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「PERFECT BLUE -パーフェクトブルー(アニメ映画)」

総合得点
77.9
感想・評価
647
棚に入れた
3021
ランキング
571
★★★★☆ 3.9 (647)
物語
4.2
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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PERFECT BLUE -パーフェクトブルーの感想・評価はどうでしたか?

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

エロくてグロくてつらくて。でも最後、スカッとします!

今敏監督、気にはなってたんですけど、
とうとう挑戦!視聴に及んでしまいました(*^▽^*)

結果は・・・・・・

面白かったです!凄く!!

お話自体はサイコホラーです。
怖いです。苦しくてつらいです。
リアルと虚構と悪夢と妄想が、
複雑に入れ子になっていて、
自分のいま見ている映像が、
誰のものでホントはどこにいるのか、
目眩のような混乱を感じて、
楽しいとか、ほのぼのとかとは正反対、
いつも何かに追い詰められているような、
そんな、安らぎとは無縁で、
ハードな展開が延々と続き、
見ているだけなのに精神を削り取って、
めちゃめちゃ暗い気分に追い込んでくれます。

エロチックは、もう全編エロいんで、
好きな人はそれだけを目当てに観賞するのもあり?
って思いましたが、
作品の根本的な「鬱感」が強すぎるので、
そんな短絡的な目論見は吹き飛ばしてくれる、
凄いパワーでした!



グロテスクがこの作品の真骨頂だと思いますが、
スプラッターではなくて、
心の闇とか病とかでの
精神攻撃がグングン迫って来ます!

ハイレベルなグロ、
凄く心に刺さります!

アイドルものって全然興味ないけど、
こういう
脱アイドルを目指したときの地獄!
めちゃめちゃドラマチックです!!!

投稿 : 2019/03/25
閲覧 : 2219
サンキュー:

28

ネタバレ

mkt03 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

極上のサスペンススリラー!

内容は、とある女性アイドルが女優に転身し、理想と現実とのギャップに
苦悩していく中で、異常なストーカー被害や連続殺人事件に巻き込まれる
というもの。主人公は徐々に精神を狂わせていき、幻さえも見るように
なってしまいます。

とにかく怖かったです…。
ストーリーや演出は当然のことながら、
出てくる人物が皆どこか不気味で得体の知れない感じを出しています。
なので、普通の日常的なシーンですら怖く感じてましたね。

サスペンス部分も素晴らしく、犯人はいかにも怪しいストーカーなのか、
それとも精神を狂わせた主人公自身なのかといったところで、
真犯人は親身に支えてくれていたはずの女性マネージャーでした。

この女性マネージャーがまた怖かったですね…。
終盤の追いかけてくるシーンはもう完全にホラーでした。
このマネージャーは元アイドルで現在は普通のおばさんという感じです。
それで、最初主人公には、追いかけてくるマネージャーがアイドル時代の
自分に見えてるんですよね。でも、鏡とかにちらっと映る姿は、
その普通のおばさんがアイドルの格好をしているというもので、
この現実と虚構の入り混じったチェイスシーンにはゾクゾクしました。

そして、印象的なのがラストシーン。マネージャーは精神病院に入り、
見舞いから帰る主人公が車のミラー越しに一言「私は本物だよ」と言って
作品は終わります。
ここはいろんな解釈があると思うんですが、
私は監督の言葉なのかなと思いました。
というのも、ここの主人公はこれまでとガラリと印象が変わっており、
例の台詞をいたずらっぽく言うところなど凄く違和感があるんですよね。
なのでこの台詞は、主人公本人であるというストレートな意味と同時に、
疑心暗鬼になっている観客に対して「これでようやく物語は終わりです。
どう?怖かったでしょ?」なんていう監督の悪戯心に溢れたメッセージが
込められているんじゃないかなと思いました。

ということで、まだまだ暑いこの時期にぴったりの作品だと思います!

投稿 : 2019/03/23
閲覧 : 451
サンキュー:

20

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

もう一人の私が語りかけてくる 入れ子構造のサイコスリラー

1997年上映の劇場版アニメ 81分

原作 竹内義和 監督 今敏 脚本 村井さだゆき キャラ原案 江口寿史 制作 マッドハウス

今敏監督の第一作として有名な作品であるが、もちろんキャリアは積んでいる。
大学在学中に漫画家としてデビュー後、大友克洋氏のアシスタントとなる。
これが、重要な経験になったようで、数作のマンガを書いたのち、アニメの世界に踏み入れることになります。
「老人Z」「機動警察パトレイバー2」に参加、大友監督の「MEMORIES」、
さらには「ジョジョの奇妙な冒険」など修行をしたのちついに初監督作です。

竹内義和本人から「アイドル」「ホラー」「熱烈なファン」というキーワードだけあれば、
好きなように変えても良いと言う意見で、新人監督ならざる大物感を漂わせていたと推測します。

アイドルアニメということで時代性が最も重要ですが、
90年代末期の売れない3人組少女(20歳超え)は現代にも通じる普遍性を感じました。
当時としてはアイドルの描写が素晴らしく、
振り付けも衣装も会場も現代のアイドルに劣りませんね。
3人組と言うとキャンディーズを思い出してしまうのですが、
この「チャム」は90年代末期の世紀末感を漂わせた刹那的なアイドルです。

