「機巧少女は傷つかない(TVアニメ動画)」

総合得点
78.8
感想・評価
1653
棚に入れた
10981
ランキング
525
★★★★☆ 3.6 (1653)
物語
3.4
作画
3.6
声優
3.6
音楽
3.7
キャラ
3.7

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ネタバレ

wjk_anima さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ぉお 夜々が,やゃ可愛ぃ感じ!☆ヤっと出ました やット出たぁ!今期の花丸◎ァニ芽がぁ大当たり成りょ~!!!

第2話まで視終わりますた!

予想に反して、今期の面白ぃ作品三本指入り早くも決定デスょ!!!

キャラ立ちしっかり、可愛げバッチリ、ストーリー性も超~抜群でしょうね…ww 多分っ!!


英国学園人形使いアクションバトル的イメージ=2÷(声優〔バカテス〕+作画〔俺修羅〕)

期待値!ハッキリ申しまして… 『 絶大なのれす~ww !!!! 』


【 概要 】

『 機巧少女は傷つかない 』(マシンドールはきずつかない)は、MF文庫J(メディアファクトリー)から刊行されている海冬レイジによる日本のライトノベル。イラストはるろおが担当。2009年11月25日から既刊11巻が刊行されている。2013年1月に公式サイトにてテレビアニメ化が発表された。
ジャンル 《 ファンタジー, 学園 , アクション 》

★【 ストーリー 】★

魔術回路---それは魔力を糧に稼動する機械装置。従来の儀式を遥かに上回る出力・精密性・処理速度で魔術を発動する、新時代のマジックアイテム。 そして、知能ある魂を宿す究極の魔術回路『イヴの心臓』の発明は、魔力を糧に人類の限界を超えた魔術を操る自律機械『自動人形(オートマトン)』と、それらに生命を吹き込み相棒とする魔術師『人形使い』を生み出し、魔術回路と自動人形による一大学術体系『機巧魔術(マキナート)』を築き上げた。 大英帝国・機巧都市リヴァプールに設立された機巧魔術最高学府・ヴァルプルギス王立機巧学院にて、四年に一度、人形使いの頂点「魔王」を選び出す戦いの祭典「夜会」。それに参加するため、人形使いの少年・赤羽雷真とその自動人形の少女・夜々は日本から留学してくる。

【 主題歌 】

◆オープニングテーマ
「 Anicca 」
 作詞 - LINDEN / 作曲・編曲 - とく / 歌 - 原田ひとみ

◆エンディングテーマ
「 回レ!雪月花 」
 作詞・作曲・編曲 - ヒゲドライバー / 歌 - 歌組雪月花[夜々(原田ひとみ)、いろり(茅野愛衣)、小紫(小倉唯)]

★《 製作☆スタッフ 》★

●原作 - 海冬レイジ(MF文庫J『機巧少女は傷つかない』/KADOKAWA刊)
●原作イラスト - るろお
●監督 - よしもときんじ
●シリーズ構成 - 柿原優子
●キャラクターデザイン・総作画監督 - 渡辺敦子
●ドール/プロップデザイン・ドール総作画監督 - 廣瀬智仁
●サブキャラクター/衣装デザイン - 黒澤桂子
●メインアニメーター - 成川多加志
●美術設定 - 金平和茂 (KUSANAGI)
●美術監督 - 緒続学 (KUSANAGI)
●色彩設計 - 柳沢久美子
●CGIディレクター - 内山正文
●CGIアクション - 千葉高雪
●撮影監督 - 塩見和欣
●ビジュアルコーディネーター - 松原貞姫(フォルテス)
●編集 - 坂本雅紀(森田編集室)
●音響監督 - 明田川仁
●音楽 - 横山克
●音楽制作 - KADOKAWA(メディアファクトリー)
●エクゼクティブプロデューサー - 松本浩、大澤信博
●プロデューサー - 田中翔、臼井久人、土橋哲也、金庭こず恵、畠山拓郎
●アニメーションプロデューサー - 比嘉勇二
●プロデュース - ジェンコ
●制作 - Lerche
●製作 - 機巧少女は傷つかない製作委員会(KADOKAWA、ショウゲート、AT-X、ムービック、ジェンコ)

