「けいおん!! 2期(TVアニメ動画)」

総合得点
91.3
感想・評価
7389
棚に入れた
30886
ランキング
35
★★★★★ 4.3 (7389)
物語
4.0
作画
4.2
声優
4.3
音楽
4.5
キャラ
4.4

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

またしてもダラダラ書いてしまいました

 原作は未読。
 1期が1クールで唯達の1年の春から2年の秋(学園祭)までのおよそ1年半を描いたのに
対して、こちらは2クールで3年生の1年間を描いているため、やはり密度の濃さを感じる。
 基本的には、1期と同じくコメディタッチの作品であるが、幾分シリアス度が増したような
感じ。
 これは高校生活最後の1年間という、ゴールが明確に見える期間を描いたためのものか。
 数々のイベントも、1期と異なり、もうこれが最後だということで、今まで以上に楽しもう
という感情を感じさせつつも、どことなく寂しさを感じさせる。
 シリアスさを感じさせるもう一つの要因が唯達の卒業後、ただ一人残ることになる梓の
存在で、序盤においてこの1年間を5人でやっていくという結論に達したものの、随所随所に
先輩達がいなくなってしまう寂しさと、一人で軽音部を背負っていくことになる不安が顔を
見せる。

 2クールになって尺に余裕ができたためか、バンド活動とは直接関係のない、いわゆる
高校生の普通の日常を描いたエピソードが1期以上に増えており、バンド活動と高校生の
日常が季節感を感じさせながら、楽しげに描かれていく。

 圧巻だったのは20話の「またまた学園祭!」で、前後に小エピソードが挟み込まれる
ものの、1話の大半をただただ学園祭ライヴを描くのに費やしてしまった。
 他作品だと、こういったシーンはある種のストーリー展開があって、その流れの中で
描かれたり、描かれる時間も短かったりするのだが、ただのライヴシーンで1話持たせると
いうのはやはりキャラ人気が相当なければできないこと。
 加えて、1期からこれまでの蓄積が生きていて、単なるライヴ映像でもこれまでの過程を
思い起こさせることで、特にエピソードを盛り込まずとも充分にドラマ性を感じさせる。

 バンド活動のピークとも言える学園祭ライヴが終わった後は高校生活の終わりを感じさせる
エピソードが続き、いよいよ寂しさを感じさせる展開に。
 そして最終回では、高校生活とはお別れではあるが、梓へのサプライズプレゼントで放課後
ティータイムの継続を感じさせ、きれいにまとめてくれた。その後に番外編はありましたが。

 唯達3年生全員が同じ大学に進学することについて、個人的には放課後ティータイムが
いかに大切なものであっても、詰まるところは趣味であるわけで、自分の人生の今後を
見据えた進路選択をしてもらいたかったという思いがある。
 もっともこの時点で将来何をすべきかまだ見えていない状況なら、こういう進路選択も
ありかって感じ。少なくとも作品中では未来の自分のようなものは語られていなかったし。

 あと気になったのは残された梓のこと。
 放課後ティータイムは外バンとして継続するとして、軽音部に新入部員が入ったら新しい
バンドを組むことになりそう。
 その場合、2つのバンド活動は両立できるのか?、梓自身の気持ちはどちらのバンドに
比重を置くのか?、と要らぬ心配をしてしまった。
 自分もバンドを掛け持ちしていたことがありましたが、その時も「メインはこっち」
みたいな感情があったものでつい。

 1期のレビューでは、各メンバーで感じたことをダラダラと書いてしまいましたが、
本作品でも色々と感じることがあったので、こちらでもダラダラと。

平沢 唯
 梓にも指摘されたように、2期になっても相変わらず専門用語は覚えていないし、楽器の
調整なども梓任せで、こういったことはまったく進歩なし。
 しかし、音楽関係に限らず、スポーツ系でもよくいたりするのだが、そのジャンルの
知識や、トッププレイヤーを見聞きすることに興味が無くても、いざ自分がやるとなると
器用にこなしてしまう人がいる。唯もそういうタイプなのかもしれない。

 家での練習自体は、他に趣味がないせいか結構やっているようだが、いつもギターだけで
練習している。自分も昔はセッティング(と言ってもシールド差して、アンプのスイッチ
入れるぐらいだが)が面倒で、アンプを使わずに練習をすることもあったけど。
 よくよく考えると唯の部屋で練習用の小型アンプの姿を見たことがない。「自宅練習用
アンプぐらい買おうよ」とツッコミを入れたくなるが、もしかしたらギー太購入時の金銭
負担が高三になっても残っているのか?。バイトもしていないみたいだしなあ。
 そう言えばエフェクター等の機材も一切持っていないみたいだし。もっとも唯に
エフェクターを持たせると、あの性格だから面白がってとんでもない音作りをしそうで
ちょっと怖い。