霧越未麻 CV岩男潤子 チャムの真ん中の子 一番人気ではないらしい
ルミ CV松本梨香  マネージャー
内田守 CV大倉正章  謎の男

声優の岩男潤子さんは翌年「カードキャプターさくら」の知世ちゃん役で、
相当イメージが違うのですが、よく考えると知世ちゃんもかなり変かもw
この部分はこれ以上書くとネタバレになりますが、
岩男さんの熱演が最大の見どころです。知世ちゃんとは思えない迫真の・・

見た人ならこの3人を並べたことがネタバレだって分かりますよね。

期待通りのサイコスリラー作品ですが、15年ぶりくらいに観たので、
完全に忘れていて手に汗を握りました。

20世紀っぽいPC98?からの語りかけや、誰も歩いていない夜の街など、
当時を知る人には恐ろしくリアルな描写です。

内容や今監督については他の人が詳しく書いているのであまり触れませんが、
小説のアニメ化では最も重要なキャラ原案の江口寿史が嬉しいですね。
「老人Z」や「ストップひばりくん」が有名ですが、
デビュー作の「すすめパイレーツ」はコミックの革命ともいえる傑作でした。
仕事が嫌いな人だったようですが、現代萌え文化の元祖ともいえる大変な才能を持った人です。

一連の今監督の劇場アニメの先頭を飾った傑作として必見です。
海外の映画監督にもファンが多い本格的アニメ作品と言えるでしょう。

一見、作画が古いかなと思わせて、仕掛けがあるんですね。
凄い監督でした。

すすめパイレーツで思い出した、全く関係のない知識自慢。

このコミックの初期で千葉パイレーツ×ヤクルトスワローズ戦が描かれます。
ゲストキャラは広岡監督、投手は安田ではなく松岡だったと思う。
この年、スワローズは球団創立以来初の優勝→日本一となるのです。

その時期、熱狂的なヤクルトファンのとある20代の青年が神宮前のアパートに越してきた。
彼は千駄ヶ谷でグランドピアノ装備のジャズの店を経営し生計を立てていたが、
ジャズの人気があった時代とはいえ貧乏生活に変わりはなかった。
ある日彼はいつものように神宮球場の外野席の芝生から試合を見ていた。先発投手は安田。
ヤクルトのトップバッター「ヒルトン」は強烈な一撃で外野手を割り二塁に達した。
その時彼の脳内に閃光の如く何かの感情が沸き起こった。
ジャズと同じくらい好きな小説を自分でも書けるんではないかと。
早速、一篇の短編を書きだしたが、完成には半年かかったと言う。
その作品は「群像」で新人賞を獲得したが芥川賞落選。
ジャズの時代は終わりを告げ彼は職業小説家のいばらの道を歩み始めた。

もうお分かりでしょう。彼の名は「村上春樹」。

直木賞選考委員を全員殺す長編小説を書いた筒井康隆とは違い、終始、賞には興味が無いと言い続けています。

ちなみに私も若いころ神宮前(千駄ヶ谷の近く)の安アパートに住んでいたことがあり、
野村監督や古田選手の雄姿を見に行っていたのでした。

投稿 : 2018/06/09
閲覧 : 826
サンキュー:

34

ツナ丸 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

処女作にして最高傑作

今敏が如何に天才だったか
パプリカじゃ生ぬるい
ここが出発点にして最大瞬間風速

私は本物だよ?

という最後のセリフは、本当に美麻の声…?

投稿 : 2018/05/03
閲覧 : 409
サンキュー:

4

ゆい さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

映画館でみたかったな

古い作品だけど、古さを感じさせない作品でした。
とても面白かったです!
サイコホラー、人の怖さの話だいすきなので、とても気に入りました。
引き込まれます。人間不信になりますねこれは!
まさかの展開でした。
ストーカーもこわいけど、精神病のあの方もかなり恐ろしい…

投稿 : 2018/03/11
閲覧 : 384
サンキュー:

7

ネタバレ

シルメリア さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

「本格サイコホラーサスペンスアニメ」

また、凄い作品に出逢ってしまった…。∑(OωO; )
正直、キャラデザが好みじゃ無い場合は
あまり手に取ることはしない主義なのですが
。あらすじ、見て面白そうと感じて視聴開始しました。
現実と非現実の境界がわからなくなる演出で
誰が犯人なの?と引き込まれますね。
たぶん、あの人(主人公含む)なんじゃ無いかなぁとミスリードの仕方が巧みで視聴者を惑わします。B級アイドルが、アイドルを卒業して
女優1本でやっていく事を事務所の方針で
展開が進行。
新人女優としてやっていくわけですが
未麻が、やっているドラマと現実で起きる事件とのリンク性も相俟って混乱します。
自身が殺人をやっているのか?
ファンが殺人をやっているのか?
いわゆる、二重人格者の疑いも出て来たり、
ドラマもそういう内容なので凄まじいですね。
「未麻の部屋」という自身がやっていないHPの存在、自身しか知り得ない事の書き込みの日々。
やりたくないレイプシーンの撮影、
ヌードグラビアの関係者が殺されていきます。
日本ではR15指定みたいで
世界だと18禁になっているみたいです。
「Another」とか好きな方はハマるかも知れません。過激な描写が結構多いので不快になる方も出ると思う。なので、耐性が低い方には
お薦めは出来ません。
ネット社会初期とストーカーという
事件が世間を賑わせていた頃の作品です。