★《 登場人物 》★

〔 ヴァルプルギス王立機巧学院 〕

◆赤羽 雷真(あかばね らいしん)
声 - 下野紘
本作の主人公。{netabare} 学院の二回生で「夜会」の参加者。第百位。登録コードは「下から二番目(セカンドラスト)」。 日本から留学してきた傀儡師の少年。精悍な顔つきをしていて、誠実で優しい性格。自動人形を人間と同じように見ている。好物は蕎麦と天ぷら。 人形使いの名門赤羽一門の生き残りであり、一族を皆殺しにした仇を討つべく「夜会」参戦を目指し、軍部と花柳齋の口利きでヴァルプルギス王立機巧学院に留学してきた。機転と洞察力に優れ、頭の回転は速く実技はとても優秀であるが、人形使いとなってから日が浅いため、機巧魔術の教養は悲惨なほど拙く、試験の成績は1236人中1235位(ただし「下から一番目」のヴェイロンは実力者にも関わらず試験を白紙で出しているため実質雷真は学園最下位)。担任のキンバリーからは「下から二番目」と呼ばれ、追試と補習に追われる日々を送っている。あまりの知識のなさに呆れられることも多く、言葉の壁もある。 赤羽一門当主の次男坊だったが、優秀すぎる兄の陰に埋もれる毎日から魔術より武術に傾倒していったため、勘当同然に家を飛び出し、皮肉にも一門皆殺しの惨劇を免れた。そのため、魔術はほとんど初心者で和術や駆け引き、敵の裏をかく戦法を得意とする。自分の人形使いとしての才能を過小評価しているが、硝子曰く彼もまた天賦の才を持っており、タフな肉体と高い身体能力、人並み外れた五感と反射神経も持っている。また、軍事訓練を受けていて射撃能力は高い。 「魔術喰い」こと「十三人(ラウンズ)」の一人フェリクスを倒したことで、夜会の参加資格を得る。機巧戦闘のみで評価を受けているため序列は第百位。雷真自身も人形使いとしては未熟なため物語の開始当初は「十三人」と互角とは言い切れなかったが、夜会や数々の事件で血肉を削る死線を潜り抜ける度に戦闘経験を吸収し自身の力に変え、また夏季休暇での「迷宮の」魔王グリゼルダとの出会いと修行を大きなきっかけとして編入時とは最早別次元と言えるほどに成長。夜々とのコンビネーションは益々磨きがかかり、<金剛力>と<八重霞>の真の力を理解し<金剛力>の肉体強化を自身にも施すことが可能になり、赤羽一門の奥義である紅翼陣を万全ではないながらも習得し、さらに身につけた技術を習得だけに収まらず少しずつその練度を磨き上げている。現在では夜々単体でも<戦隊>3人までなら対処できるようになり、そして<雪月花>三体を同時に扱いそれぞれの魔術回路の特性を理解した上でそれを完璧に連携・運用することができるようになった。作者曰く、もう少しでマグナスといい勝負ができるようになるとのこと。 積極的に甘えてくる夜々には手を焼いているが、彼女のことは相棒として大事に思っている。本人は惚れたら関係ないと言うが年上で巨乳好きの気がある。初めは夜々にも隠していたが、土門日輪とは許嫁の関係。しかし、護るべきものも護れなかった復讐鬼の自分に、そんな甲斐性はないと思っているのか、当人にもう結婚する気はなく、異性からの好意にも相当鈍い。寧ろ女性陣らの過激な発言にツッコミを入れることが多い。 12巻で遂にグリゼルダの糸を破棄、そして真の紅翼陣を発動した。

◆夜々(やや)
声 - 原田ひとみ
本作のヒロイン。雷真の自動人形。黒いミニの着物に身を包んだ黒髪の可憐な少女の姿をしている。好物はあんみつ。 花柳齋秘蔵の真作「雪月花」の次女「月の乙女」で、軍艦一隻と釣り合う価値のある花柳齋ブランドの最高級人形。雷真を慕い積極的に甘えているが、思い込みも激しく、雷真が他の女子と一緒にいるとすぐに目が光を失い取り乱し、泣き出す、物に当たる、雷真の体を探ろうとする等、度が過ぎて嫉妬に狂ったり既成事実の捏造に走ったりと、日々暴走の激しさを増していくため、雷真は対処に困っている。雷真が自分になびかないのは人間ではないからと考え、人間になることを望んでいるが、シグムント曰く「性格のせい」。現在とは逆に、出会った当初は最高級自動人形である自負から未熟者の雷真を見下しており、彼の相方に任命された不満から寝込みを襲って本気で殺そうとしたこともあったが、互いに本気の死闘を演じた末に、人間も人形も関係なく対等に接してくれる相手として認め、心を開くようになった。 雷真を好くあまり嫉妬に狂って雷真に暴力を振るったり、女性の名前が出るたびに関係を疑ったりするが、心よりの信頼において雷真の人形として戦っており、どのような結末でも雷真と運命を共にすることを覚悟している。また、雷真が困った人間にところかまわず手をさしのべることを悩んではいるものの、ある程度は寛容で仲間を助けることには夜々自身も乗り気になる。 登場当初は下駄を履いていたが、暴走列車を真正面から止めた際にボロボロになったため、雷真から贈られたブーツに履き替えている。 結合強度の魔術回路「金剛力(こんごうりき)」を搭載しており、自己領域内の単子を超高度物質化することで、筋力を数千倍まで高め強靭な身体と強大な膂力を生み出す。ただしあくまで攻撃が力押しなため、流体と相性が悪く、戦術的にも単純になってしまうため、雷真もともに戦うことで戦術を複雑にしている。 戦術パターンは「吹鳴」「森閑」「光焔」「天嶮」の四つ存在し、雷真の指示により魔力の質が変わる。各パターンはそれぞれ風林火山に対応している。通常、「吹鳴二四衝」「光焔十二結」のように「戦術(魔力の質)+数字(魔力の出力)+陣形」の形で指示を出すが、それとは別に固有の名称を持つ「絶衝」と呼ばれる技が存在する。4巻までに登場した「絶衝」は、「天嶮絶衝〈破却水月〉」「吹鳴絶衝〈ひさぎ太刀影(たちかげ)〉」「光焔絶衝〈乱れ夜桜〉」「森閑絶衝〈神機御雷(しんきみかづち)〉」の4種類だったが、8巻にて「光焔絶衝<月影紅蓮>」という「絶衝」も登場したのを見ると、他にも「絶衝」の技が存在する可能性が高い。 「生体人形の第一人者」花柳齋硝子による禁忌人形で、その機巧は生身の人間とほとんど区別が付かないほど。また、雷真に生命の危険が迫ると、金色の髪と額に水晶のように透き通る角錐状の角を持った姿に変貌し、普段以上の出力を発揮する謎の機能がある。損傷した際には雷真の魔力だけでなく「生命力」も搾取している(当初は夜々自身も知らなかった)。12巻で命を吸い上げている理由はそれは夜々が身のうちに飼う《化け物(角錐状の角)》を縛るためのものであることが明かされる。硝子はたちの悪い借金取りのシステムだと語っている。花柳齋硝子は製作者であるが硝子と呼んでいる。 当初は自分の身は護れても雷真の身を護れないことに何度も胸を痛め、一度はアリスの話術によって絶望に追い込まれ、雷真の下から去ろうとしたこともあったが、雷真の成長によって「金剛力」の防御力を雷真自身にも与えることが可能になった。これこそが夜々の能力の真骨頂であり、硝子曰く「『雪月花』の中で一番要人警護に適している」所以である。しかし、<金剛力>の術対象は一度につき一人のみで、夜々が使用している間は雷真が、雷真が使用している間は夜々が自分の身を守れなくなる。 神性機巧になる可能性を持つ人形であることが12巻で語られた。ただし、残り寿命は10日しかない(夜会も後10日で終了)。

