「琴浦さん(TVアニメ動画)」

総合得点
82.7
感想・評価
2435
棚に入れた
12324
ランキング
350
★★★★☆ 3.6 (2435)
物語
3.7
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

「伝わること」と「伝えること」

 原作は未読。
 視聴前は超能力をモチーフにしたラヴコメぐらいの知識しか無かったため、第1話の長尺の
アバンには驚かされた。
 幸せな家庭で生まれたはずの琴浦 春香が人の心が読める能力があるため、次第に不幸に
陥り、心を閉ざすようになっていく鬱展開を延々と描く。
 しかし、ここまで落とすゆえに、真鍋 義久と出会ったことによる琴浦の心の救われ方が半端
ない。
 その後もコメディ作品の体裁を取りながらも、能力が生む悲劇が回りを巻き込んでしまう
問題、ESP研究会の部長である御舟 百合子の辛い過去、琴浦と母との確執など、シリアス的
側面は最後まで続く。コメディ作品にシリアス要素を取り込んだ作品は多々あるが、コメディ
部分はギャグ色が強く、逆にシリアス部分は鬱要素が強くといった感じで、他作品と較べても
硬軟の振り幅がかなり広い感じ。この振り幅の広さをどう思うかは人それぞれだと思うが。

 琴浦の能力を知り、態度が変わっていく回りの人は意地悪な人間として描かれる。
 自分も視聴中は主人公側に感情移入しているため、そういう風に観ていたが、一歩引いて
客観的に見るとそういった回りの人の態度も判らなくもない。伝えたくないことも伝わって
しまうというのは正直怖いわけで、露骨に冷たい態度を取るかどうかは人によるだろうが、
大半の人は距離を置きたくなるのではないだろうか。
 逆に言えば、真鍋のような人間は希有な存在なのだろうが、彼が心を読まれてもあまり気に
ならないのは表裏がないためのようで、ある意味お馬鹿なキャラがいい方に転がったという
印象。
 そして、関心のきっかけは超能力にあったのかもしれないが、琴浦の超能力以外の部分に
惹かれていったのかな。

 琴浦の能力だが、読めるのは相手の表層の意識だけみたい。真鍋とのやりとりでもそういった
描写があったが、これが端的に現れたのが母との問題で、母の真意までは読み取れなかった。
 この母との和解に関して、森谷 ヒヨリとの確執から和解に至るまでの過程もそうだが、展開
としては「良かったね」といったところだが、持って行き方はいずれも「実はいい人でした」
パターンで、ちょっと強引な印象はあった。

 最終話では、既に真鍋の気持ちを知りながらも、真鍋の口から気持ちを話してもらう琴浦
だが、内容は同じでも「伝わってしまうこと」と「伝えたいこと」はやはり別モノだよなあ。

投稿 : 2014/03/01
閲覧 : 225
サンキュー:

9

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