1998年度に放送されたおすすめアニメ一覧 206

あにこれの全ユーザーが1998年度に放送されたおすすめアニメを評価したーデータを元にランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年07月25日の時点で一番の1998年度に放送されたおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

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年代別アニメ一覧

92.2 1 1998年度アニメランキング1位
COWBOY BEBOP - カウボーイビバップ(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3202)
15422人が棚に入れました
時は2071年、いっこうに減らない犯罪者達を捕らえるために「バウンティー・ハンター制度」が生まれた。賞金稼ぎのスパイクとジェットの2人が乗るビバップ号は、太陽系全域にまで拡大した人類の生活圏の中で、火星周辺を中心に活動している自家用宇宙船である。だが捕らえ方が荒っぽいために、捕り物後に巻き込まれた一般人からの訴訟も多く賠償させられてばかり。飛び込んでくる賞金首の情報に選り好みするほどの余裕も無く、日々を行き当たりばったりに過ごしていた…。

声優・キャラクター
山寺宏一、石塚運昇、林原めぐみ、多田葵、高島雅羅、若本規夫

九条 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

クールかつスタイリッシュな大人の雰囲気。

太陽系を飛び回り展開される賞金稼ぎの動向を中心に各キャラの過去を回想するハードボイルド作品。
基本的に、一話完結のストーリーではあるのだが、各話シーンから垣間見える完成度の高い伏線もあり
短絡的な構成ではない。多少の起伏はあるものの、卓越した演出の数々により視聴者を退屈させない。
キャラ・声優・台詞・映像の一体感は言うまでもなくスパイスの効いた非凡なギャグセンスも兼備しており
クールかつスタイリッシュな大人の雰囲気を有り余るほど満喫出来る高水準のヒューマンドラマを誇る。
ただ、万人向けよりもコアなファン向けの印象が根強く、渋さの際立つ他に類を見ない稀有な名作であり
取り分け、異彩を放つ菅野よう子の楽曲は西部劇を彷彿させる世界観と絶妙なハーモニーを奏で秀逸。
ルパンを彷彿させるかの如く、「ジャズ」をベースにOP・ED・BGMと申し分なく、もはや芸術の「域」であり
本作愛好家は、渡辺信一郎が手掛けた和風版ビバップ「サムライチャンプルー」も見逃せないであろう。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 47

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

The Real Folk Blues

前年に「新世紀エヴァンゲリオン」や「ジブリアニメ」が流行ったおかげで、この頃からオタクのイメージはガラリと変わってきた。
 アニメを見る連中は、それまで根暗で日の目を見ない存在として扱われてきたが、今やJ-popと並ぶくらい市民権を得ているだけでなく、若者の流行の一つ「カルチャー」としてオシャレになっていったのである。
 
随分な進化である。

特に本作「カウボーイビバップ」は海外にも評価が高く、本作と88年の「AKIRA」94年の「マクロスプラス」、95年の「攻殻機動隊」を「クールジャパン」と銘打たれていた。

SFの世界には「スペースオペラ」なるものが存在するが、この作品はそれに対抗してか、当時「スペースジャズ」と言われ、「大人も観れるアニメ」として地位を築いていた。

アニメが完全にオタクや子供向けではなく、ひとつの娯楽として。「映画」として世間に認められた瞬間である。

それが今や、邦画の歴代興行収入を席巻するのはアニメ映画がほとんどである。

まさかここまで発展するとはこの時は皆、夢にも思わなかったであろう。

ちょうどアニメが進化する端境期に世に出た傑作SFアニメである。


実写版視聴
途中まで不安でしたが、なかなか面白かったです。キャラクターを深堀するあたりが制作側の愛があって非常に好意的に見れました。キャラクターを現代解釈するとやっぱりいろいろジェンダーな話になってしまうんですね。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 42

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

センスの良さに酔いしれました(´ー*`)キラーン

●3つの魅力が詰まっているハードボイルドの最高傑作!!
 
<魅力①:音楽>
この作品を語るのに避けては通れないのが、「音楽」ですよねー!
タイトルにもある通り「ビバップ」という言葉はこの作品を象徴する単語なんだなぁって感じました!
そもそも「ビバップ」ってジャズのジャンルみたいなものなのですよ♪
どんな音楽性かと言いますと、最低限の規則性の中、自由気ままに演奏する即興演奏なのです。
 
余談ですけど・・・私の大好きなジャズピアニスト「バド・パウエル(Bud Powell)」もBebopを代表する
ジャズニストの一人なので、もし興味があれば一度聴いてみてくださいね♪
 
それで、今回音楽担当されている菅野よう子さんも即興ピアニストと言う肩書きを持ってらっしゃる
のですよ!
ただ、菅野さんの場合、音楽のジャンルを分け隔てることなく、幅広い活動をされていた方なので、
菅野さんの抜群のインスピレーションとセンスの良い楽曲が、ストーリー毎にジャズ調であったり、
ブルース調であったり、はたまたロック調であったりと、変幻自在にその雰囲気を作り出していると
ころが、魅力的でまさにビバップですね♪
 
<魅力②:作風・作画>
カウボーイと聞くと、「ガンマンが出てくる西部劇の取っ付きにくいアニメ」ってイメージを抱いて
しまいそうですけど、COWBOY =「賞金稼ぎ」を題材にして、70年台・80年代のレトロな雰囲気と、
太陽系の各惑星をテラフォーミングした近未来的なSF作品の雰囲気を見事に融合させた作風はまさに
必見ですね!
そんな作風もまさにビバップです♪
 
しかも映像にCGも多く取り入れているのですが、CG特有の無機質感や不自然さが感じられないので、
丁寧に作品を作り込んだスタッフの姿勢が伝わってくるような最高にクオリティの高い作品には拍手
を送りたいです""ハ(^▽^*) パチパチ♪♪
 
<魅力③:キャラの相関関係>
ある男は、昔のライバルと唯一好きになった女の事を・・・
ある男は、昔の相棒と過去の出来事に・・・
ある女は、昔の自分と居場所を求めて・・・
ある女は、自分の帰るべき場所を求めて・・・
ある一匹は、解り合える仲間を求めて・・・
 
宇宙船ビバップ号に集う仲間、スパイク、ジェット、フェイ、エド、アイン、それぞれ過去のしがら
みを抱えていて、お互いの距離感が近すぎず、遠からずな関係なのです。
そして多くを語らない台詞回しからも、距離感や雰囲気を感じ取れるのですよ♪
 
自由気ままに出会い、お互いが主張し合って、後先考えずに出て行き、なんとなく帰って来る・・・
自分勝手なやつらなのだけど、一緒にいて嫌じゃない気の合う仲間!
いつのまにか彼らの帰る場所になっていったビバップ号♪
そんな関係もまさにビバップです♪
 
 
■総評
序盤の1~2話位までは特に面白みは無いかもしれませんけど、それ以降は観れば観るほど面白くな
って、「カウボーイビバップ」の魅力にどんどん惹き込まれて行きますよ♪
この作品のストーリー自体は特別秀逸なものでは無かったと思います。
ただ、キャラクターの個々の魅力と最高に盛り上げてくれた音楽と近未来の中のレトロ感がうまくま
とまって、心地よさを感じるようなアダルティーな雰囲気に浸ることが出来るとってもクールでカッ
コいい作品です♪
こういう雰囲気に浸れる作品は今後も大切にしていきたいですね♪
 
 
2011.08.06・第一の手記

投稿 : 2024/07/20
♥ : 78

83.8 2 1998年度アニメランキング2位
カードキャプターさくら クロウカード編(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★★ 4.1 (996)
5749人が棚に入れました
木之本桜は、体育が得意な小学4年生。ある日、さくらが学校から帰ると、誰もいないはずの地下の書庫に何者かの気配がしました。さくらが下におりてみると、そこには1冊の金色に光る本がありました。中には、カードが入っていましたが、そこに書かれた文字を読み上げたとたん、激しい風が起こって、カードがバラバラに飛び散ってしまいました。残された本の中から、ケルベロスと名のる奇妙な生き物があらわれ、本に収められていたクロウカードの封印が解かれるとき、この世に災いが起こると言います。そしてケルベロスはさくらに封印(ふういん)の鍵を与え、カードを捕獲(ほかく)するカードキャプターにしてしまいます。その夜から、さくらは魔法を使って、実体化したカードに立ち向かうのですが・・・。さくらは、カードを全部もとにもどせるのでしょうか?

声優・キャラクター
丹下桜、久川綾、小野坂昌也、岩男潤子、くまいもとこ、緒方恵美、関智一、田中秀幸、ゆかな、林一夫、冬馬由美、小西克幸
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

魔法少女のフォーマットを借りた古典的な初恋ストーリー

プラチナ(第3期op)を聴くだけで泣けてくる伝説の名作アニメ。
※クロウカード編・さくらカード編・映画「封印されたカード」全て含めた感想です。

超絶可愛い主人公「木之本桜」の活躍を描くだけではなく、むしろ、さくらとクロウカードを集めるライバルだったはずの「李小狼」が次第にさくらに惹かれていく過程を細かく描き出している点が、隠れた鑑賞ポイントです。

全70話+映画2本(但し李君の実家のある香港に行く映画はストーリーの本筋には関係なし)
以下、時系列で細かくトレースします。

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第Ⅰ期開始(小学4年の1学期~2学期)・・・クロウカード編
{netabare}
第1話 桜吹雪の舞い散る日に登校、さくらの憧れの雪兎の投げキャンディー。知世「やる奴ですわ」
第7話 小狼の初登場回。
第8話 小狼が転校してくる(さくら4年生の6月)。さくらを目の敵にしているところが微笑ましい。
第9話 ソードのカード。さくらは親和動機だが、小狼は達成動機で行動している。さくらと知世・梨佳が互いに気持ちを察し合って行動していることが描出されていて興味深い。
第10話 OPに小狼初登場。フラワーのカード。さくらの行動原理が親和動機であることを繰り返し描いている。
第13話 動物園(パワーのカード)、小狼がタイムのカードを使ってさくらをサポートする。しかし、さくらは気づかない。
第14話 高校の学園祭(ミスト(霧)のカード)、小狼がさくらの兄を風魔法で助ける。さくらの「ありがとう」に小狼が「助けたわけではない」と少しだけ顔を赤らめる。
さくらと雪兎がダンスして小狼が悔しそうな顔をする。
第16話 さくらの母(撫子)の祖父の話。高原の別荘、虹。
この話の辺りから視聴者に、さくらへの感嘆の気持ちが発生するはず。(何ていい子なんだろう・・・)
第17話 臨海学校の話。小狼はまださくらに感嘆の気持ちを持っていない。「俺はお前を認めたわけじゃないからな」。
しかし、さくらの相手の気持ちを察するところや素直なところに少しだけ惹かれ始めている。
第18話 夏祭り、グロウ(蛍)のカード(8月)。
さくらが雪兎に告白する寸前で小狼と兄が闖入。
第19話 さくらと夏休みの宿題(図書館とムーブ)。池に落ちそうになったさくらの手を小狼が掴むが、二人とも池に落ちる。小狼の家で着替え。
ラストで苺鈴初登場。
第20話 さくらと争う苺鈴 (9月新学期、苺鈴が転校してくる)
第22話 さくらと優しいお父さん(お父さんのPCを壊して泣いてしまう話) 。魔法で直せないこともある、という魔法少女のお約束のモチーフ。
視聴者にとって、さくらが決定的に良い子であることが明らかになる。
第25話 さくらともう一人のさくら (ミラー)。災いとは人によっては何ともないけど、さくらには辛いことらしいことがケロによって語られる。観月先生が最後にチラリと登場。
第27話 さくらと思い出の神社(リターンで過去に行く話だが、小狼のタイムのカードで現在に戻る)。
さくらが小狼に抱きついて、小狼が初めてさくらにデレる(さくらに抱きつかれて真っ赤になって気絶)。
その前に木の上でさくらと小狼が雪兎を好きなことを告白し合う(さくらは小学3年生のときに雪兎に一目ぼれしたと話す)。
第30話 さくらとケガをしたカード(ダッシュのカード、かけっこ)。小狼が良いところを見せる。さくらにここでも魔法少女のお約束のモチーフ(魔法で解決しても何にもならない)
第32話 さくらとケロと小狼と(チェンジ)。さくらの部屋で久しぶりに赤くなる小狼。
第33話 さくらの寒むーいアイススケート (フリーズ)。下校時の校門前でさくらの声が聞こえると頬を赤らめて走り去る小狼。目があったときにニッコリ笑うさくらに小狼が再び頬を赤らめてひっくり返る。
第34話 さくらと雪兎と昼の月(友枝町クイズラリー)。雪兎をみてるつもりでつい隣のさくらを見てしまい、顔を赤くして首を振る小狼。崖に落ちるさくらを庇って足に怪我する雪兎。参加賞のボールペンをもらって「お揃いだね」に嬉しそうな表情をするさくら。
第35話 さくらのすてきなクリスマス(ファイアリー)。小学4年の12月末。
遊園地の観覧車で雪兎に手作りの人形をプレゼントに渡すさくら。「来年もまた来たいね」。
隣の観覧車からさくらを見て顔を赤らめ否定するように首を振る小狼。小狼はさくらに恋心を抱き始めている。
{/netabare}
これで第Ⅰ期終わり。

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第Ⅱ期開始(小学5年の1学期)
{netabare}
第36話 さくらと雪の新学期(スノー)。雪兎からもらった時計を失くして泣くさくら。「泣くな。見つかるまで一緒に捜すから」「ありがとう。優しいんだね」赤くなる小狼。
第37話 さくらと消えた知世の声(ヴォイス)。「俺はお前のことが気になって」正直な小狼。知世「小狼君はいつもさくらちゃんを見ているんですね」
第38話 さくらの楽しい苺狩り(ロック)。雪兎の手に触れて頬を赤らめるさくら。
第39話 さくらのふらふら熱曜日(クラウド)。桜に「このカードはお前のものだ」。風邪のさくらを気にする小狼。ミラー2回目登場。
第40話 さくらと夢の中のさくら (ドリーム)。個人的に神回だと思う。予知夢の話。ここら辺から何となくアニメ全体の雰囲気が暗めになっていった気がする。
第41話 さくらと小狼と砂の海(サンド)。白雪姫の練習で早朝さくらと小狼が校庭で2人で会話。さくらの顔が小狼に躊躇いなく近づく。小狼だけ戸惑う。
サンドのカードをゲットした後、カードがさくらと小狼の二人の手の間に挟まり、さくらがニッコリ笑って小狼にカードを譲る。また戸惑う小狼。「お前分かっているのか?」
第46話 さくらと最後の審判(小学5年生の初夏)
クロウカード編の〆
{/netabare}
これで第Ⅱ期終わり。

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第Ⅲ期開始(小学5年の2学期~3学期)・・・さくらカード編
{netabare}
第47話 さくらとふしぎな転校生(5年生の8月31日~9月1日)
小狼は未だに「李君」なのに、転校生は初日からさくらから「エリオル君」と名前で呼んでもらっている。
小狼はさくらに恋しているのだが、まだそれを自覚できていない。知世から「ライバル登場ですわね」と言われて「そんなんじゃない」と顔を真っ赤にして否定するが、ついついさくらの笑顔に見惚れてしまう。
第50話 さくらと小狼とみえない糸(ソード)。熊のぬいぐるみを送ると相手と両思いになれる、という知世の話に、木の上で聞き耳を立てる小狼。無意識のうちにさくらに視線を送り、それに気づいて慌てて視線を外す。
第51話 さくらと大きなぬいぐるみ (フライ)。さくらも小狼もぬいぐるみを完成。小狼はなぜ手作りぬいぐるみキットを買ったのか自分でも訳が分からなくなっていて、さくらの顔が頭に浮かぶと必死に否定する。
さくらは雪兎にぬいぐるみを手渡し幸福な思いに浸る。
第55話 さくらと不思議の国のさくら(アリスの本の中に入る話)。さくらと親しくしているエリオルに嫉妬してしまう小狼。本から戻ったさくらに肩をつかまれて真っ赤になってしまう。
第56話 さくらとケロのお菓子な出会い?? (小学校で模擬店)。さくらのウエイトレス姿を眼で追う小狼。
第57話 さくらと小狼とエレベーター (フロートで浮く話)。かなり印象深い回。部屋で鍛錬していて熊のぬいぐるみを見てさくらを思い出し必死に打ち消す小狼。
雪兎に「君はさくらちゃんのことがとっても好きなんだね」と指摘されて真っ赤になって走り去る小狼。
「俺があいつのこと好き?」と自問自答。留守番電話のさくらのメッセージをベッドで2度目の再生をする。
エレベーターで2人きりになり、闇に飲み込まれ落ちていくさくらに「さくら!」と叫ぶ。
ラスト。部屋にいる小狼にさくらから「私、さくらと呼ばれてとても嬉しかったよ。私も小狼君と呼んでいい?」「好きにしろ」
第59話 さくらと知世とボールの罠
体育の時間にエリオルとバスケットボールで勝負する小狼。「落ち着いて、ゴールにだけ集中して」(エリオルのアドバイス)
知世の家で「さくらちゃんのことが好きなんですね」「まださくらちゃんに伝えていないのですね。。。言葉にしないと伝わらない思いもありますわ」と知世に告白をアドバイスされる小狼。
現れたさくらに告白しようとする所でクロウの気配で中断。
ラストで再びさくらに「あのう」「何?」「俺はお前が。お前が。す・・・す・・・」。さくらの表情が一瞬ハッとする演出が良い。
ここでまさかのケロちゃん闖入。見事なエンディング。
小狼が初めてさくらにデレたのが第27話(神社でさくらがリターンのカードで過去に行く話)。このときは小学4年の9月~10月頃で、さくらと小狼は互いに雪兎が好きなことを木の上で告白し合っている。つまり、それがそのころの2人の認識。
第57~59話は木の葉の舞う小学5年の秋(多分10~11月頃)の設定なので、第27話から既に1年以上経過していることになる。
小狼は第33話で既に、明らかにさくらに恋し始めているので、それを自覚するのにほぼ1年かかったことになる。(第57話の雪兎の指摘、そして第59話の知世の指摘(告白することを小狼に諭した回))

第60話 さくらと大切なお友達(苺鈴と小狼の婚約解消)。
脚本が素晴らしい。さくらをそれまでの「木之本」ではなく「さくら」と呼び始めた小狼の気持ちを察する苺鈴。
「私もさくらちゃんが好き。さくらちゃんを憎めない私が一番悔しい」と知世の膝の上で泣く苺鈴。

第61話 さくらとカードとプレゼント(ミラーがさくらの代わりに兄とデート。さくらはカード達に感謝の気持ちを伝える)。
これも意外に良い回。多分、男には思いつかない脚本。
季節は12月。朝の教室で小狼にプレゼントすることを話すさくら。小狼は「あの、俺、お前のこと・・・」と告白しようとする寸前に山崎君が闖入。
「何で告白できないんだ・・・」
第62話 さくらと不思議な御神籤(ドリーム=予知夢を見る話)。
小学5年生の正月。和服姿のさくらと知世。知世の勧めで小狼の家に新年の挨拶に行く。小狼が知世に「有難う」。小狼の家の世話役(ウエイさん)「小狼様をお名前でお呼びするのはご家族の他は、さくら様が初めてですよ」(最終回第70話への伏線)。

