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「思い出のマーニー(アニメ映画)」

総合得点
66.9
感想・評価
339
棚に入れた
1776
ランキング
2606
★★★★☆ 3.8 (339)
物語
3.8
作画
4.2
声優
3.5
音楽
3.8
キャラ
3.7

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思い出のマーニーの感想・評価はどうでしたか?

ネタバレ

薄雪草 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

想いやりで紡がれる "思い出"

本作をひとことで言いあらわすなら・・・。
"センシティブなフィロソフィーに満ちたナラティブアプローチ"。
そんなふうにも言えそうな雰囲気です。

出自への傷心を癒し、誇りを掲げるのなら、背すじを伸ばすような逸話や物語が必要です。
どんなに手探りしても、疲れはてて倒れても、そのきっかけさえ掴めたら、いつか全てを肯定し、やがて未来へと向かわせる泉が湧き出します。

そんな作風がベースなので、ボーイミーツガールを擽(くすぐ)るようなエッセンスは皆無です。
事前に一部で噂されていた百合フレーバーも、見事なまでに肩透かしだったようです。


米林監督が、原作の "When Marnie Was There"(1967年)をリスペクトしたわけは、自律への歩調と、自立への歩幅をとろうと必死にもがく、12歳の少女の心情を溢れるほどに表現したいと思われたからではないかと、私は思っています。

イングランドの北海に面したノーフォーク州の小さな港町に "Anna" 原作の舞台があります。
そのステージを、札幌と釧路湿地帯の入り江の町に置きかえて、"杏奈" の {netabare} ガールミーツグランマ {/netabare} が描かれます。

自然風土も地域文化も社会制度も、ぜんぶを日本向けに改変して、「わたし、もらわれっ子なの」という杏奈の人生を描き出し、問いかけてくるのです。


呻吟にあえぐ杏奈の内面世界を描きだそうとするのが本作のストレングスです。
でも、もう一つ大切なのは、胸のつかえばかりのマーニーの心頼りが、杏奈その人に委ねられたということです。

作品に没入するのなら、彼女の青みがかった瞳と、マーニーの真っ青な瞳に目を向けることがまず第一歩です。(どうにも真っ当な伏線と演出ですね。)

両者とも疎外を感じるポジション、抑制されたパフォーマンス、塗り固めたペシミズムが感じられ、それぞれのナラティブも読み解けもできそうです。


イメージボードで、彼女たちが背中で交わしあう姿には、いったいどのような意図があるのでしょう。

マーニーが杏奈に許しを求めた答えが "そこにある" のだとしたら・・・。

過去をそっと掬い取る手立てと、未来を晴れやかにしたい足がかりを、お互いに求めあおうとしているのかも知れませんね。



~      ~      ~



ひとつ整理しておきたいのですが、杏奈が引っかかっていた "お金のお話" は、生活保護費ではなくて、里親制度の養育費です。

{netabare}
昭和22年、児童福祉法第27条にエビデンスがあります。
「家庭での養育に欠ける児童等に、その人格の完全かつ調和のとれた発達のための "温かい愛情" と "正しい理解" をもった家庭を与えることにより、"愛着関係"の形成など児童の健全な育成を図る」とされています。

本制度の意義は、「子どもが成長する過程においては特定の信頼できる大人との間での "愛着形成" がとても重要」で、「より多くの子ども達が "家庭と同じような環境" で生活することができる里親やファミリーホームにおける養育を推進」するところにあります。

杏奈のおばさん(佐々木頼子)にお金が支給されるのは、こうした「社会的養護(="愛着形成" )を支え推進する責任が、国にあるからにほかなりません。
その意義と目的からして、頼子が支え手でいられるための支援費の支給は、当然至極のものです。


里親制度が、里親のボランティアイズムや、個人の収入でできる手合いと思うのでしたら、それはちょっとした(実は大きな)勘違いです。

本来、子どもは社会全体の宝です。
大人がそっと見守り、賢く導くことで、彼らの可能性を広げられるのです。
そんな未来に飛躍していただくためには、社会責務としての納税とその活用が肝心です。

今日、日本では「家庭を持たない子どもたちが40,000人を超えており、児童養護施設などで暮らして」います。
ちなみに札幌市を例にとると、186人の子どもたちが里親さんと過ごしています(令和3年度)。

そんなわけで、どうしたってお金は必要です。
ですから、視聴の場合には、制度への理解や、その運用への期待が、本作理解への重要な鍵になると思います。
そうでなければ、視聴する側の気持ち一つで、作品のクオリティーに "線を引いて" しまいかねません。

個の権利意識やユニバーサルサービスに対して、長年にわたって歴史を積み上げてきた英国や欧州には遠く及びませんが、日本でも「もらわれっ子」が大事にされることは、決して出過ぎ行き過ぎだとは思えないのです。


ところで、里親制度に似た言葉に養子制度がありますが、法的に決定的な違いがあります。
養子の場合は、遺産相続権が発生するかわりに、国からの支援はなくなるのですね。
{/netabare}


~      ~      ~



肌や、髪や、瞳の色や。 
世間とは違う生活習慣も。
親の生きかたとか、子どもの育てかたとか。
血統からの断絶だったり、愛情からの乖離だったりとか。

そんなことで、少年少女の心が押し潰されたり、ましてや大人や社会に憎悪を抱いたりなど、いいわけがありません。
それらの捉え方や感じ方っていうのは、詰まる所、当事者の幼げな気持ちに大人がどう寄り添うのか、どうリカバリーを支援するのかってことだと思います。


12歳の杏奈は「魔法の輪の外側にいる」と言います。

魔法なんて意味不明なものの言い方で世界に関わろうともせず、ひたすら頑なに拒絶するだけの自己を崩そうとしない彼女。

そのくせ、孤絶する態度に欺瞞を感じて、息さえも詰まらせています。
杏奈が喘息を患っているのも、そこに精神的な根拠が見つけられそうです。


山下医師の判断は、大人設計の制度と、生身の児童心理とのマッチングの難しさを意図させていますし、転地による緩和を促したのも、双方にとって必要なタイミングと見計らったからでしょう。
時には第三者の目に頼るのもいいことなのかも知れませんね。


大岩夫妻が杏奈に設えた部屋は、いつか大人に向かうきっかけをつかむための最適な舞台装置です。

自分ひとりの自我では、どうにも受け止めきれない発達プロセスの危ういローリング。
それを思いやるのは、線引きなど微塵も感じさせない大岩夫妻のオールさばき。

杏奈が手にする自由の一挙手、規律の一投足というお作法の世界を、部屋のうちそとが優し気に成熟してくれるのですね。


湿地に足を滑らせたり、ボートにグラグラ振られたり、草の茂みや道ばたやサイロの隅で眠りこけるのも、杏奈が杏奈のままいられるための必然の成り行きでしょう。

無口すぎる十一も、気のいい彩香も、マーニーを知るという絵描きの久子も、二人の因果を縒り合わせていく大切な人たちですね。

一つ一つにちゃんとした意味のある、珠玉のようなステキな演出のように感じます。


~     ~     ~


さて、「思い出のマーニー」です。

振り返れば、マーニーとの思い出づくりに埋められた杏奈のひと夏のバケーションです。


もしも彼女が札幌にいるだけなら、先の青春はどんな色合いになっていたでしょう。
人との関わりを持たないままでは、彩りある思い出も何もなく愛着障害にこじれてしまいそう・・・。

おばさんの頼子の胸の痛みがそこにあったからこそ、遠く釧路まで杏奈を出向かせたのですが、あたかもそれはマーニーが娘の絵美里を寄宿舎に入れてしまったのと同じように感じられたのかもしれません。


だって、頼子は、絵美里とは年齢も近いようですし、それなら見知った間柄だったのかもしれないのですから。
いいえ・・・、たぶん・・・、血筋を同じくする直系、あるいは傍系といった近親者という捉え方のほうが私にはスッキリくるのです。

