じょー さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

独特な世界感の確立

１期にひきつづき、得も言われぬ優しい世界が広がっていきます。１期は完全に各話完結だったのですが、１－２話のオムニバスになりました。一期に比較して、切なさはそれほど大きくクローズアップされていません。物語に少しだけ深みをつけて、大きな流れのある話になっています。最終回にこの物語のメッセージを直接の言葉で表現しますが、そのテーマに向かって話がすすんでいくイメージです。

全体として、切なさによって自然な涙があふれてくるのが１期だとすれば、２期は涙の代わりに胸に暖かさを与えてくれる話が増えて、ハッピーエンドとはいえないまでも、一期よりは救いのある話が多かったように思います。

水彩画のような淡いタッチはそのままに、絵の質を上げてきてます。季節が冬にかわり、白を背景とした基調に変わりますが、丁寧にかかれた背景の美しさは前期よりも増しているかと。

萌えなどはなく（タマやなど一部のあやかしは、独特のかわいさがありますが）基本的には夏目とあやかし、夏目と人の心あたたまる交流がテーマです。人に対してもあやかしにも受け身であった前作と比較し、夏目が藤原塔子とニャンタ先生を始めとする周りの人々に優しく受け入れられることにより、人とあやかしの両方に対して、すこしづつ交流を持とうとする、成長の跡が見受けられます。

やはり、マンネリ感は、なきにしもあらずですが、逆にいつでも見始める事ができて、いつでも見るのを途中でやめることも出来る、心の休憩にぴったりな作品だと思います。３期も静かに楽しみにしてます。個人的には夏目友人帳にドラマティックさは求めず、ゆっくり長く続いて行って欲しいと願っています。