第63話 さくらとプールと大きな波(珍しい水着回)
室内プールでエリオルと競泳。エリオル「落ち着いて本来の実力を発揮できるように。貴方の大切な人を守るときのために」小狼「え?」といって思わずさくらを見てしまう。
プールから上がろうとして、さくらの笑顔にドキッとして再びプールに落ちてしまう小狼。

第64話 さくらと吹雪のスキー教室(タイムで雪崩を止める話)。
夜の暖炉の前で「さくら」とつぶやく小狼。「何?」。
これもかなり印象的な回。
ベランダで熊のぬいぐるみの話をする。「もう雪兎さんに渡した?」「違うんだ。僕の好きな人は別にいる」「誰?」「それは・・・」
小狼の告白寸前で、「ごめん。そんな大切なこと、私が聞いちゃだめだよね。」ああ、あ。

第65話 さくらと雪兎と消えゆく力(兄がユエに魔力を渡す話)。
雪兎に「好き」と言葉で伝えることを決意するさくら。

第66話 さくらの一番好きな人(さくらが雪兎に告白する話)。
これも優良回。
要約すればさくらにとって「(好きという)自分の本当の気持ち」が一番大事だ、一番の宝物なんだ、という話になるのだろう。(CCさくらのストーリー全体が、結局それを描いた作品ということになる→CCさくらのラストを飾る映画「封印されたカード」にも直結)
兄と雪兎の学園祭で、さくらと雪兎はビックリハウスに入る。
さくら「好きです」。「僕もさくらちゃんが大好きだよ。でもさくらちゃんの僕への好きという気持ちは、さくらちゃんのお父さんへの好きという気持ちに似ていないかい?」さくら少し考えて「似ています」
「きっとさくらちゃんの一番が見つかるよ。きっとその人もさくらちゃんのことが一番好きになってくれるよ」
帰り道で、小狼に公園に付き合って欲しいと頼むさくら。ブランコを漕ぎながら、今日雪兎に告白したことを小狼に話す。
「ほんのちょっとだけど、お父さんとは違う“好き”もあったの」
「私の好きな人が幸せならば、それが一番嬉しいなって・・・そう思ったの」
そして目に涙を浮かべるさくら。
小狼がハンカチを差し出す。「大丈夫。きっとさくらの一番が見つかる」

第67話 さくらと小狼と月峰神社
作中に2月22~26日の黒板掲示あり。
ブランコの場面での小狼のハンカチに対するお礼としてマフラーを手編みするさくら。
知世「まだ告白なさってないんですね」小狼「あいつは自分が好きな人の一番でなかった時の辛い気持ちを知っている。だから僕が告白したら、あいつは僕が辛い思いをすると思って困るだろう。だから告白はしない」
グロウのカードの書き換え後に、知世「さくらちゃんはちゃんと自分なりの答えを見付けだせる人ですわ。だから告白なさって大丈夫ですわ」

第68話 さくらと過去とクロウ・リード
さくらがリターンのカードで過去に行きクロウ・リードと遭う話。
リターンのカードは魔力の消費が激しいため、さくらが過去から戻ってこれなくなること心配する小狼。さくら「ありがとう。心配してくれて」
出発前に「私、絶対帰ってくるから。約束」指切りをするさくらと小狼。
ラストでエリオル君が正体を現す。
{/netabare}

あと残り2話と映画「封印されたカード」があるけど・・・もう書けないよ。。。

※2014.7.7追記

第69話 さくらと現れたクロウ・リード
第70話 さくらと本当の想い

(内容は自分で確認してね)

これで第Ⅲ期終わり。

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劇場版カードキャプターさくら 「封印されたカード」(小学6年の夏休み)

(内容は自分で確認してね)

これで完結。
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【後記】
今みたら、さすがに作画は最近のアニメに比べて色々とアレですが、それでもヒロインさくらちゃんの見せる一瞬の表情など本当に良く描かれていると思います。
魔法少女アニメを語る上で、やはり必須の名作と思います。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 31

ワタ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

さくらちゃんを見てるとね、はにゃ~んってなっちゃうんだよぉ~

この作品をきっかけに、人生を踏み外した者、数知れず。
かく言う自分もその1人?

当時、オタ趣味とは縁の無さそうな友人がドハマりしてて猛プッシュしてきたので
興味ねーよなんて顔しつつも、そこまで言うならってことで実際見てみたわけですよ。

さくらちゃんが、か、可愛い・・・いやダメだ、そんなことを思ってはいけない・・・!
それを認めてしまえば自分の中の何かが壊れる・・・大切な何かを失ってしまう・・・!
なんてアホみたいな葛藤をしてたのもいい思い出です。

その後どうなったかはお察しの通り。
「ほえええ」 「はにゃ~ん」 「さくら怪獣じゃないもん!」
ぐはぁああああああああああああ くぁwせdrftgyふじこlp
アニメのキャラに初めて萌えてしまった、記念すべき?作品になりましたよっと。


最初に見始めたところが物語の最終盤だったので
1話から観てみようと思い、レンタルして全話視聴しました。
(どうでもいいけど、借りる時ホント恥ずかしかったですね。 AVの比じゃないw)

改めて観て、行き着いた感想は
”さくらちゃんが好きです、でも知世ちゃんのほうがもっと好きです”
さくらマニアを自称するさくらの親友なんですが、この娘は色んな意味でガチですね。
この作品、魔法少女モノなのに主人公が変身しないんですが
その代わりに知世が用意したコスチュームを毎回着て戦うんです。
しかもコスの使い回しは一切なしという徹底ぶり。
知世はさくらが戦う姿をビデオカメラでなめ回すように撮影しますw

「さくらちゃん超絶可愛い過ぎますわ~!」

さくらも偉大だけど、知世も偉大。何気に暴走百合キャラの元祖だと思う。
ストパニの玉青、イカ娘の早苗、とあるシリーズの白井黒子など
知世の系譜を受け継ぐキャラは多い。
「さくらちゃんの私への”好き”と、私のさくらちゃんへの”好き”は意味が違う」
みたいな独白もあって、叶わぬ恋だということを自覚してるところがまた凄い。
あくまでさくらの幸せが最優先であって、さくらと小狼の恋路も全力で応援する度量の深さ。
この達観ぶりは小学生とはとても思えないw


ロリコン、ショタコン、シスコン、ブラコン、百合、BLなどなど何でもござれの作品。
今思えば、作中に出てきた魔法少女コスや小物を紹介・解説する
本編後のおまけコーナー「ケロちゃんにおまかせ!」とかマニアックにも程があるw
大きなお友達が大量に食い付いたのも納得。

で、本作の何が一番凄いかって、そんなオタク受けする要素満載でありながら
正統派魔法少女作品(少女向け作品)としてもしっかり成立しているところでしょう。
恋愛的にも同性同士、教師と生徒など多種多様に散りばめているんだけど
だからこそメインのさくら-小狼の真っ当な恋愛ストーリーが際立っていると感じます。


基本的には少女向けの作品だし、失われたカードを回収していく話の繰り返しで
話数も全70話と長いので、今となっては未視聴の方にはちょっと勧めづらいけど
萌えブームの源流になったとも言える偉大な作品なので
興味のある方は一度チェックしてみて欲しい。
案外、萌え系嫌いな人ほどハマりそうな予感。
上手く説明できないけど、他の萌えアニメとは違うんですよ!何かが違う・・・

投稿 : 2024/07/20
♥ : 43

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

世紀末の萌え神様である。世紀を跨いで萌えを撒き散らした真の恐怖の大王

原作人気はすごかったがアイテムの商品化、売り上げが望めないということでNHKにお鉢がまわってきた。
本当の意味でのNHKの本気である。ほんとにすごいんだからね!CLAMPってパロオマージュが基本だがこの娘だけは一味ちがった。

全話終了後の再放送も含め高画質で録画したいために、大量のBSアンテナを普及させた時点で地デジカなんか相手にならない。

子供向け、魔法少女でありながら、邪魔してくるやつや、悪い人間が誰も出てこないでストーリーが展開するのがすごい。狂言回しはケロちゃんのみ。まぁ他でやった人はいるのだろうが、あまりにお花畑な脳みそが逆に個性になっている。

とにかく斬新なのは魔法少女のくせに変身しない。
その代わりよくコスプレ衣装に着替える。
原作者曰く、女の子だかららしい。同じ服なんか着させない。
マッドハウスもいい迷惑だがNHKがマジだったのかその企画のまま通ってしまいました。お察しの通りお金がすごい。。
色彩もセルアニメの最後の傑作と呼ばれるハイセンスっぷり。

作品を代表するサブキャラとして、大きなお友達のメタ、代表としてさくらの親友『知世』が存在する。
さくらのパトロンにして、毎度ビデオカメラで撮影を行う。
百合ぶって偉い人の目はごまかせても我々は誤魔化されない。
要するにコイツ変態である。

アメリカ版では『こいつはストーカーだ。犯罪者だ』ということで削除されているそうな。さすがわかってらっしゃる。

ただ日本では知世派閥も大きな勢力であることは忘れてはいけない。

別にへんな意味もなくても普通に名作ですからご覧ください。

あと前期OPは動画サイトでキョンが歌わなくてもすでに有名っす。
歌自体はプラチナのほうがいいが、音楽に対しての映像の合わせ方、コスデザインと総合的には前期のほうがいい。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 18

77.9 3 1998年度アニメランキング3位
PERFECT BLUE -パーフェクトブルー(アニメ映画)

1998年2月28日
★★★★☆ 3.9 (651)
3031人が棚に入れました
アイドルグループのチャムに所属する霧越未麻(きりごえ みま)は突如グループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。かつてのアイドルからの脱却を目指すと自分を納得させ(つつも事務所の方針に流されるままに)、ドラマ出演でレイプシーンを演じる。さらにはヘアヌードのオファーが来るなど、アイドル時代からは考えられなかったような仕事をこなしてゆく未麻。しかし、人気とは裏腹に未麻は現状への不満を募らせ、アイドル時代の自分の幻影さえ見るようになる。

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エロくてグロくてつらくて。でも最後、スカッとします!

今敏監督、気にはなってたんですけど、
とうとう挑戦!視聴に及んでしまいました(*^▽^*)

結果は・・・・・・

面白かったです!凄く!!

お話自体はサイコホラーです。
怖いです。苦しくてつらいです。
リアルと虚構と悪夢と妄想が、
複雑に入れ子になっていて、
自分のいま見ている映像が、
誰のものでホントはどこにいるのか、
目眩のような混乱を感じて、
楽しいとか、ほのぼのとかとは正反対、
いつも何かに追い詰められているような、
そんな、安らぎとは無縁で、
ハードな展開が延々と続き、
見ているだけなのに精神を削り取って、
めちゃめちゃ暗い気分に追い込んでくれます。

エロチックは、もう全編エロいんで、
好きな人はそれだけを目当てに観賞するのもあり?
って思いましたが、
作品の根本的な「鬱感」が強すぎるので、
そんな短絡的な目論見は吹き飛ばしてくれる、
凄いパワーでした!



グロテスクがこの作品の真骨頂だと思いますが、
スプラッターではなくて、
心の闇とか病とかでの
精神攻撃がグングン迫って来ます!

ハイレベルなグロ、
凄く心に刺さります!

アイドルものって全然興味ないけど、
こういう
脱アイドルを目指したときの地獄!
めちゃめちゃドラマチックです!!!

投稿 : 2024/07/20
♥ : 28

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

閲覧要注意

何年かぶりに 観かえしました。

正直、今敏監督は苦手です。

が、この作品は、『原作者』の叫びが聴こえてくるようで好きです。(キャラクター原案、江口寿。最高です。)


お話としては、『あなた、誰なの?』に始まり『私は私よ』で終る。



まず、
未麻子の部屋が 強烈に目に飛び込んできます。

きっと
普通の女の子の普通の部屋。

まるで『覗き』をしているかの様な錯覚を覚えます。
(いいよ、狙いにハマってあげましょう…)

私は覗き魔になる。


そして
女優としての未麻の初の濡れ場のシーン。

レイ◎される未麻はとても美しい。ゾクッとする。

デフォルメのない、正確な躰のライン、
男の『in out in out』の動き…リアルでエロティック。

私は未麻を犯す男優になる。



どんどん不安定になって行く未麻

『解離性障害』という病

『ストーキング』(あえてあたしは偏愛と言いたい)


それらの『不安要素』が絡みあっての
ラストへの疾走。


私は思うのです、
この作品は、誰にでも有り得るであろう『迷い』からの脱出劇ではないの?と。



この作品を、『グロ』と思って欲しくない。

先入観で敬遠して欲しくない。

心の話、愛の話、そう思う人が一人でも多くいて欲しい。


『罪』を
人は 気づかないうちに犯している。

『こうあって欲しい』という願いが高じて

人を傷つけたり
無意識に自分を傷つけたり



今 自分に
『私、誰なの?』と問う
『解らない』と応えることしかできない


一生
応えられないかもしれない

それでいいと 思ってる




今監督の短編映画『オハヨウ』
こちらも合わせて視聴してみてください。


人の中に潜む、複数の『私』


複数が『ひとつ』になって
『自分』が完成する。




さて
今日の『私』はどの子とどの子?

投稿 : 2024/07/20
♥ : 59

shisune さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

あなた、誰なの?

サイコホラーのアニメ。始めてみました。
まさに衝撃。アニメでしか表現できない、というのは
まさにこれのこと言うのでしょう。

アイドル界が舞台のサイコホラー。
現実なのか、幻想なのか混乱させる二重人格の演出。新鮮ですが
このアニメだととても怖い。

あらすじを見ればわかりますが、なるべく一人でみるように…。

しかし、岩男潤子さんだと声がアイドルより過ぎる気がしましたね。
内容が内容なんでどうなんだろう。
内容とギャップがあって逆によかったのかな。


私はこのアニメを見て、影響されてしまい
今敏監督のパプリカ、千年女優などをみました。

監督の作った作品、一つも外れがありません。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 8

77.0 4 1998年度アニメランキング4位
シリアルエクスペリメンツ・レイン[serial experiments lain](TVアニメ動画)

1998年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (881)
3889人が棚に入れました
コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」(ナビ)が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。その日以来、玲音は見えないはずのものを見るようになる。四方田千砂のメールの言葉に興味を持ち、大型の「NAVI」を手に入れるが、それ以来更に奇怪な事件に巻き込まれていく。物理世界(リアルワールド)と電脳世界(ワイヤード)、二つの世界・二人の玲音(lain)が混濁し錯綜する果てにあるものは? 「人は誰しも“繋がれて”いる」「私は遍在する」

Вистерия さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

どき、どき、どき、どき、

この作品を見ている間は脳がフル回転で、
飛び交っている情報を拾い集めて整理するだけで精一杯でした。
視聴後一段落ついて、もう一度、今度は情報が集まった状態で
考察しながら見たことでやっとひとつの解釈を得られました。
そのくらい難解なストーリーです。
他に類を見ない非常に高いメッセージ性と表現力は
情報化社会の始まりのこの年代に生み出されたものだとは思えないくらい先見性があり、
今この時代に見ることでまた違った解釈も生まれてくるものだと思います。

更に、
雑誌連載企画・アニメ作品・ゲーム作品が同時進行・相互関連して制作された作品なので
考察や解釈の幅がとても広いです。
ですからアニメの情報だけでは不十分かもしれませんが、
私が得た解釈を軽く書き綴ろうかと思います。


まず、作中には登場しませんがこの作品を理解する上で便利な言葉が
「ミーム」というものです。
このミームというのは、肉体的な情報を複製伝達する遺伝子と類推して考察される、
精神的な情報を複製伝達する摸伝子のことを指します。
つまり人間の情報や意識そのもののことです。

ミームは元々会話や行動によって少しづつ広まり
人間に文化というひとつのフィールドを形成させるに至ります。
しかしこのlainの世界や私たちのいる現代では、ワイヤード(ネット)という
人間が世界中どこにいても同時に情報としてのミームを共有できるシステムを作り上げました。
更にこのlainの世界ではシューマン共鳴の理論を取り入れ、
人間は無意識下につながっているという意識としてのミームの共有も可能にしました。
そこで、
これ以上進化ができないと言われていた人類が進化するためには
この仮想的にミームを共有することのできるネット世界と現実世界を統合し、
肉体という枷から解き放たなくては。と考えるものが現れます。

そのためにまずは、
今はただの意識や情報の集合体でしかない漠然としたミームというものをひとつの形にしてみよう、
とミームに実体を与えてみる実験をしました。
ここから実体化したミーム(=lain 玲音)に関する一連の実験(serial experiments)が始まり、
物語の動機になります。

そして物語の渦中、実体を与えられていたミーム(=lain)は自我を持ちます。
肉体という個を識別するものが与えられたからです。
しかし、人間の意識や情報の塊が自我をもってしまうことによって、
そのひとつの自我により人類全ての意識・情報が操作されてしまうことになるのです。

この危険性から実験は終了となり、lainはまた実体を持たない存在に還元されました。

総じてこの実験、物語は、
人類はただ意識や情報を共有するだけの生き物ではなく、
肉体という実体があるからこそ人間は個を識別することができ、
個という実体同士のつながりや触れ合いから生み出されるものこそ尊いんだ
というメッセージを伝えるものだと解釈考察しました。


大分ザックリした説明でしたが、大体こんな視点でこの作品を考察しています。
他にもきっとたくさんの解釈があるでしょう。
個人的にはエヴァンゲリオンを筆頭に語られる考察アニメの中でも
ぶっちぎりNO.1で難解+解釈の幅が広い+答えが見つからないアニメだと思います。
テッド・ネルソンのザナドゥ計画やヴァネヴァー・ブッシュのMemexなど
実際の情報工学や社会科学に基づいた根拠が散在しているので下調べも重要ですし…

アニメーションとしても98年当時のテクノロジーから見るととても実験的で
映像効果と音響も見事にマッチして不思議な
これまで体験したことのない世界にいざなってくれます。
しかし特徴的なうえに極端に暗い90'sサイケデリックな雰囲気なので中々、
近頃の流行りもののアニメが好きな人にはキツい作品かも知れません。
萌えもなければ笑える要素もひとつもありません。終始考察です。
なので好きな人は好きなアニメって感じですね。

長くなりましたが参考になれば幸いです。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 40

たま。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

考えるアニメ

楽しい、面白い系のアニメではありません。
非常に見る人を選ぶアニメです。
問題はとっつきにくさとテレビアニメ史上トップクラスのストーリーの難解さです。
最終回を見終わった後もいろいろな解釈ができ、そういった意味でのエンターテイメント性は他に類を見ませんし、突出していますから、コアなファンを唸らせることができる作品だとは思います。

わたし個人の意見としては、好きなアニメの一つです。
当時ここまで考えている人がいるとは・・・。脱帽です。

興味がある方は是非一話だけ視聴してみてください。
耐えられたら最後まで見てください。気に入らないなら、見ないほうがいいです。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 23
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

たくさんいる「私」

岩倉玲音の時代である。

ブゥーーン、ブゥーーーン、
幾度となく強調される送電線のノイズ音。
それは「つながり」のメタファー。

90年代末尾を飾る時代が生んだ傑作。
欝々しい展開にカルト的人気で名高い作品、
そこを乗り越えた先の大団円に感動を覚えます。
ここでの問題提起は「攻殻SAC」へと昇華され、
この偉大な「供儀」の物語は幕を閉じる。

絵柄は古く、演出は静かに進行する。
しかし前半に種を撒き、後半に回収する。
物語の基本に忠実な展開、構成だと思う。

主人公は中学生、岩倉玲音。
{netabare}現実世界と仮想世界の「2人の玲音」、
ある日、自殺した同級生からのメールが届く。
会話もない冷たい家庭の食卓、
自宅前に張り付く不気味な黒服たち。{/netabare}

神の不在、集合的無意識。
何かがおかしい!?何かが始まっている!!