絵美里が杏奈にできなかったこと、マーニーが絵美里にも杏奈にもできなかったことを、頼子はどんな思いをもって杏奈に接していたことでしょう。


杏奈が「許してあげる」と語るのは、一族郎党にくすぶった暗い軋轢と、負の歴史遺産への "赦し" につながったのかも・・・。

「お母さん!」と呼び掛けられた頼子も、魂から救われたと感謝し、安堵する気持ちに胸を撫で下ろしたようでした。

そう思うほどに、マーニーが杏奈に "ステキな思い出" を作ろうとして、どうにかして屋敷に呼び寄せようと "画策" したのも頷けます。

三つ子の魂にも届かぬ孫を天涯孤独の身に置いたまま死に別れるなど、マーニーはグランマとしてどれほどの心残りに咽(むせ)んでいたでしょう。


マーニーが、杏奈の心にたくさんの彩りを与えたのは、彼女たちが双方にリカバリー(救済)を得るためには絶対に欠かせないプロセスでした。

お互いの生い立ちやあどけなさをしっかりと伝え合い、受け止め合うことはもちろんのこと、一族郎党の過去さえも丸ごと許すことに至ったグランマと杏奈の愛の交流。

「思い出のマーニー」とは、そんな、いかにも英国文学らしいフィロソフィーにあふれた作品でした。

こういう主旨の作品は、映像作品で目にする機会はそんなに多くないと思いますし、娯楽性を前面に打ち出すアニメではまずないことです。


そんなわけで、できればもう少し評価されてもいい作品かなって、私はひそかに思っています。



おまけ。
{netabare}
本作をもう少し深掘りすると、この物語のキャラの関係性には、家族・家庭形成においての "加害者と被害者" という特異な相関性が見受けられると思います。
詰まる所、それは "愛着形成の不全" を通底としながら、輪廻もしていると言えそうです。

マーニーは、彼女の親御さんの被害者であり、絵美里からみると加害者でもある。
おばさんの頼子にしてみると、マーニーにも絵美里にも、そして杏奈にも、似たような感情が、とても複雑な感情があったとみて間違いないでしょう。

ただ、杏奈だけは、純粋に被害者の立場に置かれているのですが、留意すべきはここ。
彼女の自我は、まだ、加害者の立ち位置には立っていないということですね。


このような負の連鎖は、単に二人の少女性のふれあいを描くだけでは、清算されにくい社会的な根深さがあります。

だからこそ、ひときわ文学的に、更には、時を同じくする魂の交流に昇華させることで、血統の穢れを心理的に浄化し、純化に至らせたのですね。

加害者は死してなお償いようのない罪の意識を孫子に抱え、被害者はそれを知らぬままに、何の因果応報の罰かと心を腐らせてしまう。

この重い病苦を根治させるには、まだ加害者に至っていない杏奈の「許してあげる。」のひと言に込められた無辜の愛のほかには、特効薬に足る純然な処方箋には、決してなり得ないのですね。


この世には目に見えない魔法の輪(廻)がある。

本作は、生者と死者が、渾然一体となって、それぞれに社会からの抑圧を解きあい、お互いのプレゼンスを社会のなかにエンパワメントしあっていくという、とても不思議で、至極真っ当なもの。

そんなふうに腹に落とせるものかと思います。
{/netabare}

投稿 : 2023/01/23
閲覧 : 251
サンキュー:

10

ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

愛情が伝わって希望になる話。

【概要】

アニメーション制作:スタジオジブリ
2014年7月19日に公開された103分間の劇場版作品。
原作は、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学作品。

監督は、米林宏昌。

【あらすじ】

札幌市の12歳の少女の佐々木杏奈は、両親が事故死、2歳のときに祖母に先立たれ、
親戚は言い争って誰も引き取ってくれなかった記憶がトラウマとなっていて、
人間不信が根付いていて人と仲良くなれない。里親の頼子は親切で良い人だが、
ある理由で彼女への不信感が芽生えていて、そしてそんな自分も杏奈は嫌っている。

常にストレスを抱えて生きている杏奈は校外授業での写生中に喘息の発作で倒れて、
療養のために夏休みの間、頼子の親戚である大岩清正・セツ夫妻のお世話になりに、
道内の海辺の田舎の村に赴いて滞在する。

村祭でも人付き合いに失敗した杏奈が泣きながら走って逃げ出した先の入り江には、
湿っ地屋敷(しめっちやしき)」と呼ばれる廃屋があり、
そこで杏奈は夢の中で見た金髪の少女・マーニーと出会うのだった。

【感想】

ジブリの代替わりを本格的に意識した今作品では宮崎駿っぽさが抜けて、
90年代の世界名作劇場っぽいキャラクターデザインと空気。

ティザービジュアルの背中合わせで手をつなぐ、杏奈とマーニー。

『あなたのことが大好き。』と書かれた文字から、ジブリで百合?との疑惑が。

杏奈は最初は嫌な子として描かれていまして、
マーニーとの出会いで精神的に安定して更生していく話ですが、
ジブリにしては野暮ったくないキャラデザの質と背景の美しさにも関わらず、
彼女ら二人の不幸自慢で傷の舐め合いのような会話などが、とても辛気臭い雰囲気。

なので、杏奈とマーニーだけを観てれば幸せともいかず、
杏奈と親切な大岩夫妻の日常や、湿っ地屋敷でのパーティーなどを見ていますと、
これはジブリのどの作品でも共通ですが、他のアニメ会社と比べて、
大人に首根っこを掴まれているかのような子供の描かれ方に、
閉塞した空気がキャラクターから感じられるのは被害妄想でしょうか?

それとは別に、夢のない言い方に変えればメンヘラや精神病とも解釈可能な話ですから、
途中が爽やかな空気にならないのは当然かも知れませんが。

マーニーの正体などを書くと重大なネタバレになりますので書きませんが、
杏奈とマーニーの出会いは実はこうだったんだ!とのネタバラシのある、
終盤の15分間だけは確かに感動はしたのですが、
そこにいたるまでの展開のすべてが前置きであり、
見てても面白くもないですし長過ぎでもあるのですよね。
(レビュー内容に比べて点数高いのは終盤の良さ故)

単純に作画の美しさや日常芝居や演出方面で上位互換と言える作品が今では存在していて、
この作品での売りの一つである映像表現は確かに丁寧でクオリティはあるものの、
上位のアニメ会社の映像の表現力がインフレしている今の時代に、
同じ方向性での魅力を強く感じられなかったことに、
特に目立って優れたものだとは自分では思わなかったですね。
なので、このアニメから得られる感動が薄れてしまった。

巨匠のためのスタジオであり、個の才能への依存が強すぎるがために、
社で共有する映像の新しい価値を作ったり外部から取り入れてこなかったりした、
そのジブリが伝統の名のもとにトレンドから取り残された存在であり、
業界でも際立って特別だった時代はやはり終わってしまったのだなというのが、
このアニメ映画を見ていて強く思ったことですね。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/10/19
閲覧 : 129
サンキュー:

17

ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

GLものだけど、心に染みる

これも映画館で見ました。米林監督作品では「アリエッティ」が先なんですけど、「マーニー」の方が好きなので先にレヴューです。

これも原作を図書館で予習しようとしたんですけど、ななめ読みして、だいたいそんなもんかと思って映画館に行きました。なにしろ原作の舞台を日本の北海道に変えていると聞いて、たぶんまた違う話になるんだろうと思っていました。しかしこの作品はあまり原作とは差異がありません。かなり原作通りだと思います。