〔 十三人(ラウンズ) 〕

◆マグナス/赤羽天全
声 - 小野友樹
銀の仮面で素顔を隠している男子学生。紅い瞳をしている。 夜会のトップランカー「十三人」の中で第一位。次期魔王有力候補の筆頭。「機巧技術科」コース所属。 魔力も技術もずば抜けており、総合成績歴代一位で学院始まって以来の天才と言われている。優秀な人形師でもあり、彼の少女型人形は彼が作った禁忌人形であるという噂がある。他の学生からは「偉大なる者(マグナス)」「元帥(マーシャル)」と敬意を持って呼ばれている。 ゴスロリドレスを身に纏う乙女型人形「戦隊(スコードロン)」を6体所持し、複数の自動人形による集団戦闘を得意とする、「ひとり軍隊(ワンマンフォース)」。その戦力は軍艦数隻に匹敵する。 雷真からは転入早々から因縁を付けられ、撫子の遺灰を受け取っていたり、雷真の戦闘を何度か見物している。雷真のことを高く評価している。 その正体は雷真の兄、赤羽天全。赤羽一門始まって以来の天才であり、その才能から鬼神、神童と呼ばれ、赤羽一門の開祖をも越える逸材と目されていた。しかし、突如雷真を除く赤羽一門の全員を皆殺しにする。雷真が夜会入りした理由そのものであり、兄であると同時に妹の仇でもある。その目的は神を造ることらしいが、詳細は不明。 本人は自分が天全だと否定していないが完全に認めてもいない。しかし、撫子と同じ外見の火垂を連れていることと赤羽一族の秘術である紅翼陣を使いこなせることから、ほぼ確実だと思われる。7巻で雷真と交戦した際、雷真が中途半端な紅翼陣を習得したことを指摘し、赤羽の秘術である紅翼陣のことを詳しく口にしたため、雷真からは赤羽天全だと断定された。

◆火垂(ほたる)
声 - 花澤香菜
マグナスの乙女型人形。魔術回路は圧力。 雷真の妹(赤羽撫子)にそっくりな外見をしているが、マグナスに敵対する雷真に対して敵意を示している。また、マグナスからモノ扱いをされていると感じ、いくらでも変わりが存在すると考え落ち込む姿を見せたり、いろりにもらった懐炉を大事にするなど、人間のような情緒を見せる。雷真と話をする機会を持ち、雷真とマグナスの関係に興味を抱くが、雷真からはマグナスとの関係や火垂と同じ容姿をしている撫子については聞かされていない。 高い瞬発力に凄まじい耐久力を兼ね備えており、シンとも互角に渡り合うほどの戦闘力を持っている。

◆玉虫(たまむし)
マグナスの乙女型人形。魔術回路は魔力吸収。対象の自動人形の魔力を奪うドレイン系の魔術回路であり、制御が非常に難しい。

◆鎌切(かまきり)
マグナスの乙女型人形。魔術回路は空間転移。特定の場所へ瞬間移動する魔術回路で、こちらも扱いが難しい。

◆蜻蛉(かげろう)
マグナスの乙女型人形。

◆姫蜘蛛(ひめぐも)
マグナスの乙女型人形。

◆蜜蜂(みつばち)
マグナスの乙女型人形。

◆アスラ・オーエン
英国インド領からの留学生。四回生で第二位。登録コードは<三千世界天子(アバタール)>。浅黒い肌の大人びた風貌に理想に燃える少年のような真っ直ぐな黒い瞳を持つ男子学生。貧しい生い立ちから、列強諸国による軍拡競争が世界にもたらす弊害を憎んでいる。 『自分が「魔王」となった暁にはその権威を平和を願う同志たちと共に分かち合う』という理想を掲げ、魔術結社<新機関(ノヴム・オルガヌム)>の結成を提唱して下位の手袋持ち達を次々と傘下に加えて行く。弁舌が立ち集団を的確に率いるカリスマもあるが、「自分は周囲が思っているほど清廉でも高潔でもない」と自嘲するなど、どこか影がある。

◆インドラ
甲冑をまとった武人姿のアスラの自動人形。魔術回路は不明だが、自身や人形使いの体を雷に変換して縦横無尽に移動させる能力を持つ。

◆オルガ・サラディーン
学院の学生総代。第三位。「金色のオルガ」の異名を持つ精霊使い(ジン・マスタリー)。 一度はシャルロットを退けシグムントを破壊するものの、精霊使いの能力を取り戻したシャルロットに敗北して夜会を去る。
結社の幹部〈金薔薇〉の孫娘であり、ブリュー家と因縁のあるセト家の人間である。 同じ十三人のオーガスト・ヴェイロンとは恋人であるが、結社によってその記憶を除去(魔術による外科手術)されていた。

◆トール
オルガの自動人形。赤い竜の姿をしたシグムントの同型機。彼と同じく「魔剣(グラム)」の魔術回路を持つが、トールには2つ持っている(彼らの会話から、2つ目の「魔剣(グラム)」はブリュンヒルドと言う同型機から得たものであると思われる)。シグムントを「兄弟」と呼ぶ。皮肉っぽい性格だが、散り際に自身の『器』をシグムントのために提供した。

