lll1 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
サタデー・ナイト・フィーバー
最初にネタバレなしのを記述します。後半部分はネタバレありです。そのため、この作品を視聴された方、ネタバレOKといいう方のみ読むことをお勧めします。
原作は読んでいません。
まず、良かったところは演出、及び見せ方です。少し、過剰な演出に感じる部分もありましたが、好感を持てるとこもかなりの数ありました。
続いてストーリー。ストーリー自体は悪くなかったと思います。しかし、脚本に少し不満があります。まぁセリフです。「レムりん」やら「だいじょうび」やら「エミリアたん」など、この作品に入り込んで視聴したいのに、これらのセリフで戻される。コミカルなシーンでの使用ならまだ分かりますが、シリアスなシーンでも使用するのはどうかと思います。
次にキャラクター。特に好きになれるキャラクターはいなかったです。しかし、これは私個人の要因になるので評価を特に左右するつもりはありません。上にも書いたように喋り方が気持ち悪いなという様なキャラクターがかなりの数いたのには不満があります。
作画は特に乱れることもなく良かったです。
声優について。クルシュ・カルステン役の井口裕香の演技が少し気になりました。無理やり声を低くしているんだと思ったのですが、そのせいか演技がいまいちでした。明確なセリフは忘れてしまいましたが「突撃!」という様なセリフとき、全然声が出ていなかった印象。これから盛り上がるって時に迫力がない。
音楽を、上手く使用しているシーンも結構ありました。奇妙なことが起こったり、不気味なキャラクターが出てきたシーンなどでは、音楽を大きく変えるなど。ただ、挿入歌を登場人物が喋っているシーンで流すのはいただけない。
↓ここからネタバレ
{netabare}
結構この作品には思うところがあったので、特に印象に残ったところを。
キャラクターの心理描写を、主人公のみしかやっていないのは好感を持てました。しかし、それでも主人公のことが良く分からないところもあった。主人公があれほどまで、エミリアを好いている理由がいまいちよく分からない。描写不足かな。
たくさんの登場人物がいますが、全く描き切れていません。この作品は長いと聞いているので、後々の話で絡んでくるんでしょう。
独立領とか持っているのかな。よくこの作品の設定が理解できていません。5人の王が一緒の都市にいるっておかしいでしょ。しかし、設定は触れても仕方がないと思うので、特に触れません。そういうもんだと承知して観るしかないでしょう。
何話か印象に残ったところを。
まず、第1話。終わり方が見事だったと思います。一度ループをさせ、視聴者と主人公に疑問を持たせるような形にし、最後にもう一回ループをさせる。このシーンでこの作品はけっこう見応えのある作品になるんじゃないかと思いました。エンディング曲の入りが絶妙でした。
次に第7話、自殺の回。主人公は最初自殺するのを止めたのに、あんなに勢い良く飛びおりるのには疑問。もっと葛藤を描き、死にたくないけれど、死ななければならない。という様な感じで、迷い恐れながら、足を踏み入れた方が主人公に共感できるかなと思いました。
少し変わりますが「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」というテレビアニメの第12話が自殺エンドです。私個人としては、こちらの方が演出レベルが高く、驚きを強く感じました。
続いて第8話。主人公が情緒不安定な様が描かれていましたが、それが視聴者に不安を煽るようには到底思えず、ただただうざい。あの後の、弱みを吐きだすシーンは良い。ああいったシーンは、必要だと思いますし、個人的に好きです。けれど、そのシーンへの持っていき方が雑かなと。
次に第15話、吹雪。吹雪のシーンでエンドロールが流れ、暗転したので「すごい終わり方したな」と思いましたが、終わらなかった。あのまま、終わっていたら衝撃的なエピソードになっていたと思います。惜しい。死に戻りする事は、視聴者皆が分かっている。
次に第17話、白鯨からの逃亡。一番好きなエピソードです。唯一泣きそうになりました。レムの存在を知らないと言ったオットーに対して、殴り怒りをぶつける主人公。そして、自分自身のせいで、レムを死なせ、狙われいてる理由を悟った直後に、オットーが主人公を切り捨てるんですね。雇い主を犠牲にしてでも、生きることを強く望むオットー。切り捨てられ竜車から落とされて、激痛を伴った主人公が、この後にとった行動が「死にたくない」と逃げる。死が目前に迫って恐怖したんでしょう。オットーや主人公の気持ちが十分に理解できて、感情が大きく揺さぶられました。
泣きそうになったのは「死にたくない」と逃げる主人公のシーンです。これらの一連の流れがあったからこそだと思います。ここの脚本の巧妙さは見事。
最後に第18話、レムとの対話。一話まるまる会話劇でやったのには驚きました。テレビシリーズでしかできないことだと思います。映画だと尺がもったいないので、なかなかやれません。(まぁ会話劇のみで進む映画もありますが)。しかし、終盤のハト?が飛ぶところの演出が過剰かなと。印象的で素敵なシーンにしたい気持ちは分かります。ハトが飛ぶのは良いとしても、降っていたものはなんなんですかね。雪の結晶みたいなのが降ってましたけど。ちょっと良く分からない。
あと挿入歌です。レムのセリフは重要なのに、歌詞のある歌を流したせいで、セリフと歌詞がかぶります。
{/netabare}
最終評価は 6 / 10点です。5点にするか迷いました。5点に近い6点だと思ってください。