まずヒロインの杏奈の設定が、不登校生みたいな設定で、今の世の中に多い感じなのが刺さりましたです。特に冒頭の15分間は刺さりましたですね。すでにここで私の涙腺は緩みました。ただ母親と別れて北海道の親戚の家に行くだけの場面が、どうしてこんなにも悲しく見えるんでしょうか。ほんと絵コンテがうまいと思いました。杏奈の焦燥感や孤独感がひしひしと感じられるシーンになっていました。それで、ボートからマーニーに出会う場面ですが、非常に印象的なシーンになっていました。マーニーは白人金髪の設定で、普段の私なら気恥ずかしくなってしまう設定ですが、この映画ではそういう具合に思わなかったです。シナリオがよかったと思います。しかしここから太目の女の子が邪魔をする話だったのが、ちょっと見ていてよくなかったです。あれは必要なエピソードだったのでしょうか。しかし話には紆余曲折は必要だから、ああいうキャラも登場させねばならなかったのでしょう。

後はパーティの場面、塔の場面と、うまくつないでいたと思います。最後にマーニーの昔の境遇が明かされて、マーニーは亡霊だったとわかるのですが、それも怖い感じでなく爽やかに演出されていてよかったと思います。いわゆるGLものに分類される作品ですが、杏奈の心の成長もうまく表現されていて、いい映画だったと思います。マーニーの館が特によかったと思いますね。背景画を担当された方の本を読みましたが、考えて演出されていた事がわかり、ためになりましたです。主題歌もとてもよかったです。

投稿 : 2022/03/21
閲覧 : 157
サンキュー:

5

ネタバレ

byGar61324 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:途中で断念した

意外と奥深い

映画館で見たのですが、
最後のエンディングの途中でトイレに行きたく退出してしまいました。
未だに悔やまれます。
内容は文句なしに面白いです。
暗い少女が明るくなるようなお話ですが
その後がとても気になりますね。

投稿 : 2021/02/19
閲覧 : 201
サンキュー:

3

ネタバレ

tomledoru さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

瞳の青っぽい杏奈

思春期の子どもたちは得てして
「白昼夢」を見るものだと
何かの心理学の本に書いてありますが
それとはちょっと違うのだと思います。
(中二病といっしょにすると
ただのオタクアニメになってしまうので)

杏奈(アンナ)という名前自体,日本人と外国人
の両方に使える名前で,

杏奈の瞳は「青っぽい」ところから察して
すでにマーニーに関係する女の子だということが分かります。

不揃いな家庭環境もあるでしょうし,
義母の愛情に疑問を持つのも当然の年頃です。
精神的に内向的なのも,喘息もちであることも
杏奈の不安を象徴しているかのようです。

内向的なのが悪いとは決して言いません。
それも人の個性の一つですから,
ただ,友達付き合いでは損をする時もありますが…

杏奈は,田舎町へ行くことで,魔法の輪の外から
内側へ入ることができるように
なったのではないでしょうか。

杏奈にとってマーニーは,実在の女の子として
実体があったのだと思います。

マーニーの視点からすると,小さな幼少の孫娘を
残して他界しなければならなかった贖罪と郷愁の
念があったに違いありません。

杏奈からすると,マーニーに会って,
ただの成長物語です。おわり。

ということではなく
「自分探し」,自分の「ルーツ」を
することになっていくのだと思いました。

そうそう短期間の間に性格がコロコロ
変わるはずもありません。

久子さんや十一さんも幼少期のマーニーを
知っていて杏奈の魔法の秘密を解いていきます。

魔女の宅急便のキキとほぼ同い年(中一)の
設定ですが,魔女の宅急便を「陽」とすると
「陰」のような印象を受けますが,
こちらの方が,よりシットリとした味わい深い
女の子同士の独特の心の交流があり,
細かいところまで見落とせない魅力がありました。

投稿 : 2020/07/01
閲覧 : 213
サンキュー:

5

ネタバレ

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

国際標準的なアニメ

ピクサーの「リメンバーミー」に構造がよく似ている。それは悪い意味ではなくジブリアニメが国際標準として一定の水準のものを提供していることであり、宮崎駿などの天才には劣るものの、脚本も構成も作画も非常に良く練られている。

「思い出のマーニー」はラストになるまで話の矛盾しか目に付かいないが、見終わったあとはそういったことはどうでもよくなるくらい何か暖かさを感じることができる。

感動の押し売りはあまり好きではないのだが、誰にも必要とされていないと思い込んでいた女の子が、実は見えないところで深い愛に包まれていたことに余韻が残る。

最後にマーニーが手を振って主人公を見送るシーンは、今後この少女が大人へと成長する過程で重要な思い出になっているということが可視化して万人に伝わる良いラストだと思う。

苦言を呈するとするならば、そこまでの過程がやや唐突なのと、「千と千尋」や「リメンバーミー」のように導入の部分で不思議な異世界へと誘うような描写が薄いので観る側が混乱してしまうことだ。娯楽に徹するのであればもう少しそこを気遣っても良いと思われる。

投稿 : 2020/04/18
閲覧 : 435
サンキュー:

13

ネタバレ

ShouyouACL さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

The story is good, really interesting. Divided into four segments, the story follows its course to completion.
  The first segment is the introduction of the main character and what drives her to move inland.
  The second segment would be what the protagonist knows Marnie, which character is the lever for the third segment.
  The third segment is that of the great discovery. Commenting on it would be spoiler, so I just decided to say that this is where the movie starts to be worth it. After this segment the anime leaves for clarification and closing. What can we consider a complete segment or one two small segments that complement each other.
  The last segment clarifies the mystery created in the third segment and ends the protagonist's summer. In this segment we have the revelation that can be speculated at the beginning of the fourth and end of the third segment.
  The characters are cool. In themselves, the most worked are the protagonists as expected. The assistants are cool. Some charismatics and others are just extras with dialogue.
  The relationship between the protagonists seems a little too fast at first, which would be a problem if it were not for the justification presented at the end of the feature film.
  Speaking a little about the protagonist herself, she is not in itself a very good protagonist, but is still necessary for the overall of the feature. Without her Marnie wouldn't be as good as she is.

  The animation of the anime is good, not much to comment was the minimum expected from the studio. The animation doesn't have many featured scenes to comment on.
  We have CGI in animation, in scenes that could easily have been replaced by a few fewer frames.

  The design is cool. Character design is a bit tiring as Guibli doesn't usually change that much. It's like a colorful studio animation, but with little color saturation. The same goes for the colorful studio.
  The scenarios are beautiful, really undisputed, Guibli knows how to make beautiful scenarios, what compromises the scenarios here are the cuts and angles chosen by the story-boarder. Lifeless angles aren't bad, just lifeless. But as everything has its exception, from half to end the film can improve this aspect. The angles have improved, and the colors become more vivid.

  The music is reasonable, nothing special in the music. There are some violin compositions that stand out from the others, especially in the window scene. However reasonable.
  Sound mixing is good, no mistakes to comment on and no special scene to comment on either.
  The closing song for being original film work is worth your comment here. By the way the music is very good, composition in the English language with just a background guitar, beautiful.

  The voice acting is cool. The problem of voice acting is in a specific scene. This is where the tone of the voice used in the conversation does not fit the context of the scene, let alone the distance between the characters.

