をれ、 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
まじめで現実的なストーリー
地域起こしを題材にするというビジネス的に大丈夫なのかなぁぁという作品。
地域起こしに携わったことのある友人が私にはいて愚痴をよく聞かされました。「イベントをしても何も残らないし、新しく事業を起こすよりも現状維持に汲々としていて、出る杭などあろうはずもない。また、補助金が中央の方から出ても交付期間が終わるとその事業は跡形もなくなり、むしろ以前よりも疲弊する、つまり気まぐれに押し付けられた赤字ビジネスを補助金と手弁当のボランティアの熱意で埋めているだけ」、だと。
そしてその友人はさらに曰く、「ワカモノ、バカモノ(;今までにないことをする人)、ヨソモノ」が地域活性化のカギなどとよく言われているが、本当に馬鹿にしている。その地域の実権を持っている年長者たちは、自らプレーヤーになろうとはせず、そればかりか一切何もせず、成功を横取りするために彼らを利用する」、ということだそうです。
さて、この作品では地域起こし事業を不自然で単純な成功話に終わらせていないのがとてもいいところだと思います。また商業作品にするためか、明らかな悪者は登場しませんし、地域の人たちも比較的好意的に地域おこしを見ているように描かれています。そして、なによりも解決困難な課題である地域おこしに対し様々なアプローチをとりその各々を丁寧に取り上げています。そしてもちろん特効薬のような解決法など決して存在しないことも示されています。
こう書くと何か固い話ばかりなのかなと勘違いされても仕方ありませんが、コメディ要素も多いし、失敗談ばかりじゃありませんし、あまり肩の凝らないお話です。それは分かりやすく説明されている場合が多いからかもしれません。そして生き生きとしたヒロインたちを見ているとなんだか楽しくなります。