投稿 : 2018/02/18
閲覧 : 353
サンキュー:

9

クギコマ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

コンパクトで質が高い

90年代末期のテーマである精神の複雑性に絞った作品だと思う
なかでもサイバーやディストピアではなく芸能界と掛け合わせたのがこの作品のオリジナリティを感じるところである
音楽やエログロ、構成なども映画の尺の中でよく出来ていてちょうどいい長さ
マネージャーの人がアイドルの衣装を着ているところでシリアスなシーンなのに笑ってしまったw

投稿 : 2018/01/30
閲覧 : 305
サンキュー:

5

ネタバレ

春原最高! さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

一回見ただけではよくわかりませんでした

私は私よ。

それはいいとして、結局、各事件の殺人犯って誰だったのか。事件が複数あって、さらに主人公の精神が不安定な状態での主観からしか物語が見えないので、一回見ただけでは流石に頭がついていかなかった。

この頃の作品はこういった抽象的演出が流行ってたのだろうか?エヴァなりレインなり、自分がこの頃の作品を見るとこういった謎作品に出会うことが多いのは偶然か?
ただ自分は、こういった雰囲気で謎が残る作品は見返すたびに味が出るから好きな部類であるし、今作もかなり楽しめた。というより、これからも楽しめそうだ。

物語はまだ一回見ただけでよく理解できていないため、そこまでの高評価はできないが、作画、曲がとても自分の好みだった。

特に作画面において、裸体シーンが割とあるが、現代の媚び媚びしてツルツルな作画ではなく、立体的かつ質感はそのままの素朴な肌艶で、色気があるというよりか美しい。現代の作品ではあまり見られない良さがある。
それでいて体の動かし方がリアルで、この時代の作品としては滑らかな方だと思う。

あにこれで中々の高評価を得ているのも納得な作品。
最近のアニメを見飽きた人にはいい刺激になるはず。

投稿 : 2018/01/28
閲覧 : 306
サンキュー:

4

1994 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

もうこんなアニメ映画は出ないと思う

下手なホラー映画より怖い
推理モノとしての面白さもある
現実味がある
ケチの付けようがない。満点です。


↓ここから下は只の思い出です
この映画に出会ったのは大学受験の年だったかなぁ。志望校もD判定で半ば自暴自棄になってた。その時気晴らしに何となくレンタルしたのがこの作品でした。そして気晴らし所か、尚更ブルーな気待ちになったのを覚えています笑
そして、志望校に落ちましたチャンチャン

投稿 : 2018/01/21
閲覧 : 284
サンキュー:

4

Maskwell さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 2.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

恐ろしい作品

本当に97年の作品なのだろうかとEDが流れている画面を見ながら呆然とした。
精神世界を描く上手さはさすが今敏監督と感服する。

投稿 : 2017/12/02
閲覧 : 361
サンキュー:

4

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

サイコスリラーの名作として名高いアニメ映画

このアニメはスプラッター要素が含まれる
サイコスリラー映画である。
思ったより、エグイ描写だったので結構びっくりした。
耐性はある程度持っていたほうがいいだろう。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
アイドルを辞め、女優として活動していた女の子が
ストーカーによる被害や、殺人事件等を通じて
精神的に追い詰められていくというもの。

この作品のいいと感じた部分は、ストーカーやインターネット
をいち早く取り入れ、現代的な観点でうまく表現していたことだ。
制作から20年近くたった今の時代にも通じるものがある。

中盤辺りから悪夢や解離性同一性障害が入り交じり、
内容を整理するのが難しくなる。
主人公の心境を的確に表していると思う。

終盤からの展開も凄まじかった。
ガラスを使って上手く演出していたのは
素晴らしいと思った。視覚的にもわかりやすい上に
狂気を表現するという点でも違和感がないからだ。

私がこのアニメを見ていた時に思い出したのは
ブラックスワンと呼ばれる映画である。
色々調べてみるとブラックスワンと
パーフェクトブルーは類似点が非常に多いことが分かった。
パーフェクトブルーのほうが制作された年が早いので
ダーレン・アロノフスキー監督がこのアニメを参考にして
ブラックスワンを作ったのは間違いない。
確実に影響を受けているだろう。

私自身読解力が足りず、終盤までは
一発で理解することができなかった。
難解な映画を人並に見ていたと自負していたが、
勉強不足だった。感性を養うという意味も含めて
色々な作品を視聴しなくてはならないと学んだ。

個人的には傑作の域に達してもおかしくないほど 
素晴らしいアニメ映画だった。
少なくともダーレン・アロノフスキー監督作品が
好きな人間は視聴すべし。

投稿 : 2017/09/27
閲覧 : 481
サンキュー:

24

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

鬱×サスペンス×サイコホラーに激しく幻惑され混乱の果てに

なんか奇妙なカタルシスに浸れる、夭折した今敏さんの監督デビュー作にして最高傑作。

夢と妄想と現実と虚構の入り乱れる展開は、まさに今監督のオハコって感じで、妄想代理人以外ではこの要素をコミカルやらファンタジーやらにに振ったりして、商業作品として無難にまとめているのだけど、デビュー作ゆえの「やってやるぜ」根性なのか、低予算ゆえに制作側の縛りが緩かったのか、遺憾なく本性が発揮されてて、「つらい!怖い!暗い!」に当てられ続けますが、その先に行き着けると、ほんとホッとします。

ガジェット類がこの20年で凄く新化したし、アイドルとかネットメディアのあり方も時代がかっている部分はあるんだけど、これは90年代に同時代を描いたアニメ作品共通のことなんで、気にしなければいいこと。むしろ、ストーカーや解離性障害といった問題をテーマの縦軸に、芸能界でのポジションとかサバイバルを賭けた生き様とかを横軸にしていて、内容は極めて現代的。


鬱系要素が強いし、視聴者を選ぶ作品ではあるが、アニメでなければ出来ない表現技法のひとつの到達点であり、紛うことなき傑作だと思う。

投稿 : 2017/08/30
閲覧 : 398
サンキュー:

19

陽太郎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

ストーリーが秀逸なサスペンス系アニメ映画

アイドル×ストーカー×サスペンスって感じのアニメ映画。「世にも奇妙な物語」に出てきそうなストーリーで、アニメとしては斬新な感じがする。結構良いアニメ映画だと思う。

■良かった点
・ストーリーが素晴らしい。思わず見入ってしまう。
・携帯電話が普及しだした頃のアニメなので、今になって見ると少し違和感を感じるかもしれないけど、当時としてはきっと斬新だったことだろう。

■残念だった点
・キャラがあまり可愛くないかな。

投稿 : 2017/08/29
閲覧 : 298
サンキュー:

4

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

時代の先を行く

虚実ないまぜのストーリー展開。
今敏の十八番のこの手法は、処女作にして既にほとんど出来上がっていたのだな。

携帯やPCなどのハード面で時代的古さはあるものの、
制作当時はようやく携帯電話が普及し始め、PCはまだ「一家に一台」ではなかった時代。
(1998年というと、うちにもようやくパソコンがやってきた頃だったか…)
それを考えると、当時は時代を何歩も先んじていたと言えるだろう。

アイドルとオタク、ストーカー、ネットメディア、解離性同一性障害。
扱われるテーマはむしろ現代的で、いまのほうがリアリティがあるもしれない。

投稿 : 2017/03/06
閲覧 : 250
ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

完全な青

青色は、好きだね。
空や海。



他にある意味は、憂鬱。
ルールにとらわれる、自分をおざなりにする…。
くそ真面目。
あー…。

主人公もこんな感じっぽい。

普通の女優さんが脱ぐ仕事って物凄い覚悟なんだよなって、改めて…有り難や( ̄^ ̄)ゞ

最後の

私は本物だよ。

が、元気で良かった。


話は、ミステリーであっと言う間に終わるぐらい面白かった。
理解可能な話。

投稿 : 2017/02/28
閲覧 : 249

TimuTimu さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

緊張感MAXでした

アニメのホラー作品としてはトップクラスの緊張感だと思います。ストーリーの展開は分かりやすかったですが、誰がサイコパスなのか、誰が誰を殺したのか、背景や曲の意味は何なのか、など幅広い考察ができると思います。また、エロとグロを巧みに使った演出も良かったです。

しかし、2回目も見たい作品とは思わないですね(笑)

投稿 : 2017/02/20
閲覧 : 323
サンキュー:

2

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 3.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

たしかMADハウス。気持ち悪い世界観は病みつき。

どんな人にも勧めたい、85点。
1話のみ、60分~90分程度だったと思います。

ミスリードさせてくるような点、この世界のこの人は誰なのか?といった「読み」をしたくなるミステリーの角度もあり、見ていて楽しめます。
更に、癖のあるキャラたちが世界をより気持ち悪く演出します。

腐った芸能界で、実際にありそうな気持ち悪さが心地よい。
見終わったら、もう一度見たくなるでしょう。

昔の作品なので、「絵や画像がちょっと・・・」という人もいると思いますが、すぐに慣れます。そして、貴方は2度この作品を見たくなるでしょう。

投稿 : 2016/10/09
閲覧 : 282
ネタバレ

アヤコ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

今敏監督にまんまと踊らされた!

もし、今からパーフェクトブルーを見る方に言っておこう。
この恐ろしく出来の良い素晴らしいサイコホラー作品は、今敏監督の初監督作品という事を…!