  Omoide at Marnie

  History- 9
  Animation- 8.5
  Design- 8.5
  Music- 7.5
  Dubbing - 7.5

  Final grade - 8.2

投稿 : 2019/08/18
閲覧 : 269
サンキュー:

0

ネタバレ

Marsa さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

不幸な生い立ちの少女の成長を描いた、巧みな演出のやさしい物語。

原作(小説)未読。2013年アニメ映画。

Wikiによると宮崎俊が一切関わらない初のジブリ映画らしい。
しかし、話、演出が、よく練られていて、細部までこだわって
巧妙に丁寧に作られた印象を持ちました。
話や人物同士のつながりや心理描写とその変化など、
ジブリは健在だなーと思いました。

比較的パンチの効いた作品が好きな私には、ヒロインが不幸な
生い立ちであっても、やさしい話だなーっと、やや物足りなさを
感じたりしましたが、そのやさしい演出は観やすさにつながる
ものでしょうし、観た方がいい秀作かなって、思います。

投稿 : 2018/08/09
閲覧 : 339
サンキュー:

15

ネタバレ

ダリア さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

自己を肯定するための物語

随分と前に予告で百合の気配を感じ取り録画したものの、いつまでもHDの肥やしにしているのも勿体ないと思って視聴しました。

この評価は考察をメインにしていきたいので私の感想はサラっと済ませますが、個人的には結構好きな路線でした。ベタな演出ではありますが、杏奈がおばさんの事をひさ子さんに紹介する時、「母です」と堂々と言った所ではウルッときてしまいました。杏奈は中々賛否の分かれる娘ではありますが、個人的には聡明で、ちょっと自罰的で繊細な大人の女の娘だと思います。マーニーの生涯と同じように、決して明るい事ばかりではない人生であっても最期まで懸命に生きる、強い女性になるのでしょう。

{netabare}

☆条件について
さて、海辺での暮らしで見つけた屋敷、そこは長らく誰も住んでいない空き家。しかし杏奈は七夕祭りの夜、のぶ子に酷い言葉を浴びせてしまった後マーニーと出会います。彼女と会うためには
・夕暮れ時
・満ち潮
・小舟で
屋敷まで向かう必要があります。昼間、干潮の状態で屋敷に行っても荒れ放題の空き家があるだけ。美しい使用人も煌びやかな祝宴もない描写がありましたね。

☆夢を見ている時の杏奈
この作品は安奈の心象にある精神世界と現実を複雑に行き来するという特殊な性質上、解釈を視聴者に委ねる場面が割とあります。基本的に見えているものはあくまでも杏奈の精神世界。
少なくとも作中で描写されている客観的描写では、杏奈は第三者に道端で熟睡している状態で発見される描写が数多くあります。その割には服装は泥で汚れ、失くした靴は翌日屋敷へ向かう道中で見つかる等、ただ大人しくジッと寝ている(つまり全て夢だという説)ではないよう。身体が眠っているのであれば夢遊病のような状態だし、そうでなければ夢と現実でそれぞれ別々な行動を意識を持ってしている?

☆忘れる、という事
作中何度か、杏奈とマーニーはお互いに忘れられてしまう事を恐れるような発言をします。また、大岩さんの所でゆっくりとして、マーニーの事を忘れかけてしまう杏奈の描写も。
軽くググってみると、原作のアメリカの児童文学では長い尺をかけて、前半後半と、湿地の屋敷の事、マーニーの事が思い出せなくなっていくという対になる描写がされているらしいです。映画では尺不足で消化不良の未回収な伏線として放置されてしまったのかな。

☆貴方が羨ましい、の意図
マーニーの細やかな言動には、少なからず杏奈のそうであって欲しい、憧れる在り方が反映されているのではないでしょうか。自己を肯定出来ない杏奈から見て、かつての祖母のビジュアルと自分の理想そのものな内面を掛け合わせたハイブリッド美少女マーニーは、羨ましくて当然。
そんな羨望の眼差しを向けられるマーニーに、「私は、貴方が羨ましい」と言われる事によって自己を肯定できるようになっていったのではないでしょうか。
杏奈の理想そのもの、なんならこのシーンのマーニーは杏奈の光の部分。自己を肯定出来ない状態の闇の杏奈と抱き合うのは冷静に意味合いを考えればちょっと宗教的ですらあります。そうして杏奈の中で一つに混ざり合うのかな。後述するマーニーの別れのシーンとは対照的に、杏奈がマーニーをわかりやすく作って脚色している部分と言えます。

☆サイロでの出来事
サイロに行く道中、雷雨の吹き荒ぶサイロの中、マーニーは何度か杏奈の事を幼馴染の和彦と呼び掛けます。そしてマーニーは迎えに来た和彦と共に、杏奈を置いて二人サイロを去って行きます。
これに関しては、割と説明がつく謎だと思います。杏奈の体験した事は、全て遠い記憶の彼方の祖母、マーニーその人が語ってくれた思い出話であったという種明かしがされます。そのエピソードの中の登場人物、幼い日のひさ子さんと和彦が、杏奈の中で明確に区別出来ておらず混濁した結果だと思われます。前半は祝宴で和彦と踊るマーニーに嫉妬する描写からひさ子さんの追体験、後半、互いに世界で一人だけの理解者だと水辺で抱き合うシーンあたりからは和彦の追体験をしていた状況とすれば、心象世界で状況を作っておきながらそれを自覚できない杏奈が混乱していたのは割と納得のいく落としどころです。

☆幼き日の杏奈の人形
幼き日に、親戚同士押し付けられていた杏奈が手に持っていた金髪の人形。これは単なるミスリードだったのではないかと思います。ファンタジー路線で進めるのならばマーニーは人形が意思を持ったイマジナリーフレンドになります。私は視聴中ずっとそのオチを疑っていたのでまんまと引っかかったわけです。

☆マーニーとの別れ
高熱を出して苦しむ杏奈は、作中でも珍しく明確に夢の中という描写で「何故自分を置いてサイロから出たのか」と糾弾します。
そんなつもりじゃあなかった、だってあの場に本当は貴方はいなかったと返答すマーニー。あなたとはさよならをしなくてはならない、だから許すと言って欲しいと許しを乞うマーニーを赦す杏奈。そして、貴方の事をずっと忘れない、私も貴方のことが大好きと、涙ながらに強く言い放ちます。
しかし夢から覚め、見舞いの品を持って訪ねてきた彩香に、「マーニーの事をよく覚えていない」と話す杏奈。これはまた解釈の分かれる所ですね。個人的には、サイロに置いて行ってしまったことへの謝罪ではなく祖母としての状況への謝罪だったのかなと思います。このシーンだけはマーニーがどこか客観的に見えたり。詳細は後述。

☆マーニーの容姿
そもそもの話として、杏奈が実際に会っていたのは晩年のマーニー。幼い頃の彼女の容姿など、何か写真でもなければ分かる筈がない。なのに、ひさ子さんは杏奈の描いたマーニーを見て、よく似ていると評していました。

☆作品が描いているのは、一人の少女の挫折からの再生
思い出のマーニーが描いているのは徹頭徹尾、再生の話。終盤、マーニーを赦した杏奈は精神的に大きな成長を遂げます。自己をしっかりと認識しつつ肯定できるようになり、自分の不始末を片付けに居候している間にのぶ子に謝罪しに行ったり、自分を引き取ってくれ無償の愛を持って育ててくれるおばさんを自信を持って母と人に紹介したり、杏奈なりに出来る事をしています。

つまりマーニーとの別れでの"赦す"という言葉は、当時幼かった杏奈を孤独にして死んでしまった不甲斐ない祖母マーニーを赦してくれないかという、時を越えたマーニー本人からの謝罪だったのではないかという事。他のシーンのマーニーは全て杏奈がエピソードから深層心理で作り上げたとしてもおかしくない発言、行動をしている気もしますが、そうにせよここだけはおかしいんです。
「貴方は本当はあの場にいなかった」
これは明確に杏奈の意思に背いた、反逆の言葉です。この言葉を告げてしまえば、杏奈は心地良いひさ子さんと和彦の追体験という夢から覚めてしまう。だから、このシーンのマーニーは確実にマーニー本人でなければ成立しない。

総じて、結果論だけを言えば、「杏奈はかつて祖母に聞いたエピソードを元に、現実から逃避するため精神世界で妄想の追体験をし、そこで自己と向き合う事によって自己を肯定できるようになった」という話なのですが、私は前述の通り、全てが全て杏奈の妄想だったわけではないと思っています。夢をみていた時の杏奈には少なくとも行動していた形跡がある事、実際にマーニーと遊んでいたエピソード元であるひさ子さんとマーニーの正しい容姿の認識を共有していた事、更にマーニーのラストシーンでの「貴方はあの場に本当はいなかった」という極めて客観的な発言。
杏奈は、あの屋敷で本当にマーニーの、祖母の幻を見たのかもしれません。それはとてもロマンチックな話だと思いませんか?

