をれ、 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ヒロインたちにまるで「好き」を感じないのに毎週楽しみなのは自分的に何故?(全13回視ました)
放送分13回視聴完了記念書直
(下の頭オカシイ書込を残しているのは私がこの程度であるということと、この物語を中盤ぐらいまで過小評価していた反省の為です。)
この物語は、数話で構成されていて、各々ヒロインにスポットを当て思春期症候群という異変に、主人公が取り組み解決するものです。その際の感情や情緒の描写が、繊細かつ精密でしかも丁寧で分かりやすいです。そして今となっては、ラブコメ要素は私にはトッピング程度に味付けに感じられるだけで、ヒロインたちの悩みや精神的な困難を解決していくのがメインのお話だと、中盤ぐらいまで気が付きませんでした。負け惜しみを言えば、最初のヒロインが咲太と付き合うことになる麻衣さんだったから、ここからラブコメ全開だろうと、思ったのが間違いの元凶でした。お気楽な、いわゆる女子図鑑ものとは違って、ヒロインの内面的な悩みを取り扱うのは異色だと思います。結局ヒロインたちに「スキ」を感じないのは彼女らの悩みや困難が私には解決できないくらい大きく複雑だからだと思いました。
この作品は、今までに私が視た学園生活もの中で、私的に有数の素晴らしい作品だと思います。
以下最初の感想部分
♪キミのせい♪キミのせい♪キミのせ~い(血中アルコールは高濃度w)
リアルが充実した青春を過ごせた人もそうでなかった人も、キミ(自分自身)のせい(責任)なんでしょうか??まわりや運命のせい(影響)と異論を唱える者多数の予感がしますが..個人的には殻に閉じこもっていた自分のせいです。
それはさておき、私はラブコメやラブロマンがとても好きなようです。所謂完走したアニメは振り返ればこのジャンルの要素が濃いです。取り返せない青春の日々を、アニメというパラレルワールド/タイムリープなどをつかってw事実や記憶を書き変える妄想wを無意識にしているのかもしれません(頭オカシイですw)。
しかし、この作品の場合、普段見ているラブコメとは少し違う楽しみ方をしていると感じています。実は自分でもよくわからないです。
さて、そろそろ表題の件ですが、つまりこんなヒロインが自分の恋人だったらよかったのになあぁぁなどとは微塵も思わないということですが、もちろんキライというわけでもありません。好きになるタイプではないということです。にも拘わらず、何故か毎週視聴時間があっという間に感じられます。それは何故なのでしょうか?
ちょっと話の整理を試みれば、登場人物たちに共通しているのは、思春期的な恋愛の悩みにモガキ苦しんでいて、その悩みが超常現象的な異変として現れます。その悩みや現れる現象はもちろん各自異なっています。そしてその悩みを解決していくことで異変を終わらせることができるようです。さらにその異変を解決するインセンティブは主に主人公の恋愛を進めるためのようです。
というわけで、私は思春期的苦悩を思春期にしなかったせいなのか、登場人物たちの苦悩の原因やその時の気持ちに興味があるような気がします。この作品でその苦悩を登場人物と一緒に追体験し、異変が終息するのを願いながら毎回見ているような気がします。
以下加筆部分。(2018/12/22)
第12話がとても秀逸だったので、何か書きたくなりました。
本作の思春期症候群というのはその異変が発症した本人以外の思いも原因となるような気がします。それは、妹の記憶や人格の喪失という異変が、
従順でカワイイ妹でいて欲しいという兄の気持ちの反映でもあったように感じられたからです。それは最後の場面で、元の記憶や人格を取り戻した妹に向けられた兄の狼狽に満ちた表情が、そう感じさせるものだったからです。
加えて、消滅した人格が成し遂げたかったことが残されているのが、悲しみをさらに大きくしているのではと思います。