「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX[スタンドアローン・コンプレックス](TVアニメ動画)」

総合得点
92.1
感想・評価
5048
棚に入れた
21453
ランキング
25
★★★★★ 4.3 (5048)
物語
4.4
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.3
キャラ
4.3

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

サイバーパンクの傑作

 原作は未読。
 同じ攻殻機動隊シリーズありながら一連の劇場版作品とは雰囲気が異なる感があり、この辺は
監督の違いによるものなのかな。
 本作も劇場版と同じようなテーマ性を持っているが、あまり難解にならずに
エンターテイメントとしての娯楽性を強めた印象が強かった。
 本作で描かれた自己や自我の認識定義のような問題、意識と体の問題は劇場版でも扱われて
いたが、特にタチコマに代表される製造品に生じたゴーストの問題が印象深く、いわゆる
ロボットもののテイストが強くなっていたみたい。
 あと個々の意識の並列化や集合意識のような、よりネットワーク社会を感じさせる描写が
多くなっていたのも印象的。

 テレビシリーズという長尺のためか、草薙 素子以外の公安9課の面々が描かれており、チーム
感が強くなった感がある。
 そういう部分ではサイバーパンク的世界観の中にはあるものの、キャラの関係性やストーリー
展開自体はいわゆる刑事ものなどに近い印象。
 それにしてもメンバーが割と普通の服装の中、素子だけが妙に露出が多いのはあれは何
なのだろう?。単なるファンサービス的なものか?。
 この9課のメンバーだが皆、大人でプロフェッショナルな印象で、他作品にありがちな自身の
正義感で暴走するようなメンバーは皆無。
 このメンバーの中では描写が多かったせいか、バトーとトグサが特に印象深い。
 バトーに関しては結構感情的な描写が多く、良くも悪くもプロになりきれていない部分が
人間的魅力を感じる。そして、素子に対しては単なる上司、戦友以上の感情を持っている
ようで、この二人の関係性もなかなかいい。
 トグサに関しては義体化はしていないようで、更に所帯持ちと9課では異色のメンバーだが、
「GHOST IN THE SHELL」で素子が語ったように、彼の他のメンバーとは異なる多様性が
9課の強さに繋がっているように思えた。実際、他とは異なる思考をすることが多く、それが
事件解決に繋がるような展開もあったし。
 基本的には素子以外はおじさんばかりで、他作品にあるような萌えキャラは皆無だが、その分
萌え担当といった印象が強いのが、多脚戦車のタチコマ。ペット動物のような可愛さを感じて
しまったが、それだけでなく次第に個々の自我が生じていく過程は興味深いものだし、最後に
バトーのために自己犠牲の精神で戦いに挑む姿勢は涙を誘う。

 ストーリー的には「笑い男」事件を中心に描かれるが、その真相は単なる犯罪で終わらず、
政治的なものに踏み込んだスケールの大きいもの。そういう意味では社会派的な作品もである。
 現実の厚生省も過去に色々あっただけに、やけにリアリティを感じてしまう。

投稿 : 2016/11/20
閲覧 : 246
サンキュー:

8

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