{/netabare}


☆蛇足
ちなみにですが、この映画では妄想説、私が前述している本当に会った説の両方を解釈できるように作られていますが、原作の童謡では明確に"タイムスリップ"と描写されているそうです。時空を超えて会話しているので、大岩さんの事を思い出そうとしたりマーニーの事を思い出したりしようとすると、魂の在りかが二つの時間軸の狭間で曖昧になってしまうため忘れてしまったりするとか……夢でもなんでもなく、過去のおばあちゃんに普通に会ってるやんけ!

投稿 : 2018/05/19
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4

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狗が身 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

雑感。

回想の杏奈が抱えてた人形が僕にとってはミスリードだった。完全にファンタジー路線だと思ってたんだもの。
マーニーの正体は人形ではなくて実の祖母だったという驚きのオチ。

マーニーの「赦してあげるって言って!」とは、序盤の頃に杏奈が言ってた「自分を一人ぼっちにした祖母や両親が憎い」という問題に対する気持ちの変化を表わす重要なシーン。
…なのだけど、杏奈の気持ちの変化がいまいち伝わってこなかった。

杏奈の抱える闇は、周りの環境によって解決する類いのものではない。
杏奈は養母の愛情を疑っているのではなく、愛情を疑ってしまう自分を嫌っているのだ。
それはもう、自分の気持ち次第でしかない。
だからこそ、本作の物語は大部分が杏奈の妄想の世界でのやり取りであり、田舎町の人たちとの交流では無かった。

でもな~、「マーニーって何者?」という疑問によって最後の方までミステリーっぽい作品としての面白みはあったものの、杏奈が心を開くようになる様を中心にしたハートフルあるいはハートウォーミングな作品としては弱かった。


全体的に落ち着いた作風の中で、さやかちゃんが本作における癒し要素だったな~。

投稿 : 2017/09/24
閲覧 : 308
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8

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※アニをた獣医師() さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

自分の思う自分でいいんだよ…

主人公のあんなちゃん、昔は明るい子だったけど、喘息、そんな病のせいでいつしか自分の感情を面に出さなくなった。自己嫌悪をしてしまうのも頷ける。
そんな彼女は、空気がキレイなところで療養。
車のシーン、千と千尋みたいだね。
血が繋がっていない。そう呟く彼女は哀しげだった…

返事をする彼女はまるで心がないように、空虚な感じ
この町はキレイで、彼女はその時は嬉しそうなのであった。おじさんとおばさんは普通に、いつも通りに接してくれているのだろう。少し戸惑う彼女。そんな彼女が郵便局へ行くなか、委員長とおぼしき誰かに出会う。彼女は思春期らしい反応をすることもあれば、大人のように自分を偽ることも多い子なんだな…

そしてあんなはお城を見つける。興味本意に中へ入る
それは廃墟なのだろうか?誰もいない。そんなことを思いながらここで寝てしまったのだろうか?満ち潮となって船へ乗せてもらう(少し戸惑うあんなちゃんぐうかわ) 
誰かがいたのだろうか?

夢を見た。金髪の少女。誰なのだろうか、あの城にいたあの子は誰なんだろうか?

あんなに優しいトイチさん。相変わらず絵がうまい!
歳が近い子に会いたくないんだろうな…

おばさんに言われたら断れないんだろうなぁ…
やりたくないことからは逃げたいんだろう。
そして今度は自分と同じように絵を描く人を見つける

彼女は再び夢を見る。潮が退いていた。なにかを表しているんだろうか?
人と話すのが苦手、というより嫌なのだろう…
自身を冷めた目で見てしまっている。普通に生きたい
どういうことだろうか。
触れられたくない。だから…また自己嫌悪。具合も悪くなる。
皆にたらい回しに扱われ、それが自己嫌悪に繋がった
でも太っちょ豚はやめなさい(笑)

船へ乗ってついた先に夢の中の少女がいた。
世界が、時代が違うように。少女もあんなをみていたという。 二人のことは永久に秘密。約束を交わし…

(このばばあ!それと違いおばさんいい人過ぎるだろ!ちゃんと叱るとこも!)

少女の名前はマーニー。(きまし あら~^)
3つずつ質問。なんかロマンチストだな!

似た境遇の二人なんだね~♪ 

これは夢か現か?思い出せない、自分のこと。
きまし!あら~^  

ばばあ、無理すんな。寝てろ(笑)

マーニーは楽しそうに躍り、あんなはお酒を飲む!
はっは~。 あんなの嫉妬かな?

あらあら、こんなとこで寝ちゃって。お転婆~♪


そしていつかはいなくなってしまう。そんな気がしていたんだ。

マーニーが昔書いていたんだろう…それはあんなとマーニーの不思議な出会い。それは幻ではなかった。
他人はそれを夢だというのかもしれない。マーニーはあんなが作った少女。
でも確かに彼女はそこにいたんじゃないかな?

二人は互いに求めあったんだな…自分にないものもってるんだもん…

あんなは自分が必要とされてないと思っている、それを気にする自分を嫌悪する。疑心暗鬼になる。
二人は…


キレイな物語だった。これ以上ないくらい自分に正直な子達だと思った。自分のことを見つめ直せ、そして自分だけじゃなく他のことも見て、そんな感じの話。
お互いを求めあった女の子二人のお話。


いつまでもマーニーはあんなのことを見てるよ、見守ってるよ…ありがとう…

投稿 : 2017/07/14
閲覧 : 197
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8

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

最後は感動した

ああいう形で繋がっているとは思ってなかったから、すごく感動した。

投稿 : 2017/05/24
閲覧 : 182
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過たる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

ジブリ発のガチ百合かと思ったら、違った

この映画は大人向けの映画だと思う。
子ども向けにしては、動きが少ない。特に、空から落ちたり、魔法で空を飛んだりといった上下移動が無いイメージ。
あとマスコットキャラがいない。魔女宅のジジ、となりのトトロのトトロみたいなの。

中身は『“思い出”のマーニー』という時点で既にオチてた。タイトルオチだよ。
思い出とは、過去の体験を思い出すこと。つまり、初体験は有り得ないということ。作中で12歳の主人公が経験することは、実は過去に何らかの形で経験してるということが核心だと思う。

以下、3つテーマに沿っていこうと思う。
・アンナが養子として劣等感を抱いており、それを解消し成長すること。
・アンナが自分の出自について知ること。
・この映画は百合なのか。


・アンナは養子である事実を受け入れることが出来ず、精神障害を患っていた。心配性の養母を「メーメー鳴く羊」と言ってしまうほど他人に対して、心を閉ざしてしまっている。
映画の終盤では克服していて、何が彼女の重石を取り払ったのか考えてみるが、なかなか難しい。
具体的に、この場面が彼女を変えたというシーンが思い浮かばないからだ。マーニーの事に夢中になり過ぎて、幻視やどこでも失神する姿を見れば、かえって症状が悪化したんじゃないかと疑いたくもなる。
よく物事を熟考して煮詰まったとき、気分転換をして再度考えてみたら、すぐに片付いたという事例があるけど、今回のアンナの体験も似たようなものかもしれない。
長年劣等感に縛られて医者に療養を勧められ、そこで出会ったマーニーに夢中となることで気持ちが紛れて、つまんないことで悩んでたなぁ解決みたいな。
結果的に養子である劣等感→ストレス→喘息の発作という流れを断ち切っていて、療養が功を奏したと思う。


・最初のテーマが解決しても、「じゃあ自分はどういう血を辿って生まれた命なんだろう」と、いずれ疑問に思うだろうし、不安になる。
マーニーとは誰か?という謎解きをするだけなら、信子がアンナの目を見て「ちょっと青が入ってて、、外国・・」という発言で鋭い人は気づくだろう。
肝心なことは、視聴者では無く、アンナが気付くことだと思う。
頼子がマーニーの形見の写真を見せたことはトドメを刺したなと思った。視聴者に謎解きだけをさせるのなら、あそこまで露骨にせず多少のミステリー成分を残す演出をすると思う。
やはり自分の起源について知ることは、単なる静養地から故郷になるくらい大きなことだと思う。


