「ヴァイオレット・エヴァーガーデン(TVアニメ動画)」

総合得点
94.1
感想・評価
2535
棚に入れた
10309
ランキング
6
★★★★★ 4.2 (2535)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 2.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 2.5 状態:観終わった

拝啓、京都アニメーション様

あと2話残していますが、私の率直な感想を述べさせていただきます。
やや残念な出来です。

原作を大幅に改変しているゆえに何が本筋であるか分かりづらくなっていますが、本作のプレミスは
「戦場で人間兵器として扱われた少女がドールとして生きていく中で感情を少しずつ取り戻し、
その過程で沸き上がってくる喪失感、そして戦中に人を殺めてしまった自分への罪悪感と向き合う話」
となります。

最初の数話を拝見するに、ヴァイオレットは感情のないロボットや人形ではなく、
未熟ながらも感情は確かにあるように見受けられました。

ヴァイオレット・エヴァーガーデンという物語は、
ドールという仕事を通じて職場の仲間に支えられ多くのお客様と交流し、
今はまだ新芽のような感情を育て、やがてスミレのような花を咲かせるまでを描くものだと考えておりました。
最後には、ヴァイオレットはその花言葉の通り誠実さに溢れる女性へと成長するのだと。

――愛しているを、知りたいのです
とヴァイオレットは懇願します。

私は貴殿らに問いたいのです。
そんな少女の切実でありながらも「ささやかな」願いを叶えるために、
こんな仰々しい感動話をいくつも連ねる必要が本当にあったのでしょうか。

悲しいお話に悲しい音楽、泣きの演技。感動、感動、また感動。
手練手管の泣かせテクニックで視聴者を感動させようと躍起になっていますが、
目的と手段を混同してはいないでしょうか。
ヴァイオレットの心模様を丁寧に描いていけば
もっと地に足のついたストーリーでも充分感動させられたのではないでしょうか?

このヴァイオレット・エヴァーガーデンというアニメは
まるで "美しい言葉を並べ立ててはいるが気持ちの伝わってこない手紙"
のように感じます。

第3話で
「時に手紙は…たくさんの美しい言葉を並べるより、
一言だけで大切な気持ちを伝えることが出来るのです」
と語り、
また第5話で美辞麗句を書き連ねた恋文よりも、
ありのままの心を写した飾り気のない恋文の方が相手の気持ちを動かすという
ストーリーを披露しておきながら、
どうしてこのような作品になってしまったのでしょうか。

他にも申し上げたい事は山のようにございますが、
未完故に今はまだ心の内にとどめておきます。
あと2話での名誉挽回を期待しております。

投稿 : 2018/03/24
閲覧 : 506
サンキュー:

48

ヴァイオレット・エヴァーガーデンのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ヴァイオレット・エヴァーガーデンのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

雀犬が他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