(私は今敏監督の新参ファンであり、パプリカ、千年女優、妄想代理人を視聴済みである。)


◉あなた…だれなの?◉

まず大まかなあらすじ説明だけをしようと思う。(ウィキ見た方が早いけどね)

主人公の未麻(ミマ)は、ちょっとオタク達に人気なアイドル。
全国的には有名ではないが、ミマリンと呼ばれ人気を博していた。
ミマはあるコンサートで女優になる為に、所属するアイドルグループを脱退する事になる。
実は、ミマはアイドルに窮屈さを感じていた為でもあった。
ある日、ミマはパソコンに《未麻の部屋》という名の身に覚えのないブログを発見する。
そのブログは誰かがミマの振りをしているだけだと思いきや、ミマ本人でなければ知らないような非常に個人的なものまで書かれていた…。
そして、ミマを中心に負傷事件や殺人事件が起こり始める…。

というもの。
なんと、アニメ初のサイコキラーものらしい。

20年前のアニメの為、絵柄やアイドルが古いのは仕方がないが何気に曲は名作揃い。
カラオケに無いのが残念である。

ストーリーについて。

伏線の回収やどんでん返しがとてもおもしろく、視聴者に背中をぞくっとさせる演出が上手い。

これからどうなるのか、犯人は何がしたいのかなどを考えていくとより一層パーフェクトブルーを楽しめること請け合いであろう。

◉パーフェクトブルーを見てない人はネタバレを見るのを死んでも、避けよう!◉

現実と劇中劇とミマの幻覚やら、妄想の区別がつかない時は、少々混乱するがちゃんと区別をつけるヒントが散りばめられている。

現実と妄想?を見極められた時ほどスッキリするものは無かった。

序盤のシーンで未麻の部屋を見た後、ミマは不安になって家のカーテンを開けて窓の外を見る。
もちろん、ストーカーがいるんじゃないかという疑惑の為であろう。

この時の窓の外の景色を、視聴者に擦り込ませるよう、より印象的に不安にさせてくる監督は罪深い!!!

アイドルをやめてスッキリしたミマが、自分のアイドルグループのポスターを剥がすシーン。

いつのまにか死んでしまった可愛がっていたペットの魚達。

しっかり目に焼き付けて覚えておこう!

次は、冒頭のシーンから登場している主要人物、Me-mania さんについて。
(本名はウィキにのってたけど、忘れちゃった)

ミマのマニアのMe-maniaさん。
彼は背も高く顔はハッキリ言って、宇宙人のような気味悪さ。

彼の薄暗い部屋にはミマリンのポスターがぎっしり…。
彼の世界はミマリンを中心に回っていた。

ここで興味深かったのは{netabare} ~ ミーマニアさんとルミちゃんの犯行の違いを見極める事。

作中では気の毒な事に数え切れないほど、ミマの周りで事件が起きる。

その事件の全てがミーマニアか、ルミちゃんのどちらかがそれぞれ行った事件。

恐らく、ルミちゃんは元アイドルの熱意をミマに自己投影して、いわゆるステージママの病んじゃったバージョンなんだろう。

最終的にはミマリンそのものになりきろうとするほどに。

そのため、ミマを穢す者たちをそんな目でミマを見ないでという事でアイスピックで滅多刺しという方法で人々を殺害していく。

恐らくこの殺人方法でゆけば、脚本家とカメラマン、ミーマニア、田所さんはルミちゃんが殺害したのだろう。

ミーマニアは、典型的なストーカーなので裏切り者がぎっしり印刷されたメッセージ、田所さんが間違って開けた爆発する手紙、ミマリンに缶を投げつけた男をひき逃げ、最後のミマを襲うところ。

ミーマニアがした犯罪行為は以上であろう。

ルミちゃんが黒幕だとは、気づかなかった。
鏡に映るはみ出た肉を物ともせず、かわいいアイドル衣装に身を包んだルミちゃん…

そして《♫恋はドッキドッキするけど、愛はらぁぶらぁぶするからァ〜♫…ね?完璧でしょう?》
ここで、ドン引き必須!

確かに汚されたミマに泣いたシーンは悲しいんだなと共感さえ出来たが、まさかこんな事までするほど病んでしまったとは思わなかった。

普段のルミちゃんのあまりにもしっかりしたマネージャーぶりが余計に混乱させた。

{/netabare}

大事な事柄なのだが、この作品はR–15。
海外では18禁。

それもそのはず、がっつりヌードや女性の襲われるシーンがあります。
殺害シーンは痛々しく、恐ろしいです。

その手のものが苦手な方はブラウザバックを推奨。

監督も襲われるシーンはやり過ぎたと反省する程、生々しいです。
死んでもまだマッサラな子供には見せないで下さい。
トラウマ必須ですから。

悲しいのは、ミマが素のミマでも普通に可愛らしい純粋な女の子という事。

下品な事を言う元メンバーとは違って、素直で頑張り屋で好感が持てる性格。
それだけに、ミマがアイドルと女優の狭間で衰弱していく様はなかなか辛いものがありました。

BGMは多くはなく、アイドルらしい曲なども使われますがその多くは目立ちはしません。
しかし上記で述べた通りかなりの名曲揃いですので。

私は今のところ、今敏監督の中で1番総合的にスキな作品です。

リアルと幻覚の違い、話のどんでん返し、ドキッとする巧みな演出、伏線の見事なまでの回収。

何をとっても初監督作品とは思えない程の完成度でした。

オススメです。

投稿 : 2016/09/26
閲覧 : 295
サンキュー:

7

 (・ω ・ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

カメラワークが活かされていると思う。が・・・

カメラワークを積極的に生かして面白い

主に主人公の主観軸でストーリーが展開しているので
カメラワークから、どんどんおかしくなっていく様に思える

しかし、誰がサイコパスなのか!?
この疑問はラストまで終始解けない

イメージ的には
キーパーソン(主人公も含め)の思いを
主人公に重ね合わせている
そのため
情報整理ができていないとなかなか難しい物語

ただ、残念なのがキーパーソンである内田の声が
個人的にすごく残念(疑って聞き直しました 苦笑)