・この映画は上映当初のCMでガチ百合という印象を受けていたので、見るのを避けていた。
さすがに、夜9時の金曜ロードショーでガチ百合は流さないだろうという考えで見ることにしたら、百合では無いなと確信した。
確かに抜粋して、大好きよ、みたいなシーンだけ見たらそう映るけれど、
結局マーニーが見ていたのは和彦であってアンナでは無かった。
アンナもマーニーとの関係が崩壊することを恐れて出任せで言っていたように見えた。
そもそもマーニー自体がアンナの創造物であり、アンナが幼少期に祖母マーニーから子守唄で聞かされた思い出がオリジナル。
夢の中のマーニーが上手にダンスを踊っていたのも、限られた場所にしか行けないのも、祖母から聞いている範囲に留まっているのだろう。
そういうことを踏まえると、アンナはマーニーの子守唄の内容を夢や想像の中で懐かしんでいるだけで、一つ一つの言葉の意味について、特に恋愛感情については吟味していなかったんじゃないかと思う。

投稿 : 2015/12/21
閲覧 : 248
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6

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退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

思い出のマーニー✿

発想が素晴らしいなぁ★

最後はなるほどおお(^-^)/ってきもちぃ終わり方だった^^

マーニー綺麗だなぁ(*'-'*)

親が亡くなったのは誰のせいでもないけど、やっぱり「なんで??私を一人にするの?」って思うよね絶対。

でも優しい人に貰われてよかったね(´ω`*)

あんなが元気になって良かった良かったヽ(*゚∀゚)ノ*:*ヘ(゚∀゚*)ノ

投稿 : 2015/10/24
閲覧 : 205
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タマランチ会長 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

思春期の女の子の矮小な世界

 TVで放映されたので観ました。米林監督の前作アリエッティがひどいものでしたので、期待せずに視聴。しかし、前作をはるかにしのぐ出来栄えでした。とにかく画面がきれい。レイアウトもよい。見入ってしまいました。

 ただ、話の方は全然共感できませんでした。くだらないことにこだわり、矮小な世界に閉じこもってしまった思春期の女の子が、そのくだらないこだわりから解放されるって話ですから。「そうだよ?くだらないんだよそんなこと。」で終わりですよ。

 この作品で、私が入り込めなかった大きな要因は、ストーリーを進めるために都合よく行われるご都合主義的演出ですね。まず主人公転び過ぎ。よくつまづくし、気を失うし。あと、絵描きの久子さん?魔女宅のウルスラに匹敵する、不自然極まりないご都合主義的キャラ。こういう人がべらべらネタばらしをするのを見ると興ざめしてしまいます。おばあちゃんがマーニーの元となっていたってオチは、命のつながりというか、そういう感動があったんだけど、それだけに久子さんのおしゃべりは残念。悪気はないんでしょうけどね~。(笑)

 マーニーの妄想は、幼少期の祖母との思い出がもとになっているということでした。私は主人公が空家の別荘で事前に祖母の日記を読んでいたんだと思いましたが、そういう描写はなかったです。そういう描写を少しでもはさんでくれればすべてつじつまがあったと思うのですが。

 総合的に判断して、よい作品だったとは思うけど、私にはイマイチでしたね。思春期の女の子の矮小な世界に共感できる人じゃないと、この作品は楽しめないかも。

投稿 : 2015/10/12
閲覧 : 284
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5

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ざんば さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

思春期

自分は他の人とは違う、欠陥品の人間だ。
と、思い込んで、自分の殻に閉じこもってしまう。
でも本当に寂しくて寂しくて・・・
いつでも本当は友達がほしいと思っている。
どうすれば友達が出来るのかも分かっている。
でもその時になると尻込んでしまって
自分でも思ってもない行動をして後悔する。
それを、自分が悪いだけなのに相手のせいにして恨む。
だが後から思い返して、自己中心的な自分を殺したくなるほど憎む。

そんな自分が嫌で嫌で仕方なくて
自己嫌悪に陥ってさらに自分の殻に閉じこもる。


冒頭の杏奈を見ていると昔の自分と重ねてしまって
辛くもあり、恥ずかしくもあり
正直まっすぐに見ていられませんでした。

しかし、そんな杏奈が大岩夫妻やその土地の人と出会い
次第に明るくなっていく姿を見ていると
私も同じように救われるような気持ちになりました。



この作品は杏奈の妄想や夢を現実の世界と混ぜ込んで
ファンタジーに描いているが
根っこには12歳という思春期真っ盛りの少女が
実直に描かれていたと思います。

でも所々、話の展開が強引に感じたし、
個人的にはファンタジー過ぎて
杏奈の心の動きは大まかには分かるものの
ボケーッと見ていると細かい部分が理解しにくかったです。
(杏奈がなぜマーニーの日記帳に書かれていたことを知っていたのか、とか)
まあ、それこそが考察のしどころだとは思いますけどね。

私みたいな考察苦手な人では
ちょっと説明不足な感は否めないかな、と。

一応、今回の金曜ロードショーで2回目だったので
なんとか理解できましたが
初めてみたときは頭の中がグルグルしてて
雰囲気アニメとしか思えませんでしたからね・・・w


で、見終わって思うことはやっぱり地味な作品ですね。
ファンタジーとは言っても結局は杏奈の頭の中の出来事ですからね。
それが悪いと言うわけではりませんが。

良い作品ではあるけど、どこか物足りない作品でしたね。

投稿 : 2015/10/11
閲覧 : 330
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24

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ひろん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

孤独だった杏奈が最後に社会性を持つことができた。

金曜ロードショーで見ました。
{netabare}
マーニーの生涯が悲しい。だけど、最後に杏奈がまわりと良い関係を築けるようになって、少し救われた思いがしました。このまま、暗い話として終わったら、悲しすぎると思って見てました。

太っちょは意地悪キャラという風貌ですが、結構人間できている。

船のおじさんもいい味出してます。もうちょっとストーリーに絡んでくる展開が見たかった気もします。

杏奈はマーニーに恋をしていたのかな。

葬儀で幼い杏奈が金髪の人形を抱いていたので、この人形がマーニーなのかなーと思ってしまいました。
{/netabare}

ハラハラ・ドキドキの劇的な展開は無いけど、こういう静かな作品も悪くはないと改めて思う。

投稿 : 2015/10/11
閲覧 : 217
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1

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abe2 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

新世代ジブリの最高傑作

テレビで視聴
何でさっぱり話題にならなかったのか不思議
レイアウトやシナリオ運びなら(最近の)師匠を超えてる
(師匠は動画そのものの面白さを追及するシナリオだから一概に比較はできないけど)
序盤は引き多めでクライマックスでバストアップ、アップ多めにした演出は感動した
釧路に白人少女っていう設定も不安だったけど外国風の雰囲気が出せていて違和感がなかった(神社とか浴衣とか出てるにも関わらず!)
実写も含めた邦画の中で近年稀にみる傑作
こういうのこそ実写でやるべきじゃないのか?
ジブリブランドで損してるかもしれない

主題歌が良いので音楽☆4
米林監督はジブリやめたらしいのでもう新世代も何もないけど
別の場所での活躍を期待したいと思わせてくれた

投稿 : 2015/10/10
閲覧 : 256
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3

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HIRO さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ジブリが作った泣きアニメ!

