しゅりｰ さんの感想・評価

4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

アニメ、ゲームが好きな人のためのタイムトラベルSF

原作は2009年秋に発売されたX-BOX360用のゲーム(後にPC、PSP版発売)
私個人としては初めてトゥルーエンドまでプレイしたADVゲームで
各ヒロインのエンドごとに散々涙腺を攻撃された想い出深いゲームです。
せっかくなので少しゲームを思い出しながら書いてみようと思います。


ADVゲームのアニメ化はかなりリスクが高いと話に聞いたことがあります。
実際に原作ファンからアニメ化を「なかったこと」にされている作品は
それなりにあるようですが、本作は原作ファンからもそれなりに好評を得ているように思えます。

ストーリーはゲームのトゥルーエンドにほぼ沿う形で進みますし、
キャラの動きや伏線も丁寧に描かれています。
特にゲームでは字を追っているだけで、動きがあまりないシーンでも
自然にアニメとして成立させている演出には素直に感動を抱きました。
声優もほぼ全員オリジナルキャストでそれぞれのキャラクターの
個性が声からしっかり伝わったように思います。


個人的にはかなり楽しく観れたアニメですが、不満な点もちらほらと出てしまいました。
まずゲームでも同じ感想を抱いたのですが、前半の冗長な展開と独特なキャラが問題です。
後から考えれば一つ一つ丁寧に伏線を張るために冗長な展開なのでしょうが、ダレてしまいます。
オカリンやダルなどの個性的過ぎるキャラクターも人物としての背景が見えてくるまでは
ひたすらにウザいキャラとして映ります。
キャラが合わなかったり、前半の展開が原因で視聴を断念された方も多いのではないのでしょうか。
ゲームでも繰り返しDメール実験をしているあたりが一番きつかったように思います。

23、24話もゲームを再現することに囚われすぎてしまったように感じます。
特に23話で流れたBGM「Operation Skuld」とゲーム版主題歌「スカイクラッドの観測者」は
ゲームで流れた時は鳥肌が立ったのですが、いざアニメで聞こえてくると
シーンから浮いてしまっているように感じてちょっと残念でした。

こんな感じに言いたい放題不満をぶちまけてしまいましたが、
タイムトラベルネタが好きな方なら観て損のないアニメだと思います。
アニメ、ゲームなどのオタク文化を取り入れて、視聴者を引き込む良い雰囲気作りが
出来ている稀に見る良作SFアニメではないでしょうか。
もし、アニメを視聴しても飽きなければ是非ゲームもプレイしてみてください。
アニメで描かれなかったエピソードもとても良い話ですので…。
また、ゲーム発売後に展開されたα～γまでのドラマCDも良い出来です。
ドラマCDはアニメ視聴済みなら充分楽しめると思います。


最後に劇場版の制作が告知されましたね。
どんな話で制作されるのか今から楽しみです。