全体的に、発想と展開、カメラワークなどで
視聴者をグンと作品に引き込む力は圧巻です

投稿 : 2016/09/04
閲覧 : 295
サンキュー:

2

ネタバレ

ノリノリメガネ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

アイドルと女優の狭間で追いつめられていく

今敏監督による完成度の高いサイコサスペンス。

とても写実的で、これならアニメにする必要がないのではないかとさえ感じるが、後半にかけての演出はやはりアニメならではのものとなっている。
{netabare}
今敏監督の精神科系の題材は個人的にものすごく好みで、この作品も例外ではない。

主人公のミマが、アイドルから女優に転身する過程でレイプシーンやヌード写真の仕事で思い悩み、次第にアイドルとしての幻想の自分が独り歩きし出すという展開。
このような幻想が一人でに動き出したり、現実に影響を与えるという展開は「妄想代理人」や「パプリカ」でも見られている。
しかし、ストリップ劇場でのレイプシーンがあるドラマって放映できるんかいな笑

作画や演出も素晴らしい。特にラジオ収録現場からバーチャルミマを追いかけるシーンとか、CHAMのライブにバーチャルミマが現れて観客もそれを認識しているシーンなんかはとてもかっこいいと思った。

途中からもう何が現実で何が幻想なのかよくわからなくなり、すべては解離性障害を発病したマネージャーがまさかの黒幕というハラハラ展開だった。軽快なステップで追いかけてくるバーチャルミマ怖い。ミーマニアはビジュアルが怖すぎる。

万人受けは決してしないだろうけど、他にこんな作品を作れる人がいるかっていうといないんだよなぁ。

ブラックスワンの監督に影響を与えていると聞いたことがある。さすが今監督。撮影方法が注目されがちだけど、バードマンも似たような感じの作品よな。役者って大変なんだろうな。
{/netabare}

投稿 : 2016/09/04
閲覧 : 338
サンキュー:

7

ゆきか@ルルロロ静臨 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

不気味な雰囲気が好きな人にはいいかも。

終始不気味。ストーカーの話。最後まで、誰が犯人なのか、誰の妄想なのか、ドラマなのか分からなくなる。
個人的には好みなアニメだったが、好き嫌いが分かれるアニメだとも思う。

投稿 : 2016/05/14
閲覧 : 253
サンキュー:

2

もんぶらん さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 3.0 作画 : 2.0 声優 : 2.0 音楽 : 2.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

くら~い話

アニメらしからぬ内容。
見ていて洋画「ブラック・スワン」を思い出した。
注意深く見ていないとオチが理解できない。
全体的に薄気味悪い雰囲気が続き、
意表を突くような的なオチではあるが
救いようがない…
個人的にはあまり好みではなかった。

投稿 : 2016/04/14
閲覧 : 215
サンキュー:

2

2010sw さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

パーフェクトにウツになりそー

ストーカー怖ぇぇ・・
いろいろな出来事も
元はと言えばストーカーというか
ストーカー心理から来ている気が。

カーテン戸締りシッカリしたくなりますわ。
それとなんだかウツになりそー。
まったく人間って怖いデス。
あー怖かった...

投稿 : 2016/04/05
閲覧 : 206
サンキュー:

3

ネタバレ

赤坂 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

アイドル物でホラーでサイコスリラー?

極限に写実的な作画/人物描写、そして全体的に暗く不快感を煽る雰囲気で好みが分かれる作品だが、リアリティを突き詰めるアニメを好む人間なら外せない一本。ストーリーも複雑怪奇で、ネタバレせずに説明するのは非常に難しい。
アイドルユニットを抜け、ソロでデビューする不安や、ストーカーからの被害に悩む主人公が徐々に追い詰められ、現実と妄想の境が曖昧になっていく終盤部分、そしてそれまでの雰囲気を断ち切らんばかりの爽快なエンディングはなかなか消えない後味を残す。

投稿 : 2016/02/15
閲覧 : 245
サンキュー:

3

ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

タイトルなし

いやーおもしろかった、本当に。

投稿 : 2016/02/15
閲覧 : 176
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

こんな怖いアニメがあるとは

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 80分の作品。初見だと思って見ていたのですが、いくつか見覚えのあるシーンがありました。TV(WOWOW?)でやってたのかもしれませんし、どこかでトレーラーを見たのかもしれません。ちゃんと見たのは初めてです。

 いわゆるサイコサスペンスに属する作品です。ショッキングなシーンも多いし、音楽も怖いしで、いろいろと大変でした。でも、おばけ的な超常現象を扱っているわけではないので、ホラーってわけではないのかな。まぁ幻想をおばけと捉えればホラーと言えなくもないけど、謎解き要素が強いのでやっぱりサスペンスのがしっくり来るように思えます。この辺のジャンル分けは人によるかも。
 この作品の楽しみの一つに、いくつか発生する事件の犯人を探し当てることがあるのですが、現実の世界と妄想の世界と劇中劇という三つの世界を使うことによって、あの手この手でミスリードを誘ってきます。最終的には犯人が明らかになりますし、劇中劇が一部事件の解説をしてくれているので、最後まで見ても分からないということはないでしょう。今敏監督作品を見たことがない人は、この作品から入っていくのがいいかもしれません。客観を排して主観に傾倒した今敏監督の特徴そのままに、分かりやすいストーリーになっています。