テレビ観た感想:
テレビで「思い出のマーニー 」放送してたので久しぶりに観ました。2014年7月公開なので一年と3ケ月ぶりです。
2回目でも良いねエッ。
思春期の少女の心の揺れ具合をよく表現してました。
ジブリらしからぬ作品です(笑)
アンナのお母さんもうちょっと丁寧に描いてほしかった。
主題歌の「Fine On The Outside」この作品にぴったりです。

映画観た時の感想:
杏奈は幼いころに両親を亡くし、心を閉ざした12歳の女の子。
同級生が楽しそうに話しているのを観て、世の中には輪の内側にいる人間と輪の外側にいる人間がいて私は輪の外側にいる人間、だから「私は私がきらい」といってしまうほど心が病んでいる。
喘息の持病があり、悪化するぜんそくの療養のために親戚の大岩夫妻が暮らす海辺の家に居候することになるが、部屋で一人になると真顔で「他人ん家の匂いがする」と吐き捨てるような女の子。
そんな杏奈が金髪の少女・マーニーと出会い、ひと夏を過ごすうちにこころのさまが変わっていくようすを描いた作品です。

デブで不細工な女の子に「太っちょデブ」と言ってしまうほど性格が歪んでいる杏奈がマーニーと出会い少しずつ心の氷が解けていく様子が、丁寧に描かれています。ジブリの作品のテンポのよさやアクションシーンはありませんが、家族愛をテーマにしたハートを揺さぶる作品になっています。

今回もCVに若干の違和感(ほんのちょっとです。)を感じたんですが、思うにアニメの声優さんの演技は舞台俳優に近いんじゃないかと思う。実写の俳優さんの演技は顔の表情を含めてひとつの演技だが、声優さんは声だけで演技しなくてはならないのでオーバーアクションで演技していると思う。オーバーアクションはやもすると作品が押し付けがましくなってしまうのでどっちがいいとはいいませんが、アニメは顔の表情動きが細かくないのでもうちょっとオーバーアクションでもよかったんじゃないかとおもう。

原作はイギリスの作家ジョーン・G・ロビンソンの「When Marnie Was There」
公開2014年7月19日のスタジオジブリ製作の劇場アニメーション映画

初公開: 2014年7月19日
監督: 米林宏昌
原作者: ジョアン・G・ロビンソン
音楽: 村松崇継
脚本: 丹羽圭子、 安藤 雅司、 米林宏昌
主題歌:「Fine On The Outside」(作詞・作曲・歌:プリシラ・アーン)

キャスト
杏奈:高月彩良
マーニー:有村架純

投稿 : 2015/10/09
閲覧 : 293
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28

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EMINA90 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

タイトルなし

最初どんな話かよくわからなくて映画をみていても前半は??が浮かんでました笑でもおばあちゃん?とかでてきて話が繋がってやっと理解した感じです笑私の場合ですが笑

(見たのが結構前なので書いてることおかしいかもです)

投稿 : 2015/01/25
閲覧 : 242
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0

ネタバレ

ValkyOarai さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 2.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

チョイ百合のジブリ でも後から謎が解かれるスタイル

後後から謎が解けるという斬新なスタイルなジブリ

考えながら鑑賞していました
最終的に主人公が変わったなあって思いました。

投稿 : 2014/10/05
閲覧 : 407
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6

ネタバレ

*marisa* さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

まさかの展開でした

ついにジブリで百合が来た!と思いましたが違いました…

マーニーと杏奈の目の色が一緒、というところがポイントでした。
まさかおばあちゃんだなんてびっくりしました。
やはりタイムスリップしていたんですね。

私的には、小さい頃杏奈が持っていた人形がマーニーそっくりだったので、マーニーは杏奈がつくりだしたものだと思っていました。

声は女優さんがやっていて、アニメ向きの声ではないな…と思いました。でも、ちゃんと感情が表現されていて、良かったと思います。

投稿 : 2014/08/16
閲覧 : 204
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2

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みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

よかったよかった

なんというか、あれですね。パヤオ御大では出てこない、いい味わいのある映画だったと思います。

まあ、児童文学なんで、仲良くなる速度が妙にはやかったりするのはご愛嬌。
あと、まあ、ジブリ映画なんで、主人公が後半でキリッとしてきたりするのもご愛嬌。
そういう部分で訓練された視聴者としてはですね、まあ、これで大満足でした。はい。
 
なんですかね。なんか、ハウルとかと違って、非常にすっきりと最後に伏線も回収されてすっきりと終わりましたよね。主人公の性格もまあ、パヤオ映画には決して出てこないタイプの想像可能な人格の子でしたしね。
 あと、ふとっちょの子が、非常に落ち着いてていい子だなぁ、というかんじもよかったですね。
 


超絶技巧が相変わらずたくさんあったのもよかったですね。
取り皿にプチトマトとるのを落としそうになりながら、おっとっと、と口調を変える演出とかね、そういう細かいところ詳しくよくつくってあって、相変わらずビビるわけですが。

あと、地方都市の駅前の風景を描いてくれたのもなにげに感動。全国規模のチェーン店の中型店舗が立ち並ぶ、地方の駅前がジブリのファンタジーな風景に入りこんでくるのはいいよねえ。
田舎の子たちがゴミ拾いさせられている風景とかも、現代の田舎の風景をたんたんと描いているという感じでとても好印象。



そして、全体にとてもわかりやすい構成。
パヤオは天才すぎてイッちゃってて、もう最近わけのわからん夢の世界のかなたに完全に旅立たれてしまわれたという雰囲気だったわけです。本作は、夢の話でありながらも、夢のあちら側と、こちら側をわかりやすく往復しているお話で、オチもついて、すっきり。
あらまあ、わかりやすくて、いいわねぇ。ジュヴィナイル作品って、まあこんな塩梅でいいんじゃないでしょうか。ほんとに。ほのぼの。



もちろん、これはこれでウェルメイドにきれいにまとまりすぎていて、パヤオが『ポニョ』とかで切り開こうとした新世界みたいなものがここからは見えてこないとか、そういう批判も、まあ可能っちゃ可能かもしれません。
だけれども、これはこれでいいものだと思いましたし、ジブリがゆっくりとこういうブランドになっていったら、それはそれでいいんじゃないかな、という気もいたします。
「こんなのジブリである必要ないじゃん」って言ったら、それはそうなんだけど、パヤオももう年老いていくわけだし。



あとね、アンナちゃんの心理プロセスの描写なんだけど、
ああいう難しい子がこころを開いていくプロセスって、悩ましいよねえ。周囲からはたらきかけすぎると、本人が嫌がるし。かといって、100%ほうっておくと、それもそれで「ほっとかれた」って思うだろうし。
 
まあ、無口な保護者というのがベストですよね、と。
そこらへんトイチさんみたいな人が近くにいたというのは条件よすぎなぐらい。
あと、アンナちゃんが人に言われて探索したのではなく、自分から探索した場所に美しくて神秘的なものがあった、というのも良い組み合わせですよねえ。ああいうのは、実際のところはもちろん難しいわけですけれども。あと、マーニーがきれいでさわやかな少女でなかったら、あの子らは仲良くなれたんだろうか、などということも少し考えてしまいました。あれは、そういう物語ですよねえ。
 
でも、まあキャッチコピーにもなった「あなたのことが、だいすき」という言葉が言われるまでの文脈の作り方はやはり立派。主人公の子の孤独感が、それなりに現実にありそうで、凡庸な孤独感だけれども、凡庸な孤独感であるからこそ、少なくない人に響きうる、そういうものをきちんと選んでいてえらいなあ、とただただ感心。

 あとは、あんなちゃんが、保護者のおばちゃん(おかあさん?)が補助金をうけとっている、ということを知っただけで陰鬱な気分になってしまっているという、あそこらへんもねえ、いい話だわ。
 基本的に自分が愛されている、という実感が強い人だと、自分の周囲にあるネガティヴ情報を少しひろっても、「なんで、こいつ、こんなことで悩んでんの?」ぐらいの気分になってしまうものだけれども、自分が世の中から歓迎されているという実感の薄い人だと、ああいうネガティヴなことを妙に拡大解釈して、世界からの疎外感をもってしまったりしますよねえ。10代に限らず、20代でも、30代でも、疎外感が出てしまいやすい構造の人はねぇ、ああいうことになりますよね。