◆フェリクス・キングスフォート
声 - 梶裕貴
学院の風紀委主幹。学院の三回生で第四位。登録コードは「銀槍の乙女(ヴァルキュリア)」。 容姿が整った美男子で、女子に人気がある。シャルに慕われていた。雷真に「魔術喰い」を倒すことを条件に参加資格を与える取引を持ちかける。人がよさそうだが、冷徹な人間性の持ち主。 彼が「魔術喰い」騒動の犯人であり、夜会を勝ち抜くために多くの自動人形を襲い、魔術回路を奪ってきた。シャルロットを利用して彼女に罪を着せようとしたが、雷真と夜々に阻止され倒される。これがきっかけとなり、夜会の参加資格を剥奪された。このことで雷真はキングスフォート家の恨みを買う。

◆エリザ
フェリクスの自動人形。ルネサンス期に作られた。 魔術回路は「魔術喰い(プレデター)」。喰らった自動人形の魔術回路を自分のものにすることができるが、その能力は使い捨てであるため、一度使用した魔術回路は、再装填することができない。使用回数にも限度があるため、あらかじめ大量に魔術回路を取り込む必要がある。

◆シャルロット・ブリュー
声 - 高本めぐみ
愛称はシャル。学院の二回生で第六位。登録コードは「君臨せし暴虐(タイラントレックス)」。夜会のトップランカー「十三人」にも名を連ねる若き天才魔術師。倫敦のブックメーカーがオッズ三倍をつける程の、次期魔王候補有力株の一角。 もとは名門貴族だったブリュー伯爵家の令嬢で、ある事件をきっかけにバラバラになった家族や自動人形を取り戻すために魔王を目指している。自分の生まれに確固たる自信と責任を持っており、「私は女王陛下から一角獣の紋章と北の領地を賜った、ブリュー伯爵家のシャルロットよ!」を合言葉に「高貴なる者の義務(ノブリス・オブリージュ)」に従って邁進する。 金髪碧眼の美しい少女であるが、胸にはコンプレックスがあり、上げ底。人付き合いはそれほど得意ではなく、むしろ恐れられている。このことに加え、夜会は無慈悲な生存競争であるとの考えからシャルロット自身も他人と関わることに消極的だったことなどが相まって友人と呼べる存在はいなかった。しかし、参加資格を奪うために挑戦してきた雷真と知り合い、「魔術喰い」事件の解決後は友人関係になる。それからは雷真に何かとおせっかいをやく。当初は雷真に惹かれつつある自分を認められずにいたが、3巻での事件を境に雷真への好意を自覚するようになる。 オルガとの戦いでは力及ばず、トールによってシグムントを破壊される。その後オルガとのリターンマッチを制するべく、精霊術を習得する。 ステーキなどの肉類を好む(成長期に栄養が足りなかった反動である)。 BL趣味のきらいがあるらしく、雷真とロキのカップリングを連想させる話題には激しく食いつく。

◆シグムント
声 - 中田譲治
シャルの自動人形であり、彼女のよき理解者。彼女の先祖が退治した悪竜から作られたと言われる禁忌人形で、四枚の翼を持つ鋼色の鱗のドラゴンの姿をしており、普段はシャルの帽子の上や肩に乗るほどの大きさ。構造上肉を食べないと活動に支障をきたすらしく、好物はチキン。150年ほど生きており、思慮深い性格と確かな人を見る目で、孤立した立場から不安や焦燥に駆られがちなシャルに度々助言を与え、心を支えている。意地っ張りな彼女の張り詰めた心をほぐすために茶化すことも多く、それで取り乱したシャルが「お昼のチキンを○○○(御馳走的イメージとは程遠い微妙な食品)にするわよ!」と反目する掛け合いが定番になっている。人形も公正に見ている雷真を気に入り信頼もしている。また、夜々とも仲がよく、彼女の相談相手でもある。 宇宙の真理に関わるといわれる秘法、物質の生成・消滅を司る魔術回路「魔剣(グラム)」を搭載しており、戦闘時は全長八メートルにも及ぶ巨大な姿になり、シャルを背中に乗せて戦う。サイズはより小型に抑えて機動性を上げたり、さらに巨大化して力任せに敵を粉砕したりと調節可能。主力武器は物質を光とともに消滅させる(光は物質が消滅する時の副次作用)反物質粒子砲「ラスターカノン」と、その出力を抑えて使い勝手を良くしたショットガン状の砲撃「ラスターフレア」および追尾ミサイル状の砲撃「ラスターセイバー」。

◆ロキ
声 - 岡本信彦
学院の二回生で第七位→第九十九位(自主降格)。登録コードは「自ら廻る焔の剣(セイクリッドブレイズ)」。 真珠色の髪に紅い眼をした美男子。操作の難しい鋼の自動人形「ケルビム」を自在に操る。 実戦演習では負け知らずで、極めて優秀な成績(本人曰くAAA+平均)であり、キンバリーの予想をはるかに上回る速さで禁書の模写を完成させた。マグナスの対抗馬と目されるほど相当な魔力の実力をもつ魔術師であり、ケルビムの設計を一から組み直す所からかなり腕の立つ人形師でもある。周囲からは「剣帝」と呼ばれ、降格後もいまだに「十三人」と同格に見なされている。 フレイの弟であるが、実力で数段格上のためかやや高圧的な態度をとる。しかし、本心は姉のことを気にかけており、順位を下げたのも、初戦でフレイと当たるはずだった雷真を代わりに倒そうとしたからである。 人工的な「約束された子ども(プロミストチルドレン)」として養父のブロンソンにより心臓を機巧化されたサイボーグ魔術師兵の側面を持ち、常に魔力暴走や心停止の危険に晒されている。 雷真とは実力を認め合うものの犬猿の仲で、毎度子供じみた口喧嘩を繰り返している。しかしいざとなると雷真の窮地に助け舟を出すなど、仲間としての意識が徐々に芽生えつつある。怒りや愚痴を吐露する際、「俺は謙虚で寛大だが、(どうにも許せないものが三つある)」と前置きをするのが口癖。雷真とは同じ血液型らしい。 Dワークス事件収束後は、借りを作ったキンバリーに頭が上がらない。フレイとともに、機巧化された心臓をもとに戻すために魔王を目指す。 後に心眼を習得。接近戦にさらに強くなり、遠距離攻撃にすら反応できるようになる。

