mkt03 さんの感想・評価

4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

傑作SFサスペンスドラマ！

年末年始に二度目の視聴を終えたので、レビューしたいと思います。
初めて視聴したのは本放送が終わってからで、
好評価と聞いてかなり期待して視聴しましたが、
その期待を上回る面白さでした。
そして、今回二度目の視聴を終えて、
改めて素晴らしい作品であると感じました。

シュタゲを見終わってまず感じるのが、構成の素晴らしさです。
緩急が上手くつけられており、
要所要所できちんとヤマ場を入れてくるので、
2クールでありながら長さを感じさせません。
一度見始めるとなかなか止め時が見つからなくて困るくらいです。

中盤からはまゆりを死から救うという
目的の元に物語が進められていきますが、
ようやく目的を果たせたと思ったら
今度は栗栖を助けられないという展開には
非常にドキドキさせられました。
こういうラストを匂わせてからのもう一波乱というのは
ツボを押さえていて良かったですね。

また、流れるように展開していくストーリーを遮ることなく、
キャラクターの掘り下げがとても自然に
組み込まれている点も素晴らしかったです。
彼らが抱えているのは、家族との確執や理想と現実との差、
上手くいかない自己表現等、誰もが一度は通りそうな問題で、
非常に共感できました。
最初はやや記号的・テンプレ的で
どこか遠くに感じられたキャラクター達ですが、
物語の進行と共にとてもこちらに近い存在になっていき、
作品に深く入ることができました。

そんなキャラクター達ですが、やはり主人公の
オカリンこと岡部倫太郎が素晴らしかったです。
以前ラジオで、演じられた宮野真守さんが、
「彼がああいう状況に陥ったのも、
彼がやろうとしていることも、
言ってしまえば全て彼のエゴだから、
絶対的なヒーローという感じにはしたくなかった」
という風に仰っていました。
そういった人間の弱い部分も余すことなく見せていて、
人間味溢れているところが、彼の魅力やかっこよさかなと思います。

音楽もあえて触れる必要のないほど良曲ばかりでした。
特に、歌詞と作品が連動していることもあり、
一度本編を見終わってから聞くと、
いろんな発見があって楽しめました。

ということで、1回目でも2回目でも
見終わった後にこれ以上ないくらいの
満足感・充実感を得られる作品でした。
今後の展開にも期待したいと思います。