空手道場の娘で喧嘩が強い女子高生の相沢智(トモ)は、
家が隣同士で小さい頃からよく一緒に遊んでいた幼馴染の久保田淳一郎(ジュン)、
彼を好きなのだが、学区の違いで別々の小学校に通っていて、
同じ中学でセーラー服姿を見るまで男だと思われていた関係で、
昔ながらの親友付き合いがあっても、女扱いを全くされていない。
というか女であることを忘れて、男友達みたいに接してくることがよくある。

そのジュンに女の子として見られたいトモを主人公とした学園ラブコメディ。
彼女の奮闘の日々が様々なキャラクターを交えて綴られるのだった。


【感想】

4コマ漫画である原作全8巻を尺に合わせて細かい部分、例えば全体の進行に関係ない会話や、
キャラクターの家族が新たに登場する巻末オマケ漫画などをカットしながら、
原作を最初から最後までやりきったアニメ化作品。

漫画のネタとしては平成初期の少年サンデーっぽくて古典的ではありますし、
今更暴力ヒロインとか流行らん…という気がしないでもないですが、
自分を女の子と言いながら喧嘩では自分が生物的には女であることを盾にせずに、
殆どの男じゃ勝てない腕っぷしの強さとはいえ、
正々堂々真っ向から男と張り合ってる点では卑怯とは遠いヒーロー気質ヒロインなので、
主人公のトモに性格には悪いイメージは特に無いですか。

そのヒロインのトモの想い人であるジュンも恋愛方面では鈍感という設定で話を進めながら、
恋愛方面以外ではサッパリとした侠気のある人物では一応はありますので、
トモの気持ちに気づかないことが前提の行動の数々を除けば、
むしろ、ジュンが何故そうするのかを理解したとき、創作ではキャラクターの不合理な感情よりも、
理屈に沿った行動を大事にする人にはストレスを感じることなく楽しめるかと。

現実のスポーツや格闘技では男女の身体能力の差があり、
性自認女性の元男性選手が陸上競技や重量挙げなどの女性のスポーツ大会を荒らして、
優勝しているというふざけたことになってますが。女性のボクシング世界王者が、
仮に元男性選手と試合になったら生命の危険があるので棄権するとも言っていたり、
漫画の設定は設定として現実と切り離して楽しむのが良いのは今更言うまでも無いですね。

そんな強い女のトモですが見た目がゴリラなわけでもなくて、まつ毛が長くてスタイルが良い美女で、
これを女として意識しないジュンは頭がおかしいだろうと、そのコメディに当初は突っ込みつつも、
そこのところはストーリーを追っていけば、彼の本当の気持ちがだんだんわかってきます。
全部口で説明しちゃうところが、漫画や小説が原作の作品ではありがちですけど。

トモの友人の女の子たちの、みすずとキャロルの個性で日常コメディとしてはなかなかに面白く、
ギャグってキャラが立ってなければ同じネタでも面白かったりつまらなかったりするもので、
掛け合いを盛り上げるためのキャラを確立するのが作画であり声優の芝居でもあります。

トモを大事に思ってるダウナー系のみすず、一見天然白人少女のキャロルが、
あまり表情が動かないなと当初は思いつつ、二人のそれぞれのパーソナリティ表現上の意味があって、
みすずの毒舌の裏にある感情であるとか、天城サリーさんの喋り方がわざとか棒読みっぽい、
腹黒天然に見られがちのキャロルの素顔であるとか、普段は表情が豊かとは言えない彼女らが、
単に気持ちを顔に出さないようにしているだけで、
いざという時に普段は見せないとっておきの表情をしっかり描く映像の表現力は、
並な作画コストの割にはあったかと。

と言いつつも演出や作画が一定の基準を満たしている割にはトモとジュンのラブストーリーの、
ふたりのデートとか見つめ合う姿のやりとりに一切ドキドキすることもないのが、
それは何故なんだろうと思うと、所謂名作恋愛漫画やアニメに出てくる彼氏・彼女と比較すると、
男勝りと朴念仁からスタートしたキャラクターの恋愛事情に興味が強くならない。
最初から両想いでジュンが素直になるだけの話で、ドラマとして引っ掻き回されることなく、
終盤の盛り上がりに欠けたかな。地味な恋愛話を盛り上げるにも、作画の芝居や劇伴など、
いろいろと技術的なサポートが必要なわけでして、恋愛絡みで切羽詰まったシーンで、
トモがギャグ顔の目になるなどが気になったりで水が差されたりで、
こっちはただ普通に話が進んで普通に終わった。
結果、主人公カップルの心情に沿って恋愛成就の達成感に同調できなかった。
他の人ならいざ知らず、自分目線ではそれだけの話なのですよね。

もっと面白いだろうと視聴前は期待しつつも、期待に沿えない後半部分ということで、
よって点数もそれなりにしかなりませんでした。


これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/01/20
閲覧 : 62
サンキュー:

20

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