難解でしょうか?いいえ。
我々の側が複雑にさせているのでしょう。
しっかり観ていれば、迷子にはならない。
{netabare}私なりの攻略指南を書かせて頂こう。
英利政美の思考を追え、これだけです。{/netabare}

世界は等しく病んでいる。

文化庁メディア芸術祭優秀賞作品。
ご堪能あれ。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 74

76.8 5 1998年度アニメランキング5位
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(アニメ映画)

1998年7月18日
★★★★☆ 3.9 (496)
3341人が棚に入れました
幻のポケモン・ミュウのマツゲを元に、悪の組織により戦闘能力などを強化され人工的に作られたポケモン・ミュウツーは、人工的に造られたという不純な生立ちから自身の存在意義を見出せずに答えなき自問自答に苦しんでいた。やがてミュウツーは自分を造った組織を裏切ったことをきっかけに、ポケモンを統制するシステムへの反発や自分を利用するためだけに作り出した人間たちへの憎しみから人類に対する「逆襲」を企てる。
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

歩き続けてどこまで行くの?

ポケモン映画第一作目です。

どんなものでも一作目というのは少し特別です。
作品にもよりますが案外その方が後続の作品より粗削りではあるけれど伝わってくる魅力が強いからです。

ミュウの細胞からより強く作られた最強のポケモン「ミュウツー」。
しかし、彼は自分がいったい何者かわからない。
「生きる」ことに価値が見い出せず思考することを止めて、彼は自分を生み出した人間に逆襲を決め込んだ。
「これは戦争でも攻撃でもない。逆襲だ。」

作品はこどもにとってはえらく重々しく暗い雰囲気を帯びたプロローグから始まります。
この辺は改めて観てみると一度観た作品なのにまったく覚えのない話でした。
小さい頃にここの部分を観てもまったく印象にさえ残らないことが分かります。
その後からの流れは薄っすらと記憶していましたが、
やはり改めて観てみるとその場での言動や立場、行動など「役割」としての意味が物語を鮮やかにし、ひとつの筋が紡がれていきます。
本作の持つ物語の性質はなにも小さい子に限ったことではなく、あらゆる人間に対しなにかを訴えるだけの力を持ったものだと思います。

映像だって今のものに劣っていません。
ポケモンたちはよく動きますし、そこに躊躇いはなくできる限りのリアルが追及されています。
肉迫した戦いの息遣いはすぐそこで聞こえます。
OPのバトルはもちろん良いですし、EDはさらに良いです。個人的にとても好き。
曲といいアニメーションといい最高です。残念ながらアニメ映画のEDでこれを越えるものはいまだにありません。

何度観たって面白さを感じられる少ない作品のひとつです。



{netabare}

こども向けのアニメ映画でよく自己定義について触れました。
僕は高校生2年になるまで考えたこともなかったですw
まあでもあえてテーマを探るならばそれはそこにはなく、
ではどこにあったのかというと、僕は「本物」と「コピー」の戦いが非情にも無意味だということにあると思います。

俯瞰的状況としては
まず初めにミュウツーはトレーナーを呼び込みコピーと対決させて負かすことで
人がポケモンを育てることを否定し、また人につくポケモンも否定しました。
この後ミュウが出てきて「コピーなんかに本物は負けない」なんてアホな啖呵切って大混戦。
もうどちらも後には引けません。
だが、なかなか決着のつかないミュウ、ミュウツーを前に他のポケモン達はだんだんと力尽きていく。
そして最後ミュウとミュウツーの戦いを止めたのがサトシの自己犠牲でした。
なんだかナウシカみたいでした。彼女もまたその体現者ですから。
石化したとはいえ、現実的な死です。死のメタファー。
ポケモンですからさすがに人が死ぬ描写はできません。だからこういうかたちを通してそれを表現したのだと思います。
ここでやっとミュウツーも彼なりの答えを見つけることができ物語は良い方向に導かれ幕を閉じました。

サトシたちは初めから本物もコピーも同じポケモンだと主張していました。
けれどミュウツーにはミュウツーなりの意志がある。
彼は自分の存在と生に悪くも執着してしまったことによりさらに、そのときに多くの人間の悪に触れたために、
出口のない迷路に入り込んでしまい、自分に「逆襲者」という答えしか出せませんでした。
人と人に寄り添うポケモンの全てを否定し、コピーという名の十字架を背負い強く生まれてきた我々こそが本当の存在であると。
だからミュウツーに従うコピー達も戦いました。
傷つき、疲れ果てようが、戦って勝つことでしか報われないから。
一番印象に残っているのはやはりピカチュウです。
泣きながらもビンタを続けるピカチュウ。傷つけることは嫌だとしてもこっちだってやめられない。
にっちもさっちもいかずにはたき続けるピカチュウと黙って受け続けるピカチュウ。観ていてやりきれません。

だってこの戦いはどこまでいっても「戦い」そのものでしかないのです。行き着く先なんてありません。
答えはすでにでています。彼らが今存在していること、そのままが答えなのですから。
それぞれが生きている一匹のポケモンであること。
ミュウツーたちコピーが本物に準じるものではないことに正しく意識を向けることが彼にはできなかった。
サトシのメタフォリカルな死がなければミュウツーはこれに気付くことはできず誰も救われなかったでしょう。

ここをこの映画が映像として表現したのだと僕は思います。
まあそんなものは得てしてあるはわけではありませんが。

最後の締め方はどうだったでしょうか。
「このことはなかった方がいいだろう」とミュウツーは反省しました。
いや反省というより、自分を認めることができたというべきか。
立つ鳥跡を濁さずといったスッキリとした終わり方。これは後々公開されたポケモン映画の大半がそうです。
本編の方に支障がでないようにしているのでしょうか。 少し作為的な臭いもしますw
しかし、やはり意味のある発言であったと認めることの方が意義があったと言えるでしょう。
この台詞は受け取り方によっては深みがありました。
自分がきっかけで起こってしまった今回の一連の出来事。「なかった方がいい」なんて簡単に言えるはずがない。
彼はこうは言いながらも裏ではこのことに関して、自分がすべての罪を背負うことの決意としてみることもできました。
死人が誰かの中で生き続けるように、経験に基づいた記憶は個人の中で反芻されていく。
文字通り何度も思い出すことでそこから大事な栄養得ている。
風化することのないそれは鮮やかなままひとりの人間の宝物として心の奥底でいつまでも火を灯し続ける。
今回の出来事をそれらと同じように人々の記憶に残せばそれは傷であり、苦しめるほか使い道のない記憶なのです。
けれどもひとりの人間の「死」を通してやっと知り得た教訓は決して忘れてはいけないもの。
だったらぜんぶまとめて私が背負おう。そういったミュウツーの決心がここで見られたと思います。

一番印象に残ったのはミュウツーにかけたサトシの最後の一言 「みんなどこに行くの?」
これ聞いた瞬間身震いしました。なんでだろう。
サトシなら「どこ行くんだよー!」とかなのにらしくないほどに優しく訊いていました。
すごく象徴的とも思える一言でした。(『われわれはどこから来たのか。われわれは何者なのか。われわれはどこへいくのか』)


読んで下さった方ありがとうございました。
あ、書き忘れてたけどボイジャーさんかっこよかったです!
「海を知りたきゃ波止場のかもめに訊いてみな。」って声も良いし、台詞もかっこよすぎる!w
この人すごく好きw

海を渡ってるときよくトゲピーは死なずに済んだよなー、なんてw
あでゅー。

{/netabare}

投稿 : 2024/07/20
♥ : 20
ネタバレ

朝霧麻衣 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

本物とコピー

久しぶりにニコ動で劇場版ポケモン主題歌メドレーを聴いて、映画がどんな内容だったかが気になり再視聴しました。1998年製作でしたから、15年以上経過してからの再視聴となりました。

【ストーリー】
一番珍しいポケモンと言われる「ミュウ」、DNAを元に科学者たちは「ミュウツー」を作り出した。しかしミュウツーは自分が何のために作り出されてきたのか分からず、そんな身勝手な人間に復讐をする。

【所感】
まずストーリーの冒頭約15分、小学生の時に見た自分がこの内容を理解していたとは思えませんでした。本物とコピー、どちらのポケモンが強いのか?そんな哲学っぽいテーマを抜きにして、お互い傷つけあうポケモン達を見ていてつらかったです。終盤のテーマに対する答えは至ってシンプルで、良くまとめられていたと思います。冒頭部分でサトシ一行は登場せず、徹底したテーマ作りをしていて、この作品に対する制作陣の熱意を感じます。
{netabare}ピカチュウがサトシに電撃を繰り返し浴びさせるシーンが一番の泣き所でした(T_T){/netabare}
EDで流れる小林幸子さんの歌がポケモンのテーマにマッチしていた上に、あの歌唱力で歌われてしまうとインパクトが大きいです。映画を見る前から「歌しか覚えてないんだけど?」って感じだったので、当時とても印象に残っていたのだと思います。

久しぶりに見ましたが、昔はちゃんと言えたポケモンの名前が結構出てこなくて、時間の流れを感じました。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 16

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ポケモンの歴史はここから始まった&山ちゃん無双も そして2019年...

DNAを乱用してクローンを作ろうとする技術が考えられてはいるが、DNAの乱用は禁じられている

突然変異でDNAがおかしくなって未知の病気が生じてしまう可能性があるからだ

だから突然変異で生まれてきた人間や動物であったとしても尊重しなければならない

ポケモンも泣ける
終盤がなあ...
今のポケモン映画は昔のクオリティが減ってきているような...
まあCGがどんどん入ってるから別な意味でクオリティは高くなってるけどね

そしてサン&ムーンが放送され
旅に出掛けなくなり
描写がカチャカチャになり、顔芸するようになり
ロケット団も毎回出番がなくなり
映画もホウオウが登場した記念すべき1話のリメイクと
ルギアが登場するオリジナルを放映し早3年

見るのを投げていた自分だが...
2019年夏...

投稿 : 2024/07/20
♥ : 3

76.6 6 1998年度アニメランキング6位
頭文字D [イニシャルディー](TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (494)
2710人が棚に入れました
北関東の名立たる峠道を舞台に、本来ならば「若葉マーク」である筈の主人公、藤原拓海が父親の愛車、AE86型(ハチロク)スプリンタートレノを駆り、誰の目にも圧倒的に速いと思える車を相手に対等な勝負を繰り広げ、“公道最速”を目指す。

声優・キャラクター
三木眞一郎、石塚運昇、岩田光央、川澄綾子、西村知道、矢尾一樹、高木渉、子安武人、関智一、檜山修之、藤原啓治

こたろう さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

迫力のCG!

ストーリーに語るべきところはありません。元々そういうのを期待してみるものじゃないし。

やはり特筆すべきはカーアクション。バトルシーンはアツくて最高です。
いまどきCGを使ったアニメは珍しくもないけど、これほどCGが活かされている作品もないと思います。
現実にある車に現実に起こり得る挙動をさせるから、リアルっぽいCGが肝要なんでしょうね。

あと、ユーロビートの音楽がレースを盛り立てます。これもイイ。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 3

ぶっかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

速度超過? 細けぇことは言わない約束

クルマは別に好きじゃない
生活を困窮させる程のローンを組んでレクサス乗ってる人の気持ちなんて
私には到底理解できない
改造を繰り返すことも同様
移動手段の道具として、コレを所持する人が大半だろうが
本作は、そう言う理由でコレを所持していない人達が、次から次へと登場し
道交法違反なんて言葉は、存在しない世界で凌ぎを削る
無名の走り屋が、嫌々始めた消極的な戦闘が、積極的な戦闘に変貌し
名の通った走り屋になるまでを堪能しよう

知人の車好きが言うには、オフロード以外でグリップ走行より
ドリフト走行の方が速いなんてことは有り得ないらしい
ドリフトはあくまで魅せる為の遊びなんだそうです

まぁ、ここまで書いたクソみたいな能書きは
作中でパンダトレノが綺麗サッパリぶっ飛ばしてくれますから、安心して下さい

投稿 : 2024/07/20
♥ : 16

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

【アニメにおける自動車の表現を根本から変えた歴史的大傑作!!!】

日本のアニメやマンガとモータースポーツの相性は実は結構良くて、古くは『マッハGoGoGo』『よろメカ』『F』『サイバーフォーミュラー』『レッツ&ゴー』・・・とまあ歴史を辿るだけでも数々の名作が生まれてます
ところがこの作品が当時手間ばかり掛かると限界が見えてきていたセルアニメにおけるモータースポーツの表現を根本から覆すことになるんです
かくいうオイラもこの作品には人生観そのものを大きく変えられた一人です


原作は『バリ伝』でお馴染みの“しげの秀一”が1995年から週刊ヤングマガジンで連載していたマンガ
本来なら若葉マークであるはずの高校三年生の主人公が父親から受けた非合法な特訓で天才的なドライビングテクニックを開花させる
そして当時既に15年落ちだった旧型車、通称「ハチロク」を駆って夜の峠道で最新鋭スポーツカーを相手に公道バトルを繰り広げるという俗に言う【走り屋モノ】
後々続く長編シリーズの第1期が今作、通称『First(1st)Stage』です


複雑なカメラワークや流れる沿道の背景を毎週のテレビアニメで表現可能にしたのはずばり【自動車の走行シーンをフル3DCGで表現】するというかつてない試み
当時、連続テレビシリーズで3DCGなんてあまりにも贅沢・・・いや無謀とも言える挑戦でしたがこの作品は見事にそれをやってのけました
そして疾走する自動車の表現=3DCGという今日のアニメ界では常識とも言える構図を完成させるまでに至ったエポックメイキングな記念碑的傑作と呼べるでしょう


また音楽レーベルのavexがアニメ事業へ参入した記念すべき第1作目でもあり、同社のダンスコンピレーションアルバム「SUPER EURO BEAT」シリーズの楽曲を劇中BGMに採用するという試みも斬新でした
当時パラパラブームを目前に控えていたものの、ユーロビートという世界的に観れば実にマイナーなジャンルの音楽の知名度を押し上げたのは今作の力もあってのものです
特に第5話のバトル決着直前に流れる「HEART BEAT」のイントロによる演出は必見
後のシリーズでもGT-Rの象徴として使われる「BACK ON THE ROCKS」や庄治慎吾のテーマこと「DANCING」のような強烈なインパクトを残す演出も素晴らしい
第1話の最初と最終話の最後は必ずDAVE ROGERSの楽曲が来るというシリーズを通して観るとよくわかるセオリーが既に築かれているのにも注目してほしいですね
主題歌を手掛けたm.o.v.e=アニソンという構図も今作が始まりです


ちなみに今ではあまり話題になりませんが2000年の『はじめの一歩』に破られるまでは最高視聴率3.8%という深夜アニメとしての記録を持っていました
この事からも今作が当時どれだけ注目されていたかがわかると思います


それにモータースポーツモノ、青春モノとしてのストーリーの完成度もシリーズ中屈指の出来栄えでして、基本的に5話で1つのエピソードが完結するようなキレイな構成になっています
1~5話 VS FD3S編
6~10話 VS R32編
11~15話 VS EG6編
16~20話 VS シルエイティ編
21~26話 VS FC3S編(+妙義遠征編)
合間合間に恋愛や笑いを挟みつつ全26話
後のシリーズでは原作の細部をカットするような“マイナスの構成”をとっているのに対し、この第1期だけはアニメオリジナルエピソードを加えるなど“プラスの構成”をしているのも特徴
自動車に興味の無い方にも、この第1期に関してはオススメできますb


お話そのものの特徴としましては、「走り屋」と呼ばれる非合法公道バトルを繰り広げる若者達の姿を【究極まで美化してる世界観】が本作特有のポイントといえます
この手の「走り屋モノ」では、少なからず非合法であることをチラつかせて走り屋とはあくまでアウトローな存在であるってことを提示するものなんです
『サーキットの狼』の“池沢さとし”ですらやってます
ですが今作はそーゆーの一切やってないのです(笑)
こんなにも走り屋が受け入れられる世界があるわけ無いのですが、今作では本当のモータースポーツならば成立し得ない【自動車の異種格闘技戦】を実現させるということに注力しているので、公道バトル=無差別級レースとして誰もが黙認
だから走り屋を否定する人なんてのも出て来んのです


それと今では当たり前になりましたけど徹底したロケハン、というのも当時のアニメとしては珍しかったですね
物語の主な舞台となる群馬県渋川市の伊香保温泉街などは原作でもかなり細かく描写されている為、アニメも其れに習っています


さて、やはり3DCGというのは日進月歩の技術でして、残念ながら特に今作のバトルシーンは今観るとツッコミどころが満載だったりします
(セルDVD化の際に音響面などはだいぶ修正されましたが・・・)
そもそも3DCG以外の作画や手描き背景がアナログだったため、人物と自動車の合成が出来なかったという問題点もありました
2002年に発売された『BATTLE STAGE』という総集編では3DCGを一から全てリメイクするなど今作への思い入れはスタッフも大きかったようですね

投稿 : 2024/07/20
♥ : 22

75.2 7 1998年度アニメランキング7位
彼氏彼女の事情(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (603)
3645人が棚に入れました
県内随一の進学校である県立北栄高校の一年生、宮沢雪野は自他共に認める成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗の優等生。しかし彼女の実態は虚栄心の塊で、賞賛を浴びる為だけに日々たゆまぬ努力をこなし優等生を演じていたのだった。ところが同級生の有馬総一郎は、雪野の念願だった新入生総代をさらったうえに美形で運動神経に優れ性格も良い、人に好かれるタイプだった。そんな総一郎に激しい対抗心を燃やす雪野だったが、ひょんなことから彼に自分の正体を知られてしまう。脅されていいように利用されるうち雪野は、総一郎もまた自らを演じていた事を知るのだった・・。

声優・キャラクター
榎本温子、鈴木千尋、野田順子、私市淳、新谷真弓、草尾毅、小山裕香、渡辺由紀、山本麻里安

ソーカー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

シャフト的演出の先駆け

主人公の宮沢雪野は成績優秀・スポーツ万能・容姿端麗の優等生・・・
を演じることに全てをかけている女の子
その上を行く優等生の有馬総一郎に愕然とした彼女は対抗心を燃やすのだった・・・

もはやレビューを書くには古すぎて、記憶が曖昧すぎるのだが
シャフトの演出の原型がこのアニメにはある
実写も入れ混ぜたその演出法には、なかなか驚くべきものがあるだろう
それに興味があるなら一度見てみると良い

