退会済のユーザー さんの感想・評価
4.6
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
タイトルなし
ガンダム、と聞くとどうしても説教臭いメッセージとかテーマとかをイメージしてしまうことと思う。
が、しかし、本作はその中で数少ない例外だ。
ぶっちゃけ、本作にはそういう、メッセージとかテーマ性というものはほとんど無いと言っていいだろう。
アムロとシャアの最期の会話が、ララァを殺されたことに対する恨み節とその反応で終わったことからも、本作が描きたかったのは二人の確執それのみだということが分かる。
シャアが人類ニュータイプ化の為に敢えて過激な行動をとっているだとか、地球連邦の腐敗だとか、世界に人の心の光をみせなきゃならないとか、そういうのは二人の戦いをカッコ良く魅せる為の建前でしかない。
要は、死んでしまった一人の女を未だに奪い合っている、二人の男のしょーもないプライドを描いているのだ。
よくよくキャラクターの発言を拾っていけば気づくのだけど、実はガンダム恒例のニュータイプ論とか人類の在り方云々よりも、シャアの動機がアムロへの対抗心であることの方が如実に語られているんだよね。
そして、その醜くも生々しい感情を大迫力のロボットアクションと絡めた映像美は、最高の一言に尽きる。こんなアクションを魅せられたら、普通のロボットアクションなんかじゃ満足できないよ。どうしてくれるんだよ富野?
パイロットとしてのアムロが魅せるその強さと、セリフから伝わってくる余裕には、惚れ惚れする。
最高の強化人間と言われるギュネイを、本編の冒頭で既に一回殺せているし(シャアが援護に来なければ確実にギュネイは早期退場してるものね)、とんでもない潜在能力を秘めたクエスが相手でも「子どもに付き合ってられるか!」と軽くあしらってしまうんだもの。
(しかも、これだけの戦闘シーンを描きながらも、Vガンダムでは「ワンパターンになってつまらないから」の理由でファンネルを無くしてしまったのだから、脱帽するよ……)
ガンダムを敬遠しがちな人でも、アクションシーンだけは観て欲しい。それだけのレベルなのは、保証できるよ。
最後に一言、言いたい。
チェーン、マジでチャーミングだと思う。なんなの、あの恋する乙女感……アムロ羨ましすぎる。
ナナイさんも捨てがたいけど。でもクエスだけは勘弁な!