◆ケルビム
ロキの自動人形で、機械的なしゃべり方をする。口癖は「I'm ready」。 全身金属製で、鋼板が人型に組み合わさったような外観をしている(雷真曰く「痛そう」なデザイン)。ブレードになっている両腕と、背中からミサイルのように飛来する8本の短剣を駆使して戦う。 「熱風操作(ジェット)」の魔術回路を搭載し、熱風を収束した高熱の刃は、硬化した夜々をも切り裂く。風の噴射を利用して、地面を滑るように移動できる。巨大な剣に変形し、ロキが魔術で振り回したり、上に乗って飛行することも可能。 Dワークスの「エンジェル」シリーズであり、その戦闘能力は「ガルム」をはるかに凌ぐと言われ、整備性も極めて良好であるが自律性が低く、操作が難しい。「剣の結界」という自動防御機能があり、背中の短剣群が術者を中心に円を描き、その円内に踏み込んだ者を自動的に切り裂く。 6巻最後、新学期の「五十番目の夜」では、更なるチューン(シャルには基本設計からやり直したとも推測される)を施された姿を現す。所々に金色(ルシファーの残骸[注 15])のパーツが使われ、挙動も機械音の無い、なめらかなものになっている。

◆ジブリール
破壊されたケルビムに代わる新型のロキの自動人形。イオネラ作で、盾、剣、天使、砲の4形態に変形可能なエンジェルタイプの異端。姿はケルビムより人間に近く、ルシファーに似ている。OSはケルビムのものを採用しているためしゃべり方は変わらない(より賢くはなっているらしいが)。ロキが制御しなくとも翼が自動制御し意図した通りに飛行できる新機構がある。 「永劫の火(フェニックス)」の魔術回路を搭載し、フィンブレードを空間転移させ攻撃する他、炎を噴射させ移動等、「熱風操作(ジェット)」を上回る性能を持つ。

◆土門日輪(どもんひのわ)
学院の二回生で第八位。登録コードは「魔軍を統べる黒曜姫(ダークプリンセス)」。 名前で分かるように日本人。背丈は夜々と同じほどで、艶やかな桜色の着物に紫色の袴を着ている。 雷真の許婚。親同士が決めたことではあるが、彼のことをかなり好いている。雷真の言うことは絶対で、夜々の言うことにも惑わされることがない。その好意は夜々が強敵と認めるほど。学院に入ったのも赤羽天全がいるとの噂を聞きつけ、そこにいけば行方知れずになった雷真に会えると思ったからである。だが、花柳齋の元に雷真がいると聞きつけ日本へと帰り、雷真と丁度行き違いの形になってしまったが、その後雷真を追って祖母から勘当されるのもいとわずに再び学院へ戻ってきた。 土門の血の制限ゆえに、知り合いと呼べる相手が殆ど居らずシャルとすぐに仲良くなった。基本的に恥ずかしがり屋だが、雷真のこととなると大胆になることもある。落ち込みやすい気質だが立ち直るのも早く、心は強い。 特定の自動人形を所持しておらず、呪符に「神」を下ろし、それを行使するイザナギ流の「式神」使い。「十三人」の一人ということもあり、相当な魔力も持っており、その力は十分の一に制限されても他の「十三人」の攻撃を防ぎきれるほど。

◆ソーネチカ・スニートキナ
<女帝>の異名を持つロシアからの留学生。メリハリの効いた肢体に前世紀の貴婦人めいたデザインの特注学生服をまとう、縦ロール盛髪のド派手な少女。常在戦場の覚悟と淑女の品格を併せ持つ、竹を割ったような武闘派。短絡思考ではないが感性は極めて脳筋で、女帝の名を懸け相争うに相応の気骨有りと評価した同性には、片っ端からライバル認定を下している模様。

◆ヨルムンガント
ソーネチカが従える三体の鋼鉄の単眼巨人。魔術回路は不明。三位一体となって全長約20mの大蛇型自動人形に変形する機能を持つ。

◆セドリック・グランビル
声 - 種田梨沙
夜会執行部議長。キングスフォート家と並ぶ英国の重鎮であるグランビル家の御曹司。 時計塔破壊にまつわる一連の事件の後に軟禁状態から救出されたとされるが、アリス曰くそれも偽者であり、本人は既に死亡しているとのことである。

〔 手袋持ち(ガントレット) 〕

◆リゼット・ノルデン
声 - 能登麻美子
風紀委主幹補佐。学院の三回生で第三十四位。登録コードは「白い幻霧(ホワイトミスト)」。 眼鏡をかけた少女。なぜか雷真に対してひどい言葉を吐く(罵倒のレパートリーがなぜか細長い虫に偏っている。例としてサナダムシ、イトミミズなど)。 実際には夜会前に殺されており、フェリクスの自動人形にすり替わっている。 自動人形(名称は不明)の魔術回路は「白い幻霧」で、人形自身の体を白い霧に変換する。霧の姿でいるときは宙に浮かぶ、流体でありながら物体に纏わりつき拘束する、といったことが可能で、霧には触れた物質を腐食させ崩壊させるという特性がある。フェリクスが利用した際に、「金剛力」で硬化した夜々を傷つけている。