まぁ最初は恋愛アニメとしてはなかなか面白いんですよねぇ
典型的な少女漫画だけど、全然男でも問題なく見れるレベル
コミカルで展開も面白い
ただ終盤のわけわからなさ・・・は半端ではない
あれがいいという人もいなくはないのだろうけど・・・
しかも中途半端に終わるので、続きは原作で・・・となる
こういうマイナス要因がかなりあるので、これぞ名作!とも言い難い

投稿 : 2024/07/20
♥ : 15

Yuyu さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

打ち切りアニメ

26話まで続いたから打ち切りじゃないという意見もあるだろうが結局すごい中途半端な終わり方したのだから、もう話としてダメだろう。

結局、2期できなかったのだから

話の進め方はエヴァそのもの

最初はいいけど、あのノリは飽きてくる。

しかも、制作も間に合ってないようなドタバタな作画と構成

最初は面白かったんだけどな

曲もエヴァ

話の重複も多すぎ

監督が監督だから、エヴァみたいな終わりにしそうだなぁとか思ってたら本当にそんな終わり方

病気だろ。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 2

shisune さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

His and Her Circumstances

私は小学校2年生のときに、年の離れた姉とリアルタイムでみていました。
低学年がみるようなアニメではありませんが(笑。

大学受験が終わって暇になったとき、ふと思い出して見直しました。
演出の仕方が特別で、実写の白黒写真をつなぎ合わせたり、
自分たちがよく見ている何気ないものの描写が多かったり、
このアニメが実際にあった話なんじゃないか、と思わせる演出は今でも忘れません。
あとEDも印象的です。

一括すると…ラブコメですかね。アニメはだいぶコメより。
夏休みに遊びに行く話は何回見てもおもしろいです。(友情!!)
少女マンガ原作ですから、心理の移り変わりが見所です。
自分の中のドロドロの部分に気づき、人との付き合い方を考える。
そうした各キャラクターの事情を、リアリティに感じさせる演出は、すばらしい。

悪い点は、完結してないこと。それと無駄に多い総集編だと思います。
監督がコロコロかわったのか、わかりませんが、何度もまとめを見せられても…。
私はいっぺんに見てしまったんでとても無駄に感じました。
最終話は、なんで?ってかんじでした。これから見る人はあんまし期待しない方がいいかも。

気になって、原作であるマンガを全部読んじゃいました。原作の最後はいい感じです。
後日談があるので、すごく私のタイプの終わり方でした。

なんといっても音楽は最高。エヴァでおなじみの庵野秀明、鷺巣詩郎の二人のタッグ。
小学2年と、小さいながらにもすごく記憶に残る、良曲ばかり。ヱヴァ破にも使われるほど。
テレビ番組でもよく使われてますし(特に報道番組)。
きっと庵野監督はカレカノの曲が好きなんだと思います。
暗中模索、天下泰平、主客転倒、だいすきです。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 7

74.8 8 1998年度アニメランキング8位
マスターキートン(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (255)
1533人が棚に入れました
元SASのキートンがさまざまな難事件を鮮やかに解決していく推理サスペンス。原作=勝鹿北星、作画=浦沢直樹の人気同名マンガが原作。かつてイギリス陸軍特殊空挺部隊SASに所属していた平賀・キートン・太一は、現在は保険の調査員をしている。本当は考古学者をめざしており、考古学だけで食べていきたいのだが望みはかないそうにない。そんな太一は、保険の調査の仕事のほか、SASの要請や考古学の研究などで世界各地を飛び回り、数々のやっかいな事件に巻き込まれる。それらを太一はSASや考古学の研究で培った技術や知識、持ち前の機転で解決していく…。

声優・キャラクター
井上倫宏、桑島法子、永井一郎、菅原正志、辻親八、キートン山田
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

一話完結の仕事人

普段は柔和で実は…「能ある鷹は爪を隠す」キートンさん。かっこよすぎです。
離婚して未練タラタラなくらいがバランス取れてていいんでしょうか。

携帯電話などなくポケベルもあったかどうかの時代。
今の時代だと「この日本人すご過ぎww」などとすぐSNSに乗っかっちゃって顔が割れてしまうんでしょうか。

台詞で必要なことは語ってくれるので、作業しながらの「ながら観」にも最適でした。
(かわいい女の子も出てこないので画面に目が釘付けにはならないしね)
かと言って、大切な締めの部分では言葉で多くを補い過ぎず…という大人な引きの良さもありました。
味わい深くもアッサリとした一話完結式なので、そこをもっと掘り下げて長く観たいのに物足りない‼、という感覚を残す話もありました。



〜好きだった話〜

{netabare}4話・爺さん回
この老いぼれ、実は…のパターンで、婆さん回もあった。

5話・屋根の下の巴里
「人はどんな時でも学べる」というストレートな勤勉メッセージ。

7話・チャーリー
幼馴染との邂逅。最後、どんな風に受け止めていたのか。
嫉妬とか尊敬とか、…?多くを語らないで、ママへの一言が印象に残る。

12話・御婦人たちの事件
イギリスが舞台だから、ミス・マープルみたいなおばあちゃんも登場。

13話・穏やかな死
テロリストの使用する爆弾を造り続けてきた男の、ある日の気づきとは。手に汗握るスリリングさと、チョコレートの甘さと。もっと早く気づけやと言いたい。

15話・長く暑い日
キートン vs 孟犬。もうちょっと続きどうなったのか(とくに、犬のその後!)観たかった。
若き日の覇気あるキートンお父さんが、かっこよい。

18話・フェイカーの誤算
「一流の仕事人は…」が口癖の詐欺師。なんかおかしい。キートンが対決するのと思いきや、「一流」のこだわりにより二転三転。
ちょっとうまいこと行き過ぎだけど、正直者がバカを見ない話でホッとする。

19話・空へ…
めんどくさい鬱屈少年の話。
「こんなにいい天気なのに学校なんてもったいない」と言えちゃう娘はいいなあ。
平賀家が息子でなく娘なのが、何となく家風が分かるような気がする。

20話・臆病者の島
爺さんかっこいい!回。動きのキレがね。

21話・アザミの紋章
歴史上の逸話から探る人物像。見てきたかのような、個人的記憶のような演出の切り替わり、とても見応えがあった。アニメ独自の演出なのか、原作からなのか知りたいところ。巻物が動く演出はアニメだからな、面白さかな。

22話・シャトー・ラジョンシュ1944
「だんなさまのお考えになる事は、だんなさまが生まれる前から、わかっております。」
忠誠心ですよ…おとっつぁん(誰)!!(T_T)
戦火の中で採りごろの実を採りに行くとか、ほんのちょっとだけ、その気持ち分かる…。たぶん私の中のソレはみみっちいけど

25話・砂漠のカーリマン
キートン賢くかっこよすぎ。
砂漠の過酷なサバイバル。
砂漠に行く前に原作もぜひ熟読しておきたいです。でも砂漠にとても行きたくないです。

26話・家族
かつての金メダリストが夢から目覚める…冒頭のシーンが絶妙に切ない。
26話、27話、28話は面白いけどちょっと似てるかな。ヨーロッパの内紛や分断を下敷きにしていて深みが感じられるぶん、え、深刻な内容なのにもう終わり?ってなる。

33話・背中の裏町
女の求める父の姿。あえて真実を突きつけないキートンはんに惚れてまうで…

34話・瑪瑙色の時間
大人の情けなさやふがいなさを見ている子供達。たぶん私も見られてる。
「俺はもう一度立ち上がろうと思う。自分を憐れんでいる時間なんか、ないんだ。」うむ。

…しかし「瑪瑙」のグリーンて結構、人工染色されてるような…

35話・五月の恋
婆さんかっこいい回。
ここだけミセス向け恋愛漫画みたいなムードだけども。キートンの娘さんステロタイプなお節介やきだけども。

38・39話・狩人の季節
キートンと上官の邂逅。器用貧乏なんだねキートンさん。
あー、見終わっちゃった…という寂しさが募ります。
もっと長く見せて欲しいと度々感じていたものが最後に2話連続になると?時の流れは余裕をもって感じますが、そんなに内容のボリュームアップはしないものですね。むしろこれまでの一話完結の簡潔な強さを感じました。まことに勝手な話ですが。 {/netabare}


原作は、原案やら原作者やらの表記について一悶着あったらしく、長らく再版されなかったらしいですね。
とても面白かったので読んでみたいです。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 38

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

溢れる原作愛。音楽も最高。これぞオトナアニメ

超マニア人気作のアニメ化。原作もビデオも全巻もってても何度も見てしまう。
原作者とひと悶着あって最近まで漫画は買えなかった。
最近決着がつき愛蔵版?的な再販がはじまったのでぜひ。

お話としてはオムニバス形式。
元SAS、オックスフォード、卒?中退?なぞのままだった気がするが、の凄腕保険調査員、キートン山田(日英のハーフ)がその知能と技術をいかしさまざまな事件を解決しながら、ライフワークの考古学を極めんとする物語。
ガチンコで戦うパパ、サラリーマンの物語。
さまざまのお話があるのでカテゴリーはできない。

ついでにほかのサブキャラがメインの場合もある。
ちなみになぜマスターなのかはSASとしての技術が教官(マスター)クラスだから。
浦沢作品では正直パイナップルアーミーかこれしかない。

今となっては作画はお粗末かもしれませんが、当時はかなりのクオリティ。全盛期のマッドハウス製作。
150話くらいある原作すべてをアニメ化はさすがにできなかった。
しかし人気があったためか、相当な数の話をビデオ化の際にOVA化。後年、NHKで全話放送されました。
完全な大人向きです。ロマンに浸りたい方はぜひ。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 18
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

浦沢作品では一番好き

<2019/5/26 初投稿>
原作既読。

主人公の平賀・キートン・太一さんは名前からわかる通りハーフで母が英国人、父が日本人。

さらに多様な経歴、極めて高い経験値とスペックの持ち主です。

ところが容姿はどーみてもコテコテの和風で、お人好しでうだつの上がらないおにいさん。
今は冴えない考古学の大学講師という謎キャラです 笑。


キートンの経歴をもう少し書くと・・・

ネタバレというほどでもないけど一応閉じておきます。
{netabare}
オックスフォード大を考古学専攻で卒業(中退だったかな?)

在学中に大学で出会った英国人女性と結婚、一女をもうけるも離婚。

で離婚のショックでなぜか英国陸軍・特殊空挺部隊(SAS)に入隊、そこで伝説級の活躍。
実績と特にサバイバル技術が高く評価されSASの教官まで務めます。
(SASは米国のデルタフォースみたいなもんらしいです。)

でもなんか違うと思ってSASを辞職(除隊)。{/netabare}

そして今は日本に住み普段は大学講師をやりながら、たまに娘に世話を焼かれたりしながら、考古学の発掘調査に勤しむ毎日。

しかし大学講師だけでは食えないキートンはイギリスの保険会社ロイズ(※)のオプ(調査員)もやってます。

なので日本と欧州を行ったり来たり。
飛行機代だけで足が出そう 笑

そんなキートンが保険事故の調査や発掘調査などでさまざまな事件や出来事に遭遇、
時に事件を解決し、
時に出会った人々と暖かく柔らかい交流があったり、
せつないやるせない思いをしたり、
とかそんな話。

(※)正確にはロイズは保険会社や保険引受人の組合組織で、特定の保険会社ではありません。ちなみにロイズは世界最古の保険を取り扱った組織とも言われ、保険会社だけではなく個人、つまりお金持ちが保険の引受人として取引できるようになってます。日本の保険の常識とはかなり異なった組織・制度です。
キートンは個人の保険引受人からの依頼で調査を行うこともあり、物語に厚みを加えています。


原作は浦沢直樹さんの漫画なのですが、浦沢作品の中では一番好きです。

他にはMOSTERやPLUTO、パイナップルARMYも好きですが、本作はパイナップルARMYにやや近い印象。


浦沢作品の特徴は登場人物の表情。
無言のシーンでもどんな感情なのかが一目でわかる画力は流石です。
キャラクターの書き分けも完璧。
日本人と欧米人がパッとみで区別つくキャラクターデザインって案外少ないと思うんですよね。

前述の通り欧州が舞台となることも多いのですが、その背景や会話、出てくる料理なども本当に自分がその国にいるような気分になれてしまいます。

基本1話完結のお話も、変な外連味はなく地味ですが、1話1話心に染み入る深みと温かみがあります。

いずれも高品質な短編の良作・佳作を何十本も積み重ねたような。


そんな原作をアニメでは丁寧に忠実に再現しています。

この「マスターキートン」
私は超有名作だと思ってたのですが、時間というのは情け容赦ないですね。

隠れた、というより時代に埋もれた名作だと思います。

今時のアニメとはかなり趣が異なりますが、「最近のアニメに少し食傷気味」「ストーリーのしっかりした物語を楽しみたい」という方にオススメしたい作品です。。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 39

74.7 9 1998年度アニメランキング9位
銀河英雄伝説 外伝(OVA)

1998年2月1日
★★★★★ 4.1 (138)
743人が棚に入れました
銀河英雄伝説シリーズの外伝。銀河系宇宙を舞台に、英雄たちの群像劇を壮大なスケールで描く。銀河帝国幼年学校を卒業し酷寒の惑星・カプチェランカに赴任したラインハルトたち。ベーネミュンデ侯爵夫人は彼らの抹殺をヘルダー大佐に指示する。

まだ初心者 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

本伝含めた観る順番について

自分はネットの書き込みを参考に我が赴くは星の大海、新たなる戦いの序曲、本伝、外伝という順番で観ました。
全部観終わっての感想ですが、時系列順に外伝から観てもよかったかなと思いました。
いきなり本伝観ても問題はないのですが、外伝を観ておいた方が話に入りやすいです。逆に外伝が合わなかったら本伝は観なくていいです。
本伝の方が確かに面白いですが、外伝もかなり面白いです。
外伝を観てつまらないと思ったなら本伝観てもあまり感動はしないと思います。
これから銀英伝観る方の参考になれば幸いです。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 0

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

銀河の歴史がまた1ページ。

アニメーション制作:ケイファクトリー
OVA外伝第1期 — 全24話(1998年2月 - 1998年)
OVA外伝第2期 — 全28話(1999年12月 - 2000年7月)


銀河英雄伝説本伝の前日談にあたる物語で全部で52話にも及びます。

銀河帝国で後に“金髪の英雄”として知られるラインハルトと、
彼の忠実な腹心にして“赤毛の親友”キルヒアイスが未成年だった頃の話。
彼らが如何に活躍して出世の階段を登っていったのか?

片や“エル・ファシルの英雄”となったヤン・ウェンリーが新たな任地に赴任し、
事件に巻き込まれたり、後の人生で関わることになる人達との出会いがあったり。

本伝では歴史を眺めるといった具合なのに対して、
外伝では登場人物の更なる掘り下げが行われている気がします。

本伝では既に艦隊を所有して、更には元帥府を開き、
後には最高権力者にまで登りつめてしまうラインハルトしか観られないので、
艦長やら司令官やら上官に敬礼する中間管理職なラインハルトが新鮮ですね。

そこでは下級兵士など様々な立場の人間に直に接することにより彼らの気持ちを知ることもあり、
孤高ではあるが、足もとを疎かにして前を向いて走ることしか知らなかったラインハルトが、
帝国の腐敗と問題点を認識する上で中々に重要なエピソードなのかもしれません。
(ラインハルトの圧倒的な才能と最高のパートナーのキルヒアイスの補佐で危機を切り抜けられますけどね)

にしてもオリジナルエピソード3部作は波乱万丈な気もしますがw

アニメオリキャラの美幼女伯爵令嬢(CV.大谷育江)が出てきたり、
某侯爵の娘(CV.榎本温子)が美少女だったり、
銀英伝にも萌えの時代が来たのか?という驚きが…w
ふたりとも、碌でもない父親に似てなくて良かったですねえ。

おおよそ、原作外伝に存在しているエピソードが中心なのですが、帝国サイドが殆どですね。
なかでもいちばん嬉しいのは本伝では第1部で退場したキルヒアイスの出番が主役並に多い事ですね!
本作品の中では人気の高い魅力的な人物であり、キルヒアイスファンにはたまらないことかと思います。
実際にキルヒアイスが主役のエピソードもありますしね!

逆に残念だったのは富山敬さんが亡くなられて、主役の一人のヤン役が変更されていることでしょうか?
二代目の声優の郷田ほづみさんも十分に実力のある方ですし、郷田さんの声も好きですけどね!

そういえば、ヤンが主役の捕虜収容所のお話以外ではヤンの出番が少なかったような?