印象に残ったシーン:{netabare}
 レイプシーンの直後の、メイク室で鏡台の電気を消すシーンが印象に残りました。この作品には2種類の光の描写があって、一つは普通の光、もう一つはスポットライトの光です。この鏡台のシーンでは、スポットライトからの延長で光が使われています。つまり、アイドルの光。この光をミマ自身が消して、ため息をつき、その後に長い静止が描かれていました。「あ、アイドルのミマは死んだんだな」って、ストンと気持ちが落ちてしまいました。「死んだ」というよりは「ミマ自身が殺してしまった」というほうが正しいかもしれません。ルミにとっての「アイドルのミマ」が死んだシーンでは、ルミがたくさんの涙を流していましたからね。それとの対比で描かれた静かな死にやられてしまいました。その後の展開に関わる重要なきっかけとなったシーンでした。{/netabare}

エンディングについて:
 今敏監督作品の特徴は、エンディングにあると思うんですよ。私が今まで見てきた「千年女優」や「パプリカ」は、エンディングで明かす内容に違いはありますけど、最後に一気に収束する手法は同じだと思いました。パーフェクトブルーも同様なのですが、パーフェクトブルーとこれらの作品を比較すると、エンディングでのカタルシスは少し弱いように感じました。これは、事件の犯人探しに注視してしまう視聴者側の心理が影響しているのだと思います。犯人が分かり、事件が終息した段階で、こちらの気持ちが一段落してしまうので、エンディングまで緊張感を維持しておくことが結構難しいんですよね。一方で、この作品はサイコものですので、エンディングでの一言は、異様なぞくぞく感がありました。
{netabare}
 エンディングの最後のセリフは「私は本物だよ」でした。このシーンを見たとき、正直に言って意味が分かりませんでした。結局このシーンだけ繰り返すハメに。。。
 今敏監督のもう一つの特徴として、「嘘がない」ことが挙げらえると思います。登場人物たちは、基本的に本当のことしか言わず、その真意を隠すために映像表現を使っている、という印象を私は持っています。登場人物も嘘を言い、映像でも煙に巻くとなると、もう作品として成立しませんから、この感覚はおそらく正しいと思われます。つまり、上記のセリフは、裏読みさせるための「偽物」を言いたかったのではなく、やっぱり「本物」であることを言いたかったのだと思います。作品自体でなく、監督の傾向から作品の解釈を進めるのはいささか卑怯な感じもしますが、さすがに3作品目なので勘弁願います。

 問題となるのは「何が本物」だったのか、です。一応、エンディングに至る流れを確認しておきます。
 ミマは、アイドルのミマに化けたルミをトラック事故から助けます。そして、病院のシーンに移って見舞いをし、車に乗るところで先のセリフに至ります。これが一連の流れです。

 トラックのシーンで重要なのは、ミマが助けたのはルミではなく、「アイドルのミマ」だということです。ルミがトラックの前に出る直前は、化けたルミでした。そして助けられた後も化けたルミです、しかし、ミマが助けた瞬間は、スポットライトを浴びた「アイドルのミマ」として描かれています。ミマが見たのが化けたルミであれば、トラックから助けなかったかもしれません。しかし、ミマは「アイドルのミマ」を見てしまいました。だからこそ助けたのだと思われます。
 「アイドルのミマ」は、女優を目指すために穢れてしまったミマを非難する存在として描かれてきていました。つまり、暗黒の現在に対する栄光の過去の象徴です。彼女を救うための直接的な要因には乏しいので、なんらかの意図があったと考えるべきでしょう。この描写は、現在のミマが過去のミマを救った、すなわち、現在と過去が対立から共存へと軸を移したことを表現していたのだと思います。

 次に病院のシーンです。このシーンで重要なのは時の経過です。病院より前のシーンでは、髪の毛は肩までですが、病院のシーンでは胸元近くまで髪が伸びています。この時間の経過で描かれているのは、「ミマの出世」です。どれほどの時間が経過しているのかは明らかではありませんが、少なくとも劇中劇が成功裏に終わったのだと思われます。医師と看護師のセリフから、ミマが女優として成功したことが分かります。
 もう一つ重要なのは、ミマのセリフです。「もう会えないのは分かっているんです。でも、あの人のおかげで今の私があるんですから」と言っています。このセリフをルミに宛てたのは当然ですが、アイドル化したルミに宛てているということは、「アイドルのミマ」に宛てたことと同じであることに注意しなければなりません。アイドルの自分に戻ることは出来ないけれど、アイドル時代があったから女優として成功した今の自分が存在している、と読めます。ここでも、過去の自分に対しての対立ではなく、共存または許容が描かれています。

