「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない(TVアニメ動画)」

総合得点
77.9
感想・評価
731
棚に入れた
3557
ランキング
574
★★★★☆ 4.0 (731)
物語
4.1
作画
3.8
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

町を守るための正義の戦い

 原作は既読。
 シリーズごとのテイストが異なるジョジョだが、本作は杜王町という一見平和そうに見える
町を舞台に、そこに潜む悪との戦いを描いたことでモダンホラーテイストが強い。
 元々、ジョジョは「ファントムブラッド」の頃からホラーテイストがあったが、本作はそれが
全開といった感じ。

 これまでのジョジョ作品が諸外国を舞台にしたものであったため、スケールは小さくなった
感があるが、その分舞台となる杜王町、主要なキャラなどの外面内面を含めた描写が深くなった
感がある。
 またこれまでのジョジョ作品の主人公サイドのキャラに較べて、主人公である東方 仗助を
始め、多くの主人公サイドのキャラが普通の高校生だったりと身近な存在で、そういった身近な
存在である彼らが町を守るために戦いを挑んでいくのが本作の持ち味かなという感があった。

 身近なという点では敵キャラもそんな感じで、前半の弓矢を巡るスタンド使いもそうだが、
特にそれが顕著だったのが本作のラスボスとも言える吉良 吉影。
 これまでの世界的に脅威となりそうなディオやカーズと較べて、杜王町でのみ活動する殺人鬼
というスケールの小さい存在だが、より深く描かれた狂気により、印象度はかなり強い。
 特に川尻 浩作に成り代わってからは彼視点の描写が増え、もはや裏主人公の感も。
 ピカレスク小説や暗黒小説などで犯罪者を主役に、いかに犯罪をうまく遂行するかを
サスペンスとするものがあるが、吉良視点の回においてはこの傾向が強いみたい。
 この吉良を追う仗助達だが、サブタイトルにもあるように吉良自身は静かに暮らしながら、
自身の欲求を満たせれば良いというキャラ。リアルの様々な戦い(スポーツなども含めて)でも
そうだが、攻めに転じてこない相手を倒すというのは難しいもので、吉良のように守りに徹する
敵というのはかなりやっかいな感があった。

 ストーリー的には基本的には原作準拠といった感じだが、構成に関しては一部変えられて
いる。
 その最たるものが吉良 吉影を序盤から登場させていることで、平和そうに見える杜王町の
闇といった部分をより感じさせるものになっているように思えた。

 3クール作品ということで、最近では1クールか2クールがほとんどということを考えると
贅沢な感がある。
 回によっては主筋には影響ないようなエピソードもあり、おそらく原作の連載時の引き延ばし
的なエピソードだったのかなという感じ。
 こういった回も映像化されているためにやや冗長的な印象もあるのだが、こういった回は
テイストが変わっているために程よいアクセントになっていたり、キャラが面白かったり
するから切るに切れない感じ。
 こういったエピソードに登場する本筋に影響のないスタンド使いだが、ここで思い出したのが
アメリカのテレビドラマ「ツインピークス」。
 少女の殺人事件の犯人捜しを主筋としながらも、それとは別に変な住人達を描いたことで
ツイン・ピークスという町の特異性を描き出していたが。本作もこういったキャラ達が杜王町の
奇妙さをより鮮明にしていたように思えた。
 こういった効果はスタンド使いに留まらず、杉本 鈴美のような幽霊や、支倉 未起隆のような
(自称)宇宙人まで登場することで、より強調されていた感じ。

 正直なところ、長大な原作を収めるために無理を感じる部分があったり、作画が怪しい回が
あったりもしたが、仗助を始めとする面々が杜王町を愛するがゆえにそれを守るために
戦う熱さは感じられた。
 バトル自体はこれまでのシリーズに較べて頭脳戦要素はより強まっていた感じ。

2018/07/08
2019/01/05 誤字修正

投稿 : 2019/01/05
閲覧 : 349
サンキュー:

4

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