同盟サイドではシェーンコップの出番が多かったですね。陸戦部隊の出番が多めですので、
コンバット物が好きな人には、ちょっと嬉しいかもしれませんね。

とりあえず本伝110話を視聴済みで、こっちをまだ観てない方には是非とも観ることをおすすめします。
時系列順に各話の関連性がありますが、それぞれを独立したエピソードとして楽しむことが出来ますしね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 36

こたろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本編が好きならこちらも是非

本編のビフォアストーリーで、主人公2人のサクセスストーリーです。


期間を置いてから製作されたため、声優さんが代わっているのが残念ですがそれを嘆いても仕方がない(お亡くなりになっているので)事なので受け入れましょう。
作画はキレイだし、雰囲気や粋なセリフも本編と遜色ありませんのでファンなら絶対押さえておくべきです。
話も面白い。


ただ、外伝だけあってちょっと陳腐なところは否めません。

いくらなんでも、真剣白刃どりはないだろw

投稿 : 2024/07/20
♥ : 7

73.5 10 1998年度アニメランキング10位
機動戦艦ナデシコ The prince of darkness(アニメ映画)

1998年8月8日
★★★★☆ 3.9 (436)
2163人が棚に入れました
先の戦争終結より3年が経った西暦2201年。地球と木星間に和平(休戦条約)が結ばれ、人類は再び一つになろうとしていた。そんな中、ボソンジャンプを新たな交通手段として使用する計画「ヒサゴプラン」のコロニーが次々と襲撃される事件が発生する。連合宇宙軍ナデシコB艦長ホシノ・ルリ少佐は、事件調査のためターミナルコロニー「アマテラス」へ向かうが……。

声優・キャラクター
南央美、うえだゆうじ、桑島法子、日髙のり子、三木眞一郎、伊藤健太郎、高野直子、岡本麻弥、飛田展男、小杉十郎太、小野健一、横山智佐、菊池志穂、長沢美樹、置鮎龍太郎、松井菜桜子、大谷育江、一城みゆ希、山寺宏一、仲間由紀恵

JBさん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

OTIKA

物語としては、とてもショックというか
ユリカとアキトがとても不憫に思えて悲しかったです。
人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえとはいいますが
これはもう・・・殺すだけではすまされない、すましてたまるか!
というような、怒りさえ覚えてしまうほどでした。
これで終わってしまうのは、あまりにも不憫なので
佐藤竜雄監督に続編を作成して欲しいとは思いますが
叶わぬ夢なのでしょうかね・・・=w=
2005年に続編製作中止発表されていますが、なんとかならないものかと・・・

投稿 : 2024/07/20
♥ : 1

ジョニー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

今だに何回でも見れる数少ない作品

TVシリーズとは異なり、作画のクオリティーは現代でもトップクラスと言えるほどの高クオリティーです。
人によっては鬱だとかシリアス過ぎるという人もいますが、
私としては笑いと真面目の黄金比が見事に実現されていると思います。
自分はユリカが好きなので、少し寂しいですが、内容は素晴らしいです。
TV版の三年後のストーリーという事で、見た目も結構変わっていますが『相変わらずのメンバー達』が相変わらずの掛け合いをしてくれ、これぞナデシコと思わせてくれます。

私は未だに続編を待ちわびています。。。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 2

ふもふも さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

遅かりし復讐人よ・・・・。

 もはやTV版とは別物といってもいい完成度。星雲賞とっただけのことはあります。


 TV版でやや不足気味だったシリアスがぎっちり詰まっています。北辰かっけぇ~。
 でもちゃんと「あ、ナデシコだ」という場面も詰まっているので安心です。艦長として成長したルリが拝めますし(私はこっち派)。


 戦闘の作画はなかなかすごいです。さすが劇場版。ブラックサレナかっこいいですよぉ。専用BGMがまた印象的。あと山寺さんが演じる北辰はいかにも「強敵!」という印象を受けます。登場シーンがいいですねぇ。


一見の価値ある良作。自分はこれを見るためにTV版を見たようなものです。あ、もちろんTV版も良いですのであしからず。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 6

72.1 11 1998年度アニメランキング11位
銀河英雄伝説外伝/汚名(OVA)

1998年1月1日
★★★★☆ 3.9 (19)
160人が棚に入れました
田中芳樹原作のスペースオペラで、人気OVAシリーズの「銀河英雄伝説」外伝第4弾。銀河系宇宙の国家間で繰り広げられる英雄たちの群像劇を壮大なスケールで描く。第四次ティアマト会戦の終結後、休暇でクロイツナハIIIにやってきたキルヒアイスは、滞在先のホテルで暴漢に襲われた老人を救うが、その事件をきっかけに麻薬密売組織と関わりを持ってしまう。当地の治安責任者に麻薬密売組織の摘発を依頼されたキルヒアイスは……。脚本は、シリーズ全編を通して河中志摩夫が執筆を担当。

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

失われた時に愛惜を込めて・・・

銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
 (2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
 (8) 「千億の星、千億の光」
 (9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
⇒(11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」

この物語は、キルヒアイスがラインハルトより一足先に休暇に入り、訪れた休暇先で事件に巻き込まれる・・・そんなキルヒアイスを主人公に据えた物語です。
これまでのOVAや劇場版は、当然ながらラインハルトやヤンを主軸に置いていましたが、外伝丸々1作分を占めてキルヒアイスが描かれる・・・という事はよほど彼の人気が高かった事の証なんだと思います。

でも、この作品は何故本編より外伝やを後から制作したんだろう・・・と素朴な疑問が湧いています。
外伝だけでも相当な情報量があります。この情報が無くても本編は堪能できるように制作されているとは思いますが、時系列で視聴した方が頭に入りやすいのに・・・と個人的には思ったりもしています。

物語の方ですが、キルヒアイスは休暇先のホテルでチェックインをしていたところ、初老の男性が巨漢の男に襲われそうになっているのを見て助けるのですが、その男性・・・自身が中将として指揮していた先のアルレスハイム星域での大敗北の責任を糾弾され、少将降格の上退役となったカイザーリング男爵だったんです。

アルレスハイム星域での戦闘において、カイザーリングは同盟軍を奇襲するため待ち伏せしていたところ、攻撃のタイミングの前に艦隊が突如暴走して一斉射撃を行うという、前代未聞の出来事が起こったのです。
こんな有り得ない事が起こるなんて・・・何か理由があったに違いない、と誰もが思った事でしょう。ですが、彼は被告席で頑ななまでに沈黙を貫いた結果、「無能な卑怯者」という汚名を被る事になってしまったんです。

それでは、何故彼はそこまで頑なだったのでしょう・・・?
それは彼が一生独身を貫いた事にも関係があるのですが、彼なりの哲学があったようです。
どれだけ時間が過ぎても色褪せることのない想い・・・
そんな風に人の事を想える事自体はとても素敵な事だと思います。
でも、時間の積み重ねに伴い、その重さに心が耐え切れなくなり、結果的に正しい判断が出来なくなってしまったら・・・それはとても不幸な事だと思いますが、これは誰にでも可能性がある事だと思います。
だって・・・ずっと笑っていて欲しいじゃないですか・・・その笑顔を曇らせたくないじゃありませんか・・・

しかし、負う責任の重さが重くなるほど一個人の感傷は捨て去らなければいけないのかもしれません。
きっとその時は身を切るより辛いと思います。でもその決断によって忌まわしい連鎖が止められるのだとしたら・・・選択せざるを得ないんでしょう。
それが例えこれまでの自分を支えてきた全てであっても・・・

物語の内容的には心にズッシリくる感じなのですが、ここで引き立つのがキルヒアイスの優しさと礼節を重んじる姿勢です。
普段はラインハルトの後ろに控えていますが、そこに収まる器じゃ無い事は確かな様です。
これからの彼の活躍には期待したいですね^^

OVA全4話の作品でした。これで52話のOVAと2作の劇場版を視聴した事になりますが、人気のある有名作品である事を肌で実感しました。
まず、物語が面白いから作品の古さ自体はあまり気になりませんし、慣れてくるとこの作画が一番しっくりしている様にも思えてきました。
何よりコンピュターも無く殆どが手作業だった頃に、これだけの大作を作り上げるなんて・・・
ただ感服するばかりです。

でも完走の感動はOVAより本編の方がきっと大きいと思います。
全110話の作品なので、まるで大海原に乗り出すような不安感はありますが、しっかり堪能させて頂きたいと思います。
それでは、引き続き本編を視聴します。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 12

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

想われることより自分がどう想うかが大事

第四次ティアマト会戦後
ラインハルトより一足先に休暇でクロイツナハIIIにやって来た
キルヒアイスはある事件をきっかけに麻薬密売組織の摘発を依頼される



原作未読 外伝1期 全24話
・白銀の谷 全4話
・朝の夢、夜の歌 全4話
・『汚名 全4話』
・千億の星、千億の光 全12話

時系列
「螺旋迷宮」
「白銀の谷」
「叛乱者」
「決闘者」
「奪還者」
「朝の夢、夜の歌」
「千億の星、千億の光」
「第三次ティアマト会戦」
「汚名」

投稿 : 2024/07/20
♥ : 7

ahirunoko さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

やっぱりストーリー凄い!

原作小説。未読。

ストーリーは相変わらず文句無し!
リアルな因果相関の描写に舌を巻く。
あとBGMがオーケストラっていうのが凄くイイ!

さすがに1998年(約20年前!)製作なので作画などは古さは感じる。
だって連絡が固定電話だよ(- -;)
でもわりとキレイだったかな。

気になったのが、その当時のアフレコってボリューム一定、滑舌よく、って感じ?とても聞き取りやすいけど一本調子でイマイチ感情移入しにくい。
でもこれって、昭和元禄落語心中観たからかな?

リメイクされるのか理想だけど、何にせよ全話完走したいなぁ。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 9

72.0 12 1998年度アニメランキング12位
帰ってきたドラえもん(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.9 (60)
451人が棚に入れました
人気アニメ「ドラえもん」の映画版第19弾「のび太の南海大冒険」と併映された短編アニメ。未来の世界に帰ることになってしまったドラえもん。突然の出来事にのび太はショックを隠せない。彼はドラえもんを必死でひきとめるが、ついにある決心をする。それは、ドラえもんが安心して帰れるように、これからは自分ひとりで問題を解決しようとするものだった。いよいよせまった別れの日。町へ散歩に出たドラえもんとのび太の前にジャイアンが現れる。いつものようにケンカをふっかけてくるジャイアン。そこでのび太がとった行動とは…。

72.0 12 1998年度アニメランキング12位
装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ(OVA)

1998年3月19日
★★★★☆ 3.9 (40)
243人が棚に入れました
1988年3月19日発売のOVA作品。時間軸上最も古いエピソードで、『ザ・ラストレッドショルダー』の前日譚に当たる。劇伴音楽は乾裕樹による新作。オープニングアニメーションはアニメアールの吉田徹の絵コンテによる新作が予定されていたが、スケジュールの都合により本編カットを抜粋し構成したダイジェストが使用された。

声優・キャラクター
郷田ほづみ、小林清志、塩沢兼人、中尾隆聖、池田勝、大塚周夫

おふとん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

キリコの地獄巡礼行一番札所。

「突然の転属命令・・・・名も無くありふれたメルキア機甲部隊兵士の生活が終わり、
オレは旅立っていた・・・・・・・地獄に向かって・・・・」
メルキア方面軍第24戦略機甲兵団特殊任務班X-1(通称レッドショルダー、以下RS)にキリコが赴任
するところから始まる本作は、ボトムズシリーズの時系列中最初のエピソードになります。

本編中でも度々話題に上った吸血部隊RSの実態が描かれた本作のテーマは、「異能の証明」
遺伝確率250億分の1、遺伝的に生存を保証された、死なない個体「異能生存体」は存在するのか?
果たしてキリコは、RS指揮官ヨラン・ペールゼン大佐の探し求めた死なない兵士なのか?
ちょっとPTSD気味のキリコに繰り返し襲いかかる様々な試練で、その不死性が実証されてゆきます。

カスタマイズされたRS仕様ATやリーマン機のパイルバンカー、「ブースタンドだぜ!」、RSマーチ等々、
相変わらずキリコ機と他のATの判別に苦労しつつ、ファンは喜んで「むせる」ことができるでしょう。
特に第3次サンサ攻略戦におけるリーマン少佐とキリコの「共喰い」は、これぞATバトル!
(易易と貫通する銃弾で、ATが撃破されるより前に、中の人が出血多量で意識混濁とか・・・
どれだけ装甲薄いんだよAT!)

時系列的に最初のエピソードなので、他のOVA作品群よりは比較的、初心者にも難易度低め。
OVAということもあり、本編より作画が向上していて現在の視聴にも何とか・・・・・・耐える!
「ボトムズ観てみたいけど作画古そうだし、いきなり52話もある本編はちょっと・・・・」という方が
60分でボトムズワールドにお触りしてみるのにちょうどいい作品かもしれません。

また、近年制作されたOVA「ペールゼンファイルズ」は時系列で本作直後のお話であり、
テーマ、ミリタリー色の濃いストーリー、女性キャラが登場しない(笑)等、共通項が多いので、
本作と合わせて1セットとしてご覧になるのもよいかと思います。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 8

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ボトムズ好きにすら賛否両論に割れた作品

 いろんな方書かれてると思いますが、この作品でペールゼンが何故キリコという男に執着してたのかが描かれてます。

死なない男

斬新すぎますw
まぁ昔のアニメでは死なない主人公なんて当たり前の時代で御座います。
イデオンとかダンバインは置いといて。
この話でも何故キリコは死なないのかは明確に答えが出ないまま、ペールゼンファイルに続く訳ですが・・・

無双の強さな訳でも無く、怪我もする。時には瀕死の重傷にも。
乗ってる機体が普通のロボット物みたいな主人公スペシャルな機体かというと、汎用品。乗り手の技量と乗り手自身がミッションディスクに構築した機体の動きのプログラムのみってのがボトムズ世界のルールです。
スペシャルな機体が出てきても、せいぜいヘビー級の新型ATの先行試作機程度のもんです。

でも死なないんだなw
目の前で拳銃打たれても、ATのコクピットに敵弾が貫通して跳ね回っても。
殺す気満々の人に首絞められても。

キリコが特別な人間だって事は、本編の終盤の流れから皆理解はしていたものの「死なない」って言われちゃうとね(汗)
ってのが、ボトムズ好きでも意見が割れた理由なんでしょうけどね。

私は受け入れました。だってボトムズの続き見たかったもん。
結果論ですが、これが有ったから赫奕たる異端もペールゼンファイルズも話が成り立つ訳ですしね。

という事で作品のレビューとしては何言ってんの?って感じですが、本編見てた世代なら必見、本編なんて古すぎて知らねぇよという方は見なくて正解です。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 2

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ラストカットのキリコがカッコ良すぎ

 時間軸的には、シリーズ史上最も古い時期を描いた作品のようです。キリコがレッドショルダーに在籍していたころのエピソードなので、戦闘シーンが盛りだくさんで大興奮でした。

 そもそも僕は、ガンダムシリーズ(というかロボットアニメ全般)における戦闘シーンには全く興味がありません。乱暴な事を言ってしまえば、戦闘中に有益な会話が無ければ早送りしても良いとさえ思っています。しかし、ボトムズでは不思議とそうは思いませんでした。

 特に今作では、ATが基本全て同じ規格なところが最高に燃えます。ヘルメットも同じなので、正直戦闘中は誰が誰なのかいまいちわかりませんでしたが(笑)、それこそがリアルな戦場でしょう。

 声優陣では、ペールゼン閣下がとにかくカッコ良すぎでした。大塚周夫さんのお声に魂が震えること間違いなしです!

 なんだか、ガンダム派からボトムズ派に乗り換えそうな勢いです。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 1

71.3 14 1998年度アニメランキング14位
トライガン [TRIGUN](TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (320)
2269人が棚に入れました
砂だらけの荒涼たる大地、容赦無く照りつける二重恒星からの日差し……ここは5つの月を従えた砂漠の星。人々は荒れた大地にしがみつき、血と汗で大地を湿らせながら細々と生きている。そのささやかな暮らしも、荒くれどもが銃をぶっ放して台無しにすることもある……ここはそんな世界。その過酷な世界に1人、赤いコートにトンガった金髪の、トラブルメーカーがいた。名をヴァッシュ・ザ・スタンピードという。彼は荒涼としたこの世界を放浪しながら、何かを探している。分かっているのは彼が凄腕のガンマンで、とてつもなくタフで、そして、筋金入りの平和主義者だということ。気のいい青年だが余りの傍迷惑ぶりに、付いた渾名が「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」。とうとう局地災害指定を受ける羽目になった彼には、保険会社からお目付け役が派遣される始末。しかし、彼には幾つもの秘密と、胸に秘めた決意があった。

Cat_See さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

最強の力で最弱の選択をトライするガンマンの話

満足度は適当につけています。
映画版を含めての感想です。

この作品の魅力は、
葛藤しながら生きるしかないというわがままな結論があるところ
だと思いました。

普通ならば、その人の考え方があるだろうと妥協するところを、
主人公は他の人にも強要し、どんな反論があれど一歩も引きません。

これは非常に身勝手に見えたり、かっこよかったり悪かったりと、
いろいろな見方があります。

なぜかっこよく見えるのか、悪く見えるのか、または
身勝手に見えるのか。

それは、主人公に葛藤が見えるからだと自分は思いました。

葛藤していてハッキリしないから、カッコ悪い。
葛藤してでも戦ってるのが、かっこいい。
葛藤してでも押し付けてるから、わがまま。
しかしそれは、どれも命を守るための葛藤。
その葛藤の先にあるものがどんなことでも、主人公は選択を迫られる。

という、銃を撃つ撃たないと兼ねたところも面白いと思いました(*´∀`*)

投稿 : 2024/07/20
♥ : 19
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

目をそらすなよ。 君の今までの人生が、 どんな人々の思いの上に成り立っていたものか、 知らずにいられるほど、愚かでもないだろう。

原作が未だ終了していなかった為、アニメに際してはオリジナル要素を含んだ結末で話を終了させていますが、出来はかなり良いです。今堀恒雄さんの手掛けるOPは重厚なサウンドが心地良い感じで響き渡っており、素晴らしいものに仕上がっています。今ではすっかりメジャーなアニメ脚本家の黒田洋介の初期の代表作品でもあります。ちなみにタイトルは主人公ヴァッシュの私が作中で最も好きな台詞から引用したものです。

{netabare}主人公のヴァッシュは『不殺』の信念を持っていて、どんな状況であろうと、どんなに相手が外道でも、彼は不殺を遵守して戦いに望みます。ヴァッシュ自身の戦闘力は非常に高いものの、この主義が災いして、結果的に大怪我を負ったり、相手に苦戦を強いられるなどのケースもありましたが、それでも彼はその事について後悔を口にすることはありません。普段のヴァッシュのキャラは非常に明るくて、女好きの軽いノリのお兄ちゃんなのですが、真面目な所はバシッと決めます。声を担当している小野坂さんのメリハリとした演技が、ヴァッシュの良さを更に引きだたせていたといっても過言ではありません。

ヴァッシュだけでなく、超がつくほど個性的なウルフウッドを初めとする魅力的なキャラクター達。ウルフウッドはヴァッシュをも凌ぐ人気を誇っており、特に巨大な十字架を思わせる外観の異様な武器『パニッシャー』はそれだけで戦艦級の破壊力を持ち合わせており、ヴァッシュとはまた違った量で圧倒する戦闘スタイルは非常に見栄えのするもので、格好良かったですね。ヴァッシュとは時々考え方の違いから対立する事もありましたが、ウルフウッド自身も軽いノリのあんちゃんという出で立ちなので、ヴァッシュとは『名コンビ』といっても差し支えない絡みを見せてくれました。ただ惜しむらくは原作・アニメ共に死亡してしまうのですが、原作の死に方が素晴らしかったので、当時はまだそこまで話が進んでおらず、死に方をオリジナル展開にしなければならなかったアニメでのウルフウッドのラストは見劣りしてしまうなというのが、少し残念です。

また当時はアニメの作画が今の様に綺麗でなかった為、ウリでもある戦闘シーンの『動』の迫力がいまいちな点があったのは否めません。その代わりといっては何ですが、1VS1のような『静』の迫力は場の空気を全面的に押し出す事で、緊迫感を高めるような工夫をしておりました。例えば登場人物の表情で場の雰囲気を一変させるような演出もしていたとかですね。その点に関しては良い仕事をしてくれた印象ですね。{/netabare}

投稿 : 2024/07/20
♥ : 19
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

極悪人を許す行為と殺す行為 どちらが正義か悩み葛藤する物語

この物語はガンアクションがありますが、とても温かい内容です。

主人公のヴァッシュ・ザ・スタンピードは、最強と噂される凄腕ガンマンです。
だが彼は平和主義者で、どんな時でも人を殺しません。

不殺の信念を貫く彼は、全身のいたるところに生傷が絶えません。
ときには激しい怒りを感じ、悔しい思いもします。
それでも彼は、自分の信念を捨てることはありません。

私だったら、こんなに体が傷つけられて悔しい思いをするのには耐えられません。
きっと不殺の信念を捨てるでしょう。

ところで、どんな極悪人でも決して殺さない彼の判断は、周りの人をも不幸にしていきます。
なぜならば、彼の行く先で、必ず彼に挑戦し名を上げようとするならず者が現れ、
そのあおりを受けて周りの人が傷ついたり死んだりするためです。

だから彼には「人間台風(ヒューマノイド・タイフーン)」というあだ名がつき、彼が通った場所は局地災害指定となります。
しかも彼には600億$$の賞金がかけられます。


ヴァッシュは、3人の仲間(?)と一緒に旅をします。
一人は小柄な女性のメリル・ストライフ。もう一人は大柄な女性のミリィ・トンプソン。
彼女ら二人は、保険協会の災害調査員です。ヴァッシュが事件に巻き込まれ「災害」が発生した際の査定をします。
もう一人は牧師のニコラス・D・ウルフウッドです。

