「彼方のアストラ(TVアニメ動画)」

総合得点
89.5
感想・評価
975
棚に入れた
3809
ランキング
76
★★★★☆ 4.0 (975)
物語
4.2
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

SF、ミステリー、冒険といった各ジャンルがうまくまとめられた

 原作は未読。
 訳あって少年少女だけになってしまった状況で危機に対処していく冒険ものという点で、
往年のジュブナイルの雰囲気を思い出す。
 多少のごたごたはあるものの皆で協力していく気持ちの良い展開は「十五少年漂流記」を
思わせるもので、まあ似たような状況でも陰湿さを極める「蠅の王」のようにならなくて
良かった。

 設定や世界観などからジャンル分けすると宇宙SFなんだろうけど、ストーリーの骨子は
ミステリー。
 このミステリーの謎要素だが、大きく分けると人類全体に関わる大局的なものとアストラ号の
クルーに関わる局地的なものの2つあり(細かく分けるともっとあると思うけど)、それらが
うまいこと絡みあっていた感じ。一部、叙述トリックも使われており、この辺も面白い。
 先に宇宙SFと書いたが、実際の行動は訪れた先の惑星上で行われることが多いため、むしろ
秘境冒険もの的な色合いを強く感じる。

 SF的設定やストーリー展開に多少の粗を感じることもあったが、この作風なら変に
リアリティにこだわるより、勢いやエンターテイメント性を大事にしたこの姿勢で正解
だったように思う。
 結局、誰一人欠けることなく帰還して、その後も全てがうまくいくという清々しいまでの
ハッピーエンドで終わったが、作品の雰囲気的にも鬱的な要素を入れない、この展開で
良かったかな。
 ラストはアストラ号を手に入れたカナタが宇宙に旅立つところで終わる。
 それまで作品タイトルは「彼方にあるアストラを目指す」的な意味合いだと思っていたが、
「カナタのアストラ号」といった意味もあったみたいで、ダブル・ミーニングだったみたい。

 キャラはアストラ号のクルーなどいずれも魅力的だったが、作中での行動などは
カナタ・ホシジマに頼っている感が強く、そういう意味ではキャラの印象度に較べて活躍度合いは
それほどでもなかったような。
 その分、カナタが突出していた感があり、考えるよりまず動くといった感のケレン味のない
真っ直ぐさはいかにも少年漫画原作の主人公らしい魅力が溢れていたように思える。
 こういう真っ直ぐさはテレビ放映時、同時期に放映されていた少年漫画原作の「鬼滅の刃」の
主人公である竈門 炭治郎や、「炎炎ノ消防隊」の主人公である森羅 日下部にも感じられたが、
同じ冒険やバトルなどのアクション要素の強い作品でも、良くも悪くも捻った感じのタイプの
主人公が多いラノベとは、スタンダードとする主人公のタイプが異なるものだなと改めて思ったり。

2019/09/22
2024/02/25 加筆・修正

投稿 : 2024/02/25
閲覧 : 228
サンキュー:

11

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