Jonez さんの感想・評価

5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：----

わっちに恋をしよう

いろんな物語において「頭のよい女性」というキャラクターは出てきますが
そのほとんどは
「飛びぬけた専門知識がある」
「物をたくさん知っている」
という、いうなれば頭でっかちな感じです。
本作品に出てくる「わっち」のように
「聡明、賢明」な女性キャラクターというのを
ここまで魅力的に描ききった作品は
ほかに無いのではないのかと思えます。

このキャラクターは「ン百年間、世間から隔絶されたような状態」だったため
むしろ大いに世間知らずであり、
上記のパターンの「ありがちな賢いキャラクター」とは
完全にちがっておりますが、
出てくる物事の受け止め方や捌き方に、
「伊達にン百年も生きていない」という熟成された老練な思考を感じさせ
彼女以外のキャラクターが全員子供に見えてしまうほど「賢明」です。
(そしてそれは非常に正しい描写)
そういった側面とあわせて非常に感情的な部分をもつ「わっち」は
ものすごく魅力的です。

私は創作上の異性に一定以上の好意を持つというのは
「狂気の沙汰」と思っている類の人間ですが、
それでも「わっち」には恋をした気がします。ｗ

また、最近の「バトルではない作品」というのは
「言葉遊びの出来不出来」に傾倒しがちですが、
この作品は「面白いことを言う」のではなく
「面白いように言う」事によってユーモアを生み出す、
ウィットに富んだ、ある種日本人的な感覚とは離れた会話のキャッチボールに彩られており、
それも非常に大きな魅力のひとつです。

また、ホロの狼化という最終兵器を持っているにもかかわらず
それを容易にぽんぽん使わず
やりとりの妙で決着をつけようとするあたりにも
好感が持てます。
毎回それを使っていたらただの「仮面ライダー」ですしね。

面白いです。