みんなとても温かく、ヴァッシュは3人を信頼し、仲間だと思っています。
だがウルフウッドの本当の目的は、{netabare}ヴァッシュを葬ることでした。{/netabare}

ウルフウッドは牧師ですが、極悪人を平気で殺します。
そうすることで、多くの人を救える確信を、彼は持っています。
実際に、その判断のおかげで、ヴァッシュたちが救われたこともあります。
ウルフウッドの強烈な魅力に、私は圧倒されました。


ウルフウッドの信念とヴァッシュの信念とが異なるところが見ものです。
どちらが牧師なのか、疑ってしまいます(^_^;)

まだ見られていない人は、この物語を見て、おおいに心を葛藤させてください。
きっと心に残る物語となるでしょう。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 30

70.9 15 1998年度アニメランキング15位
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 Death and Rebirth(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.7 (518)
3743人が棚に入れました
西暦2015年。人類を襲う謎の兵器「使徒」に対抗するため、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンを完成させた特務機関ネルフは、14歳の少年少女達をパイロットにエヴァを実戦投入する。しかしその後ろでは同時に「人類補完計画」が進行していた……。95年10月よりTV放映され、大きな反響を呼んだアニメシリーズの劇場版。本作は多くの謎を残したまま終了したTV版の総集編と最終話という事だったが、制作が遅れに遅れ、その結末は本当の完結編、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)/Air/まごころを、君に」で描かれた。
ネタバレ

Tuna560 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

弦楽四重奏 JOHANN PACHELBEL Kanon/D-Dur

TV版のおさらい用の総集編です。
これ単体で観てもある程度把握は出来るけど、同じ場面でも語り手が変わっている箇所があるので、一度TV版を観てからの方をお勧めします。

碇シンジが渚カヲル=最後の使徒を殺す18か月前。
その日、シンジは長野県第2新東京市の中学校の講堂でチェロの調弦をしていた。弦楽四重奏の音合わせをやるためである。やがて他のメンバーが次々と顔を出す。
勝気な第2ヴァイオリンの少女、無口なヴィオラの少女、浮世離れな第1ヴァイオリンの少年―――
彼らはパッハベルの『カノン』を奏で出す。
シンジが迎えるであろう、苦悩に満ちた戦いの記録を曲に乗せて。

弦楽器の奏でる音楽と回想の内容にギャップがあり、不思議な感覚に陥ります。
普通の総集編と違い、単体でもとてもいい作品だと思います。


ここからは『エヴァQ』視聴後に再度視聴して気になった点を羅列していきます。
{netabare} カヲルとの対峙の「その18ヶ月前」、シンジは長野の中学校でチェロの練習を初めた。合奏するメンバーを待つためだ。他の3人は次々とやってきて、そろった所で合奏を開始する。

昔に観た時には気付かなかったが、下記の点が気になる。
1. 入ってきたメンバーはレイ、アスカ、カヲルなのか?
2. 何故この3人が18ヶ月も前に、シンジの故郷の学校で合奏をしているのか。

これは、上映当時の考察ではシト新生公開の1997年3月から18ヶ月前がテレビ版が放映開始した1995年10月にあたるという物で、「イメージ的なシーンと解釈すべき」と明言されている。

しかし、『Q』が公開された今、話は変わってくるんじゃないだろうか?

もしこの仲睦まじく楽器を演奏する4人がチルドレンなら、これ以上無いハッピーエンドの描写になるんじゃないだろうか?
「旧劇場版」との繋がりとは『シト新生』も含まれるのではないだろうか?

『新劇場版』ではシンジがチェロを弾く描写は無いため…繫がりとしては薄いですが、一つの考察として記します。{/netabare}
(11/20追記)

投稿 : 2024/07/20
♥ : 7

atsushi さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

未完成

TV版(21~24話はビデオフォーマットで)、から「Air/まごころを、君に」を見れば、コレは見る必要がない。
劇場の公開日は決まってたのに、制作が間に合わなかったので出来た総集編と、とりあえず出来たとこだけ繋げたやつ。

コレだけで何かが分かるわけでもなく、TV版を見ずにコレを見ても意味が分からないと思う。
どうしても見るなら、こちらではなくDEATH(TRUE)2の方を。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 0
ネタバレ

renton000 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

(前編)シンジはヘタレ?

あらすじは他の方のレビュー等をご参照ください。

 テレビ版の総集編に該当するのがこの『シト新生』ですね。ただ、見ればテレビ版の内容が分かるようなものではなく、テレビ版を見た人だけが分かる内容になっています。その点では、総集編としては特殊なものかもしれませんね。

 このレビューはもともと、旧劇場版のレビューとして書いていたものです。ですが、レビュー自体が思いのほか長くなってしまったので、導入部として書いた旧劇場版開始前までの内容、つまり、テレビ版第24話までの内容をここに分割掲載することにしました。(前編)となっているのはそのためです。(後編)が旧劇場版のレビューですね。
 ですから、このレビューでは『シト新生』を取り上げているわけではありません。テレビ版に掲載すべき内容なのかもしれませんが、あっちはあっちで別のことに使ってしまったので、そのしわ寄せとしてここを使っています。

 このレビューでは、ストーリーの細部までをフォーカスせずに、シンジが抱えるテーマだけを見ていきます。この(前編)では、「なぜシンジはあそこまでヘタレてしまったのか」というの明かすことを着地点にしています。ここを起点にして旧劇場版のレビューである(後編)に話をつなげます。


ざっくりした話から:{netabare}
 『エヴァ』がどんな話かをごく簡単に説明するのなら、「シンジの成長譚」ということになると思います。このテーマを全26話という長い期間を通じて描いていました。これを表現するためのツールとなっていたのが、「謎が解かれない謎解きロボットもの」というジャンルですね。

 で、このテーマとツールというのがどちらも曲者なんですよね。『エヴァ』は賛否両論ある作品ですが、テーマに連なる「シンジをどう見るか」で是非があって、ツールに連なる「謎解きや演出をどう見るか」で是非がある、というのが大まかな傾向なんだと思います。全く違う2つの事柄にそれぞれ賛否があるので、議論が拡散しちゃう。これが『エヴァ』を収拾のつかない作品にしている一つの要因なんだと思います。

 ただ、実際には賛否両論ではなくて、賛成多数だと思います。賛成派はわざわざ主張せず(サイレントマジョリティ)、反対派は大きな声を上げる(ノイジーマイノリティ)というのが世の常ですからね。賛否両論でバランスが取れているように見えたのなら、おそらく8割くらいが賛成派だと思います。各論反対であったとしてもね。

 私はツールの方も見るようには心掛けていますが、基本的にはテーマで作品の評価を決めています。もちろんテーマ自体に貴賤はないですから、その結論に至る論理性を見るってことですけどね。ですから、以下のレビューでは、「シンジの成長譚」としての論理性から『エヴァ』を見ていくことになります。謎解きに資するレビューにはならない、ということはあらかじめ断っておきますね。
{/netabare}

ストーリーの全体像:{netabare}
 ここはテレビ版で書いたレビューと大して変わりません。テーマだけで見ていきます。
 最終的な目標は、シンジの自立、「心の補完」です。この過程だけで24話も要しました。かなり丁寧にこれを積み上げています。そして結論で2話。非常にポジティブな形で終わります。シンジの自己実現の過程を見ていきます。

①とりあえずの居場所を確保する過程(第6話のヤシマ作戦まで)
 この世界に居場所のないシンジが、エヴァを取っ掛かりとして小さな自己実現をする過程です。勢いでパイロットになることを決めてしまったために、逃げては乗ってを繰り返します。目的意識がありませんから、日本中の電力を預かるという「周囲の期待」にも応えることができませんでした。これを乗り越えて、エヴァという初めての居場所ができました。

②とりあえずの居場所で成功体験を積み上げる過程(第7話から第16話の戦闘前まで)
 シンジが、エヴァによって勝利を積み重ね、他人に認められていく過程です。ゲンドウに認められることで、初めて自己実現欲求を自覚します。アスカとのキスがあるのもここですが、軸としてはあくまでもエヴァとゲンドウへの信頼です。シンジのエヴァに対する自信のピークは第16話の戦闘前ですね。第16話は「死に至る病、そして」の回です。

③とりあえずの居場所が崩壊し、自己喪失に陥る過程(第16話戦闘後から第24話まで)
 エヴァに乗って死にかけたという第16話、エヴァとゲンドウのせいでトウジを殺しかけたという第17・18話で、エヴァとゲンドウへの不信が高まります。カジのアドバイスで復帰しますが、その先に待っていたのは、エヴァに乗って自らの手でカヲルを殺してしまうという辛い結末でした。初めて得たエヴァという居場所が失われ、自己喪失に陥ります。これが第24話のあと、第25話の開始前の状況です。

④疑似的な自己実現ではなく、本質的な自己実現をする過程(第25・26話/旧劇場版)
 ①エヴァがないときはダメでした、②エヴァがあれば何とかなりました、③エヴァがあってもダメでした、から続くのがここ(④)です。シンジのダメさは、エヴァがあってもなくても同じだったんです。シンジが抱える問題は、周囲の環境にあるのではなく、シンジ個人にあるということ。
 最後の二話では、このシンジのダメな心を前向きに転換することと、環境のベースであるエヴァ(母親)とゲンドウ(父親)からの脱却が描かれました。そして、「おめでとう(自立)」となります。
 旧劇場版では、この後ろに「シンジとアスカ」というラストシーンが追加されました。それについては旧劇場版のレビューの最後で書きます。

 『エヴァ』のストーリーは、シンジにフォーカスすればシンプルな起承転結です。「①自信→②成長→③挫折→④再起」という形。でもこれがちょっと分かりづらい。『エヴァ』の問題点を一つだけ挙げるなら、「謎が解かれない謎解きロボットもの」というツールのせいで、テーマである「シンジの成長譚」が分かりづらいこと、だと思います。
 ですが、シンジの成長の過程で出てくる「エヴァがあってもなくても同じ」というのは、テーマに対するツールの立ち位置と同じですよね。ツールが面白いかどうかは作品の評価に大きく影響しますが、ツールだけだと中身のない作品だと非難されてしまいます。つまり、テーマあってのツール。テーマが読み難いのなら、ツールは無視してしまえばいいのです。
 次項からは、ツールを無視したときの『エヴァ』を見ていきます。
{/netabare}

ストーリーの具体化:{netabare}
 繰り返しになりますが、『エヴァ』は一人の少年の「①自信→②成長→③挫折→④再起」の話に過ぎないですよね。ここまでストーリーのプロットを単純化してしまえば、そこらにある少年マンガと何ら変わりません。
 ツールを無視してもテーマは読めるはずですから、『エヴァ』を別の形に具体化してみたいと思います。ここでは、野球マンガを例にします。野球のルールあんまり分からないけど…。①から④の記号はプロットに対応したものです。

①居場所の確保(ヤシマ作戦まで)
 自分に自信のない14歳の少年が、父親の勧めで野球を始めました。「どうして野球してんだろ」状態でしたが、ファインプレーがチームを救い、野球の楽しさを実感し始めました。チームにもなじめるようになりました。
②成功体験(勝利の積み重ね)
 試合での活躍が続き、晴れてエースになれました。「将来は野球選手になろう」と思えるほどになりました。
③-1 挫折(トウジ)
 調子に乗っていたら、チームメイトに怪我をさせ、彼の選手生命を奪ってしまいました。野球を辞めたくなりました。

 で、このあとに「再起」を描くのが通常の少年マンガのプロットですよね。
○少年マンガ的展開
 落ち込んでいたけど、励まされて「チームメイトの分まで頑張ろう」と思えるようになりました。そして大会優勝。

 でも、エヴァはちょっとだけ違うんです。挫折が二段階になっています。トウジの後にはカヲルがあるんです。
③-2 挫折(カヲル)
 落ち込んでいたけど、励まされて「チームメイトの分まで頑張ろう」と思えるようになりました。その矢先に、親友兼ライバルに死球を与えてしまい、命を奪ってしまってしまいました。

 つまり、「自信→成長→挫折→再起」の「挫折」部分はもうちょっと細分化されていて、「挫折→再起→挫折」で構成されているってことです。起承転結の転の部分が、一つの波ではなく、トウジとカヲルという二つの波で構成されているのが『エヴァ』の特徴ですね。そして、その二つの波の内容は、どちらも大きな挫折で共通しています。

 で、ここが第25・26話と旧劇場版のスタートですよね。そして、こんな感じにストーリーが展開します。
④-1「野球で生きていこうと思ってたんだ」「でも僕はもう野球やっちゃダメだ」「もう生きていけない」
④-2「野球だけがあなたの人生じゃないのよ」

 この野球の話って、エヴァと同じことやってるのに分かりやすいですよね(たぶん)。テーマを描くためのツールが野球だったら、「エヴァは分からん」なんて文句は出ていなかったと思います。
 エヴァって何?、使徒って何?、人類補完計画って何?、というツール自体の分かりづらさが、テーマをも分かりづらくしてるだけなんです。ツールばかりを見てるとテーマが分からなくなってしまうという好例ですよね。
 つまり、「謎が解かれない謎解きロボットもの」←大体こいつのせいなんですよ。ツールが分からないせいで、テーマへの共感が不十分になってしまう。ツールが気にならない人にとっては「分からないけど面白い」のに、ツールが気になる人にとっては「分からないからつまらない」という結論になっているんだと思います。

 次は、シンジが直面した「二つの大きな挫折」について考えていきます。
{/netabare}

テーマの一般化(二つの大きな挫折):{netabare}
 「なぜシンジはあそこまでヘタレてしまったのか」を解明するために、「大きな挫折とは何か」「それを二回繰り返すことにどんな意味があるのか」を探っていきます。今度は具体化ではなく一般化です。

 普通は挫折って、成長させるために描きますよね。成長のための必要悪として挫折がある。成長譚には、挫折は不可欠な要素なんです。その点では、小さな挫折も大きな挫折も変わりませんよね。
 でも、両者には明確な違いがあります。大きな挫折には「否定」と「喪失感」が付きまとうのです。

 野球でもエヴァでも、大きな挫折が起こると、まず「ツールの否定」が行われますよね。「野球をやりたくない」とか「エヴァに乗りたくない」とか。そして、そこで留まらないときに「自己否定」が起きてしまう。「野球をやってる自分はダメだ」とか「エヴァに乗ってる自分はダメだ」とか。「自己否定」をしてしまうから、自分の「存在意義」を見失うことになってしまい、「自分には何もない」という「喪失感」が出てきてしまうんです。「ツールの否定」が、巡り巡って「自己の喪失」として跳ね返ってくる。
 「そのツールが無ければ」「自分がそのツールを選ばなければ」「こんな思いはしなかったはずだ」という心の動き、つまり、ツール否定に自己否定が混じることが、自己喪失をもたらすのです。ツールに対する思い入れが大きいほど、「喪失感」も大きくなりますよね。「失敗しちゃった」程度の小さな挫折では、こんな「否定」や「喪失感」は生まれません。

 また、小さな挫折を繰り返すことと、大きな挫折を繰り返すことも全く違いますよね。
 小さな挫折の繰り返しは、ボトムアップとして人の成長を描くんです。乗り越えられることが前提としてあるから、いろいろな小さな挫折を乗り越えさせることで、人としての全体的な成長を描くことができる。
 でも、大きな挫折の繰り返しは違いますよね。乗り越えられるかどうかという瀬戸際に追い込んだ上で、更なる挫折で「絶望感」を与えるんです。こういう作品てあまり多くはありませんが、その代表格って『clannad』だと思います。{netabare}トモヤは愛妻のナギサを失っちゃうよね。この挫折で「自己喪失」に陥る。ナギサの分まで頑張ろうってなるけど、今度は愛娘のウシオを失ってしまう。トモヤがナギサという{/netabare}大きな挫折を通して成長できたとしても、同じような挫折が繰り返されると、更なる成長を考える前に「絶望感」を感じてしまうんです。主人公も、視聴者も。

 シンジが感じた挫折というのは、単なる「失敗しちゃった」程度のものではありませんよね。自分に存在意義を見出せない少年が、エヴァという存在意義を得た矢先に、そのせいで友人を失ってしまう。そんな大きな挫折なんです。このときの「エヴァの否定」と「自己否定」が、シンジに「喪失感」を与えてしまったのです。
 そして、その「喪失感」が、二度繰り返される「絶望感」なんです。「謎が解かれない謎解きロボットもの」のせいで読み難いけど、野球マンガや恋愛ものに具体化し、心情を一般化してしまえば、簡単に共感できると思います。

 次が(前編)の最後です。「シンジはヘタレなのか?」です。
{/netabare}

シンジはヘタレ?:{netabare}
 よく、シンジに対して「ヘタレ過ぎ」「ウザ過ぎ」という意見がありますけど、本当にそうでしょうか? 私にはすごく妥当な反応に思えるんですよ。ヘタレ「過ぎ」ではなく、「妥当な」ヘタレに見える。

 もし、14歳の私が将来の夢にしようと思えるほどに野球に打ち込んでいたとしても、チームメイトの選手生命を奪って、親友兼ライバルの命まで奪ってしまって、「それでも私は気にせず野球を続けよう!」なんて前向きに思えるのかなぁ、なんて考えてしまうんです。そんな友達に、「野球続けなよ!君には野球しかないよ!」なんて言えるかなぁ、と。
 きっと、私はヘタレてしまうし、励ます言葉もスラスラ出てこない。

 シンジがカヲルを殺すときに、なぜ葛藤しているのかを読めない人はいないと思います。カヲルが「使徒」というツールをまとっていても、「人類のために親友を殺せるか」という簡単なテーマだから読める。トウジのエピソードだって、単体で見たらシンジの心情は分かりますよね。テーマが読めてるときにはツールは邪魔にならないんです。

 シンジを否定的に見ている人がどれほどいるかは分かりませんが、シンジへの共感が不足しがちになってしまうのは、『エヴァ』がややこしいからなんです。全体を俯瞰しようにも26話もあってまとめ難いし、起承転結の転の部分が二段階構造になってるし、その中身は同じ大きな挫折が二回なんていう珍しいものになってる。
 それに加えて、ツールが「謎が解かれない謎解きロボットもの」だから、テーマへの理解を助けてくれない。挙句にこのツール自体が圧倒的に面白いから、テーマを忘れてのめり込んでしまう。
 結果としてシンジのヘタレている理由が未整理になってしまい、「なんだかよく分からないけど、ウザいから叩いとけ」となっているんだと思います。シンジの心情を読むのなら、まずは「謎が解かれない謎解きロボットもの」を無視した方がいいんです。テーマを読む時にツールが助けにならないのなら、ツールは無視した方が良いってことです。

 でも、万が一、心情を分かったうえで叩いているのなら、私にとってはちょっと恐ろしい。14歳の少年が、友人の選手生命を奪い、命まで奪い、その上で葛藤することを許さずに「さっさと野球しろよ」と言っているわけですよね。「俺なら野球続けるぜ」と。二度も愛する人を亡くした人に「さっさと次を見つけろよ」「俺なら次を見つけるぜ」と。これは私の理解の範疇を越えています。それゆえ恐ろしさを感じてしまう。
 そんな鋼の心を持った人なんていないと思いま…いるのかな? まさか私がヘタレ…?
{/netabare}