◆フレイ
声 - 阿澄佳奈
学院の三回生で第九十八位。登録コードは「静かなる騒音(サイレントロア)」。Dワークスの軍用犬型自動人形「ガルム」シリーズの一体、「ラビ」を連れている。「機巧戦術科」コース所属。得意料理(?)はサンドイッチ。 真珠色の髪に紅い眼をした少女。体つきは華奢だが胸が大きく、顔立ちも整っている。 人工的な「約束された子ども」として養父のブロンソンにより心臓を機巧化された魔術師兵の側面を持ち、常に魔力暴走や心停止の危険に晒されている。 本当の両親は優れた人形使いで、機巧人形劇を生業としていたが、フレイとロキの資質に目をつけたブロンソンの裏工作により、劇の最中に事故を装って殺害され、フレイとロキの身柄はブロンソンの手中に落ちた。ブロンソンからは実験体として扱われていた節があり、過酷な訓練を課され、学院へと入学する。ロキとは実の姉弟であるが、フレイは母親の死は自分が招いたと誤解して、そのことでロキに恨まれていると思い込んでいたため、彼の前では萎縮していた。 雷真の初戦の相手で、ある理由により雷真を暗殺しようとしていたが、彼女自身が残忍さや狡猾さとは程遠い、優しい上にニブくてドジなヘタレであったため、嫌がらせレベルにしかなっていない。 Dワークス事件収束後は、ロキとの関係も改善し始め、ロキの本心や不器用な優しさに気がつくようにもなった。また、雷真に好意を抱いたようで、積極的なアプローチをしては夜々やシャルロットをヤキモキさせている。 当初はラビ一頭だった「ガルム」を新たに四頭戦力に加え、「多重なる騒音(サラウンドロア)」として「夜会」を勝ち進んでいく。なお、戦闘時以外は合わせて十三頭の「ガルム」の面倒を見ており、人探しなどにおいてたびたび雷真を助けている。6巻では夜会が中断される夏休み期間中の猛特訓をへて、十三頭全てを一度に操る程に成長した。 11巻でラビ共々一度死亡し(仮死状態)、黒薔薇と硝子の手によって蘇生する。

◆アリス・バーンスタイン
第八十七位。登録コードは「加速の妖精(エルフ・スピーダー)」。 銀色の髪をした麗しい姿の少女。並外れた魔力を持ち主。人形使いとしても優秀。 他人の不幸を見ることを一番の楽しみにしており、アンリエットを使ってシャルロットに学院長を暗殺させようとしたり、キングスフォード家から護衛を任されているグランビル家のセドリックに化け、彼らの計画を個人の理由で邪魔しようとしたりしている。入学時からセドリックに化け、アリスとセドリックの二重生活を送っていた。ものごとを自分に対して楽しく考えるようにしている。 人質であるアンリエットが仮に死んだとしても造ればいいと言い、雷真の首をちぎってシャルロットにプレゼントしようとするなど(本人はお芝居だと言っているが)歪んだ性格の持ち主。頭がよく、かなりの策士でもある。 しかし、雷真と触れ合って以降は性格にも少しずつ変化が生じており、また彼のことを憎からず思うようになった節がある。 シンからは何かにつけて手ひどく罵倒されるも、彼女も負けず劣らずの言葉を切り返すのが常であり、内心では互いに強い信頼で結ばれている。 オルガとは友人同士であり、彼女の窮地を(自分の作戦のためもあるとはいえ)二度も救っている。 体を機巧化されているため、魔術を使うことができる。幻を操る魔法「虚像(ブロッケン)」の使い手であり、それにより幻影の投射や変身、物質の透明化が可能。雷真との戦闘時にシンにも使用したが、魔活性不協和の原理により、シンの魔術と組みあわせて使うことができない。 実は、ラザフォード学院長の娘だが、愛情に恵まれているとは言い難い。そのためか、9巻では健康な肉体と父の愛に恵まれていたブリュー姉妹に嫉妬していたと述懐している。

◆シン
声 - 櫻井孝宏
アリスの執事を務める、生身の人間を機巧化して造られた禁忌人形。銀に近い金髪で色つき眼鏡をしている。 完全に近い形で自律しており、人形使いが不在でも魔力を生み出せる。ロキと互角以上に渡り合い、雷真とシャルロットをまとめて圧倒する等、「十三人」クラスと同等かそれ以上の戦闘能力を誇る。 「神性機巧(マシンドール)」のモデルケースとして開発された[注 22]、運動方向の魔術回路「完全統制振動(フラガラッハ)」を搭載する禁忌人形「機巧兵士(マシーネンソルダート)」シリーズの完成系「MK4」。肉体の運動方向を分子レベルで自在に操り、慣性を無視した高速移動、ケルビムのブレードがたわむほどの重い攻撃力に加え、シグムントのラスターカノンにすら耐える防御力をも発揮する。おそらく「魔剣(グラム)」同様、宇宙の真理に関わる秘法であると思われる。能力発動中は手に負えない強さだが、魔力を消費して能力を使う以上、魔力供給が追いつかなければ消耗はするため、無制限に無敵というわけではない。 主人のはずのアリスに対して、「腐りきった」「歪んだ」「捻じくれ曲がった」等、彼女の人間性を否定する、諌言ぶっちぎりレベルの毒舌を頻繁に振るうが、職務態度は極めて忠実で、自分以外にアリスを悪く言う人間には容赦しない。しばしば「○○の執事は優秀ですが、完全無欠ではありません。ただひとつ難をあげるとすれば…」と前置きして自身のことを「キレやすい」「うっかりさん」「臆病者」と評する等、「優秀」を自負しながらも、不完全故の自身の人間性をも、ある意味肯定的に捉えている。
◆その他…多数

★《 設定 ☆ 用語 》★

〔 ヴァルプルギス王立機巧学院〕

機巧魔術の最高学府。大英帝国の機巧都市リヴァプールにあり、世界中から優秀な魔術師・人形師が集まっている。
雷真の編入時点で1236人の学生が在籍し、いまだにその数は増している。貴族の御曹司・御令嬢が大半で、生徒比率は男:女=3:2。