秋山 澪
 音楽関係の知識を得ることに無関心な唯に対して、リスナーとしてのマニア度が5人の中で
一番高そうなのが澪。
 12話の「夏フェス!」において、普段は平常心を保とうとしている澪が、ハイテンションに
なる様はベーシストと言うより、一ロックファンといった感じで微笑ましく思えた。
 3話の「ドラマー!」でコージー・パウエル、渡り鳥といった発言をするシーンがあるが、
コージー・パウエルが渡り鳥なんてネタは80年代前半の、それもブリティッシュ系のハード
ロック、ヘヴィメタルを中心に聴いていた人でないと判らないようなことで、今日日の
女子高生が何故知ってる?と思ってしまった。
 澪は洋楽志向が強そうだが、彼女の口から出るミュージシャンの名前からすると、90年代
以降のオルタナ系やブリット・ポップなどより、60〜70年代のロックが好きみたいで、この
辺の感覚が面白い。
 唯がギー太を購入した後、ギー太がレスポールであることから、レッド・ツェッペリン
なんかを唯に勧めて、あっさりスルーされるような展開があったかもと、色々と想像して
しまう。

 最近ではスラップ奏法を駆使したり、ベースソロをバリバリ弾くような目立つロック・
ベーシストも増えたが、澪の場合は性格もあってか他のプレイヤーをサポートするような
ベースらしいベースが好きみたい。
 自分も楽曲の土台をしっかりさせることで、ヴォーカルやギターが活き活きとしてくる
ことに喜びを覚えるタイプだっただけに、3話の「ドラマー!」でベースへの思いを語った
シーンは「よくぞ、言ってくれた!」と嬉しくなってしまった。

中野 梓
 澪がリスナーマニア度が一番高そうなのに対して、機材オタク度が一番高そうなのが梓。
 6話の「梅雨!」で楽器関係の小物を色々と出してきたけど、こういうモノにすぐに手を出す
人いたいた。
 もっとも梓には個人的には感謝の気持ちがあって。
 今ではたまに家でベースやギターを弾く程度なので、最近の楽器事情には疎いのですが、
1期で梓がピエゾ式のチューナーを出してきた時、「こんなのあるんだ」とすぐに買いに
行ったことがあります。今までチューニングだけでシールド用意するのが面倒だったんです。
 これも梓のおかげ。まあ唯のように絶対音感があればチューナー不要なんだろうけど。

 梓と言えば、純との関係で思い出すのが、軽音部のライバル?的存在のジャズ研。
 明らかに軽音部より部員が多そうな感じだが、軽音部がロックやポップスを演奏する部で
あるなら、今日の高校生の音楽志向からすると、ジャズ研より軽音部の方が人気が出そうな
気がするのだが。これは音楽性より所属する部員の質の差によるもので、軽音部はいい加減に
見えるのか?。
 更にジャズ研と言いながらも描かれる楽器はソリッドモデルのギターやベースばかりで、
かなりフュージョン志向の強い部なのか?。
 1期でも謎が多かったが、2期になっても謎は深まるばかり。

田井中 律
 個人的にザ・フーというバンドが大好きなのですが、まさか日本のアニメ作品内で
ザ・フー、キース・ムーンといった言葉が出てくるとは夢にも思いませんでした。
 放課後ティータイムではワンバスでオーソドックスなプレイの律だが、キース・ムーン、
コージー・パウエルはツーバスドラマーで、2話の「整頓!」でツインペダルを欲しがるなど、
ツーバスでドコドコやりたいみたい。
 放課後ティータイム自体は比較的明るめのポップロックを演奏するが、律個人の音楽嗜好は
もっとラウドなサウンドなのかな。

 バンド活動をしていた頃、ドラマーがオリジナルを作ってきたことがありました。
 その歌詞が「みんなは前に出ても、僕は後ろで一人・・・」みたいな感じで、ドン引き
しつつも、「ドラマーってこんな風に思ってるの?」と思ったことがあります。まあ、この曲
自体は却下されましたが(笑)。
 3話の「ドラマー!」を見た時、やっぱりドラマーってこういう気持ちがあるのか、と思って
しまった。
 最後には「後ろでもドラムが好き」みたいなことを言って、きれいに締めてくれたが、
キース・ムーンやコージー・パウエルはヴォーカルやギターを凌ぐほど人気のあった
ドラマーで、本質的には目立ちたがりなのかな。

琴吹 紬
 いわゆるロックうんぬんみたいな部分だと唯と並んで知識なさそうだけど、小さい頃から
ピアノをやっていたせいなのか、コードやスケールなどの音楽的基礎は一番ありそう。
そういう意味でも作曲担当なのは納得。

 軽音部を通して、主にバンド関係の新しい体験をしていくメンバー達だが、紬の場合は、
他の4人が普通にやってきたことも新しい体験であることが多く、5人の中で一番多くの
感動を経験したみたい。
 この新たな体験が嬉しいのか、色々なことに積極的なのだが、それが行きすぎて2期では
ドンドン変な娘になっていったような感じ。それがある意味可愛らしくもあるんだけど。
 お金持ちのお嬢様ゆえに車通学をしてもおかしくないのだろうけど、ちゃんと電車通学して
いるところが、個人的には好感が持てたりする。もっとも電車通学自体が新鮮な体験だったの
かもしれないけど。

投稿 : 2012/09/30
閲覧 : 247
サンキュー:

8

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