 というわけで、シンジはヘタレてるけどしょうがないよ編でした。
 続きは、旧劇場版のレビューになります。「三度目の挫折」「エンディング(シンジの救済)」「エンディング(シンジとアスカ)」の三本立てでお送りします。
 こんな長文に付き合わせた上でお願いするのも恐縮ですが、「三度目の挫折」だけはここの続きになっているので、できればそこまで読んでいただけると嬉しいです。エンディングは書かないとマズイかな、と思って書いただけなんで、実質おまけだから読まなくて大丈夫です。
 リンクは貼らないので、直接探しに行くか、私のレビュー歴からお願いしますね。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 3

69.8 16 1998年度アニメランキング16位
劇場版 新機動戦記ガンダムW[ウィング] ENDLESS WALTZ 特別編(アニメ映画)

1998年8月1日
★★★★☆ 3.8 (146)
1108人が棚に入れました
かつての戦いから1年。全ての武力を放棄して平和への道を進む世界に対し、トレーズ・クシュリナーダの実子を名乗る少女マリーメイアを頂く謎の軍が宣戦布告した。放棄された筈のMSリーオー他旧式戦力に新型MSサーペントを加えての武力侵攻と、平和の象徴でもあるリリーナ・ドーリアンの拉致というマリーメイア軍の暴挙に対抗すべくヒイロ・ユイとデュオ・マックスウェルは行動を開始する。しかしその前に立ちはだかったのはマリーメイアの軍門に下ったトロワ・バートン、そしてガンダムパイロットの中でただ1人ガンダムを手放していなかった張 五飛だった。一方特務機関プリベンターを組織して、亡きトレーズの意思を継ぎ地球圏の平和維持に当たっていたレディ・アンはルクレツィア・ノインやサリィ・ポォと共に事態の収拾を図るが、対応に追われていたレディ・アンの前に「火消しの風・ウインド」を名乗るゼクス・マーキスが現れ、プリベンターとして活動する権限と封印されたトールギスIIIを貸し与える様に願い出た。そして廃棄される筈だった4機のガンダムは、カトル・ラバーバ・ウィナーの手によって再び地球圏へと舞い戻る。

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「俺達は後何人殺せばいい?」

TV版続編


~感想~
OVAのリメイク・追加シーンという事で
劇場版の方を視聴することにしました
TV版の続きということだけでも魅力的ですが
ガンダムシリーズの中では珍しく戦後を描いている作品

本作は兵士の思いを代弁していました
世界が平和になれば戦場でしか生きられないこと
戦っていけない自分達の居場所が無くなること
そのことへの強者としての自分が失われることへの不安
しかし命を奪い続けねばならないことへの苦しみと
終わらない戦いからの解放を望む葛藤がありました
兵士は本当に戦場以外では生きていけないのか?
その答えは本作できちんと描かれていました

気になったことと言えば
主人公達の機体のデザインが一新されてたことです
TVで戦争が終わりそれから機体を…ってことになりますよね?
本編で戦争が終わったのにそんなことしていたんだね
なんて思ったりしました
とは言え機体はよくなっていたと思います

最後に機体を破壊してしまうシーンには寂しさを感じました

投稿 : 2024/07/20
♥ : 6

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

特別編と通常版どちらを見るべきかについては、断然、特別編

ガンダムWの劇場版。OVA作品Endless Waltzの再編集版となっています。
劇場版ガンダムには再編集版というパターンが多いですが、本作は元が全3話のOVAで本作が90分の作品になっているため、再編集である特別版のほうが長く、通常版をそのまま繋いで新作カットを追加したものになっています。
そのため、重要なシーンのカット、ナレーションでごまかす、そもそも完結していないなどはなく、過去の劇場版ガンダムを比較し満足度の高い作品になっています。
もちろんガンダムW本編を前提知識として見ている必要はありますが、本作できれいに完結となっています。

ストーリー、感想は通常版と同じなので、そちらを参照で。

特別編と通常版どちらを見るべきかについては、断然、特別編です。
特別版には戦闘シーンを中心に新作カットの追加や主題歌の変更、つなぎの修正などが行われていますが、それ以上に通常版には登場しないドロシー・カタロニアのシーンが追加されています。
戦闘シーンの新作カットなどは正直、見比べないとわからないくらいなのですが、特別版で追加されたドロシー・カタロニアが民衆を鼓舞するシーンと、「私の知っている男は、墓の下か、あそこにしかいないわ!」というセリフはガンダムWを象徴する場面の一つと思っているので、通常版だと、個人的にはちゃんと見たことにならないレベルと思います。

ドロシーのシーンはなくても話は通じるので、ドロシーの眉毛がむかつくという方については通常版であってもストーリー的に問題はないのですが、そうでない限りは、特別版をおすすめします。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 1

E4GLS さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

平和とは何か、簡潔明瞭にまとめられている

本作はOVA版に新作カットが加えられ、挿入歌が変更になったものです。内容はほとんど変わりませんが、個人的にはこちらがお勧めです。以下、内容です。

ガンダムW本編から1年後、地球で起こった騒乱を描いた物語です。

ガンダムWの完結編として質の高い作品だと思います。
若きガンダムのパイロットやゼクス・マーキスが戦後の騒乱で何を想い戦うのか納得できる形で描かれていました。

ガンダムW本編は突っ込みどころが多い作品でしたが、本作においてはそのようなこともなく短時間でうまくまとめられているのが非常に好印象でした。

作画と音楽も作品の盛り上げに貢献しています。Wガンダムゼロのデザインが本編と大きく異なるのは賛否ありそうですが、個人的には本編から続くガンダムの切ない役割を象徴するデザインとして肯定的に捉えています。

戦争、平和、革命の終わらないワルツが続くというマリーメイアにヒイロ達が何を提示するのか。本編を視聴された方には是非こちらも観てみて欲しいと思います。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 2

69.8 16 1998年度アニメランキング16位
クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(アニメ映画)

1998年4月18日
★★★★☆ 3.8 (167)
964人が棚に入れました
悪の組織"ブタのヒヅメ"が、新たなコンピューター・ウィルスを作り出した。それを知った正義の組織"SML"の女スパイは"ブタのヒズメ"からパスワードが入ったトランクを盗み出し、お台場へと逃げる。ちょうどその頃、屋形船では、ふたば幼稚園の先生と園児たちが、宴会を繰り広げていた。そこに女スパイが逃げ込んできて…。
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第6作。
1998年公開。


【前置き】

原恵一さん、脚本&監督作品の第2弾。

本作のタイトルでピンとくる方も多いかもしれませんが、この第6作目は、しんちゃんが描いた空想上のキャラクター

『ぶりぶりざえもん』

が主軸となった映画です。
そのシナリオもさることながら、シリアスな銃撃戦や迫真のアクションシーンも展開し、本作を劇場版一と押す方も多いとか、そうでないとか。

私は当時、友人と映画館へ見に行きましたが、そのまま3回も続けて見てしまった程でした。
(昔の映画館は、席指定もないし一度入れば何度でも見れたんですよね………。
 じゃなかったっけ……(・_・;))

久しぶりに見返すと、少~~し涙がちょちょ切れちゃいました。



【あらすじ】

『ブタのヒヅメ』と呼ばれる悪の秘密結社と、正義の組織『SML』との戦いがメインとして描かれます。

ブタのヒヅメが開発する電子生命体の奪取に成功した、SMLのメンバーの「お色気」(←コードネーム)が、

しんちゃん達ふたば幼稚園の皆が乗っていた屋形船に偶然に乗り込んだことから、しんちゃん達『かすかべ防衛隊』は、その戦いに巻き込まれていくのです。



【論じてみる】
{netabare}
まず、「かすかべ防衛隊」(風間君、ネネちゃん、マサオ君、ボーちゃん)が、メインストーリーに終始関わる作品は、本作が初めてですね。
この頃にもなると、本編で「人形を殴るネネちゃん」「実は知的なボーちゃん」等の個々キャラが完全に確立されていたので、映画でも見ていて楽しかったです。

それに途中、5人が荒野で野宿するシーンがあるのですが、しんちゃんの存在が図らずも皆に勇気を与える演出も生まれました。

「いやぁ~、それほどでも~。」

という、しんちゃんのいつもの台詞。
いつもは、「褒めてない!!」と返されるお約束のパターンですが、その時だけは風間君が静かに

「褒めてやるよ…。」

と言うシーンが、とても印象的でした。

最後の状況でも、皆がしんちゃんを必死に敵から守ろうとしたり、今作は家族愛に加えて「友情」も色濃く描かれていましたね。
これは、後の名作「カスカベボーイズ」の片鱗を見たような気がしました。



しかし、おなじみの魅力溢れるオリジナルキャラは、今作でも負けてはいません。

SML(←正義の、味方、ラブ、の略称www)のメンバー、コードネーム「筋肉」と、コードネーム「お色気」のバツイチお姉さん。

特に「お色気」お姉さんの、細身ながらの豪快なアクションシーンはメチャクチャに格好良かったですね。
夫婦喧嘩で鍛えたと自称するその強さもさることながら、しんちゃん達と同じぐらいの年の息子がいることもあり、子供達への優しさも人一倍なのも魅力です。

だからこそ余計に、彼女が暴力をふるわれ鼻血を垂らす中盤のシーンは、見るに耐えなかったですね。
作中最強の敵「ママ」に関しては、悪者ながらどこか憎めない敵キャラという、シリーズの定番を少々覆しかねない程でした。
その分、最後の勝利が気持ち良いのですけど。


「筋肉」さんも、声が玄田哲章さん(アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替え役でも有名ですね)なので、このテロ組織に立ち向かうゴリマッチョなキャラクターが非常に合っています。
渋いだけでなくどこか抜けていて、ボケ担当もしっかりこなしてくれますしね。

特に笑ったのは、「お色気」お姉さんと巻き込まれたしんちゃん達を助ける為、みさえとひろしに身なりが分かる写真提供を求めて現れる冒頭のシーン。
頑なに同行を断る「筋肉」さんは、みさえの策にハマり、
『一週間のお便秘もたちまち治る便秘薬を10倍』
飲まされ、同行を賭けた壮絶なトイレ争奪戦へと誘われるのです。

ここのシーンは、第5作でも好評だった濃い絵のタッチが再度採用され、これまた見応えが抜群です。

「馬鹿めっ! 正義の味方がクソなぞ漏らすか~~~っ!!!!」

アーノルド・シュワルツェネッガーが言っているように想像してしまうと、余計に面白かったですね。
{/netabare}



【救いのヒーロー、ぶりぶりざえもん】
{netabare}
ただ、そんな魅力的なオリジナルキャラクターも、後半から登場する『ぶりぶりざえもん』に、全て食われてしまった感はありますね。
こればかりは、ハッキリ言って相手が悪いです。

元々はしんちゃんが創りあげた空想上のキャラクターですが、その絵を偶然見て閃いた博士が電子生命体として作り上げたのが、本作に登場するぶりぶりざえもんです。

故にこのぶりぶりざえもんは、しんちゃんのことなぞ知らずブタのヒヅメの教育により、世界に恐怖を振りまく存在と自分を認識しているのです。

ただ、あの性格はそのままなので、その下品さはしんちゃんと同率1位。


『本当にすまないと思っているなら、私の尻を舐めろ。』


などは、しんちゃんすら超えた下品極まりない発言だとさえ感じましたね。

「死ぬまでに、一度で良いから言ってみたい台詞」リストに、私はコレを入れています。



終盤、ぶりぶりざえもんを宇宙衛生に侵入させ、核ミサイルを発射させようと企むブタのヒヅメのリーダーの策略に、しんちゃんはこう言います。

「違うよ ぶりぶりざえもん。

 オマエはオラの友達で、救いのヒーローなんだよ。」

その言葉に、ぶりぶりざえもんは初めて他者に心を動かされ、しんちゃんが作った「ぶりぶりざえもんの冒険」という本の内容に、耳を貸すのでした。

その内容は、「人に感謝されることの大切さと喜び」を学び、彼が救いのヒーローへと変貌していく様が描かれたもので、彼にとって…今の自分とは真逆の人物像でした。


最後に、博士がワクチンソフトを使ったことで消え去るぶりぶりざえもんが、こう言います。

「しんのすけ、ホントは私のチ○チ○の方が大きかったよな!」

必至に否定するしんちゃんに対し、

「バカっ!! こういう時は嘘でも「うん」と言うものだ。

 …………じゃあな。」

キラキラと輝きながら身体が徐々に消えていく、ぶりぶりざえもん。
消え去る間際まで繰り広げられた、しんちゃんとの下品ながらも「彼ららしい」やりとり…。

BGMと演出も感動的で、ここは劇場版シリーズ内でも個人的にベスト5に入る涙腺崩壊シーンでした。
一瞬だけ、しんちゃんの頬を伝う雫の演出もたまりません。


そんなぶりぶりざえもんはクライマックスにもう一度、今度は救いのヒーローとして参上し皆を救い、爆炎の中に姿を消すのでした。
それを認知出来たのは、しんちゃんただ一人……。

カッコ良過ぎるでしょ、コレは……。。。。
{/netabare}



【総評】

シナリオにも大きな破綻は無く、スケールの大きなアクションと感動が込められた快作となっております。
主題歌を担当したSHAZNAの曲も格好良くて印象強いですしね。(これまた、実際に出演もされてます。)

ただ冒頭で、スパイとして敵陣に入り抜け出す「お色気」お姉さんのシーンや、
攫われたしんちゃんの安否を心配するみさえが、自暴自棄に泣きじゃくるシーンなど、
およそクレヨンしんちゃんらしくない演出も多々。

目を覆いたくなる暴力シーンがあったり、作中で登場する銃器も全て実在のもので出方や装弾数まで細かく考証されている点などを考えても、「100%子供向けを意識して作った」とは、とても言えない内容でしょうね。(苦笑)


それでも本作が、世代関係無く楽しめる作品になったことは間違い無いと思っています。
何より、本編の中でも圧倒的人気を誇る『ぶりぶりざえもん』をメインとした劇場版が、本作なのですから。

休日の夜長に、お気が向きましたら是非。

ではでは、読んでいただきありがとうございました。


次回作は、第7作「爆発!温泉わくわく大決戦」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ぶりぶりざえもん』声 - 塩沢兼人さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『お色気』声 - 三石琴乃さん



ここから、「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、『故 塩沢兼人さん』について語ります。
本筋とは少しズレますので、興味の無い方はスルーして下さい。
{netabare}

さて、この「ぶりぶりざえもん」の声を御担当された、塩沢兼人さん。
「ガンダムシリーズ」を始めとして、以降も多数の個性派キャラクターを演じ、洋画の吹き替えでも活躍。

当時から実力も知名度も抜群の方でしたが、46歳という若さで転落事故により他界されました。


私は、この「ぶりぶりざえもん」というキャラクターは、この方が演じたからこそ、これほど人気のあるキャラクターになったと断言出来ます。

二枚目で気品溢れる声から、殴られて情けない声の高低差。
その声の臨場感は、他の声優さんの中でも群を抜いていました。

当時の私は、そのキャラクターにばかり目が行き声優さんの存在なぞ考えもしませんでしたが、一緒に本作を見ていた父親がこの声を絶賛していたのは、今も鮮明に憶えています。


業界内部でもこの方の存在感は圧倒的だったようで、事実この方が演じられたキャラクターは、原作者や制作スタッフの意向により以降そのキャラクターを再登場させなかったり、登場しても喋らせない作品も出た程です。

実際に、この「ぶりぶりざえもん」も以降、登場しても喋らないキャラクターとなりました。

「このキャラクターの声は、塩沢兼人さんでしか絶対に成立しない!」

というのが、原作者やスタッフの総意だったからだそうですね。

作中でも群を抜いた人気キャラクターが声を発しないというのは、作品に多大なダメージを与えることは必至。
当時スペシャル版では、きまって「ぶりぶりざえもん」が登場して、その渋さと寝返りと情けなさで、一番の笑いを掻っ攫っていましたから。

それでも、彼の後でこの「ぶりぶりざえもん」を演じられる方なんて、誰も存在しないのですから仕方ないのでしょう…。

今も公式のファンクラブが存在して、実際に今でも掲示板でやりとりがされています。
第2作の紗ゆりさんの時にも述べましたが、声優さんが亡くなられても、演じられたキャラクターはファンの中で一生生き続けるということが、見ていて伝わりました。


ただの1ファンの私ですが、それでも…なんか文章を作っていて少し涙が出てきました……。

塩沢さんが演じられたキャラクター「ぶりぶりざえもん」が、今でも私はクレヨンしんちゃんの中で一番好きです。

感謝の気持ちを込めて、ありがとうございました。
{/netabare}

投稿 : 2024/07/20
♥ : 23

★ほのぽん★ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

笑いあり感動あり、バランスが取れていてよかった!

しんのすけが生死不明の報を受けたひろしとみさえ。

二人の悲しむ様子から

普段はしんのすけの奇行に手を焼いていても、

二人がしんのすけをいかに大事に思っているかが

よく分かり開始すぐに涙腺が緩くなりました。

「オトナ帝国」ではひろしが主人公かと思わすような

活躍ぶりでしたが、

今作ではひろしではなくみさえの格好良さが

際立っていました。

普段はしんのすけと一緒におバカをしているみさえが

しんのすけを追って海外まで追いかける行動力や発言は

惚れ惚れとします。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 4

青陽 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クレしん映画の中で1番観たかも

シークレットシューズのくだりや、銃撃をコサックダンスで避けるしんちゃん。笑いどころいっぱいです。
その中でも下剤を盛られ→トイレまでの攻防戦はめっちゃ笑いました。なんだよ、その劇画タッチ!迫力がwww

観たのは遥か前だけど、ラストシーンは今でも覚えています。
まさかあんなふざけたヤツにほろりとさせられるとは。
それにしても、ぶりぶりざえもんの声優さんがデビモンと一緒なのは後で知って衝撃でした。声優って凄い…。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 2

69.4 18 1998年度アニメランキング18位
名探偵コナン 14番目の標的[ターゲット](アニメ映画)

1998年4月18日
★★★★☆ 3.7 (282)
1897人が棚に入れました
目暮警部がボウガンの矢で撃たれる事件が起こった。蘭の母・妃英理、阿笠博士も相次いで命を狙われる。その犯行現場には、なぜかトランプが残されていた。このトランプの意味するものは一体!?コナンは持ち前の推理力で被害者の名前とトランプのある関係に気付く。
ネタバレ

青陽 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

目暮警部のフルネームが明らかとなった記念すべき作品!

たしか映画が初出ですよね?
ってかこのストーリーの為に名前決まったんじゃ…?
{netabare} ぜひ親に会って由来を聞きたい、大家族じゃないだろうし十三って{/netabare}

コナン達の周りで名前に1〜13が含まれる人がどんどん襲われていきます。

ビデオに録画してあったので何度も観ましたが、記憶に残ってるのは{netabare} コナンのヘリ操縦→校庭に着陸ですね。
ハワイで親父に習った、と言えばコナンくんのスキルは無限に広がっていきそうです。優作さんは本当に素晴らしい教育家です!