教科は「史学」「理学」「医学」「工学」「法学」の五教科に加え「語学」「体育学」が存在する。三回生に進級するとコース分けされる。校風は「実力主義」の一言に尽き、地位や家柄よりも魔術師としての実力が優先され、学院の卒業資格だけでも出世の材料として十分な武器となる反面、夜会を始めとする厳しいカリキュラムが組まれ、あまりの過酷さに進級も困難な落第生も毎年多数出る。生徒一人一人の所有する自動人形が、国家機密相当の最新鋭技術や世界遺産相当の秘術の結晶であるため、学外への人形の持出しは、所有者の卒業まで禁止されており、学院は堅牢な城壁に囲まれた巨大な監獄の様相を呈している。

◆夜会
正式名称は「ヴァルプルギスの夕べ」。ヴァルプルギス王立機巧学院において四年に一度に行われる、魔王を選出する一大イベント。学院の成績上位者百名が機巧戦闘を行い魔王(ワイズマン)を目指すというものである。
夜会開催前に参加資格を持つ者が持たない者に機巧戦闘で敗れれば、敗者の資格を剥奪し、他の者に与える(実力主義の学院において、そのようなことがあれば夜会執行部も選考をやり直す必要がある)など、実力主義が徹底されている。
◆ルール
対戦形式はロイヤルランブル(まず一日目に百位と九十九位が戦い、決着の如何を問わず一日毎に次の上位者が参戦していく)で、常に一対一とは限らず、上位者は下位者に対するサボタージュ権を持つ(下位者が交戦フィールドに駐留する一時間以内に現れなければその日はお流れとなる)。勝利条件は相手の手袋の奪取。ただし相手を死に至らしめた場合はいかなる理由をもってしても参加資格を剥奪される。
◆魔王(ワイズマン)
四年に一度開かれる夜会で選ばれる、同世代で最も優秀な魔術師の称号。
国際魔術憲章ならびに魔術師倫理規定の埒外となり、禁術の使用、禁書の閲覧などあらゆる制限から解放された多くの権限を持つ。ただし、殺人などの犯罪行為は許されていない。
◆手袋持ち(ガントレット)
夜会の参加資格(エントリー)の証として、学院から授与された手袋を持つ学生の呼称。夜会の戦闘中は、手袋の着用が義務づけられる。手袋は、パールホワイトに輝くシルク地に、金糸で登録コードが刺繡される。登録コードは申請者(担当教官や執行部の推薦人)がつけることになっている。手袋の配給は、定期考査のたびに候補者が更新され、最終的に夜会開催の直前期(初夏頃)に渡される。
選抜対象は、四十九位までは戦闘能力で選ばれる。残りは、各学科のスコアから偏差値を割り出し、一 - 四回生の全学生の中から選ばれる。
◆十三人(ラウンズ)
「手袋持ち」の上位13名が畏敬の念と共に呼ばれる。