 最後にエンディングのセリフのシーンです。このセリフを発しているのはバックミラーに写った「アイドルのミマ」です。現実のミマは茶髪になっていますから、バックミラーに写った黒髪のミマは現実のミマでないことは明らかです。話しているのはあくまでも「鏡の中」のミマです。つまり、「アイドルのミマ」が「私は本物」であると言っているのです。これを乗っ取られた的な発想で見てしまうのはミスリードで、トラック事故と病院のシーンから続く共存・許容の先にあるものであることを踏まえなければいけません。したがって、幻想であったアイドルのミマが、現在のミマにとっては「本物」と同格になったということです。二人のミマの対立が、二人のミマの共存に至り、一人のミマとして消化・融合されたということなのだと思います。もちろんこの結論に至るためには女優としての成功、つまり新しい自分の居場所が確立されることが不可欠でした。

 この最後のシーンを見て、「あ、そういう話だったのか」とキョトンとしてしまったのですが、現実に置き換えて考えると非常に分かりやすいテーマなんですよね。高校や大学への進学、就職や転職の際に、想像していた生活と現実の生活のギャップに苦しみ、時には過去を美化してしまうというのは往々にしてあることだと思います。この乖離がもたらす自己喪失が、作中では「私は誰なの?」というセリフでたびたび繰り返されています。そして、幻想のミマも「あの光の中には戻れない」と言っていました。このギャップを乗り越えるためには、エンディングでミマが言うとおり、「過去には戻れないけど、過去があるから今がある」という一定の割り切りが必要になるということなんだと思います。ちょっとチープな表現ですが、五月病とかホームシックの乗り越え方と変わらないわけです。そう思えば、少し見やすくな…らないですねwそこに至るまでが怖すぎますw
 テーマは新社会での自立ですので、別人格などの表現はテーマを描くための手段に過ぎなかったのだと思います。そうは言ってもインパクトは大きいですけどね。このような手段とテーマの使い分けは、エンディングを踏まえて考えれば、「千年女優」よりは「パプリカ」に近いように思えます。エログロ部分は置いておいて、この作品における表現の部分が気に入った方は、「パプリカ」も好まれるのではないでしょうか。{/netabare}

対象年齢:
 R15であることは前提としても、人を選ぶような気がします。エログロとそれに関する暴力描写が苦手な人は極力避けた方がいいと思います。もし、視聴するのであれば、自分のメンタルケアができる準備をしておいた方がいいでしょう。

投稿 : 2016/01/23
閲覧 : 693
サンキュー:

18

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ずっと気になっていた作品でした。

今敏監督の作品ではパプリカと東京ゴッドファーザーズが大好きでこの作品もずっと気になっておりやっと最近観終わりました!現実と妄想が入り混じる世界観とラストのどんでん返し…見直してみると色んなシーンに様々な伏線があり繰り返しみても面白い作品になっております。
得体の知れない恐怖と漠然とした不安、壊れていく人の現代の闇が映し出されていて
、最後までドキドキでした。

投稿 : 2016/01/03
閲覧 : 225

GVhxc67403 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

トラウマ社会派サスペンス

衝撃のラストシーン

松本梨香さんは好きな声優さんなのでこの壊れっぷりは
ほんとトラウマ。

投稿 : 2015/09/25
閲覧 : 288
サンキュー:

2

えくいてぃ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

このシナリオって・・・?なんだか知ってたような??

サスペンス?になるのだと思うのですけど、
このシナリオすでに知ってたような気がするのは気のせい??
1998年の作品だから、今みても目新しさがないのかもしれないですね;;

投稿 : 2015/09/13
閲覧 : 391
サンキュー:

3

ネタバレ

Crysiss さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

とにかく気持ち悪い

気持ち悪いっていろいろあると思うけど
この作品は得体のしれない気持ち悪さに満ちている

{netabare}
最初はME-MANIAの見た目の気持ち悪さから始まり
敢えて一言も喋らせないことで何を考えているのかわからない
徐々に得体のしれない気持ち悪さへとシフトしていった。

見ている側はストーリーを理解する為に、意識的にしろ無意識的にしろ
主人公ミマの現実を追いかけると思いますが
作中でミマが出演しているドラマのセリフとミマの現状とが
上手くリンクしていて現実とドラマの境界が曖昧になり
ジャーキングに近いような不安を感じずにはいられません。
{netabare}
そんな不安と気持ち悪さを湛えたまま、物語は終盤へと向かうのですが
主人公ミマにとって一番身近で信頼できる人が真犯人だったことで
作中の登場人物が誰も信用できなくなるような感覚に陥り
全てが解決してからラストにミマが言う
「私は本物だよ」の一言も意味深に聞こえてしまいました。
本当はすべてミマが仕組んでやったことじゃないのかと
疑ってしまうほどに。
{/netabare}
{/netabare}

全体を通して得体のしれない気持ち悪さと
不安を駆りたてる演出が散りばめられているので
ホラーとして楽しむのならお勧めの作品だと思います。

投稿 : 2015/08/29
閲覧 : 724
サンキュー:

5

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PERFECT BLUE -パーフェクトブルーのストーリー・あらすじ

アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させ(つつも事務所の方針に流されるままに)、ドラマ出演でレイプシーンを演じる。さらにはヘアヌードのオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。(アニメ映画『PERFECT BLUE -パーフェクトブルー』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
1998年2月28日
Wikipedia
ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%...

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