あと数々の犯行は詳しく覚えてないけど、犯人が最後に人口呼吸で人を殺そうとしてたのは記憶に残ってます。きちんと手順を守ってやらないと命を奪いかねないのだなと勉強になりました。

そして、そんな連続殺人を行ってきた犯人の犯行動機が
馬鹿にされソムリエとしてのプライドが傷ついたから。

…ベジータ並みのプライドの高さです。
僕はプライドというものがあまり無いので、この人は行き過ぎだけど少しは見習わないといけないなと感じました。
{/netabare}

投稿 : 2024/07/20
♥ : 6
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

平均的面白さ

劇場版名探偵コナン二作目の本作は前作に比較してよりスリリングな展開が楽しめる。
また、蘭の記憶の底に眠る毛利小五郎と妃英里の過去に纏わる話の伏線も上手く張り、後半の回収も良かった。


以降の「ネタバレ」はWikiから引っ張ってきたあらすじです。
読みたい人は読んでください。核心には触れていません。
{netabare}
湖のほとりで、母の妃英理を見つける毛利蘭。思わず駆け寄ろうとする蘭だが、英理は大声で蘭を止める。どこからともなく銃声が聞こえたかと思うと、英理が地面に倒れこんでしまう。そんな夢の中から焦るように抜け出した蘭は不安になり、英理に電話をかける。それを笑う英理だが、蘭が「夢で見た母は今より少し若く見えた」ということを伝えると、なぜか英理は表情を曇らせる。

一方、江戸川コナンは少年探偵団と共に航空博物館に向かうことになり、阿笠博士を待つ間、歩美は占いのゲーム機でコナンとの恋を占うが、表示された結果は「Aの予感」。古い隠語で"A"はキスを意味する。

1週間後、公園をジョギングしていた目暮警部が何者かにボウガンで狙撃される事件が起こった。現場には西洋の短剣らしきものが残されていた。その後、今度は英理がチョコレートを食べた途端に苦しみだし倒れるが、すぐに胃の洗浄をしたため命に別状はなかった。そして今度は事務所の郵便受けに紙製の花が入っていた。阿笠博士の家で、今回の事件について考えるコナンだが、突然、玄関のガラスが割れ、外を見に行った阿笠博士はバイクに乗った何者かにボウガンで狙撃される。コナンは犯人を追うが寸前のところで逃げられてしまい、現場からは剣のようなものが発見された。

コナンは、数々の遺留品がトランプの絵札に関連していること、その犯行がコナンや小五郎に関連した人物を狙ってることを突き止める。一方で目暮警部も、犯人は仮出所したばかりの村上丈であることを突き止めていた。帰りの車中、コナンと蘭は白鳥刑事から、村上丈を取り調べた際にトラブルが起きて、小五郎が英理を拳銃で打ったという事実を語られる。

目暮警部は、「十」のつく辻弘樹に事件のことを知らせ忠告するが、辻はヘリコプターのフライトをやめようとしない。小五郎と目暮警部も同乗することを条件にフライトに許可を出し、コナンも潜入に成功する。その後、米花町上空を飛行中に、辻が目の不調を訴え墜落の危機を迎えるが、コナンの助けを借りて不時着を決行し惨事を免れた。

次に狙われるのは「八」のつく人物ということで、沢木公平を尋ねたコナン一行。沢木はこれから海洋娯楽施設「アクアクリスタル」に行くのだと語り、コナンたちはそこで「九」のつく旭勝義の名前を目にする。そして、コナンたちも「アクアクリスタル」に向かうことになり、そこで同じく招待されていた、小山内奈々、仁科稔、宍戸永明、ピーター・フォードと会することになる。しかし、彼らもまた名前に数字を持っていたのであった。
{/netabare}

本作は登場人物の名前になぞらえて、次々と襲撃事件が起こる。他作とはまた違った緊張感があり、また、小五郎と絵里の過去についての話もあり、中々良い出来だった。

{netabare}
残念なのは、いよいよクライマックスというところでの、
犯人の無理やりな殺人計画。いままでの綿密な1人1人殺していくような殺人に比べて、残りを一挙に始末してしまうような投げやり感があった。また動機が不純で、1人殺す為に何人殺すつもりなのかとも思った。
{/netabare}
主題歌も割と好みで、何度も見返せる作品だと思う。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 7

scandalsho さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

動機と事件のギャップが・・・

今や国民的アニメの名探偵コナンの劇場版第2作目。

冒頭の蘭ちゃんの夢から始まって、小五郎と妃英里の過去、そしてラストシーンへとつながる展開は良かった。
まさに伏線回収のお手本のような見事さだと思いました。

コナンを見ていて度々残念に思うのは、犯行の動機です。
今回もひどい動機だと思いました。
そして、動機と起こした事件の大きさのギャップが半端無い。
まあ、事件を解決する物語なんだから、犯人の動機はどうでも良いのかも知れませんが・・・。

あと、ハワイで新一にヘリコプターの操縦を教えていた父・勇作、グッジョブです。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 13

69.4 18 1998年度アニメランキング18位
新世紀エヴァンゲリオン劇場版 DEATH(TRUE)2/Air/まごころを、君に(アニメ映画)

1998年3月7日
★★★★☆ 3.9 (83)
917人が棚に入れました
一部の若者層に圧倒的な支持を得た話題のTVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」。97年春に公開されたその劇場版「シト新生」に続く劇場版の完結編。 アスカが乗った弐号機と量産型エヴァとの戦い、人類補完計画の行方、 そして、シンジの心の旅路の終着地点はいったいどこなのだろうか。全てのファンが待ち望んだ物語の結末が、ついに明かされる。

声優・キャラクター
緒方恵美、三石琴乃、林原めぐみ、宮村優子、石田彰、山口由里子、立木文彦、清川元夢、山寺宏一、関智一、岩永哲哉、優希比呂、長沢美樹、子安武人

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

人と人の繋がりこそが「人間らしさ」を決める。

「平成」が終わって、「令和」になりましたが、「平成」を物語る上ではこれ以上のアニメはないと思うくらい平成の総括的なアニメ映画だと思います。

これはアニメ業界にとってもはや「事件」と言える内容だとも言えます。

その前にも富野喜幸の劇場版「伝説巨人イデオン」の接触篇発動篇や、宮崎駿の「風の谷のナウシカ」などの「事件」はありますが、ここまで「時代」とシンクロし、当時から今の時代に続く(「進撃の巨人」や「デスノート」などの)社会不安をそのまま映画化できたのは奇跡だと言えるでしょう。

アニメーション表現の限界だとも言える本作は、日本にしかできない独特のエロティシズムや倫理観や人間観が最大の特徴でしょう。

未だに、「日本映画」として凄いことを庵野監督は行ったと思います。

新海誠さんや、細田守さんや湯浅政明さんなども凄いアニメ映画監督だとは思いますが、衝撃的でセンシティブな表現ではないんですよね。

先の監督にはどこか「安全圏」から映画を作っているのです。

しかし、庵野監督や宮崎駿監督にはそれ以上の「本気さ」が見えるのです。
まるで観客とガチンコで喧嘩をしているような真剣さがあるような気がします。

未だにこれを越える衝撃的なアニメ映画には出合っていません。無論、こういったものを作ろうとする映画監督にも会ったことありません。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 6
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

25話26話=まごころを、君に=シンエヴァでしょう。

 意味不明と言われていたエヴァンゲリオンTVシリーズの25話、26話のやり直しのAIRと26話で出た予告編「まごころを、君に」の実現ですね。DEATH2は総集編ですので省きます。

 綾波、アスカ、ミサトがどういう存在だったかを説明するのが目的だった気がします。途中で5人の女性に感謝とクレジットがあります。現実の女性のことなのか、作中の女性なのか。この3人にリツコを加えて、後1人は誰でしょう?母=エヴァ?マヤ?

 以下勝手に私が女性たちについての意味を解釈しました。

{netabare} 綾波は簡単に言うと虚構の恋人=アニオタの嫁としての萌えキャラです。巨大化した綾波に女性器のメタファの割れ目ができるのが露骨ですし、作られた存在=クローンでした。性格も記憶も作られていましたし。同時に母でもあるところが結構いじわるです。
 世界が綾波によってのみ込まれる=内面が萌えキャラの妄想に浸食されるということでしょう。

 アスカは現実の女性です。だから当たりはきついです。首を絞めたくなるほどです。それにせっかく相手から心を通わせようと近づいてきても、性的な目でしか見れないです。自分の邪な心をしっているので距離感がつかめません。余裕もありません。
 だから、冒頭でオカズにしてしまいます。最後、首を絞める=犯すのメタファだと思いますが未遂に終わって泣いてしまいます。そこで「気持ち悪い」ですから、救われません。
(それとも本当に殺したかった?現実の女性など死んでしまえと?そっちでも取れますね。ただ、キモオタシンジが勝てるわけもなく…)

 ミサトはセックスを知っている大人の女性です。普段はバリバリ仕事をこなし、少年の憧れで指導者ですが、性に溺れている姿など見せません。女性の性的な現実を知って少年は落ち込むでしょう。

 この3人の女性は少年から見た性の対象の3形態です。虚構の恋人である綾波レイは消えてなくなります。そして本来男女の関係としての接点など持ちようがないミサトも死んでしまいます。この中で恋愛対象とすべきはアスカだったわけですが、結局シンジはエヴァにすら乗れずアスカを見殺しにしてしまいます。

 最後の実写パート。そして、キモオタたちが映画を見ている姿、エヴァの登場人物のコスプレをした少女を見せつけられます。そろそろ現実に戻りましょうかという意味でしょう。{/netabare}

 リツコは父の愛人ですから、彼女もある意味女性の性の形ですね。ですが、少年の性愛の対象とは対極にいます。
 カヲル君ですが、エア友達でいいんでしょうか。または良心?
 量産型エヴァが綾波に変わりますよね。そしてそこに性的なメタファとして槍がささるわけです。これは2次創作?グロテスクなのは歪んだ性欲を表していた?

 で、感想ですが、非常に面白いです。TVの2526話が比較にならないのはもちろんですが、ストーリーがある分シンエヴァよりも格段に面白いです。アニメ絵としては最高のクオリティで、ストーリーも構図も演出もセリフもテンポも最高でした。

 内容はシンエヴァとほぼ同じですね。かつ、試しに25話26話も見ましたが、これも同じですね。後になるほどどんどんわかりやすくなっています。
 なお、シンエヴァではアスカの立ち位置が微妙に変わっていますね。アスカも萌えサイドに移っていました。だから、アスカは苗字が変わってマリが必要だったのでしょう。あとは現実の女性の象徴は北上というギャル隊員がいましたね。
 
 面白かったですが、また最後のところが寸劇になってしまいました。現実へと視聴者を誘導する手法が思いつかなかったんでしょう。ですが、TV版よりはるかにストーリーになっていたし、理解しやすかったでです。
「まごころを、君に」の読点ですが、「君に」を強調したかったのでしょう。つまり見ている我々にメタ的に言いたい事がある、という言いではないでしょうか。

 
 結局25年もかかって、現実に戻れを繰り返し言っていたわけです。で、SSSSグリッドマンの最後を見てみると感慨深いものがあるかもしれません。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 10

69.0 20 1998年度アニメランキング20位
銀河英雄伝説外伝/千億の星、千億の光(OVA)

1998年10月21日
★★★★☆ 3.8 (17)
134人が棚に入れました
遠い未来、銀河を舞台に描かれる英雄たちの壮大な叙事詩。田中芳樹原作のSF大河ロマンを忠実に再現したOVA「銀河英雄伝説」外伝の第2弾。帝国暦485年3月、ヴァンフリート星域において帝国、同盟両軍が対峙していた。初陣の功績で准将となっていたラインハルトだが、諸般の理由から戦闘に出ることも功績を挙げることもできず、鬱屈した毎日を送っていた。上官への進言も無視され、膠着状態の戦況と対面したまま何もできずにいるラインハルトは、戦績をあげることのできない現状に苛立ちを強めていったが……。制作は『藤子・F・不二雄のSFシアター』『うる星やつら 完結編』などを手がけたマジックバスが担当。

りおんぱん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

「千億の星、ひとつの野心」

ヴァンフリート星域において帝国、同盟両軍が対峙していた
初陣の功績で准将となっていたラインハルトだが
諸般の理由から戦闘に出ることも功績を挙げることもできず
鬱屈した毎日を送っていた
上官への進言も無視され
膠着状態の戦況と対面したまま何もできずにいるラインハルトは
戦績をあげることのできない現状に苛立ちを強めていったが…。


原作未読 外伝1期 全24話
・白銀の谷 全4話
・朝の夢、夜の歌 全4話
・汚名 全4話
・『千億の星、千億の光 全12話』

時系列
「螺旋迷宮」
「白銀の谷」
「叛乱者」
「決闘者」
「奪還者」
「朝の夢、夜の歌」
「千億の星、千億の光」
「第三次ティアマト会戦」
「汚名」

投稿 : 2024/07/20
♥ : 5

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

男たちの野望が・・・銀河を駆ける

銀河英雄伝説の視聴にあたって
(視聴とレビューの方針を1作目の「螺旋迷宮」に代表して記載しています)
https://www.anikore.jp/review/1475830/

【銀河英雄伝説の時系列】
 (1) 「螺旋迷宮」
 (2) 「白銀の谷」
 (3) 「叛乱者」(宇宙暦791年/帝国暦482年8月〜)
 (4) 「決闘者」(宇宙暦792年/帝国暦483年1月〜)
 (5) 「黄金の翼」
 (6) 「奪還者」(宇宙暦792年/帝国暦483年12月〜)
 (7) 「朝の夢、夜の歌」
⇒(8) 「千億の星、千億の光」
 (9) 「第三次ティアマト会戦」
 (10)「わが征くは星の大海」
 (11)「汚名」
 本編 第1話「永遠の夜の中で」
 ※ 「新たなる戦いの序曲」

この物語では、2度に渡って帝国軍と自由惑星同盟とが激突します。
ヴァンフリート星域での会戦と、第6次イゼルローン攻防戦です。
物語は、主にラインハルト側帝国軍の視点で描かれており、所々で自由惑星同盟が登場する・・・という形で描かれています。
勿論、ヤンも登場します^^

でも、この物語がこれまでと大きく異なるのは、ラインハルトとキルヒアイスばかりではなく、ラインハルトをライバル視する帝国軍周辺の存在にも、きちんと焦点が当てられて描かれている事です。
その存在はリューネブルグ准将・・・ラインハルトの物語の中に大きく彼が食い込んできた事によって、物語の幅は広がったと思います。

物語は、ラインハルトが先の戦闘の功績が評価され准将に昇格したところから始まります。
准将にもなると200隻もの艦隊の長になる訳ですが、果てしない野望を抱くラインハルトにとっては中途半端な通過点にしか過ぎません。

そしてラインハルトは実感する事になります・・・階級が上がるにつれ自身の保身の事ばかり考える古狸の集団になっていき、やっている事はまるで化かし合い・・・
そんな老骨ばかりの所に18歳の若者が紛れ込んだら・・・思考、文化、育ってきた環境が著しく異なることから、対話にすらならないでしょう・・・
同年代という横の広がりの中でも分かり合うのが難しい世の中です・・・年齢という縦の広がりが加わったら、より難易度が上がるのは明白です。

それに加えラインハルトは誰よりも聡明であると共に、野心でギラギラしているんです。
保守とは対極に位置する彼は、より交わり辛い存在であった事でしょう・・・

ですが、ラインハルトの快進撃に待ったをかける存在が出現します。
それがリューネブルグ准将でした。年齢は35歳とラインハルトより17歳年上ですが、階級が一緒な彼は、ヴァンフリート星域の海戦で近傍の惑星に降下する指令を司令官から艦隊が受けた際、ラインハルトを自分の配下において降下する作戦が提案・受理され、ラインハルトの武勲をも我が物にしようと企んだんです。

これまで何度か邪魔されたり、時には命を狙われたりもしたラインハルトですが、自分の挙げた武勲を取り上げようとする輩との出会いは初めてでした。
ラインハルトは相当怒っていましたけれど・・・^^;

これは・・・私ならどうだろう・・・
仕事の一環で色んな開発に従事してきましたが、利益や権利は基本的に会社に帰属する事が分かってるので、あまり何も感じないかもしれません・・・^^;

でも、リューネブルグ准将はこれだけでは済みませんでした。
事あるごとにラインハルトを陥れようと画策するんです・・・
その画策は・・・正直あまり好きにはなれませんでいた。
自分より権力の大きいモノの力を借りて突き落とそうとしたり、ロクに実態を知りもしないのに相手を侮辱したり・・・
正直こういう事をする人とは仲良くなれないと思います。

今の私の身の回りにはリューネブルグ准将の様な人はいませんが、俯瞰してみたらきっとどこかにはいるんでしょうね・・・

物語が進むにつれ、色々な事が明らかになっていくのですが、印象的だったのはラインハルトが少将に、キルヒアイスが少佐に昇進した事と・・・同じく少将に昇進したリューネブルグは決して幸運な人生を歩んでこなかった・・・という事です。

そして色んな問題が拗れたまま、物語は第6次イゼルローン攻防戦に突入していきます。
この攻防戦も激しい戦いになりました。
それでも、これまでの攻防戦と明らかに違ったのは、ラインハルトとヤンが「相手の中に切れるヤツがいる」という事をお互い認識した、という事です。

ラインハルトは少将、ヤンは大佐なので艦隊全てに与える影響力はありません。
ですが、戦局を見て相手の出方を予測しながら次の一手を講じる・・・2人の才能が徐々に認められてきた証なんだと思います。

一方、リューネブルグ少将の件も落着するのですが・・・想定外の悲しい結末だったと思います。
でも、人の情って凄い・・・例えどんなに関係が拗れても・・・例え敵味方に別れてしまってもその尊厳を大切にし、ちゃんと相手を偲ぶ事ができるんです。
辛く悲しいことが連続しましたが、最後に救われた気持ちになりました。

OVA全12話の物語でした。これからラインハルトとヤンの攻防は静かに幕を開けていくのだと思うと楽しみで仕方ありません。
戦争をしているのですから、全く血を流さない訳にはいきません・・・
けれど、戦争で悲しむ人を一人でも減らして欲しい・・・そう思います。
引き続き、「第三次ティアマト会戦」を視聴します。

投稿 : 2024/07/20
♥ : 14

68.7 21 1998年度アニメランキング21位
ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~(OVA)

1998年7月24日
★★★★☆ 3.8 (73)
510人が棚に入れました
時価二千億とも言われる徳川家の財宝。それは今でも東京のどこかに眠っており、その在処は徳川慶喜を写した2枚のガラス乾板、通称「巽の慶喜」と「乾の慶喜」に記されているという。月曜日、さっそくルパンは、若き実業家・マイケル・スズキの依頼で銭形が運搬担当している「巽の慶喜」を狙うが、銭形の機転で計画は失敗。火曜日、次元に協力を求めたルパンであったが、次元は虫歯のために銃を撃つのもままならないありさま…。協力を断られたルパンは、仕方なく単独で行動を開始した。一方、銭形のもとには雑誌記者のまりやが取材に押しかけてくる。取材攻勢にあいながらもガラス乾板を届けた銭形は、マイケル・スズキが造ったテーマパーク「アクアポリス」の警備を命じられてはりきっていた。銭形の警備のもと、残る「乾の慶喜」をトラックで輸送することを知ったルパンは、輸送中にガラス乾板を盗む作戦を実行する。
ネタバレ

Moji さんの感想・評価

★★★