まあ、そんなかんじで。
ほわほわ、と安心して見れてよかったですわ。

投稿 : 2014/08/07
閲覧 : 405
サンキュー:

14

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三崎鳴 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

地味ながら光るところもある小粒の良作

スタジオジブリ20作目。宮崎駿が抜けた後のジブリの方向性を決める一作として注目が集まった作品。原作はイギリスの作家、ジョーン・G・ロビンソンによる児童文学作品であり、1967年に出版された古典名作である。養親から無気力と言われ、友達もおらず、心を閉ざした少女アンナ。喘息を患い養親から離れ療養のため海辺の町で過ごすことになるが、アンナはそこで「これこそずっと自分が探していたものだ」と直感的に感じる古い屋敷を見つける。その屋敷の娘マーニーと親友になり毎日のように遊ぶことになるが、町の人は誰もマーニーの事を知らないという――(wikipediaより引用)。
ミステリ的な捻りがアクセントになっているが全体に通っている軸は内向的な主人公の心理描写であり、退屈と取れる部分は多い。簡潔に纏めれば養親との間に心の溝がある主人公は出会いを通して自らのルーツを知り、最終的には養親を認めることとなる、というものでラストシーンでの「私の、母です」という台詞には主人公の成長や心境の変化が一言に集約されており、非常にぐっとくる。『千と千尋』では大人の世界に触れることで成長するというのが根底にあったが、本作では自分を見つめなおし、自分を知ることで成長するという意識が根ざしている。しかしながら演出面においては、後半の核心に持っていくまでに伏線とも言うべきものを垣間見せる前半部だが、映像としてやや分かりにくさが強めか、『パーフェクトブルー』の多重妄想演出に似たものがあって、(あえてミスリード的にしているのかも知れないが)「主人公、こいつ頭おかしいんじゃないの」と思わせる。この演出が起伏の薄い前半部の大部分を占め、冗長な感じを出している気がしなくもない。総評として、微々たる百合要素もある、少し大人向けのほろ苦い良作といったところか。

投稿 : 2014/08/05
閲覧 : 261
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8

ネタバレ

おにぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

すごくいい!でも…ジブリじゃない(;・ω・)

見た人からは
思ったより、百合じゃない…(´・ω・`)でも感動した!
とか
ゆりんゆりんしすぎて恥ずかしかった///
という感想を聞いて
ほんとのとこどうなんだ!?しかし米林監督か…まぁアリエッティくらいのおもしろさかな…
みたいな感じで行きました!

序盤は、背景めっちゃきれい…主人公嫌なヤツやな…ww
…ちょっと淡々で眠いかな…?ww

そしてマーニーの登場゜∀゜
マーニーの声優さん下手やなww
あれですね。CMで思ったくらいの過不足のないくらいの百合です。
あれを女の子の友情と言うのでしょうか?いいえ、恋です
というくらいに主人公がマーニーにやられてましたねw
なぜにいちいち赤くなるしww

そしてマーニーの正体がわからなくなっていく…
マーニー一体誰なんだ…
気がつけばここらへんからめっちゃ引き込まれてました´∀`
ほんとに女の子がかわいい////
だんだんマーニーの声にも慣れてきました!

そして終盤、絵描きさんからマーニーの正体を聞くとき私の頬には一筋の涙がwwww

また、おばさんが迎えに来たときの主人公の更正ぷり!あんなに嫌なヤツでコミュ障だったのに!!!こんな!いい子で明るくかわいい子になって!!
マーニーのほんとの正体をおばさんが言うとき、絵描きの説明で終わった気になってた私は
え、蛇足じゃね?
ってちょっと思ってしまったけど、また一筋の涙がwww

家族愛に弱いんですねww

以上からわかるように徐々に話に入り込みすごくキャラや世界観が好きになってくんですよね!本当に米林監督は女の子かくの上手ですね!
私もマーニーに抱きつかれた(ごほんごほん

でも、ごっつ子供向けじゃないですよね
多分、私も子供だったらつまんないと思います
しかもジブリ特有のわくわくとか体から風のざわつきとかがないんですよね
淡々としてる感じ
まぁ宮崎ジブリ以外はこんな感じじゃない?みたいかもしれませんがやっぱりジブリ映画は子供も大人もわっくわく!が自分の中で定石なので、もうそんなジブリを見れないのかなぁ…と思うと寂しいです(´;ω;`)

米林監督はこういうしっとり系以外もいけるのでしょうか…?
ぶっちゃけてジブリじゃなくともよかった気も…(;・ω・)

でも本当におもしろかったです!世界観がすばらしい!

投稿 : 2014/08/01
閲覧 : 233
サンキュー:

5

ネタバレ

杞冬@あずさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

リセットなってしなくたってリスタート

ジブリ作品。
心を閉ざした少女杏奈は療養のため海辺の町へと引っ越す。
そこで自分が探していたものだと思う古い屋敷を見つける。
屋敷の住人のマーニーと出会い徐々に惹かれてゆく…

パヤオがいなくなって初めての作品がまさかの百合ですからインパクトはでかいですよねw
友達が行こうとしつこく誘うものですから仕方なく見てきたわけですが…
割かし満足のできる出来だったと思います。
ジブリ作品はもののけの印象が強すぎてほかが薄れてるんだよなぁw
元々動きが少ない作品は見ないのですが、
そんな俺でも見入ってしまうのはやはりジブリの力はすごいんだなと思わさせられる。

ストーリーは最後にあったかくなるそんな展開。
序盤は感情が死んでいる杏奈。
マーニーと出会い心を開いていくうちに普段から行動も変わってゆく。
序盤と終盤の変わりようがよくわかる。
これまでずっと一人だと思ってきた自分はたくさんの愛情をもらい育ってきたことを知り過去の自分を改める。
血のつながらない親との壁もただ自分が作り出していたものすぎない。
ずっと自分の事を愛し続けてくれていた。
血は繋がらないけどちゃんと愛情を注いでいるのって言うのはテンプレなのでしょうがそれでも感動してしまう…
絶賛とまではいかないもののジブリらしさはちゃんとあるので見る価値はあると思う。
じんわりと温かくなるジブリらしさが出た良い作品。

百合で終わらせちゃったらまずいですからちゃんと本当の理由がありました。
何気にアニメ映画はこれが今年初かな??

投稿 : 2014/07/21
閲覧 : 257
サンキュー:

13

ぱぴこ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/02/02
閲覧 : 4

challia さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/20
閲覧 : 1

nana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

投稿 : 2024/01/02
閲覧 : 2

M さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

投稿 : 2023/12/22
閲覧 : 1
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思い出のマーニーのストーリー・あらすじ

この世には目に見えない魔法の輪がある。

海辺の村の誰も住んでいない湿っ地(しめっち)屋敷。
心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、
青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。

「わたしたちのことは秘密よ、永久に。」

杏奈の身に次々と起こる不思議な出来事。
時を越えた舞踏会。告白の森。崖の上のサイロの夜。
ふたりの少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、
杏奈は思いがけない“まるごとの愛”に包まれていく。

あの入江で、
わたしはあなたを待っている。
永久に―。

あなたのことが大すき。(アニメ映画『思い出のマーニー』のwikipedia・公式サイト等参照)

放送時期・公式基本情報

ジャンル
アニメ映画
放送時期
2014年7月19日
制作会社
スタジオジブリ
主題歌
≪ED≫プリシラ・アーン『Fine On The Outsid』

声優・キャラクター

高月彩良、有村架純、松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、吉行和子、黒木瞳

スタッフ

原作:ジョーン・G・ロビンソン『思い出のマーニー』(松野正子訳・岩波少年文庫刊)、 監督:米林宏昌、脚本:丹羽圭子/安藤雅司/米林宏昌、作画監督:安藤雅司、美術監督:種田陽平、音楽:村松崇継

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