〔機巧魔術とその解説 〕
◆自動人形(オートマトン)
魔術回路を内蔵し、人形使いの魔力を受けて活動する人形。つまり生きているロボット。姿は人型に限らず、実に様々な様態の自動人形が存在する。内蔵する生命の魔術回路「イブの心臓」によって自律性や知性を有し、一般にはさらに後一つだけ搭載可能な、別の魔術回路を生かした特性を持つ。
人形と人形師の腕によっては、知覚の共有をすることができる。負傷した場合、人形使いの近くにいるほど修復が早くなる。
◆魔術回路
呪文や印や魔法陣等の、複雑怪奇な魔術儀式を疑似的に再現する機巧。
魔力を流すだけで魔術的効果を発揮する。ただし、性能を十分に発揮するためには、使い手の習熟や才能、または回路を搭載した自動人形による制御のサポートや代行が必要。一般的に自動人形は、一つの体に生命の魔術回路「イブの心臓」と別の魔術回路を一つずつ搭載し、最近出回った新術から、宇宙の真理に関わる古の秘法まで、様々な特性を付与されている。
◆機巧魔術(マキナート)
錬金術を起源とする、生命の魔術回路「イブの心臓」の発明によって切り開かれた、魔術の概念を塗り変えた近代的詠唱法。
魔術回路を内蔵する自動人形と、それを操る人形使いからなるコンビネーションにより、従来よりも遥かに迅速・精確・強力な魔術行使を実現したため、機巧魔術は高度に発達した魔術体系の根幹をなし、魔術の軍事転用により激動の時代が到来した。
「イブの心臓」
最も普及している魔術回路。生命の魔術回路で、人形に知性を与える。優秀な人形師ならば人間と殆ど変わらない人形を作ることもできる。未だ全容の解明されないブラックボックスで、複製はできても一から作ることは不可能だといわれている。また、「魔活性不協和の原理」の唯一の例外。人形の核であり、これさえ無事なら修復可能だが、破損は人形の死を意味する。
◆魔活性不協和の原理
機巧物理学の基礎概念。異なる二種の魔術回路は同一のボディに存在できない。現時点でもそれは解消されていない。
◆強制支配(フォース)
基本的には自律している自動人形を、ある程度強制的に操ること。
◆知覚の共有
優れた人形使いと、一部の自動人形(ガルムシリーズなど)に可能な魔術。
コントロール中の自動人形と文字通り知覚を共有することができるが、その間、人形遣いは無防備になってしまう。
◆念動
自律性の低い、もしくは無い人形を操る高等魔術。人形使いの魔力だけで、関節、バランス、動きをコントロールしなければならない。相当な鍛錬を積んだ人形使いで無ければ、人形の腕一本動かすことさえできない芸当だが、雷真は初心からこれを稚拙であるもののやってのけた。
〔 禁忌 〕
◆禁忌人形(バンドール)
生体機巧、つまり、人間など生物の肉体が使われた人形。魔力親和性が高く、ある程度なら自前で魔力を生成できるが、魔術師倫理規定で禁止されている(ただし夜会の参加規約では使用までは禁止されていない)。雪月花やマグナスの戦隊、シグムント、ガルムシリーズ、機巧兵士シリーズがこれにあたる。
◆神性機巧(マシンドール)
人形使いからの魔力供給なしでも無制限の魔術行使が可能な人形。自動人形とは異なり、完全に自律している。
人形より魔術制御に劣る人間と、人間無しには動けない人形の両方を超えた存在=『機巧(マシン)の人間(ドール)』と言う意味であり、『人間(神)に作られた人間(人形)』。自動人形との決定的な違いは、自身も自動人形を操れるということで、「魔活性不協和の原理」を超越すると言われている。魔術師最大の禁忌である。
『機巧魔術関連技術の対機巧戦闘への応用』
キンバリーが博士号を取ったときの論文。これ以上に無いストレートなテーマで、クルーエル曰く「禁忌に片足突っ込んでいる」らしい。
『デ・オルガルム』
臓器についての禁書。魔術師協会が厳重に管理していたが、ロキを懐柔するための餌としてキンバリーが持って来た。
ただし禁書であるため、「魔王」の資格がなければ内容の閲覧も実行もできない。
◆機巧兵士(マシーネンソルダート)シリーズ
『神性機巧(マシンドール)は傷つかない』という予言を基に開発された、人体を戦闘用に機巧化し、運動方向の魔術回路「完全統制振動(フラガラッハ)」を組み込んで、肉体の運動方向を分子レベルで操作することで「決して壊れない」ようにした兵士。作中には第3~5世代までが登場している。個々の戦闘能力は高いが、人間だったために、痛みや負傷とは無縁ではいられない。
◆MK3:旧世代の機巧兵士で未完成品とされている。戦闘能力はMK4の五分の一ほど。
◆MK4:機巧兵士の完成品。シンがこれにあたる。
◆MK5:テスト運用中の試作品である最新鋭機。基本性能はシンと同じだが、それぞれが能力の一部を特化させてある。
〔 組織 〕
◆Dワークス
「神の(D=ディバイン)御業(ワークス)」を意味する、十年前から名を上げ始めた自動人形の機巧工房。魔術回路の開発もやっており、五年前には「音圧操作(ソニック)」の魔術回路で特許を取り、英国陸軍の次期主力コンペにもノミネートされているが、黒い噂が絶えない。
◆十字架の騎士(クロイツリッター)
ドイツの名門ローゼンベルクを首魁とする夜会参加者の集団。機巧魔術(マキナート)の実験と他国の技術の情報収集のため、構成員の成績を操作し、七十四位から八十六位までを独占した。構成員の国籍はバラバラだが、ローレンス育英基金を通じて奨学金を受けているという共通点がある。
アリス・バーンスタインとは協力関係にある様子。
◆薔薇の師団(ばらのしだん)
約2000年前に設立された世界最古の魔術結社。作中では〈結社(けっしゃ)〉と呼ばれることが多い。
元々はネロ皇帝の弾圧を逃れるために地下に潜ったキリスト教徒の集まりと言われており、機巧魔術が誕生する以前から怪しげな秘術を実践して、今日の魔術世界の礎を作り上げた。特定の指導者は存在せず、議決権を持つ〈薔薇(ばら)〉と呼ばれる十数人の幹部が組織を運営している。
設立当初から権力を制御して権力の暴走を止めることを自らの正義として掲げているが、実際は政治を裏から操ることに他ならず、明らかな反政府組織である。常に歴史の影で暗躍を続け、その存在はローマやカトリック教会などの支配を脅かすほどのものであった。現在でもブリュー家の爵位剥奪やエドマンドの暗躍など様々な事件に関与している。こうして現在に至るまで恐怖によって世界を裏から支配しており、そのため作中では結社のことは、「テロリズムの体現者」、「傀儡のエキスパート」と表現されている。
〔 その他 〕
◆機巧都市リヴァプール
大英帝国にある港湾都市。ロンドンから直通の列車で半日ほどの所に位置する
マンチェスター市で大量の木線を、世界中に送り出すための前線基地としての役割を果たす。
帝国の誇る貿易港にて、ヴァルプリギス王立機巧学院を擁し、いまやケンブリッジ市に次ぐ学術都市としても名を馳せている。
◆赤羽一門
雷真の生家。複数の人形を軍団の如く操り戦う、日本における人形使いの名門だが、雷真曰く傭兵まがいの「戦争屋」ゆえに身分が低く、蔑まれることも多かった。もとは陰陽師の家系で、かつて護法や式神を自在に操ったと言われる。紅翼の血(くれつばのち)という遺伝的特質が伝承されており、優れた人形使いを数多く輩出している。二年前、赤羽天全の手によって雷真を除き全滅したと思われる。
◆ブリュー家
シャルロットの家系。自動人形の蒐集家で有名なエドガー・ブリュー伯爵(シャルロットの父親)など、英国が誇る機巧魔術の名門だったが、王太子が客として訪れた時にブリュー家の犬型自動人形が暴走し、怪我をさせてしまったことから、王室から厳しい譴責を受け、爵位は剥奪され一家離散。シャルロット達が家族同然に大事にしてきた数々の自動人形も没収された。
◆キングスフォート家
イギリスの政界における重鎮。国内での人気は非常に高い。諜報機関ともパイプを持つ貴族院の有力議員。
<神の似姿>と呼ばれるものの共同研究を学院に持ちかけていたようだが、詳細は不明。
◆約束された子ども(プロミストチルドレン)
百万人に一人の確率で生まれる、魔力親和性に優れた人間のこと。Dワークスでは孤児を使って人為的にこれを生みだしており、それらは皆、機巧の心臓によって色素が抜けるため真珠色の髪と紅い眼になっている(色素欠乏症・アルビノと同じく、体や髪は白く、眼底色素が薄く瞳の奥の血管の色が透けて見えるため赤い眼となる)。日本では「白神子(しらみこ)」、ドイツでは「白い子ども(ヴァイセンキンダー)」などと呼ばれる。{/netabare}

投稿 : 2013/10/15
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